あ 青(Ruguz) : 名詠式の基幹とも言うべき、五色の音色の一つ。そのイメージは「海」であり、 派生して「水」ともされる。 水は世界を巡り生命を育み、世界は生命に満ちていく 生命は野を駆け空を渡り種を遺し、そして最後に海へと還る。だからこそ── 『生命はその身体の内に海を含む』 これはミラーが好んで口ずさむ言葉でもある。 赤(Keinez) : 名詠式の基幹とも言うべき、五色の音色の一つ。そのイメージは「炎」と「血」の 二説があり、学派によって異なっている。 炎は希望、血は誓い。過去の咎めを炎が焼き、新たな結びを血が拓く。 時として出会い、時として別れる。 ゆえに──『至上の願いは灼熱の誓血でもたらされることとなる』 アーマ: 夜の真精たる〈牙むく者〉の幼生体。外見は真っ黒なトカゲで、大きさは猫を 一回り小さくしたほどの大きさ。当人はトカゲと呼ばれるのが嫌らしく、 クルーエルとは常時喧嘩中。人称は「我」。 常に偉そうな口ぶりだが、これは「詠ばれる」側である名詠生物としては珍しい 類に属する。もう一体の真精である〈イヴ〉と異なり現世界に実態として存在。 これも、真精としては規格外である。 その真実の姿は、 調律者Clar Ele Selahpheno sia-s-Armadeus【その意志に牙剥く者】の幼生体。 始まりの女(イヴ)の片翼を担う存在であり、彼女が名詠される場合には 牙剥く者(アマデウス)としてこの世界に名詠される。 牙剥く者(アマデウス): 〈イヴ〉と同時に存在するとされる夜の真精。外見は、漆黒の表皮を持つ巨竜。 真精を呼び出すために必要な三重連縛はなく、イヴを名詠した段階で同時に 現世界に出現する連奏型名詠生物。 〈牙剥く者〉を単体で名詠することができるかは、不明。ただし幼生体アーマとして の名詠ならば可能であることは判明している。 その時の難易度は第二音階名詠(ノーブル・アリア)に相当するらしいが、詳細は不明。 連奏型名詠生物であったり、他の真精と異なり幼生体として世界にとどまれるなど、 名詠の常軌を逸したイレギュラー存在。 牙剥く者──とは、いったい『誰に(何に)』牙を剥く者なのか。 考えようによっては、イヴ以上に不可解な点が多い真精である。 アマリリス: 冒頭でクルーエルが詠び出した緋色の花。 クルーエルはこの花が特に気に入っており、普段は花瓶などに花をささないものの、 名詠で花を詠び出すときはたいていこの花を選んでいる。 緋色の花弁をもつ小さな花で、その花言葉は『おしゃべり』そして『内気の美しさ』。 赤の真精である黎明の神鳥(フェニックス)を詠びだすための特有触媒。 アマリリス: クルーエルが好む花と同名の、空白名詠の調律者。 クルーエルの心の内部に名詠されているものの、ほぼ同時期にカインツが孤島で 出会っている。このときの姿は幼少時のクルーエルの姿であった。 始まりの島(ツァラベル)にてラスティハイトを封律した彼女を、ヨシュアは 〈緋色の背約者〉と呼んだ。また彼女は自身を自ら〈その約束に牙剥く者〉、 〈残酷な純粋知性〉と称する。 その真実の姿は、残酷な純粋知性(ソフィア・オブ・クルーエルネット)たる クルーエルから分岐したもう一つの自我。自身を守ろうとする防衛心が形をなした ものであり、クルーエルの心の『妹』にあたる。 その目的は、母体たるミクヴェクスからのクルーエルの解放。 始まりの島でシャオがミクヴェクスの名詠を行った時、自身の力のほとんどを消費 する代償に、自らがこの世界に割りこむ形で名詠された。 もっとも、彼女もまたミクヴェクスが母体であり、逆らい続けることはできない。 そのためアマリリスはミクヴェクスを超える名詠式として、カインツの虹色名詠に 目をつける。が、それも虹色名詠がイブマリーという少女にのみ作用することを 知り、嘆く。 後のない状況で、最後にアマリリスが選んだ名詠士は──── アルヴィル・ヘルヴェルント: 底抜けに陽気で明るく、閉鎖された祓名民の世界で、エイダにとって唯一心を許せた男。 祓名民としての技量は高く、長老ルーファが自身の最後の直弟子と認めたほど。 また天性の器用さで、複雑な祓戈の修復が可能であった数少ない金属加工士でもある。 灰色名詠の真精と戦い折れたエイダの祓戈、それを修復したのもまたアルヴィルであった。 が、その修復を終えて間もなく、アルヴィルは忽然と姿を消した。 凱旋都市エンジュにて、シャオのパーティーの一人としてエイダの前に姿を現す。 イ短調: 祓名民の首領クラウスが、自身の知人を集めてつくった非公式の組織。 クラウスに認められた者のみスカウトされるという形式をとっており、 構成員は全部で十一人。参加順に番号が割り振られている。 なお作中において現在確認されているのは、 第一番 クラウス・ユン・ジルシュヴェッサー(首領) 第二番 ネシリス(大特異点) 第三番 ルーファ・オンス・ジルシュヴェッサー 第五番 ティンカ・イレイソン 第六番 シャンテ・イ・ソーマ(歌后姫) 第九番 サリナルヴァ・エンドコート 第十一番 カインツ・アーウィンケル の7人である。 イヴ: 孤独な夜闇の少女が『成った(変化でも進化でもない)』後の姿。 人間の形状、正確には十数歳の少女の姿をした真精。どのような技法を用いて 真精へと身を移したのかは今のところ不明。 〈牙むく者〉同様、不可解な真精の一体。人間としての性格・記憶は残っており、 ネイトには母性、カインツに対してはクラスメイトとしての一面も見せる。 名詠条件である三重連縛は ◆「夜色の炎」 ◆ 連奏型〈讃来歌〉 ◆ 適格者条件──彼女が生前「真名」を教えた名詠者 が必要となる。もっとも、ネイトが正しく彼女の名を呼んだかどうかは、 傍にいたクルーエルのみが知ることなのだが。 夜色名詠の支配者として詠び出された真精でありながら、第二音階名詠である 〈ゲーティア七十二柱〉を詠び出し行使する。「真精(ヒドラ)が他の生物(キマイラ) を詠ぶのは見たことがない」とはカインツの弁であるが、〈盈る嘖色の蛇〉も キマイラを名詠したことから、これについては真精の中でも数種は可能であるらしい。 名のスペルは『Eve』ではなく『Ive』であり、これはセラフェノ音語による命名である。 イフレティカ; クルーエルが参加している護身部の部長。 短く切りそろえた深い紺色の髪に、獅子の類を思わせる金色の切れ長の瞳。 鋭利な顔のラインに加え、額には常に白地のハチマキをしているらしい。 趣味は筋力トレーニングとお菓子づくり。 甘党のクルーエルは、イフレティカから時々お菓子の作り方を教わっているのだとか。 このように女子に対しては別け隔てなく優しく人望も厚いのだが、相手が男だと 態度は一変。何かあればすぐに愛用の武器を取りだして打ちのめそうとする。 なお、クラスメイトにはキリエの姉が在籍し、二人揃うと手が終えなくなると教師 からも危険視されている。 イブマリー・イェレミーアス: 夜色名詠を目指し奮闘していた少女。 濡れ羽根色の髪に、それと同色の瞳。他人とうち解けることもなく、常に独りを好む。 (が、実際はそう思いこんでいたのは周囲の方で、彼女自身が好んで独りでいた わけではない)。 学校では名目上赤色名詠を専攻としていたが、教師の隙を見ては夜色名詠の練習に うつつを抜かしていた。その割に赤色名詠についても習得は早く、実技の成績は良い方。 夜色名詠の才能についても、ネイトより遙かに上を行く。 孤児院で泣いていたネイトを見そめ、預かる。 調律者の1体 Clar Ele Selahpheno sia-s-Armadeus【その意志に牙剥く者】に選ばれた 少女。彼女のために夜色名詠は存在し、究極の触媒であるアマデウスの牙により真精と して転生した。なお、いつの段階で転生が行われたのかは不明。 【その意志に牙剥く者】を名詠するアマデウス真言〈全ての歌を夢見る子供たち〉を 与えられているが、彼女の死去により、この世界で【その意志に牙剥く者】を名詠で きる者は不在。 エイダ・ユン=ジルシュヴェッサー: 小柄で日焼けした、ネイトたちのクラスメイトたる少女。 名詠式を学ぶその裏で、祓名民(ジルシェ)という特殊な戦闘技能を磨いた 家系に生まれたという背景を持つ。 150年の歴史に及ぶ祓名民の歴史、その中で若干13歳という怪物的な若さで 祓名民の名を語ることを許され、15歳で『祓戈の到極者』という至高の称号を 授与される。 しかしまもなく、クラウスと喧嘩別れに近い形で家を飛び出した。 トレミア・アカデミーにした理由は、「田舎でのんびり名詠の勉強ができ、 かつそこそこの教育水準を誇る」という学校が他にあまりなかったから。 学校では普段から有り余る体力を持てあまし、暇さえあればネイトをからかって いるらしい。サージェスやキリエなどと共に、『クラス四大暴走娘』として教師の ブラックリストに載っている。 孵石(エッグ); トレミア・アカデミー学園長知り合いの研究所で試験的に作りだされた触媒。 触媒としての効果もさることながら、触れた途端名詠者の素養に応じて自動的に 名詠を開始してしまう。接触者の力量によっては、本来〈讃来歌〉がなければ 名詠できないはずの第一音階名詠すら実行してしまう可能性がある。 が、〈讃来歌〉抜きでの強制的な名詠のため、研究所内では完成前から「名詠が 暴走するのでは」という危険性が指摘されていた。 その製造責任者は灰色名詠の祖ヨシュア。 その内側に封入されていたものは、ミクヴェクスが自分の力の一端を結晶化して この世界に送りこんだミクヴァ鱗片。この孵石の外殻は、実はミクヴァ鱗片が 強力すぎるがゆえの緩衝材として機能していた。 現存するものは全て回収され、残っていないとされている。 エルファンド名詠学舎 カインツ、イブマリー、ゼッセル、ミラー、エンネなど 数多くの生徒を育てた学舎。名門ではないものの由緒ある学校として、 地方校としてそこそこの教育水準(中央の大学校には遠く及ばない)を誇っていた。 経営難で閉鎖という話だが、それはあくまで表面的な発表 (その当時学生だったカインツも、経営難としか聞かされていない)実際の真偽は不明。 その学校が取り壊された後、一線を退いたゼアがトレミア・アカデミーを建設。 エンネ・レビネシア トレミア・アカデミーで白色名詠を教える教師。 ふだん物静かな口調で、見た目も優しげな女性。生徒のみならず教師たち からの信頼も厚い。かつてはイブマリー、カインツたちと同じ教室で学ぶ仲だった。 他のクラスメイトであるゼッセル、ミラーとは幼等部からの縁。 彼らと同じく、今は最上級生の担当を請け負っている。 クルーエルたちのクラス担任であるケイト教師と仲がよいらしい 王に傅く子(アルセイ・レフィス) 灰色名詠の第二音階に属する小型精命。 巨岩を人型にむりやりくっつけたような、無骨で人工的な体型を持つ。 移動速度は遅いものの、その巨体通りの豪快な腕力をほこる。 単純な力比べでは他色の小型精命でもこれに勝てるのは非常に少ない。 3巻では、クルーエルが詠びだしたサラマンダーと相討ちになったことがある。 なお、セラフェノ音語では arsei=王の lefis=子 という意味がある オーマ・ティンネル ネイトのクラスの男子クラス委員。 鳶色の髪に鳶色の瞳をした、やや背の高い生真面目そうな顔つきの男子生徒。 が、実際はのんびりした生徒。ネイトのクラスでは男子の方が全般的に大人しいので、 割と楽なポジションにいると本人は語る。大変なのは女子の方らしい。 好きな言葉は「自主性」。 讃来歌(オラトリオ): 名詠者(名詠士ではない)が名詠を行う時に詠う歌。歌である理由は、 外部に「音」と「詩(情報)」を同時に発生させられるから。 ──と、現状では説明がなされている。真偽は不明。 簡略的な歌はミドルスクールで習うが、ハイスクール以降では自分なりに 〈讃来歌〉をカスタマイズすることが求められてくる。 その言語は現代語ではなく、太古から存在したという『セラフェノ音語』であり、 そうなった起点は不明。 真精の名詠になくてはならない、三重連縛を解くための最重要鍵。 その性質は大別して定鎖式と願響式、無韻(刻印)式がある。 ◆【定鎖式】 ──『 lor besti redi ende keofi - l - lovier 』 のように、三つの属性決定鍵を歌の中に組みこんだもの。呼 び出す物のイメージが既に脳裏で明確化されている時に用いる。 ◆【願響式】 ── 自分が望む物の姿が決まっていない時、自分が相手に望む 要素を属性固着鍵で絞りこむのがこの形。特に第一音階名詠では、名詠者は どの真精を呼ぶか選べないことが多い。真精の方が、自分の好む相手にのみ 真名を授けるという背景がある。 ◆【無韻(刻印)式】 ── 声に出すことなく、特殊な形で〈讃来歌〉を刻む タイプ。黎明の神鳥などがこれに相当する。 讃来歌の完成形は、それぞれの調律者の『願い』を映した真言と呼ばれる。 その言語はセラフェノ音語でなく、セラフェノ真言と呼ばれる特殊な文法と単語。 現在のところ判明しているものは、 ◆アマデウスを名詠するアマデウス真言〈全ての歌を夢見る子供たち〉 ◆ミクヴェクスを名詠するミクヴェクス真言〈全ての約束された子供たち〉 ◆アマリリスの願いを実現するアマリリス真言〈全ての目覚める子供たち〉 の3つである。 名詠資格者は順にイブマリー、シャオ、クルーエルとなる。 アマデウスとミクヴェクスの抗争において、各時代ごとにアマデウス真言と ミクヴェクス真言は、その時代の名詠士に伝えられてきた。 しかし現時代において、アマデウス真言が夜色名詠の真言になったことにより、 夜色名詠の創造者であるイブマリーが死去した結果、アマデウス真言は使用者 不在の状況にある。 また、アマリリス真言はクルーエル以外に詠うことはできないとされる。 か カインツ・アーウィンケル: 若干20代にして全名詠色をマスターした希代の名詠士。通称、虹色名詠士。 ミドルスクールまでイブマリーと同じ学校に通い、互いに相手の存在を認め合う。 トレードマークである枯れ草色のコートはミドルスクールの時に彼女からの贈り物。 ハイスクールまでの名目上の専攻は黄色名詠。そのためか、とっさの時に彼が 使うのは黄色名詠である場合が多い。 クルーエルやネイトがわりと積極的に〈讃来歌〉を詠うのに対し、彼はとある理由から 〈讃来歌〉を極力詠わないようにしている。ゆえに〈讃来歌〉が必須となる 第一音階名詠は滅多に行わない。 そのため、彼のことを妬む者からは、陰で『詠えない名詠士』と揶揄られることも。 現在はクラウスの指揮するイ短調に名を連ねている。 触媒(カタリスト): 名詠に用いる代償物。基本法則として、一度触媒に使用した触媒はその効果を失う。 正確には、名詠を行った後の名詠門(チャネル)が、一度閉まる際に 以前に増して固く閉じられてしまうため。 上級者ならば無理やり名詠門をこじ開けることも可能。 が、それでも第二音階名詠ほどの名詠は難しいとされる。 触媒において、この世界に存在する最上位がミクヴァ鱗片とアマデウスの牙の二つ。 どちらも調律者の力を結晶化させたものであり、調律者の名を冠している。その効果 としては、どちらも『あらゆる色の名詠が可能』であることと、『無限回』の名詠が 可能であること。 ※ただし、ミクヴァ鱗片で夜色名詠の真精及び調律者を名詠することはできない。 これは対峙する存在同士の波が互いを打ち消し合ってしまうから。 これが実際に現象として生じたものが、トレミア・アカデミーにおいてネイトが 〈孵石〉を携えて夜色名詠の第一音階名詠を詠った時。 あの時には真精たるアマデウスでなく第二音階の小型精命が現れたが、真の理由は これが原因だった。 黄(Surisuz) : 名詠式の基幹となる、五色の音色の一つ。目に眩い色とされ、そのイメージは「黄金」。 これは金塊というより「光輝ける物、高貴な物」としての金。 黄は輝けるもの。光と友成し玉座を彩るべきもの。転じ──『黄は力の証となる』。 キマイラ 獅子、雄山羊、ドラゴン。三つの首を持つ怪物。 背中には翼を持ち、ある程度の高さまで飛翔することが可能。その実、 外見こそ恐ろしいが動き自体はあまり敏捷ではない。これは三首がそれぞれ自分の意志を 持つがためとされているが、その真相は不明。 キリエ・イレイソン ネイトやクルーエルと同じ教室にいるクラスメイト。 ウェーブがかった金髪と大人びた風貌の女子生徒。料理研究部の副部長に所属し, 講義の時間以外は全て部の部屋にこもって料理の研究に勤しんでいる。 一人前の料理研究家になるため努力をかかさない健気な生徒。 ──というのが、一年生の担任教師『以外』の教師の評価。一年生教師および 彼女のクラスメイトだけは、彼女の暗黒面を知っている。 情報通のミラーの弁を借りるなら。 「キリエか。ああ、学校の一部ではとても有名な学生だ。なにせあの猛者揃いの 料理研究会で、じゃっかん一年ながら副部長の座を手に入れた女生徒なのだから」 という感じ。 料理研究会とは名ばかりで、その実態は刃物マニアの集まり。 完全実力主義の部活ということでも有名で、部長選びの際は部員が校舎屋上に集結して、 刃物アリ不意打ちアリの集団乱闘生き残り戦が行われる。 毎年相当数が病院送りになっているらしい。料理というのは名ばかりの、 トレミア・アカデミーでも五本の指に入る武闘派サークル。その副部長がキリエである。 本編にこそ出てこないが、古今東西ありとあらゆる刃物を使いこなす。 その技量は教師からも「暴走させると厄介」と言わせしめるほど。 エイダとは気が合う反面、サークル対抗戦で3時間渡り合った仲(あくまで裏話)
もっとも、これは本編には出てこない裏の彼女である。 当初、短編に出る予定だったという噂もある。 空白 始まりの色。全ての生まれる子供たちが抱く色。 世界をそのまま映しだす透きとおった色。 シャオとアマリリスのみが使用する名詠色。 二体の意志法則体が、始めに名詠式として生みだした色が空白である。 当初は二体の意志法則体の名詠を目的としていたが、イブマリーが夜色名詠を 創造し、アマデウスが夜色名詠の調律者となったことから、空白名詠で詠ぶことの できる調律者はミクヴァクスのみとなった。 ※母体ミクヴェクスの属性を受け継ぐアマリリスもまた、イレギュラーな形での 空白名詠の調律者ではある。もっとも、アマリリスの存在そのものは空白名詠には 影響しない。アマリリスが何らかのかたちで消滅した場合、クルーエルの名詠式のみ 影響を受けることが予想される。 空白者 3巻にてエイダが退けた謎の名詠生物。 全身不可視の透明体であり、気配だけで察知する必要がある。居場所の探知には 手間どるが、単体での脅威度は高くない。 シャオが名づけ、アマリリスもルーファの前で名詠してみせた。 クラウス・ユン・ジルシュヴェッサー; エイダの父親であり、ジルシェを総括するユン家の当主。 24歳の時に祓戈の到極者の試験に挑戦し、見事これを果たす。 祓名民としての実力はエイダをして 「岩のような頑固親父だが、あれだけは認めるしかない」 と言わせしめるほど。誰もが認める、名実共に祓名民の首領。 「先輩、キマイラぐらいなら素手で倒せるんじゃないですか」といたずら心で 訊ねるカインツに、 「いや……試そうとしたらキマイラの方が逃げ出してな。結局できなかった」 と答えてカインツを呆れさせるほどの猛者。 たった一人で疾竜を還したという逸話も残している。 その厳つい体型と顔と対照的に、名詠式はもちろん学問にも広く精通しており、 そのため大陸中の学者からも広く顔を知られている。 現在はイ短調のリーダーも勤めている クルーエル・ソフィネット; 赤色名詠を目指す、あざやかな緋色の髪をした少女。 何事にもそこそこの才覚を発揮し、それゆえに真剣に打ちこめる物を見つけあぐねていた。 ネイトと出会い、また名詠に真剣に打ち込むミオたちの姿を見て心がゆれ、 それをアーマに指摘される。 「赤色名詠に関し、お前はネイトの母親に近い感性を持つ」──とはアーマの言。 クルーエルは知らないが、これはアーマが人の才能を褒めたものとしては最上位の褒め方だった。 特に圧巻と言うべきはその成長速度。 特にフェニックスたる黎明の神鳥を詠びだしてからの名詠技術の伸びは、成長というより進化 という言葉が相応しいかもしれない。 空白名詠の調律者アマリリスを心の内に宿す。 なぜアマリリスが自分に宿るのか、そしてその意図は── 第一楽章、第二楽章共に、クルーエルの道行きが物語を紐解く鍵となる。 謎に包まれたクルーエルの名詠は、シャオそしてアマリリスの言葉によって 紐解かれることとなる。 クルーエルの真の姿は、空白名詠の調律者であるミクヴァクスが自らの『眼』から分化させた、 世界の万象をその目で見、記憶する『残酷な純粋知性(ソフィア・オブ・クルーエルネット)』。 人と調律者の間の存在であり、彼女もまた名詠式によって創造された存在である。 10歳までは人として成長し、10歳を過ぎてからは『残酷な純粋知性(ソフィア・オブ・ クルーエルネット)』としての役割に目覚め、それまでの全ての記憶・感情を失って、 この世界を見届ける人の形をした器官になり果てる。 またミクヴェクスが名詠された後には、その記憶すら失い、再びミクヴェクスの眼という 器官に戻ることも定められている。 人の心持たぬ、少女の形をした存在──それが何百回・何千回と転生を繰り返すうち、 心に目覚めた小さな防衛反応、それがアマリリスだった。 アマリリスから、自分の出生の秘密、そして自分の残酷な運命を知らされることになる。 母体ミクヴェクスの呪縛から逃れるために、クルーエル自身が選んだ相手。 それが彼女自身の道行きを決めることとなる。 アマリリスからそう告げられ、クルーエルが選んだ相手は…… Clar ele Selahphano sia-s-Armadeus【その意志に牙剥く者】 (クレア・エル・セラフェノシアス・アマデウス) 人の住む現世界を見守る意志法則体の一体。変化と可能性を好む。 流動する力(エマ)の象徴であり、それを制限する筺がないため、人の用いる不可能という 概念すらない。 【ただそこに佇立する者】と共に名詠式を創造し人に授けた。 人の名詠式が自分たちの理想から外れていくことを嘆くが、人自らの自浄努力を信じるという 選択をとる。 名詠式を創造した存在としては意志法則体クレア・エル・セラフェノシアス・アマデウスであり、 名詠式を司る調律者としては【アマデウス その意志に牙剥く者】と称される。 かつてはミクヴェクスと共に空白名詠の調律者だったが、イブマリーという少女の意志に惹かれ、 夜色名詠を創造すると共に夜色名詠を支える調律者となった。 またアーマと呼ばれる小さな竜をこの世界に送りこみ、幼生としてイブマリーに与える。 アーマとは存在を異にしながらも、意識の深奥で繋がっているとされる……が、その真否は 不明。 なお、いつから人の世界を見守っているのか。 なぜ人の世界を見守っているのか。その真意はいまだ不明のままである。 ケイト・レオ・スェリ; ネイトたちのクラスの担任教師。生徒からは先生あるいは教師と呼ばれるが、 学校側での正式な呼称は「教師補」。 専攻は〈Ruguz(青)〉で、講義もそれを担当している。 教師になる前まではとある研究所で半年間ほど正助手をつとめていたのだが、 何を思ってか教師に再就職した。 ケイト自身が今年初めてクラスを任されたということもあり、「補」がとれるのは 夏休みが終わってからのことになる。 ケイトの名前はやや特殊であり、『LeoSuel』という名が『Leo』と『Suel』に分解でき、 『Leo』がミドルネームとなっている。 これは、かつて家が裕福だったりした時など、貴族や富豪の名残。 ゲシュタルロア(風の砕けた日) 孤島ツァラベルにて起きた謎の大爆発。 一面焦土となった島の中央だけが無傷で、そこには緋色の花(アマリリス)が 咲き乱れていた。 大爆発を偶然見かけたヨシュアは島におもむき、そこで究極の触媒ツァラベル鱗片を 発見したが、ゲシュタルロアの発生原因までは突き止めることができなかった。 その発生原因は、シャオのミクヴェクス名詠をアマリリスが妨害したことにある。 ミクヴェクスとアマリリスの力のぶつかりが『セラの庭園』を超えて、わずかながら この世界にまで漏れだした。その影響で孤島一つが焦土と化すことになる。 なお、その時の傷がシャオの腕にも刻まれている。 花(アマリリス)の形をした刻印。それがアマリリスがシャオに示した『背約』の 表れである。 ゲーティア七十二柱; 夜色名詠における第二音階名詠に属する名詠生物。 イヴが呼びだしたものはベリス、フォカロルの2体。 ベリスにおいてはキマイラの群れを単体で一掃するなど、かなり強力な名詠生物 であることが予想される。 イヴはこれらを〈讃来歌〉を使わず、しかも他人の影を利用し名詠する。 緑翼の蛇(ケツァルクアトル); ミオが発表会で呼びだそうとした名詠生物。第一音階 名詠に属する真精。むろん現段階のミオに呼びだせるはずもなく、失敗する。 顕世界: ネイト達、普通の人間が生活を営む世界。それと対比されるのが〈顕世界〉。 すなわち名詠により呼びだされる生物たちの住まう世界である。 実際にこのような世界があるかは不明。 しかし名詠により呼びだされた名詠生物たちは元来この世界での生息が 確認されないため、別の世界あるいは世界の極所から詠びだしていると 現時点での研究者たちは考えている。 なお、シャオとの邂逅により、それが『セラの庭園』という名を持つ世界で あることをネイトは知る。(セラの庭園の項を参照) さ
サージェス・オーフェリア: ネイト達のクラスメイトの、黒髪黒目の少女。 すらりとしたスポーツマン体型で、身長はクルーエルといい勝負。 部活は登山部に所属、しかしハイスクール入学前より登山は嗜んでいたらしい。 ネイトを部活に誘えないかと密かに画策中。 サリナルヴァ・エンドコート 大陸に名高い名詠研究機関、ケルベルク。 その理事にして本部副所長を務める若き女性研究者。 黒のインナーシャツに白の研究服を羽織っただけという簡素な服装を好み、 ネックレスやイアリングなどは何がおきても着用しない。その一方で靴は 紅いハイヒールを好むなど、おしゃれ感覚のバランスはあまりよろしくないらしい。 趣味は発明。特に「飲めば一日で〜」シリーズは彼女の自信作であり、 その発明過程にて多くの被害者を出しながらも順調にシリーズは増えていっている。 ちなみに「一日でクラウスを越えられる筋肉増強剤」はカインツが飲まされ、 三日三晩生死の境をさまよった。後日トレミア・アカデミーにてネイトに 試そうとするものの、本能的に危険を察知したネイトは大慌てで逃げだした。 ジェシカ・レビンディア: エルファンド名詠学舎で教鞭をとっていた女性教師。 カインツ、イブマリーなどが彼女に師事していた。 いまはトレミア・アカデミーで教師長の位にあり、じきじきに授業を教えることは 少なくなった。もっぱら若手教師への監督と学園長の補佐が仕事となっている。 エンネ・レビネシアの後名にもあるが、レビというのはこの世界に割と多いファミリーネーム。 それを区別するため、レビ+αという形で区別をしている。 シャオ: 「夜」の名を持つ、透きとおるような黒髪と黒瞳をした謎の名詠士。 一人称は「自分」。少年か少女かも分からない顔立ちと声、言葉遣いが特徴。 調律者ミクヴェクスに選ばれた空白名詠の名詠者。 ミクヴェクスをして理想の器、アマリリスをして真なる敗者の王と言わせしめる、 『完成された心の器』を持つ者。 ミクヴェクス真言を持ち、全ての名詠式の在り方を理想の高みまで昇華させる ことを誰より強く願う。 最も弱き者にして最も強き者、敗者にして王、孤独にして慈愛の導き手。 相反する属性をそなえた、ミクヴェクスの待ち望んでいた名詠士。 と同時に、ネイトに対しては敵対心ではなく、むしろ友情(あるいはそれ以上の 好意)と思われる言動を見せる。シャオがネイトに何を想うのか、それは誰にも わからない。 シャンテ・イ・ソーマ: 歌后姫(オペラ・セリア)との異名を持つ、イ短調の第六番。 イ短調として動く時はネシリスとペアを組むことが多く、会合の時も席は 自らネシリスの隣を選んでいた。 年に一度、大都市の講演会でその魔性の歌声を披露するだけでその年の年収を 稼ぐと言われた歌姫。天性の歌姫として大成することを期待されていたが、 本人は突如名詠士になることを表明。周囲を驚かせた。 しかしその決意の理由について、シャンテはいまだに誰にも明かそうとはしていない。 なおその発表の前日にネシリスと出会っていたという噂もあるが…… 十二銀盤の王剣者 ケルベルク研究所にて、最後の罠として名詠された、灰色名詠の真精。 王の右に傅く灰者。王の左には、また別の灰者が存在する。 銀色の針を何千何万と組み合わせて人型を成した形状をしており、 人型ながらも無機質な印象を与える真精。 その両手は直接剣状になっており、その二本と周囲を浮遊する十二の守護剣が 武器にして護りとなる。 十二の守護剣にはそれぞれ、「裏切り者」を除く十二人の敬虔な信仰者の名が刻まれている。 真精としては小柄だが、その攻撃力と機動力は最高クラス。 特に無音の移動術は名詠士が名詠を行う前に距離を詰め叩き伏せることが可能であり、 対名詠士においては圧倒的な優位を持つ。単純な剣士としての技量にも優れ、 祓名民の中でも、祓戈の到極者級をもってかろうじて対抗できるかどうか。 ケルベルク支部においては、エイダでなければ鎮圧は困難となっていたことが予想される。 白(Arugis) 名詠式の基幹となる、五色の音色の一つ。 光の三原色を融和させた時、そこには白が生まれる。純白は穢れを拒み、弱き者を守る。 『反面、最も傷つきやすい色である──だからこそ、その担い手は最も気高い』 これは、エンネが心の内で自分の指針としている言葉である。 祓戈(ジル) 祓名民の家系に生まれた者に与えられる、反唱専用の鎗。 長さは、作中では189・5センチと表記アリ。これはエイダの身長に合わせたもの。 クラウスが扱うものは、これより更に二回り以上のリーチを誇る。 本来の鎗の長さからすると、実は相当に短い。 これは、祓戈が突き刺すだけでなく、守りの防具として「扱い易さ」を重視した結果。 「突き刺す」という鎗の本分以上に、むしろ棒術や、体操のバトン競技のような動きが できなければいけない。片手でも扱える重さ・長さでなければ、祓戈としては失格。 ちなみにエイダが今までジルを取り替えるたのは、六歳(頃)の一度きり。 しかしだからこそ、ジルに罅が入った時ああも動揺することになった。 逆に他の祓名民ならば、ジルを今まで何度も交換した過去を持っているので、 灰色の真精との対決場面でも逆に冷静を保っていたかもしれない。 「親父、こいつを直してくれないかな」というジルの修復依頼自体が、 祓名民が滅多に言わない言葉。 祓戈の修復作業は困難を極め、それを可能とする祓名民は一人しかいない。 祓名民: 今からおよそ百五十年ほど前、ユン家より広まった職種。割と最近。 祓戈と呼ばれる特殊な反唱鎗を振るい、名詠された物を送り返す。名詠生物のみならず、 名詠されたものであれば、たとえば飛び来る火炎を鎗で払い還すことも可能。 祓名民において、特に序盤に覚えることを強いられるのが、赤色名詠と青色名詠。 この二色は攻撃的な名詠生物の数がとても多いから。 エイダに関しては、荒削りながらもそれに加えて黄色を習得済みだった。 トレミア・アカデミーに入るまでは、白の反唱は練習していない。 石化した自分の右腕を治癒できたのは名詠学校で白を半年専攻していたことが 主な要因。加えてやはり、祓名民としての感性の高さゆえ。 研究所で緑の双首の毒蛇(アンフィスバエナ)を還したのは、単に力押しという説が。 真言: ミラーが見出した、セラフェノ音語のさらなる可能性。 現代において使用されていない文法と単語の組み合わせが用いられた「何か」である。 アルヴィルはそれを「旧いセラフェノ音語」と表現し、 シャオはこの表現をさらに「100点に限りなく近い0点」と表現した。 その正式名称はセラフェノ真言であり、名詠式の中でも、もともとは調律者を名詠する ために創造された言語である。これをもとに派生したのがセラフェノ音語であり、五色の 名詠用に簡略化された文法となっている。 真精: 名詠を志す者が夢見る、名詠式の一つの完成形──各色における支配者級の生物たち。 伝説やお伽話に出てくる生物たちが多いが、これらは名詠者がかつて名詠した 生物が人々の目に止まり噂話が時を経て伝説化したケースが非常に多いため。 ◆ 特定の触媒 ◆ 特定の〈讃来歌〉 上記を満たした上で最後に、 ◆『適格者条件』 という、特定の感性を持つ者だけに真精自身からその真名を授かるという。 名詠者が真精を選ぶのではなく、真精が名詠者を選ぶと言った方が近い。 真精自体は各色に複数いるが、一度真精を呼びだしてしまうとその色では その真精以外呼びだせないのも特徴。 第二音階名詠と異なり、三重連縛と呼ばれる限定条件を達成しない限り名詠は不可能 (と、思われている) しかしカインツは独自の疑念を持っており、そうは考えていない。 既存の解釈のままでは〈孵石〉が真精を詠んだ理由を説明できないからである。 浸透者: 灰色名詠の名詠生物が、ツァラベル鱗片の力の影響を受け、 空白名詠の属性を帯びたもの。 空白名詠の空白者と同様の透明体だが、その気質はひどく凶暴で攻撃的。 全ての歌を夢見る子供たち: 調律者【その意志に牙剥く者】を名詠するためのアマデウス真言。 その使用者はイブマリーであり、彼女の死去と共に、この真言を詠えるものは 世界から存在しなくなった。 全ての目覚める子供たち: 3巻にてアマリリスがクルーエルに語りかけた謎の言葉。 アマリリス曰く、クルーエルの真なる名詠。 アマリリスが告げた正式名称は 〈アマリリス真言・大母新約篇奏──『全ての目覚める子供たち』〉 なお、セラフェノ音語で詠った時の効果として、 ○調律者を除く全ての名詠生物の名詠が可能 ○真言によって構成されるがゆえに実体のない空白者を、セラフェノ音語として受肉させ 現実世界に名詠しなおす 以上の2つが確認されている。 が、この詠に込められたアマリリスからのメッセージに、まだクルーエルは気づいていない。 全ての約束された子供たち: 調律者【ただそこに佇立する者】を名詠するためのミクヴェクス真言。 その使用者はシャオ。 ゼア・ロードフィル トレミア・アカデミーの創設者。 名詠士として現役を引退し、以後は若者たちへの指導をと考えていた折に エルファンド名詠学舎が閉鎖した事を知り、自身の資金ほぼ全てを投資し トレミア・アカデミーを設立する。 自身の専攻は緑。本人は謙遜して言い逃れるが、実は白も得意らしい。 エンネは今もゼアから指導を受けている(ただし生徒やゼッセル&ミラーには内緒)。 ゼッセル・ハイアスク; トレミア・アカデミーにて赤色名詠を教える教師。 かつてはカインツやイブマリーとクラスメイトの仲。 大柄で日焼けした豪放教師。 今は最上級生を教えているが、その熱い授業は人を選ぶ。 あの大声は聞きたくないという生徒がいる一方、 「どこまでもついていきます」と涙ながらに宣誓する生徒も。 同じく最上級生を教える教師であるミラー・ケイ・エンデュランスとは、 おさななじみと書いて「腐れ縁」と読む仲。 「ペーパー試験は捨てていい、俺もできなかった!」とは、 定期試験が近づくにつれ彼が生徒に連呼する決まり台詞。 が、そのたびにかつての恩師であるジェシカに呼びだされ怒られている。 Selah(セラ) ; セラフェノ音語、真言共に必ず大文字で表記される文字。 その意味は不明だが、何かを示した名詞であると推定される。 セラの庭園 ; 顕世界。 名詠門の扉によって繋がっている、名詠式の生まれる場所。 人の身でその世界に往くことは不可能。 だが、通常セラフェノ真言で詠うべき真言をセラフェノ音語で詠った時のみ、 名詠式の法則に狂いが生じ、一時的に名詠門がセラの庭園までの扉を開くとされている。 ネイトがシャオによって飛ばされた時の光景は、 青白く、神秘的に輝く地表。夜空に似た、透明感のある黒い天球。そして極光(オーロラ) そして赤・青・黄・緑・白の各色に宝石のごとく輝く浮遊球体が無数に存在するという世界 だった。 調律者たちの棲む世界でもあるが、これは概念的なものであり、実際その世界を見渡し たところでアマデウスやミクヴェクスの姿は見えない。 セラフェノ音語 ; セラフェノ音語。もしくはセアフェノ音語。 いつどこの地方で誰が想像したかも突きとめられていない、最後の不可触言語(ミスティック)。 名詠に用いられた起源は不明だが単語自体の解析は進められており、文法はほぼ100%、 単語においては、わずか1語を除いて完全に分析されている。 逆に言えば、その1語だけは未だ人智の領域の外にある。 辞書においては、その1語+その単語を絡めた熟語らしきものの部分だけが 空白(ブランクルーン)となっている。 ちなみに、「Keinez」・「Ruguz」・「Beorc」・「Surisuz」・「Arzus」 については、実はセラフェノ音語ではなく別の言葉。 詠の歌詞はあくまでセラフェノ音語だが、最後の結びはネイトたちの世界の通常言語。 イヴ名詠の詠に「Ezel」という通常単語が全く使われないのは、実はそれが理由。 真なる詠は、純粋なセラフェノ音語によってのみ構成される。 一方、ミラーはこのセラフェノ音語に対し、さらに別の言語の存在を感じ取っている。 これに対し、シャオはそれを受けて「真言」という言葉を用いている。 た
ツァラベル鱗片; 始まりの島(ツァラベル)にてヨシュアが発見、〈孵石〉に封されていた原触媒。 光沢を放つ半透明な石であり、ハ虫類らしきものの鱗に似た模様が表面に ついているためこの名前で呼ばれている。 名詠五色全ての名詠が可能である究極の触媒と思われていたが、 その正体は、空白名詠の真精アマリリスを詠ぶための特有触媒。 (ただしこれはシャオの発言であり、その真否を確かめた者はまだいない) ファウマに対し、シャオはこの触媒の本来の名はミクヴァ鱗片であると明かす。 ティンカ・イレイソン; 白銀色の髪に瑠璃色の瞳をした、見目麗しき女性医。 面識のあったルーファからの推薦により、イ短調に参加した。 医学のみならず心理学、薬学など幅広い分野に興味を持つ才女である一方、 そこそこに護身術もたしなむ。同じ女性研究者のサリナルヴァと妙に気が合い、 日頃の運動不足の解消のため、組み手では互いに平気で殴る蹴るを行う仲。 なお、イレイソン家は割と裕福な家系である。 ネイトたちのクラスメイトであるキリエ・イレイソンとは親戚の間柄であり、 キリエの母がティンカの姉である。 なお、キリエの母は料理研究者として一部の人間から有名という噂も。 テシエラ・リ・ネフィケルラ; シャオに同行する3人のうちの1人。 常に黄砂色のマフラーを首に巻いている女性であり、黄の大特異点でもある。 その出身等は明かされていないが、灰色名詠の祖であるヨシュアと面識がある模様。 凱旋都市の競闘宮(コロセウム)にて、レフィスが対戦中。 トレミア・アカデミー; エルファンド名詠学舎が閉鎖し、その跡地を利用してゼアが開設した名詠専修学校。 天立トレミア研究所からの援助を受けたことで学校の名もトレミアの名がついた。 その敷地面積・規模は他の学園を優に二回りは上回る。地方の学舎としては世界有数。 ゼア自身がかつて名高い名詠士だったこともあり、学校の名は中央にも広く知れ渡っている。 夏の時期に行われる競演会には数多くの著名人が来賓としてやってくることでも有名。 な 虹色: 五色を極めたカインツに与えられた名ではなく、五色とは次元を逸した輝かしき音色。 その〈讃来歌〉、触媒、効果、名詠物。全てが未知に包まれている。 カインツがレデュグリムに向けて放った虹色の光は〈讃来歌〉を要しなかったことから、 第一音階名詠ではないと思われる。 つまり第二音階名詠。あるいは──── クルーエルをミクヴェクスから救う可能性を持つとして、アマリリスが白羽の矢を立てた 名詠こそが虹色名詠である。五色、そして空白のいずれにも属さない名詠であり、調律者たちの 思惑の外から生まれた名詠。 だがそれは、虹色名詠が生まれた理由である、「イブマリーとの約束を叶える」ためのもの であり、クルーエルに作用する力ではないことが判明する。 ※より正確には、一般的な名詠として行使可能だが、クルーエルをミクヴェクスから解き放つ ためには力が及ばない。 ネイト・イェレミーアス: セラフェノ音語で「Neight=夜明け」の名を持つ、本物語の主人公。 神秘的な夜色の髪と双眸をもつ13歳の少年であり、今夏からトレミア・アカデミーに転入。 クルーエルたちと同教室となった。専攻は夜色名詠式。 6歳の頃にイブマリーに拾われ、以後彼女の息子として育てられる。 トレミア・アカデミーに転入した目的は母親の遺した夜色名詠を完成させること だったが、クルーエルと出会うことで、「なぜ名詠式を学ぶのか」ということに ついて自分なりの答えを求めはじめるようになる。 ラスティハイト戦でクルーエルと共に紡いだ詠こそがその一つの答えであり、 始まりだったかもしれない。 競闘宮にてシャオから名詠式の秘密、そしてクルーエルの秘密を明かされる。 全ての残酷な真実を知った上でネイトが選ぶ選択肢──それがクルーエルの道行きを 決定することとなる。 ネシリス; 特異個体を自在に詠び招く名詠士、通称大特異点。 イ短調内ではクラウスにつぐ体格と厳めしい顔つきの名詠士でもある。 服装は表が青、裏が黒のインバネスコートを好む。 競闘宮の覇者であり、公式に最強を名乗ることを許されている。 ……が、本人がそう称したことは一度もない。 虹色名詠士カインツとのバトルが一度組まれたことがあったが、その時は 決戦当日にカインツが腹痛をうったえて棄権した。 は 灰色(Isa); 人を石化させる名詠生物を詠び出す、正体不明の名詠色。 攻撃的な名詠生物の少ない白色名詠が変異したものという推測が成りたつが、真偽はいまだ不明のまま。 真精を含め、詠びだされる名詠生物の一体一体が強力。 既存の五色で対抗しようとした場合苦戦を強いられることが予想されるが、その一方で、 石化を回復できる反唱を極めた祓名民が天敵となる。 逆に捉えれば、これは対名詠士用に特化された色とも言うことができる。 反唱(Nussis); 詠ばれしものを還す、反・名詠式。 名詠式の五色の名詠に対し、やはり反唱の理論も五色ある。 ただ、反唱自体は、名詠と比べると習得が容易。名詠同様に触媒を必要とする。 反唱に際しての触媒とは、まさに科学的な意味での触媒の効果を果たす作用がある 出現している名詠生物が還っていくイメージを名詠生物に伝えるための媒介である。 (と、思われている) ヒドラ; 青色名詠の第一音階名詠であり、本来は水蛇と表記される九首の大蛇。 三重連縛に必要な物は ◆独奏型〈讃来歌〉 ◆触媒=雪よりも蒼く輝く氷刃。 上記を満たした上で、適格者条件である「決して心波立たぬ者」だけが その真名を授かると言われている。 ファウマ・フェリ・フォシルベル; 城下町フェルン、その山に城を構える王族の娘。 知る人物こそ少ないが、おそらく世界で最も美しい声を持つ少女と目される。 (カインツは歴史上ナンバー1と断言している) しかしそれと同時に不治の皮膚病に冒されているとフェルンでは噂される。 かつてカインツはそれを直接訊ねたことがあったが、ファウマもそれを否定する ことはなかった。 シャオに従う仲間のうちの一人。 赤詠血奏と名付けられた高速の名詠を行う。その触媒は全て自身の血であり、 使うほどに命を縮めていく代償を持つ。 その名詠の究極が真精カルラ。 黎明の神鳥(フェニックス); 赤色名詠の第一音階名詠にあたる真精の一体。 朱く燈える翼をもつ巨大な雌鳥とされ、真精の中でも特に幻性度が高いとされている。 その名詠条件は ◆ 触媒=契血(本当の触媒はアマリリスという緋色の花) ◆ 無韻型〈讃来歌〉──「心の殻を破る音」 上記を満たす必要がある。 また、残りの連縛鍵である適格者条件については未だ解明されていない。 それほどまでに、名詠の研究者たちですら実物を見たことがないとされる希少な名詠生物。 黎明の神鳥(フェニックス)というのは概念としては種族名に近く、 クルーエルが詠びだした個体の真名は別にあり、MISCROSS(ミスクルス)であると 推測される。 アマリリスがクルーエルに授けた守護真精。 クルーエル以外に名詠適格者は存在しない。かつてのクルーエルは自分の血を触媒に名詠 していたが、アマリリスとの邂逅により、彼女と同名の花を触媒としてフェニックスを 名詠できるようになった。 有翼馬(ペガサス): 背に一対の羽を持つ白馬。 エンネはこの名詠生物を詠びたいがために名詠士の道を選んだ。 大人より子供、健康な者より病人を背に乗せることを優先させる。 弱きものを好む誇り高き生物。 ペンドレル・スニク: 赤色名詠を学ぶ最上級生。 日頃から素行が悪く、最上級生を担当するゼッセルもしばしば監視の目を 向けていた。炎を〈讃来歌〉なしで詠んだことから、その実力は決して低くない。 実際、彼の学園における成績は中の上程度。〈孵石〉暴走事件後は厳しい 取り調べを受け、まだ学園には戻ってきていない。 学園ーの教師会議で、生徒としての彼の処分も決定される手筈になっている。 ま ミオ・レンティア: ウェーブががった金髪の少女で、ネイトやクルーエルのクラスメイト。 童顔と落ち着きない言動のせいか、16歳より1〜2歳幼く見える。 裏表のない素直なもの言いが特徴。クルーエル曰く、天然。 公式の部活にこそ加入していないが、有志による『学校の怪談研究会』に所属。 その母胎は『ミステリー調査会』であるが、一切の情報は謎に包まれている。 名詠に関する知識はトレミア・アカデミー全生徒の中でもトップクラス。 しかしこれは才能ではなく、純粋な努力でここまでの知識を得た。 クルーエルはそれを知っているからこそ、ミオに尊敬の念を抱いている。 本人は意識していないが、人間ではなく、アーマを代表になぜか名詠生物の方に好まれる。 特にハ虫類。 そういった意味では、名詠士としての資格は十分なのかもしれない。 問題は実技の方で、いつ日の目を見ることができるかは誰にも分からない。 ミクヴァ鱗片: 【ただそこに佇立する者】が自身の力を結晶化させ、この世界に送りこんだ物質。 アマデウスの牙と並び、究極の触媒としてあらゆる名詠を可能にする。 ミシュダル・オゥ・ロウズフェルン : 左腕を失った、灰色名詠の詠い手。勝利なき敗者。 ヨシュアと共に灰色名詠を創り上げた男でもある。 ラスティハイトの亡霊を求め、ネイトとクルーエルに対し異常な関心を持つ。 ……が、それは全て、かつて自身のそばにいた女性レインを失った悲しみからだった。 ケルベルク研究所において自身の悲願であったラスティハイトを名詠するが、 それでもなお、彼は満たされていなかった。(ラスティハイトを敗者の王と呼び、嘲笑) ネイトとクルーエルとの決戦後、ラスティハイトも〈孵石〉も失った彼が最後に聞いた レインの声。それが彼に届いたことで、今は司法院にて静かに取り調べを受けている。 緑(Beorg) 名詠式の基幹となる、五色の音色の一。そのイメージは「森」。 誰も立ち入る事なき樹海の奥深く、そこには未だ知られざる神秘があるという。 草は吹き、花は踊り、木々はざわめく。 その森には全てがあり、来る者の遍くを受け入れる。 転じ、その神秘を授かったものが世界の王となる。 ミラー・ケイ・エンデュランス; トレミア・アカデミーにて青色名詠を教える教師。 かつてはカインツやイブマリーとクラスメイトの仲。 物静かな言動と理論的な授業はゼッセルとまるで対照的。自他共に認める本の虫であり、 放課後の学園購買部で新たな本を漁っている姿を毎日見ることができる。 カインツが図書館派なのに対し、ミラーは必要な本を片っ端から購入するタイプ。 自室から溢れるほどの書数ゆえ、読み終わった本は学校の図書館に寄贈している。 ちなみに、その読書速度はエルファンド学舎時代堂々のナンバーワン。 ミラーの名前はケイト同様、『KeiEndurance』というスペルが 『Kei』と『Endurance』に分割できる。 や ヨシュア : 灰色名詠を構築した老人。 六年前にとある島で謎の存在と出会い、その恐怖から〈孵石〉を精製する。 三年前にイブマリーと出会い、始まりの島における事件を記した書物を渡そうとするも、 カインツに渡すよう告げられる。 予定運命: 定められた五色の定律音。予め用意された未知なき未知。 〈全ての約束された子供たち〉が通るべくする道。 しかし始まりの島(ツァラベル)にて、カインツはその予定運命から自らが 抜けだしたことをアマリリスから告げられた。 それが何を意味するのか、カインツはひそかに思い当たるものがあるらしいが…… 夜(Ezel) 全てを表すべき五色に存在しない、ただ唯一の例外。異端たる音色。 何を以て夜色なのか。そのイメージは知られていない。 だが、夜色の少女はその息子にこう伝えている。 「夜とは透きとおった宇宙(そら)の色。ふだん太陽のせいで見えないだけで、 本当はわたしたちに最も身近な色」、と。 識られざる悲壮の調べ。それは真夜の極にて奏でられる。 その歌い手は孤独。 だからこそ──夜の真精は彼を護る。たとえ、自らの全てが消えようとも。 アマデウスを調律者とする、空白より生まれし異端色。 本来これは五色に存在しないから異端なのでなく、空白名詠と正反対の属性を もつがゆえ異端と称されるべきもの。 空白名詠を反唱できるただ一つの名詠色であり、今はネイトただ一人が使用可能。 一角馬(ユニコーン); 天を目指すかのような角を持つ白馬。 自らが認める者のみ、その背を許すとされる。 額に生える角は普段柔らかなうぶ毛に包まれており、決して他人を傷つけることがない。 その勇ましい姿に焦がれ白を専攻する者は後を絶たない。 ら Lastihyt(ラスティハイト) : 灰色名詠における王たる真精。 ミシュダルが追い求める最強の真精であり、6年前アマリリスに封律したとされている。 ケルベルク研究所においてミシュダルが名詠したものは、ツァラベル鱗片による影響で 空白名詠の属性が混じっていた。 外見は聖衣をまとった聖人、の上半身。そこから先は綺麗に切り取られたように消失している。 頭の上に茨の冠があり、ミシュダルはそこに〈孵石〉を安置していた。 ごく簡単なオラトリオ及び名詠を行い、自身の灰色の影から灰色名詠の名詠生物を詠びだす。 また石化効果のある灰の雨を降らせ、空高くに浮遊していることからも、エイダなどの祓名民は 対応に苦戦した。 Riris ele Selahphano sia-s-Miqveqs【ただそこに約束を願う者】 (リリス・エル・セラフェノシアス・ミクヴェクス) 人の住む現世界を見守る意志法則体の一体。永遠と完成を好む。 流動する力(エマ)の象徴であり、それを制限する筺がないため、人の用いる不可能という 概念すらない。 【その意志に牙剥く者】と共に名詠式を創造し人に授けた。だが人の名詠式が自分たちの 理想から外れていくことを嘆き、既存の概念を消去することを提案する。 名詠式を創造した存在としては意志法則体リリス・エル・セラフェノシアス・ミクヴェクスであり、 名詠式を司る調律者としては【ミクヴェクス ただそこに佇立する者】と称される。 今は空白名詠の調律者であり、シャオにミクヴェクス真言を授け、自らがこの世界に名詠される ことを望む。 また既存の概念を消去する前段階として、自らの眼を『残酷な純粋知性(ソフィア・オブ・ クルーエルネット)』として人の世界に送りこむ。 また、名詠される前からも『声』を人の世界に投影することは可能(アマデウスと交わしたルール) であり、ネイトもその声を聴くことがあった。 なお、いつから人の世界を見守っているのか。 なぜ人の世界を見守っているのか。その真意はいまだ不明のままである。 ルーファ・オンス : 齢70近い祓名民の長老。クラウスやエイダも師事した歴戦の勇士。 トレミア・アカデミーのゼアとは競闘宮での永遠のライバルであり、今も 顔を合わせれば喧嘩になる。対戦成績は43勝42敗(自称) イ短調のメンバーの中ではクラウスが唯一頭の上がらない人物であるが、 パートナーであるティンカにだけはこのおじいさんもかなわない。 ちなみに最近ちょっと高血圧気味で、それをネタにティンカとサリナルヴァに からかわれることが多くなってきているらしい。 レイン・アルマーニャ: ミシュダルが所属していた研究所に、アルバイトとして採用された女性。 明るく人見知りしない性格で、無口で人見知りがちな当時のミシュダルとも積極的に接していた。 おっちょこちょいで物忘れしやすい性格の反面、内面の意志は強く、多くの研究者やアルバイトが 辞めていく中、ただ一人最後までミシュダルの助手として付き添っていた。 不幸な事故により帰らぬ人となるが、彼女の存在は今もなおミシュダルの心の中で重要な ものであることは疑いようもない。 レフィス 流れるような銀髪をした、道行く者が振り返るほど麗しい容姿の青年。 孤児のため、ファミリーネームは存在せず、ヨシュアが名付けたLefis(子)という名前 だけを自らの誇りとしている。 ヨシュアによって育てられた、灰色名詠を継ぐ最後の一人。ミシュダルは兄弟子にあたる。 暴走するミシュダルを止めるために対峙するも一度は破れる。 〈孵石〉を狙うミシュダルを追ってジール名詠学者に転入、そこでヘレンと出会う。 ヘレンと共に凱旋都市におもむき、そこでネイトたちトレミア・アカデミーの面々と 出会うことで、ミシュダルをネイトが食い止めたことを聞かされる。 ミクヴァ鱗片を調査するためネイトと共に行動。だがその途中でシャオたちの 妨害に会い、今はテシエラと交戦中。 盈る嘖色の蛇 (Redgryum=Arkiel レデュグリム・アーキエル) : 孵石より生まれし、規格外のヒドラ。カインツが触れた時に存在が決定されたが、 その時はカインツが意識を閉ざしたことから名詠はされなかった。 しかし存在自体は消滅せず、ペンドレルが訪れるまで静かに時を待っていた。 五色の首はそれぞれが簡単な名詠を行うことができ、単体で真精数体分に相当する。 その名詠条件は一切が不明。言語を解するかも不明。 わ
疾竜(ワイバーン) 緑色名詠の歌い手として名高いゼア・ロードフィルが従える、 『Beorc(緑)』の真精たる竜。 名詠に必要な三重連縛は * 樹齢五百年を越える木より授かりし若葉。 * 独奏型〈讃来歌〉 * 適格者条件──力の担い手。 ゼアが詠び出したのは2体だが、これは老練たる彼だからできたこと。 その実力としては、3体いればレデュグリムにもあるいは、といったところ。