大分合同新聞社 県内ニュース/朝刊

 

 

 

田原博士の功績 後世に 東京女子医大の須磨名誉教授 油絵寄贈

 

大江医家史料館に展示された田原淳の功績をたたえる油絵

 心臓ペースメーカーの発明につながる研究をした中津ゆかりの医学者・田原淳(一八七三―一九五二)の功績をたたえる油絵が、東京女子医科大学名誉教授の須磨幸蔵さんから中津市に寄贈された。十二日、同市鷹匠町の大江医家史料館で公開された。

 油絵は千葉県市川市出身で、行動美術協会などで活躍した画家・吉野順夫さん(二〇〇四年没)の作品「85―a(田原結節)」(幅百二十センチ、高さ九十五センチ)。田原と共同研究者のアショフ博士(ドイツ)の肖像を中心に、田原が留学していたドイツ・マールブルグ大学研究所の建物、ペースメーカーが映った作者の胸部エックス線写真、地球などを配して構成している。
 須磨さんの患者だった吉野さんが田原の功績を聞き、資料を参考に田原をテーマにした作品を四点制作。このうち一点を須磨さんに、ほかを大分医科大(現・大分大学医学部)図書館など三カ所に寄贈していた。
 昨年五月、須磨さんが田原の業績をまとめた伝記「ペースメーカーの父 田原淳」を出版。中津市で記念パーティーが開かれ、市との縁を深めた。同十一月に東京で開かれたシンポジウムの席で市への寄贈を表明した。
 市は「これを機会に、田原博士の功績をより多くの市民に知ってもらいたい」としている。

 

 田原淳
 安岐町生まれで、中津市の医師田原春塘の養子になった。東京帝大を卒業後、ドイツに留学。心臓が拍動する仕組みを研究し、心臓の筋肉を動かす電気信号の経路「心臓刺激伝導系」を解明した。九大医学部長なども務めた。

 

2006年01月13日09:53]