筑前琵琶湘南旭会
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・筑前琵琶について(楽器とその演奏法)

1、成り立ち 九州北部には、古くから盲僧琵琶(荒神琵琶という)が普及していたが、応仁の乱以降は、権力者の保護を受けられなくなり、盲僧の生活が困窮、琵琶を担いで檀家などを廻り琵琶の伴奏でお経を唱え、僅かなお布施を得るようにあっていた。(座頭琵琶という)その際、余興として滑稽な語り物を語る者が現れ(滑稽琵琶・・今でも存在)、その品位が著しく下落してしまった。その中で、明治時代の中期に筑前盲僧の本山、博多の成就院の橘玄清法印の子孫と称する一丸智定(初代橘旭翁)が吉田竹子らの協力を得て、琵琶を改良し新しい芸術としての品位の回復に努力した。やがて、人を介して、東京での御前演奏の機会を得て、筑前琵琶として成立したが、その後薩摩琵琶とともに琵琶楽は、最盛期を迎えることになる。

2、楽器について 四絃と五絃があり、更に五絃には正絃、大絃、小絃と各種あが、現在最も多く演奏されるのは五絃の正絃である。盲僧琵琶と同形のものは四絃で、今でも四絃琵琶の名曲はかなり演奏されてはいるが、音域が広い五絃曲の演奏が圧倒的に多く演奏されている。大絃、小絃は合奏用で、大絃は低音部、小絃は高音部に使用される。
 
琵琶の素材は、紫檀、カリン、桑、欅、等様々である。また腹板には桐が用いられている。
 撥は、拓植や象牙でできていて、五絃用の方が四絃用より幅が広く、細かい早い音を出すのに適している。

3、琵琶の持ち方と音の出し方 
四絃は横ななめにいだき、五絃は縦ななめにして持つ。左指で柱と柱の中間を押さえ、右手に撥を軽く握り、普通「かきならす」というが、正にその通りで静かにたたくようにして糸に当て音を出す。撥を当てる位置は大体胴体の中央部分で一番音色が良く、余り上の方(半月の位置)または下の方(覆手の位置)へゆきすぎると音色は悪くなる。なお指は「土」から上は出来るだけ人差し指「金」から下は中指と薬指を一緒にして、二本の指で押さえるようにすると、出る音色も安定するし、指使いが楽で非常に便利である。左指で押さえる、または押さえ込み揺りながら弾く音色が他の楽器にはない琵琶独特の余韻である。

4、筑前琵琶曲の特徴 旧曲、新曲を問わず、殆どの曲で「流し」と称する琵琶を弾きながら節回しに変化をつけて歌う個所がある。節回しによって、春、夏、秋、冬、旭、露、競、月など十数種類もあり逆に、これらの「流し」をマスターすることによって、他の曲を歌う場合にも参考にできるのである。初心者の琵琶の弾法の練習も、流しの合いの手から始めることが多い。また、五絃曲の新曲の中には、リズムを重視した作曲がなされていて、他楽器との合奏や、バラエティーに富んだ舞台を構成することが可能なものも出現している。(旭会の新琵琶楽)

5、楽譜 筑前琵琶には、現在旭会、橘会の二大流派の他にいくつかな小流派があり、その流派によって使用している楽譜は異なる。次に示すのは旭会の譜本の一部である。


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