子供の頃、ユニフォームをデザインしたパジャマが流行って(!?)いた。

その当時ファンだった中日ドラゴンズのものと、巨人ファンの親父が買ったのであろう

読売ジャイアンツのものを持っていた。

それらを着て、プラスチック製のバットを構えている私の写真がアルバムに貼ってある。

私自身は記憶に無いのだが、お袋の筆跡でそのページに書き添えられた私の言葉。



「王選手のように はやく なりたいな」



ジャイアンツの帽子とユニフォームを身に纏った、写真の中の私。

それらに記された『1』という数字。

野球と離れた時期があったが、きっと私の人生の中で野球と歩んできた時間は

歌にもなった
『背番号1のスゴイ奴』を見た時から始まったのだろう。




残念ながら、私の王選手の記憶は忘却の彼方へと向かいつつある。

そして現在、選手の人気は衰えずとも、野球そのものの人気は下降の一途を辿っている。

聞けばこの2006年。8月までにプロ野球中継の平均視聴率が13%に達しなかった場合

9月以降の放送は深夜枠で、というテレビ局があるそうだ。

私の地元・名古屋では、数年前まで徹夜で並んでも取れなかったジャイアンツ戦のチケットが今では電話で簡単に取れる。

2004年のシーズン途中に明るみになった近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併。

そこから端を発した1リーグ騒動。そして選手会による史上初のストライキ。

ファンと(明らかに)距離を置いていた(いる)選手達はそれ以降

『ファンサービス』なる様々な企画でファンを球場に呼ぼうとしている。

何故こんな事になってしまったのか・・・それを考えていた時私は一つの結論に達した。

確かに経営者側にも幾多の問題点はあったであろうが

最大の原因は木(選手)を見て森(野球)を見なくなった我々ファンにある。




野球というスポーツを通じて人格形成を図る事は希薄となった。

我々にできないプレーを見せる選手の魅力は、その実力よりもビジュアルに重点が置かれ

そんな選手に対するリスペクトは無く、中にはキャンプで練習場へ急ぐ選手を捕まえて

「ファンサービスすると言っただろう。」と、サインを強要する輩もいると聞く。


インターネットでは、ファンの為にと球団や選手が開設した公式サイトへその匿名性の高さを逆手に取って

誹謗中傷、罵詈雑言が書き込まれる。昨年末にタレントと結婚を発表したある選手のサイトには

管理人の制する声も届かず、1万件を超す選手と結婚相手への謂れの無い言葉が書き込まれた。




もはや野球人気以前に、モラルの崩壊と言ってよい。

果たしてこのままで良いのだろうか・・・。



もう一度、子供の頃に憧れた野球に触れたい。

子供の頃に思い描いたものを表現できないものだろうか。

そう考えていた時に、脳裏に浮かんだ人物・・・。




それが王貞治選手だった。


                                        (Nobu.T)


                                                 

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主催者 口上