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FINAL FANTASY ]
〜永遠のナギ節〜
FINAL FANTASY ] ANOTHER STORY
ビサイド島 ユウナ 「37、38、39、40、41」
突き抜ける青空の下、ユウナが水面から顔を上げる
ここはビサイド、ユウナの旅立ちの場所
旅が終わった後、彼女は育った村に帰ってきていたのだ
ユウナ 「……2分41秒…… 最高記録。」
ワッカ 「ユウナ、時間だあ。」
遠くからワッカの呼ぶ声が聞こえる……
ユウナ 「今行く……」
ワッカ 「随分潜ってられるようになったんだな。」
ユウナ 「ワッカさんには敵いません。」
ワッカ 「俺、もうダミだなあ。トレーニングだってご無沙汰だあ。」
ユウナ 「ぷにぷにだしね。」
ユウナはワッカのちょっと出てきた腹を触る
ワッカ 「でっ!」
ユウナ 「ワッカさんが産む訳じゃないんだよ。」
ワッカ 「は〜ぁ。」
ワッカは溜息をつくと先に走っていった……
ユウナ 『あれから2年。私、2分も潜っていられるようになりました。
長く潜るためには体力だけじゃなくて
いくつかのコツが必要で……
言葉で説明されてもわからなかったけど何度も試して、
最近やっとわかってきたんだ。
ねえ、あの頃はそんなコツがあるなんて考えた事も
なかったよ。考える余裕なんてなかった。
永遠のナギ節。
それは私の2分41秒と、ちょっと太ったワッカさん。
小さな…… でも、穏やかな幸せ。』
ユウナはビサイド寺院に戻ると、ちょっと表情が暗くなる
ユウナを待っていたのは先に戻ったワッカに話し掛けている老人だった
ビサイド寺院
タスジオ「2年前、スタジアムで遠くからお姿を
拝見していたのですが……
こうして間近でお目にかかるとなんとまあ、お美しい……」
ユウナ 「ありがとうございます。」
タスジオ「今日は孫の事でお願いがありまして。
孫が青年同盟に入ってしまったのです。
まあ、あの同盟も悪くはないのでしょうが、
私も妻も新エボン党員でしてな……
もちろん息子夫婦も同じです。
孫も、以前は集会に参加していたのですが、ある日突然。
同盟には若い者達が多いので、
孫にとっては刺激的でいいのかもしれませんが……」
老人は心の悩みをユウナに打ち明ける……
ユウナ 『あれから、スピラのあちこちでいくつものグループが
結成されました。新しい時代をどうやって作っていくべきか、
これからのスピラはどうあるべきか……
みんなが自分達の時代を探しているところです。』
タスジオ「……孫達は…… なんというか、
急ぎすぎている気がするのです。」
ユウナ 『いろんな考え方があるから、時には対立も起こります。
中にはこんな時代を不安に思う人もいるみたい。
実は、私も時々……
でも、今はこれでいいんだ、そう思って暮らしています。』
ユウナ 「お気持ちはわかります。でもタスジオさん。
一度お孫さんと話し合ってみてください。
端から見ると危なっかしいかもしれないけれど、
スピラを思う気持ちはきっと同じですから。」
こうして尋ねてきた老人と話が続くのであった……
その後、浜辺へと続く山道をひとり歩くユウナ……
その後ろからはワッカが追いかけてくる
ビサイド島 ワッカ 「おーい。」
ユウナ 「あれ? お客さん?」
ワッカ 「うんにゃ、ちょっと話をな。あのな……
村の爺さん婆さん達がまた例の話をなぁ……」
ユウナ 「今度は誰?」
ワッカ 「新エボン党の、党首の息子らしいぞ。」
ユウナ 「絶対に、嫌。……私、きっとその人に利用されちゃうよ。」
ワッカ 「あ! 悪かったな、ユウナ。」
ユウナ 「私から断っておくね。」
ワッカ 「いいって…… 俺に任せろ。年寄り達の寂しそうな顔を見るの、
ユウナ辛いだろ?」
ユウナ 「……うん。」
男 「ユウナ様ー!」
そこにひとりの男が走ってきた
男 「ユウナ様! 自分は青年同盟のヤイバルであります。
本日はユウナ様に我らの盟主ヌージからの伝言を
お伝えに参りました。」
ワッカ 「同盟への参加はお断りだぞ。」
ヤイバル「え?」
ユウナ 「そういうお話なの?」
ヤイバル「その通りであります。」
ユウナ 「私、何処のグループにも参加しませんから。」
ヤイバル「もしや、ご自分のグループを作るのでは?」
ユウナは溜息をつくと
ユウナ 「帰ってください。」
リュック「ユウナん! ワッカ!」
そこにリュックが走ってきた
ユウナ 『リュックは時々ビサイドに来てくれます。
彼女はスピラ中の機械の使い方を指導したり、
大地に埋もれた機械や海中の機械を発掘したり、
忙しそうだけど…… いつも楽しそうです。』
ユウナ達はリュックの乗ってきた船に行くと
リュックは立派になったワッカの腹を肘でつつく……
船 ワッカ 「やめれー!」
リュック「ほんとぷにぷにだねぇ。ルールーは?」
ワッカ 「おう、村にいるぞ。会っていけよな。」
リュック「もちろん! ユウナんは…… 相変わらずみたいだね。」
ユウナ 「そう、相変わらず。」
ワッカ 「キマリはまだガガゼト山なのか?」
リュック「そうそう、ロンゾの孤児達にいろいろ教えてるんだ。
すっかり先生って感じだね。でね、今日はキマリから
預かってきたこれを…… 山の中で見つけたんだって。」
ユウナ 「スフィア?」
ワッカ 「珍しいカタチだなあ。」
リュック「ユウナん…… よっく見てね。」
リュックはスフィアを映し始める
乱れた映像に映っているのは
何処かの牢屋に閉じ込められた若者の姿だった……
若者 『何でオレが逮捕されるんだ? 納得いかないっての!
なあ、聞こえてるんだろ?
アイツがあんたのカノジョだったらどう思う?
敵の機械兵器使って何処が悪いんだよ!
召喚士を守るにはああするしかなかったんだ!
自分ならどうするか考えろよ!
出してくれよ…… アイツに会わせてくれ。』
その声は忘れもしない声だった……
そしてその姿も…… 間違いなくあの人だった……
ユウナ 『懐かしいなんて言えない。ずっと身近にある声で……』
ワッカ 「なんだよこれ…… アイツ何してるんだ……
つうかよ、本当にアイツなのか?
ど、どういう事だよ、これ。」
リュック「よくわからないんだ。でも知りたいでしょ?」
ワッカ 「そりゃそうだ。」
ユウナ 「……うん。」
リュック「調べに行こう。」
ユウナ 「何処へ?」
リュック「わからないよ、そんなの。とりあえず、
これを見つけたキマリに話を聞いて、それから考えよう!」
ワッカ 「行くったってよ…… わからない事が多すぎるだろ?
もうちょいいろいろわかってからでもいいんじゃないのか?」
リュック「誰が調べる訳?」
ヤイバル「我々にお任せください!」
話を聞いていたのか、いつの間にか船に乗り込んでいた
ヤイバル「リーダーのヌージも賛成するはずです。
いえ、自分が説得します!」
ワッカ 「帰れよ!」
ヤイバル「了解です! では行ってきます!
委細判明次第、戻りますので!」
そう言うとヤイバルは去っていった……
リュック「アタシはユウナん自身に旅してほしいな。」
ワッカ 「そりゃダメなんだ。」
リュック「どうして?」
ワッカ 「3ヶ月先まで客の予約が入ってる。
みんなユウナに会うのを楽しみにしてるんだ。」
リュック「ユウナんの楽しみは?」
ワッカ 「そりゃ、お前…… いつか世の中が落ち着いたらな。」
リュック「いつかなんて待ってたら来ないよ!
ワッカどうしちゃったの?
ユウナんはあんなに頑張ったんだよ!
もう自分の事だけ考えればいいのに、それなのにどうして!?
アタシ、ここに来るたびに思ってたんだ。
みんなどんどん新しい幸せを見つけていくのに……
ユウナんの時間だけ、止まったままだよ。」
ワッカ 「そんなこたぁ……」
リュック「ぷにぷにワッカはなーんにもわかってない! ユウナん!」
ユウナ 「私は…… また、旅に出てみたい。でも……
勝手にいなくなったら、誰かをがっかりさせてしまうかも……
私……」
ユウナの心の中に、ティーダの言葉が思い出される……
ティーダ『大人ぶってカッコつけてさ。言いたい事も言えないなんて
絶対イヤだ。そんなんじゃ何も変えられない。』
それを思い出し、決意すると
ユウナ 「……行く。」
ワッカ 「ユウナぁ。」
ユウナ 「勝ってで悪いんだけど…… これは私の物語だから。」
リュック「でしょー! 絶対ユウナんはそう言うと思って、
アタシお土産持ってきたんだ。」
ワッカ 「マジかよ。」
リュック「まず着替えね。雰囲気がらっと変えちゃおうよ。
相変わらず有名人なんだから変装っぽく。」
ワッカ 「ちょ、ちょっと待ってろよな。ルー呼んでくっから。」
ワッカは慌てて村に戻る……
ユウナは遠くを眺めると
ユウナ 『永遠のナギ節。
それは私の2分41秒とちょっと太ったワッカさん。
小さくて、穏やかな幸せ。
でも…… もっと欲張ってもいいよね。』
ユウナはリュックに向かうと
ユウナ 「リュック、今のうちに出発しちゃおう!」
こうしてふたりは新たな旅へと出発するのであった……
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