

| アートの話 ピカソの老いたギター弾き |

青い印象の画面の中に疲れたような老人がギターを弾きながら歌っている。
もしかしたら彼には身寄りもなく今晩寝るところもないかもしれない。
うらびれた漁村の路地にすわりこんだ老人を、見向く人もあまりいない。
それぞれが毎日を生きていくのに大変で、同情はするがかまっている余裕のある人は誰もいない。
ピカソ、青の時代の代表作のひとつ老いたギター弾き。
基本は写実だが、少し伸びるようにディホルメされた溶けそうな空間を、斜めに構えた茶色のギターが骨のような質感を与え、テーマ全体の壊れそうな画面にバランスを与えている。