スリランカ探訪

スリランカの文化・伝統・風習


目 次
封建的な人間社会  
産後の風習 結婚時の風習
スリランカの占星術 男女不平等?なスリランカ的倫理観
スリランカと象 4月はスリランカのお正月

封建的な人間社会

スリランカでは人間同士の上下関係が職場だけでなく個人の家庭内や学校においても厳格で、
昔の日本の封建社会に近い雰囲気があります。
家庭内においては夫、もしくは父親の権威が大きいです。
妻や子供達は従順である事が求められます。
特に子供達は父親に逆らう事などとんでもないという感じです。
スリランカでは年長のものが上、また女よりは男の方が上ですので、
男の子は大きくなれば父親同様の権威を家庭内で持つようになります。
父親や大きくなった息子達が食事をする横で母親や娘達がかいがいしく給仕するのはよくある光景です。
一緒に食べる場合も女たちは食べながら男達への給仕やご用に備えながらの食事です。
そして例えば結婚など重要な決定を行うときは、
親に加えて兄や弟など、男兄弟の意見も大きく物を言います。
人生の節目節目の選択において、大人になった男性が比較的自由に自分の道を選ぶのに対して、
女性は身内の男達の言うことを聞かなければならないです。
この上下関係の厳しさは教育現場においても同様で、
スリランカの学校では生徒達は先生たちにとても従順です。
先生の権威は絶大で、生徒が逆らう事などとんでもないという雰囲気のようです。
だからスリランカの学校では「学級崩壊」や「非行問題」はないと私の周りのスリランカ人は皆言います。
日本の学校の荒れている事、先生たちの無力な事を見て大抵のスリランカ人はびっくりしてしまうようです。

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産後の風習

スリランカでは女性が出産すると、産後はとても周囲からいたわられます。
夫もしくは自分の実家から誰かしら手伝いにやってきて、
1〜3ヶ月ぐらい家事などやってくれる場合がほとんどのようです。
出産を終えた女性は産後とりつかれやすい悪霊から身を守る為、
木の取っ手に鉄製のツメのついた魔除の髪飾り?を肌身はなしません。
寝る時は枕の下に入れ、自室から出るときは二つセットの髪飾りを一つづつ頭の両側の髪に挿して出ます。
外に出るときは一人では行かず、極力誰かに付き添ってもらって出るようです。
産後しばらくは酸っぱい木の実とスパイス類、唐辛子のたっぷり入った辛いスープを毎日食します。
この酸っぱくて激辛いスープが産後の滋養によいのだそうです。
日本でもお食い初めを祝ったりしますがスリランカにもそのような風習があり、
子供に初めて食べ物を与える日、初めて字を習わせる日など、
占い大国スリランカの事ですからもちろん日取りなどは占星術により決めて行います。

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結婚時の風習

スリランカで結婚といえばいわゆるお見合い結婚が主流です。
形式にとらわれない自由な恋愛結婚の割合は増加傾向にありますが、
それでも依然お見合い結婚は多いのです。
スリランカにはインドほど歴然とはしていませんがカースト的な階級意識があります。
お見合い結婚においてはこの階級的な釣合いと
そして占星術による相性判定が結婚を決める際の重要な要因になります。
スリランカの親たちが子供の結婚を考える時、足を運ぶ結婚相談所のような所があります。
そこで自分の側の条件と相手側への希望条件を伝えると条件の合致する相手を探してくれるわけですが、
その時占星術の相性判定の良否が大変重要な判断材料になるのです。
あらかじめ作ってもらってある占書(スリランカの占星術参照) を読み解き、
相手候補の占書と突きあわせて肉体・精神・運気などいろいろな面での相性を判断します。
結婚相談所を通さずに周囲の紹介や知人の中から縁談が持ちあがった時も占書に基づく相性判定は行い、
たとえ他の全ての条件が一致する良い縁談であっても占書で合わなければ破談になってしまいます。
階級的釣合いについては、これは結婚の際に花嫁側が相当な持参財を用意する風習とも関わってきます。
もちろん階級そのものに対するこだわりもありますが、
スリランカでは結婚の際に花嫁側が相当額の現金、家財道具類、時には土地や新居となる家まで携えて嫁入りする慣わしがあり、
その額も身分相応に上下するので例えば裕福な家に貧しい家の娘が嫁ぐのは全く歓迎されないのです。
スリランカでも近年こうした旧来の風習にとらわれず、自由に恋愛し結婚していく若い世代が増加の一途にあります。
彼らは身分階級も占星術の判定も関係無しに結婚していき、本人同士が勝手に決めた結婚の場合は
花嫁の持参財もうやむやになったり無しになったりする場合が多いようです。

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スリランカの占星術

スリランカという国の文化的基盤といえる物は幾つかありますが占星術はその最も重要な物の一つです。
国の主要な行事や祝祭日の日時は占星術によって選定されるものも多いですし、
占星術は個人の生活にも深く関わっています。
日々の運勢などが誕生月毎に新聞などに掲載されるのは日本でもありふれたことですが、
スリランカの人々はなにかにつけ占い師に占ってもらう事をよくし、
占い師のアドバイスをよく聞きます。
その忠告に従って物事のやり方を決定したり変えたりもします。
そしてスリランカでは子供が生まれると大抵占星術師に依頼し、
その子供の人生のいわば黙示録とも云うべき占書を作成してもらいます。
占星術師はその子供の生まれた年月日と時間における星の軌道や位置によって
その子供の性質と将来辿る運命を占います。
占書にはその人間がどういう人生を送り、いつ頃どういう不幸に遭うとか幸運に遭うとか、
いつ死ぬかというような事まで書かれていて、更に成長後の肉体的特質(はっきり云えば秘所のサイズ)まで記述され、
そのような部分はお見合い結婚の際の相性判定に活用されるという話です。
その個人個人の占書は樹皮で作られた特殊な細長い"紙"(紙ではないのですがどう云うのか分かりません)
に先のとがった鉄筆で彫るように文字が刻まれ、そこに炭と油脂を混ぜたような物を塗りこめ、
最後にきれいに磨けば鉄筆で彫った文字の部分だけが黒く残ってきれいな文書に出来あがります。
レジペーパーのように細長い占書はくるくるときれいに丸められて大切に保管されます。

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男女不平等?なスリランカ的倫理観

日本に来た大抵のスリランカ人男性の日本人女性に対する感想はあまり芳しくないものが多いようです。
それは、女性の行いで日本ではさほど非難されないけれど
スリランカではタブーとされている事が幾つかあるからです。

その1.喫煙。
スリランカでは男性は煙草を吸っても大丈夫です。決して悪い事とも思われていません。
ただし、女性に対しては全く別で、”まともな”女性は煙草など吸わない、
吸うべきではないというのが社会通念です。
もしスリランカ女性が煙草を吸ったとしたらそれはかなり特殊、もっと云えば「堕落した女」として、
ほとんどの男性と女性から非難のまなざしを浴びる事になります。

その2.飲酒。
スリランカ人男性にはお酒を楽しむことは許されていますが女性は普通お酒を飲みません。
喫煙と同じく、飲酒も女性のするべき事ではないのです。
女性が「飲みに行く」なんて事はありませんし、みんなで会食などするときにも、
男性達がビールを飲んでいる横で女性達はジュースやお茶、水などを飲んでいるのがあたりまえです。

その3.ミニスカート、ショートパンツ。
スリランカで膝より上のスカートやズボンをはいても白眼視されないのは幼児だけです。
ロングスカートにへそ上丈のブラウスという格好でおなかを出すのはOKなようですが、
足を露出するのはだめです。
ただ、大人の男性も、仕事着としての着用を除いて、短パン姿はあまり良く思われないようですし、
この件に関してはさほど男女不平等という訳ではありません。
もちろん、スポーツ選手のユニフォームは別格です。

スリランカ国内でも外国人観光客は以上に述べたようなタブーは堂々と無視して闊歩していますが、
それに関してはまあ、外国人だからと大目に見られているようです(快くは思われないにしろ)
ただし、仏教遺跡などの聖地ではたとえ外国人といえど短パンのような
不埒な格好は咎められたりする事もあるようです。

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4月はスリランカのお正月

スリランカのお正月は4月です。
1月1日も new year day ということで一応祝いますが、本当の祝祭はこの4月のお正月にあります。
お正月の日時は毎年占いによって決定されますが通常4月12〜14日の間になります。
お正月の前にはノナガディ(物忌みの時間)があり、
あらかじめ占いにより決定されたこの時間には断食をします。
この時間には全ての”恵まれる行為”はしてはいけなく、
具体的には、仕事をしてはいけない、お金に触ってはならない、勉強してはいけない、
風呂に入ってはならない、他人の家を訪問してはならない、など。
ノナガディが終わると、いよいよお正月の始まりです。
お正月の始めにはまず、家のリビングルーム(その家の一番中心的な部屋)の真中で鍋にミルクを沸かします。
沸騰したミルクがふきこぼれて、その行事はめでたく終了。
ミルクは豊かさの象徴で、それが部屋にあふれる事でその年の繁栄を祈る意味があるらしいです。
ミルクの吹きこぼしが終わると戸外に出て、次々に爆竹を鳴らします。
どこもかしこも爆竹の音で満ちて、耳がおかしくなるような騒ぎです。
それから山のようなご馳走を食べます。
キリバット(ココナッツミルクで炊いたご飯)、肉や魚、豆や野菜のカリー、
その他数々の料理、菓子類、山盛りの果物類。
どんな貧しい人も一年間苦労して貯めたお金をつぎ込んで、
この日の為に何日も前から準備してご馳走を用意します。
また正月には必ず真新しい服を着る習慣があり、
富める者も貧しい者も皆家族全員の新しい服をこの日の為にあつらえます。
お正月にはお寺に行ったり、親戚や知人の家を訪問したりされたり、
どこの家でも訪ねてきた人々にはご馳走が振舞われ、子供たちにはお年玉が振舞われます。
(この点は日本と同じ)

そうして初風呂に入り、仕事始めの儀式をしたりします。
実際に仕事をするわけではなく、例えば車を運転する仕事ならエンジンをかけてみるだけとか、です。
正月の期間には各地で運動会やゲーム大会、コンサートなどの楽しいイベントが催され、
スリランカの人々の大きな楽しみになっています。
田舎では集まってラバンという楽器を皆で演奏したりします。
ラバンとは巨大なタンバリン状の打楽器で、皆で囲んでリズムをとって叩いて演奏します。

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スリランカと象

スリランカに行けば会えるもの、それはぞうさんです。
もちろん日本にいたって会えますが、それは動物園での話。
かたやスリランカでは、動物園外で象と遭遇する機会がままあります。
ジャングルや国立公園の保護区へ行けば野生の象がいます。
ただし野生の象は非常に危険なので、ジープでサファリしている時以外は
出会ってしまっては大変なのですが。
実際、奥地のジャングル村では不運にも野生の象に遭ってしまって踏み殺される人もいます。
うちの旦那さんも昔、ジャングルで牛を追っていて茂みを抜けたとたん、
目の前に妙な小山があるーと思えばそれは象の体だったそうで、
恐怖の余り腰を抜かしながらも無我夢中で逃げたらしいです。
そんな恐ろしい面もある象ですが、スリランカの人は象が好きです。
好きというより生活の一部といっても良いかもしれません。
街中の道路を歩いている象がいます。
野生の象ではなくて、荷役用に飼いならされた象です。
海辺のリゾートでは乗馬ならぬ乗象を体験出来たりします。
料金を払えば象の背中に乗せてもらって散歩出来るのです。
象の孤児院もあります。親のいない象の赤ちゃんを引き取って育てています。
スリランカには象使いと呼ばれる人々がいます。
彼らは特別な言語で象に話しかけ、象を操ります。
象を愛し象とともに生きる彼らですが、時には怒り暴れる象の犠牲になって命を落とす人もいます。
そんな彼らの晴れ舞台は、ペラヘラ祭という大祭です。
ペラヘラ祭には、豪華絢爛な衣装を着せられた象たちが街路を練り歩きます。
スリランカ全土でも最大の規模のペラヘラ祭が開かれるキャンディーでは、
百頭に上る数の象が行列に加わり、まさに壮観です。

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