08ky−8





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大田 泰示(神奈川・東海大相模)遊撃 184/80 右/右





                       「大田は何か変わったのか?」





 下記の寸評を書いたのが、確か春季神奈川大会のあとの4月の終わり頃だろうか?あれから3ヶ月あまりで、大田に大きな変化はあったのだろうか?当時東日本で最も注目されていた野手が、今や2008年度NO.1のスラッがーの評価に。そんな注目を浴びる中、大田は神奈川大会の歴史を塗り替える大会5本塁打を達成した。残念ながら、決勝で涙を呑んだ大田の、最後の夏を考察してみたい。


(プレースタイル)

 基本的には、下記の寸評に書いてあるとおりだ。大型の割りに、丁寧にプレーをし、圧倒的なポテンシャルを持ちながら、けして御山の大将ではない。それでいて、彼が打席に入れば、球場の空気を一変させる存在感もある。ボールに食らいつく意欲も良い。そのため打てない球はファールで粘り、甘い球を叩くのがこの男のスタイルだ。だから技術的に粗くても、確かな結果を残すことが出来ると判断している。

 大型打者は雑に陥る傾向が強いのだが、この男にはそんな心配はご無用だ。スケールと繊細さを兼ね備えたという意味では、非常に稀な存在だと言えよう。

 ただそうとはいえ、春のままの技術だと、外のスライダーには対処出来ず、プロでは相当苦労することが予想された。そこで、春〜夏の3ヶ月間あまりの間に、何か技術的に変化があったのか考察してみたい。



(打撃フォーム)

 いつものように「野球兼」の
2008年8月4日更新分に、彼のこの夏の打撃フォーム連続写真が掲載されているので、そちらを参照していただきたい。下記の寸評で、細かく考察しているので、変化があった部分だけ触れてみたい。

<構え> ☆☆☆☆

 写真1を見る限り、春と殆ど変わっていないように見える。しいて違う点をあげるとするならば、最初からグリップを捕手方向に引き過ぎず、グリップに力みがなくなり、余裕を持って立っている点ではないのだろうか。これによりリストワークも柔らかく使え、余裕を持ってボールを対峙出来るようになった印象がある。

<仕掛け> 遅すぎる仕掛け

 始動のタイミングは、殆ど変わっていないように思えた。投手がリリースに差し掛かるあたりでの始動であり、これでも遅すぎる印象は否めない。今のままだと、プロのスピードに相当苦しむだろう。

<下半身> ☆☆☆

 
あいかわらず、足の上げは小さいので、打てるポイントは限られている印象派はある。ただ大きな変化は、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップだったのを、真っ直ぐ踏み出すオーソドックスなスタイルに変えてきたこと。これで苦手であるアウトコースの球も、なんとかファールには出来る術、あるいは右方向に打てる打撃の幅が出てきた。

 もともと彼は、懐を開いて思いっきり巻き込む打撃を得意としているのだが、その辺を改善してきた点は興味深い。更に踏み込んだ足元がブレてしまう欠点もあったのだが、松井秀喜同様にカカトを地面にめり込ませて、足のブレを最小限に防ぎ、身体のロスとパワーロスを抑えることに成功している。マークされる中、これだけの結果を残せたのは、このアウトコースの球を、しっかり叩くスイングが出来るようになったからだろう。

 それでも腰がいち早く逃げてしまうスイングなので、どうしても外に逃げて行く球には、まだ十分に対応しきれていない。

<上半身> ☆☆☆

 
トップを深く取り、上から叩く意識はあるようだ。ただスイングに入ると、肘が下がってしまい腰がいち早く逃げてしまう。ただそれでもバットの先端を下げずヘッドを立ててスイングできているのと、スイングスピードが速いので、ドアスイングになるのは防げている。

 フォローまでしっかりバットを振ることは出来ているのだが、フォロースルーの段階でのグリップの位置を見ると、やはり彼は、本質的に長距離打者ではないという気がしてならない。基本は、野手の間を強く抜けて行くタイプの強打者なのだ。

<軸> ☆☆☆

 
頭の動き・軸足の安定感などを見ると並ぐらい。踏み込んだ足が踏ん張れるようになり、いち早く腰が逃げても、それ以上腰がまわらずに我慢して、開きを抑えられるようになった。これにより少々甘いアウトコースの球ならば、対応できる幅が出来た。





(最後に)

 この夏の大活躍は、僅か3ヶ月の間にも、確かな技術的な進歩があり、またそういった打撃を自分のものに出来る起用さや、向上心があることが証明された。

 そのため心技体の観点から見ても、精神面・そして体格・才能・強さなどを加味した肉体面は、十分に高卒でプロに入るべき資質を兼ね備えている稀な選手だと言えよう。技術的には、少々プロで苦労はするだろうなと言う不安はあるが、短期間にこれだけ技術を改善できたことからも、プロの指導者がつけば、まだまだ伸びて行けるのではないかと評価したい。いつも言うことだが、高校生野手を見るときは、心技体のうち・心と体が基準を満たしていれば、技術の部分はそれほど悲観する問題ではないと私は考える。

 残念ながら今のアマチュア球界では、強打者タイプの野手を育てる土壌は殆どない。現にここ10年ぐらいで入団した大学・社会人野手を考えてほしい。その中にスラッガータイプで大成した選手は、殆どいないだろう。更にそういった人材でも、あくまでも高卒の時点では、プロに指名される程の選手ではなく、圧倒的な才能を持った選手を育てスケールアップさせた例は殆どない。

 私は今年の大学4年生には、高校時代☆をつけた横田 崇行
(東北-東海大)や佐々木 大輔(日大三-明治大)などの大型野手たちの姿を見ていると、よりそのことを強く実感する。高校の時点でプロに入る基準を満たし、更に本人がいずれはプロにと考えているのならば、私は出来るだけ早くプロ入りすることをお勧めする。彼は、その条件を満たしている、数少ない選手なのだから。課題を克服する努力と器用さを評価して、春よりもワンランク上の評価を記してみたいと思う。






蔵の評価:
☆☆

(2008年 夏)





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大田 泰示(神奈川・東海大相模)遊撃 184/80 右/右





                        「東日本NO.1のポテンシャル!」





 打っては、関東屈指のスラッガー。投げては、140キロ台中盤の重い速球・守っては大型遊撃手として注目されるポテンシャルを持つ男、それがこの 大田 泰示 だ。


(プレースタイル)

 将来的には、やはり大型内野手として期待したい。大型の割に、プレーは丁寧で、それでいて野球への貪欲さが感じられる。ただ少々精神的に起伏の激しいところはあるのかなと云う印象は受ける。恵まれた体格から発せられる雰囲気は、まさにグランドの中では別格。本質的にはスラッガーだとは思わないが、
野手の間を強烈な打球で抜けて行くタイプの強打者ではないのだろうか。



(守備・走塁)

 
プレー自体は非常に丁寧にやろうと云う意識は感じられ、打球に対する貪欲さも感じられる。新チームから三塁から遊撃手にコンバートされているが、将来的にはやはり三塁あたりが理想だと考えられる。それは、大型選手故の動作の細かさ・スピード感に欠けており、それを将来的に改善するのは厳しいと考えられるからだ。

 ただ投手としても140キロ台を連発するように、地肩の強さは中々のものがある。そういった意味では、やはり大型三塁手として将来を期待してみたい。打球に対する食いつきの良さからも、三塁手が合っている気がする。

 残念ながら走力に関しては、正確なタイムが計測出来ていない。ただそのプレーを見る限り、
足を売りにするようなタイプではないと思われる。

(打撃)

 私の観戦した試合では、ことごとく外のスライダーを捌けずに仕留められていた。これは、
打撃の基本である外角打ちに課題があることを示し、これから上のレベルでは、益々外への厳しい攻め・鋭い変化球が増えて来る。そのことを考えると、相当技術をあげて行かないと、打率を残すのは厳しいと考える。

 ただ救いなのは、自分の打てないポイントの球に対しては、ファールで粘り、甘い球が来るのを待つことが出来る点である。そういった意味では、現時点で打てるポイントが、かなり限られてはいるが、その球を呼び込む能力はあるように思える。

 あとは大型選手にありがちな身体のキレ無さが目立つ。ヘッドスピード・一つ一つの動作にキレがなく、ドラフト候補としてはヘッドスピードが物足りない。この
キレと外角の捌きの改善が、彼の今後において大いなる課題となる。





(打撃フォーム)

 いつものように「野球兼」の
2008年5月15日更新分に、彼の打撃フォーム連続写真が掲載されているので、そちらを参照しながら読み進めて欲しい。

<構え> ☆☆☆☆

 写真1だと、少々審判の陰に隠れてわかりにくいのだが、前の足を幾分引いているがスクエアスタンスと考えて良さそうだ。グリップを高い位置まで引き上げた強打者スタイル。バット付近を動かし、自分のリズムで打席に立てているのは良い。

 腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据えることも出来ており、何より打席での強打者としての雰囲気が威圧感があって良い。構えとしては、
かなり良い構えだと評価している。

<仕掛け> 遅すぎる仕掛け

 投手の重心が下がった時に、一度チョンと小さくステップしてから、本格的な始動に入って行く。そのため本格的な始動は、投手のリリース直前となり、ここまで遅いと一定レベル以上の球速・キレのある球に対応するのは厳しいだろう。上のレベルでは、まず
スピードに苦労することが予想される。

<下半身> ☆☆

 始動が遅いため、ボールの到達に間に合わせるために、どうしても写真2のように、足の上げを小さくして対処しようとする。そのため体重移動が不充分で、打てる球が限られてしまうのだ。体重移動がしっかり出来ないと、ボールを線でしか追うことが出来ず、打てるポイントが極限られた点でしかなくなってしまう。そのため打率の低い打者になってしまうのだ。

 また少々写真5を見るとわかるように、アウトステップ気味に踏みこみ、更にインパクトの際に足元がブレてしまっている。これでは、外のスライダーが捌けないのも当然と云える。いち早く腰が開いてしまい、その開いた身体を止めることが出来ず、腰が回ってしまうのだ。典型的に外の逃げて行くスライダーが打てない打ち方になっている。体重移動と身体の開き・この二点の改善が今後の大きな課題となる。

<上半身> ☆☆☆

 写真1の構えから写真3のトップの位置を見ても、グリップの位置は殆ど変わっていない。すなわちあらかじめ捕手側にグリップを添えて構えているのだ。こういったことは、グリップの移動を極力減らすことで、スイングの無駄を無くそうと意識からだろう。ただあらかじめグリップを引いている、リストワークに遊びの部分がなくなり、打撃に脆さを生じることが多い。こういった打撃が許されるのは、膝の伸縮を活かしてボールに対応出来る選手に限られる。そのため、もう少し構えた時は、グリップを引きすぎないことに注意したい。

 ただトップ前の腕の肘がしっかり捕手側に引かれ、トップがしっかり取れているのは良い。弓矢の弓を強く引くがごとく、トップを深く取ることが打球に勢いを与える。またその際に、グリップが身体の内側に入り込み過ぎていないので、ヘッドの滑りだしも良い。

 ただ写真4ではすでにわかりにくいのだが、やや肘が下がってインパクトまでのスイング軌道にロスが感じられる。それを鋭いヘッドスピードで補っている印象だ。ただ写真5のフォローの段階まで、大きな弧で力強くスイングが出来ている。

 ただフォロースルーの際に、グリップが高い位置まで引き上がっていない。こういった選手は、ボールを遠くに運べない。そのため野手の間を鋭く抜けて行く長打は期待出来ても、本質的には中距離ヒッターである可能性が高い。

<軸> ☆☆

 頭の動きは並ぐらいで、それほど問題はなさそうだ。問題は、腰の逃げが早く・それでいて足元が踏ん張れないので、身体の開きが我慢出来ない。また写真5を見ると、軸足である後ろ足が前に伸びきってしまい、軸回転のスイングが出来ていないことがわかる。




(最後に)

 技術的には、相当粗くプロ入り後は苦労することが予想される。しかし持ち得るポテンシャルの高さと野球に対する姿勢の良さからも、高校でプロ入りする選手であることは間違いないだろう。

 スカウティング6原則で云えば、肉体的・精神的な「強さ」の部分が秀でており、その反面・「柔らかさ」「速さ」と云うポイントで、物足りないものを感じてしまう。ただ上位指名するには非常にリスクが高いだけに、下位指名なら化けた時はと云う期待で指名したいタイプだ。プロとしては、大型三塁手あたりでじっくり腰を据えて育ててみたい素材ではないのだろうか。


蔵の評価:


(2008年 春季神奈川大会)





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打ち込めば見つかる捜し物!



 恵まれた体躯はは187/82ぐらいか!?まだまだ技術も体力も鍛える余地はありそうだが、捕る!振る!投げる!といったPLAYが思い切りよくできるところに好感。肉が付いてSIZEに見合ったスイングができるようになったらどんな打球を飛ばすんだろう!?と、思わず考えたくなるようなスケール感を秘めている。

 長身を生かしたジャンプ!や横っ飛びで好捕する場面が都度都度あったが、球際にはなかなか強そうな感じだ。肩もまだまだ強くなると思うし、来年・再来年が非常に楽しみ☆

(2006年 9月16日 DINAMO−JIN氏)