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井坂 亮平(24歳・住友金属鹿島)投手 186/75 右/右 (中央大出身)





                  「意外な名前が・・・」





 ドラフト会議で、彼の名前が読まれた時、私は「えっ!」と云う驚きで、まさに寝耳に水だったのだ。高校・大学生に関しては、志望届けをあらかじめ提出。社会人は、長年見てきた選手が殆どだし、大体の各チームの主力選手や、候補の現在の状況はわかっているつもりだった。すなわちドラフト前には、指名選手の殆どは予想出来るのが現在のドラフトシステムである。そんな中、まさか あの 井坂 亮平 が、3位という高い順位で指名されるとは、まさに私には想定外だったのである。



(投球スタイル)

 長身でそれでいて球持ちが良いので、打者にとっては、この投手が実に近くに感じられるだろう。フォーム自体には威圧感こそないが、中々打ち難く感じられる投手であるように感じる。藤代高校〜中央大と見てきた印象は、何か大型だがノボ〜とした印象で、投球にメリハリがない記憶が残っている。今でも少し球を置きに来る感じで力感に欠ける部分はあるのだが、ノーワインドアップから常時140キロ台を記録する速球には、それまでのただバランスの取れたフォームで投げ込む、面白みに欠ける投手との印象は、なくなりつつあった。

ストレート 140キロ〜MAX145キロ

 長身から投げ降ろされる速球には角度があり、球持ちも良いので手元までの勢いも中々のもの。常時140キロ台を記録し、MAXで151キロを記録したと云うのは、あながち嘘ではないなと思わせる速球の威力がある。

 速球で空振りを誘える程ではないにしても、速球を見せ球に投球を組み立てることが出来る威力。ただ気になるのは、速球がみな高めに浮いて来る点だ。この速球が、低めに押し込めるようになると、随分と違って来るだろう。

横のスライダー 125〜130キロ台前半

 投球の殆どは、横滑りするスライダーとのコンビネーション。絶対的な威力はないが、速球以外でカウントを稼いだり、目先を変えたりと、彼の武器となる球になる。

カーブ  105〜110キロ

 たまに緩急・カウントを稼ぐ意味で使うのだが、腕の振りが緩くなり、少々プロでは使えない可能性が高い。

縦のスライダー 

 一応こういった縦の変化もあるようだが、現在はまだ大事なところで使えるレベルにはないようだ。速球が高めに集まる投手なので、低めに落ちる球があると、非常に高低を使ったピッチングが出来て面白いとは思うのだが・・・。

その他

 大型の割に、牽制・フィールディングの動きも素早い。クィックも1.0秒前後で投げられるなど、高速クィックを実現出来る器用さがある。

 ピッチングも、元々バランス型の投手なので、けして試合をまとめるセンスがないとは思わない。ただ現状は、攻めのバリエーションが不足しているのと、速球で押すことは出来るので、リリーフの方が、結果は出るような気がする。


<右打者に対して> 
☆☆☆

 右打者に対しては、外角に速球とスライダーのコンビネーションで組み立てられている。たまにカーブや縦のスライダーも投げ込むようだが、殆どはこの二種類の球で構成されている。

 たまにインハイに速球を投げて内角を突くが、あまり内角への制球には優れておらず、私の観戦した日本選手権の新日鐵広畑戦では死球も与えている。

 外角へのコントロールは安定し、スライダーも低めに集まるなど、投球に破綻はない。ただ緩急・内角・縦の変化などに欠け、攻めのバリエーションが不足している印象は否めなかった。

<左打者に対して> 
☆☆

 左打者に対しては、ストライクゾーンの枠の中に投げ込むといった程度で、コースの投げ別けは出来ない。そのため速球・スライダー・カーブなどが高めに集まり、低めへの球が殆ど見られないので、見ていて怖い。

 結果的に内角に行く球は少なくないが、縦の変化などにも欠け、追い込んでからの決め手不足を強く実感する。プロ入り後、何か決め球になり得る変化球がないと、苦しむことになるだろう。


(投球のまとめ)

 現状、決め手になる変化球・緩急を効かす投球に課題を抱える。また左打者への制球に課題を抱えるなど、少々即戦力として考えるには、実戦力に欠ける印象が強い。プロ入り後、新たな武器を手に入れられるかが、この選手が大成に大きな影響力を及ぼしそうだ。





(最後に)

 残念ながらビデオが故障して再生出来ないので、投球フォームの分析出来ないことをご了承願いたい。まず、この投手を心技体の三つの観点から考えてみたい。

 その動きを見ていると、性格的には我が道を行く、如何にも投手らしい投手といった感じで、少々気難しさそうにも見えてくる。今回の新日鐵広畑戦では、リリーフでの登板も、ピンチでも動じず切り抜けるあたりに、ハートの強さは感じられる。ただマウンドでの仕草を見る限り、あまり集中力がありそうなタイプには見えないので、丹念にコースを突くような粘っこいピッチングは、元来この投手には合わないのではないかと云う気がしてきた。それだけに、今後もコースをきっちりとか、低めに集中して押し込むなどの、コントロールを重視したピッチングは望みづらく、球の威力で圧倒するリリーフの方が、彼には向いているのではないかと云う気がする。そのためにも、プロ入り後には、何か速球で押すだけでなく、武器になる変化球を習得したい。

 技術的には、球持ちの良さが目につく。そのため打者にとっては、中々球が出てこないので、速球のタイミングは取りにくいだろう。ただ元来のフォーム自体は、直線的な動作なので、球が見難いわけではない。球離れが早くなる変化球などは、それほど苦にならない可能性が高い。また将来的に、緩急を効かしたカーブや縦の変化の習得が難しいタイプのフォームなので、彼の決めて不足を解消するのは、中々難しいのではないかと考える。チェンジアップあたりを覚え、効果的に使えるようになるとか、ツーシームやカットボールなどの微妙な変化で活路を見出して行くことになりそうだ。ただそういった投球を身につけるのには、少々時間が必要そうだ。

 肉体的には、体格にも恵まれ、けして馬力がなさそうなタイプでもない。ただ社会人含めて、一年間トータルで活躍した実績がないので、プロの即戦力として考えた時には、どの程度の活躍が出来るのかは未知数だ。素材的には、確かに140キロ後半も期待出来るキャパシティを持った選手で、今年のメンバーならば3位で素材買いと云う指名があったのも、けして不思議ではない。そういった素材としての魅力は、確かに感じられる選手であった。

 ただ大卒2年目の投手と云うことを加味し、更に実戦力にまだまだ欠けると云う部分を考えると、今が「旬」なのかと云われると疑問を持たざるえない。社会人レベルでも力で押せる力量の持ち主だが、もう一年ぐらい待って確かな実績を残した時が「旬」なのかなとも思えるが、このままチームに残っても、何処まで出番が増えたかは微妙ではある。即戦力とは言い難いが、素材としては面白みのある選手なので、指名リストには入れないが、ファームの試合などでその成長を見守ってみたいと思わせる選手で、ドラフト後、大阪まで見に行っただけの価値は充分ある投手だった。


楽天


(2008年・日本選手権)


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コジマ 安値世界一への挑戦



 まだ体に強さがないが、バランスの取れたフォ−ムから繰り出す125〜130キロの手元でキレる速球には、将来見所のある右腕。

 カ−ブ、スライダ−、フォ−クなど変化球も多彩で制球力には良いものがある。今後の成長に期待したい投手。

(2002年)