KP−40a
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| 戸村 健次(立教大)投手 185/77 右/右 (立教新座出身) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「落ち着いて投げられるようになってきた。」 これまで150キロ近いストレートを投げ込む能力を持ちながらも、何処かその才能を生かし切れない投球が続いていた春までの戸村 健次。ラストシーンに入り、精神的に大きく成長したところを見せつけている。指名漏れの可能性もあった大器が、今スカウト達に猛烈なアピールを続けている。 (投球から考える) 細身でスラッとした体型やフォームは、何処か上原浩治(巨人−オリオールズ)似た感じのフォーム。時々肘が下がって出てくるのは気になるが、マウンドでは力みなく落ち着いて投げ込めるようになったのは、精神的にも一回り成長した証。 コンスタントに140キロ台を越え、勝負どころならばMAX150キロを記録する。気になるのは、ボールに角度もあって低めに決まることも少ないのだが、やや球威に欠ける球質で、フォームもイヤらしさがないので、打者に思いっきり振り抜かれて打たれることが少ないこと。また投手に簡単に四球を出したり、甘く入る球も少なくなく、まだまだ、くだらない球も多く観られる甘さを残している点だ。 変化球も、しっかりカウントを稼げるカーブ・曲がりながら落ちるスライダー・チェンジアップ・低めに落とせるフォークなど多彩な上、牽制やクィックも、それなりのレベルにはある。ただ、まだ絶対的な球種を身につけているとは言えないだろう。特に左打者からは、球が見やすいのか?痛打を浴びる場面も少なくない。 春に比べると確かに成長は感じるのだが、まだまだ甘さが残っていたり、本当のコントロールがないところが、プロの即戦力を意識するのであれば物足りない。 (成績から考える)
1,被安打は、イニング数の70%以下 × 4年間で、このファクターを満たしたことは一度もない。六大学レベルでも、力で圧倒出来ないところが、この成績からも伺うことが出来る。 2,四死球は、イニングの1/3以下 × 残念ながらこのファクターも、4年間で一度も満たしたことがない。ただこの秋は、四死球率も40%ソコソコになってきており、以前よりはだいぶ増しになってきた。ただ精神的に余裕がなかったり、勝負どころでしっかりコントロール出来る制球力が、本当にあるのかは疑問を持つ。 3,奪三振 ÷ イニング数 = 1.0前後 △ 元々140キロ台後半を記録する速球を持っているので、かなりイニング数に近い数の奪三振は奪えている。ただ一通りある変化球、特にフォークなどにも、まだ絶対的な精度はなく、その辺に磨きがかかると、狙って三振が取れるようになるだろう。ここが、プロで大成出来るのか大きな別れ目となりそうだ。 4,防御率は、1点台が望ましい × 残念ながら、主戦格として登板するようになってからは、防御率は2点台〜3点台と、けして大学生投手としては際だつ数字ではない。ドラフトを意識するのであれば防御率1点台・更に上位指名を目指すのならば、0点台ぐらいの絶対的な凄みが欲しいところだ。 (データからわかること) まだまだ本質的には、それほど大きくは変わっていないのではないかと云う疑問が生じてくる。ただ投球の原型は出来つつあり、プロで一年間ぐらいしっかり漬け込めば、モノになる可能性は感じられる。 (スカウティング6原則から考える) すべての素材を観る時は、「強さ」「速さ」「柔らかさ」「鋭さ・厳しさ」「イヤらしさ・怖さ」「将来性」の6つの観点から、私は考えることにしている。そう考えると、この選手は「速さ」・「将来性」と云う素材としての面白さはあるものの「強さ」「鋭さ・厳しさ」「イヤらしさ・怖さ」と云う観点からは、まだまだ物足りなさを感じる。すなわち、まだ素材型の域を脱し切れているとは言い難い。それだけに、一年目から戦力とは考えず、1年ぐらいファームで漬け込んで、確かに育成出来る自信のある球団に指名してもらいたい選手だ。 (最後に) 春から比べると、精神的な成長は感じられ、投げ込まれる球も地に足が着いてきた印象だ。ただ、それはあくまでも六大学の雰囲気の中であって、プロと云う場のプレッシャーに打ち勝つほどの、絶対的な成長とは、まだ感じられない。 ただ投手としての土台は出来つつあるので、育成力のある球団ならば、一年ぐらいファームで漬け込めば見違えるような投手に育てられるかもしれない。そういった可能性の部分では評価したい。 「開き」の早いフォーム・左打者への投球・フォークの精度など、まだまだ課題も多いが、1年ぐらいで実戦で使える可能性も感じられ、社会人に進むよりもプロで育成した方が好いと、判断を変えることにする。 多大な期待は出来ないが、その将来性を期待して、指名リストに名前を記してみたいと思う。 蔵の評価:☆ この記事が参考になったという方は、ぜひ! (2009年・秋) |
| 戸村 健次(立教大)投手 185/77 右/右 (立教新座出身) |
「未だ素材型の域を脱しきれず!」 最終学年を迎えた今春のリーグ戦。しかし下記の寸評にあるように、戸村の投球は、それ以前と変わらず素材型のままであった。最新の投球を元に、現状の戸村 健次の投球について考えてみたい。 ストレート 145〜MAX148キロ それほどフォームには威圧感がなく、球威そのものもたいしたことはない。ただ手元でソコソコ伸びのある球質ではある。ただ球速ほど、打者が苦になる代物ではない。 スライダー 115〜125キロ強 この球が、低めに決まっている時は空振りが取れるが、高めに甘く浮くケースが多い。速球と唯一使える変化球といった感じで、この球の存在は大きい。甘く行くことも多いのだが、実際には速球を狙い打たれるケースの方が目立つ。 フォーク 130キロ弱 まだ充分、ピンチの時に使えると言うほど、絶対的な精度はない。特にボールを挟むまでに、グラブをごそごそやっているのが外からもわかるだけに、まだまだ自分のモノに出来ているとは言い難い。 その他 牽制はソコソコ鋭いが、クィックは1.25秒前後と平均レベル。フィールディングは、あまり上手い方ではない。また試合をまとめるセンスはもう一つで、その制球力だけでなくテンポが悪かったり、メンタル面での波を感じさせたりと、まだまだその投球には課題が多い。 <右打者に対して> ☆☆☆ 球が高めに抜けることも多いのだが、おおかたアウトコースにボールを集めることは出来ている。外に切れ込むスライダーが、真ん中〜低めのゾーンに決まれば、そこで空振りを奪うことが出来ている。内角への攻め・緩急・縦の変化などに欠け、昨秋から進歩が見られない。 <左打者に対して> ☆☆ 制球は、ストライクゾーンの枠の中にボールを集めるといった程度、細かいコースの投げ別けは出来ていない。更に緩急・決め手・内角攻めなどの課題もクリア出来て折らず、課題が改善出来ていない。むしろ昨秋の方が、コースに球が散っていた印象さえある。 (データの上からも) 今春のリーグ戦の成績を見ても、イニング数以上の被安打を打たれていたりして、昨秋に改善されつつあった部分も充分には改善しれきていなかった。四死球率も67%を数え、充分に制球が改善されていないことを、数字の上でも読み取ることが出来た。奪三振もイニング数の半分強程度と少なくなっており、今春の内容は、過去のシーズンの成績と比べても褒められたものではない。 (今後は) 実際その投球を見ていると、非常にフォーム粘りなく淡泊なのがわかる。その理由は、着地のタイミングが早く、その欠点が全く改善されていないからだ。 また最終学年になっても成長の跡が見られず、課題を克服して行こう言う意欲が持てているのかには疑問が残る。確かに、常時145〜140キロ台後半を連発する素材は魅力だが、実戦的な術に全く成長が見られない。これではプロ入りしても、そこで使えるようになるのには、相当な時間がかかるだろう。 現状課題も多く即戦力としては考えづらいだけに、秋までによほどの進化が見られない限り、プロ入りには時期尚早だろう。それでも指名されそうな素材の良さはあるが、本当の意味で即戦力に成り得るには、一定の時間が要するだろう。それだけに社会人で揉まれてからの方が、現時点では好いのではないのかとさえ思えて来る。秋には、見違えるほど進化した彼の投球を魅せ、我々を驚嘆させてくれ! (2009年・春季リーグ) |
| 戸村 健次(立教大)投手 185/77 右/右 (立教新座出身) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「何がいけないんでしょうか。」 長身から投げ降ろす、角度のある速球を武器に、全国的にもトップランクの本格派右腕、それがこの 戸村 健次 。しかしその才能から考えると、彼の残してきた実績は、あまりに物足りない。それは、何故か?今回は、伸び悩む大器の今後について、考察してみたい。 (リーグ戦実績)
戸村投手の、これまでの実績を見てみたいと思う。これを見ると、本格的にリーグ戦に登板した2年春のリーグから、常に立教のエースとして活躍してきたのかと云うと、必ずしもそうとはいえないシーズンもある。むしろリーグ戦で、最も内容が好かったのは、昨シーズン・3年秋だったようだ。 数字を見てもわかるように、この3年間で稼いだ勝ち星は、僅かに3勝。これは、ドラフト上位候補と目される選手としては、なんとも寂しい実績だ。その原因は何か? まず注目して欲しいのは、被安打の多さ。3年秋のシーズンを除くと、ほぼイニング数と同数前後の被安打を打たれていることになる。通常プロを意識するのであれば、これを70%以下に抑えたい。ようやく3年秋には、その改善が見られはじめ、被安打率を79.8%まで下げることに成功した。 実際の投球を見ていてもわかるのだが、四死球の多さも気になる。すべてのリーグ戦で、イニングの半数以上の四死球を与えている。より打力がアップするプロの打者とまともに対峙するには、イニングの1/3以下の四死球率が望ましい。しかし改善が見られた昨秋でも、四死球率は44.1%と、まだ物足りない。 ただ彼がドラフト候補と呼ばれるには、奪三振率を見れば、その球の威力が伺われる。通常その世界で、図抜けた球の威力を示す一つの指標として、イニング数と同等、それ以上の数の三振を奪っていることが、一つの大きな目安となる。1年時は力で押す意識が強かったのか、イニング数以上の奪三振を奪っている。先発をやるようになった2年春以降も、イニング数以上とは云わないが、奪三振率は高い部類の投手であることがわかる。 最後に防御率。アマチュア野球ならば、やはり最低でも防御率2点台前半。出来れば1点台ぐらいに抑えたい。その点3年春・秋のシーズンを、防御率2点台でまとめあげているので、及第点は与えられるだろう。これを春のシーズンに、1点台にもってこられるようになると、かなり面白いだろう。 実績的には、あくまでもまだ素材型であることが伺われる。ただ徐々にリーグ戦の実績が向上しており、一冬超えて更に成長して来るようだと、これらの課題もかなり改善されてくるのではないかと云う期待を持たせてせてくれる。 (投球スタイル) スラッとした投手体型が目立つ体型。右の本格派で、角度のある速球が彼の最大の魅力。 ストレート 140〜MAX146キロ強 大体先発の時は、無理しなくても140〜145キロぐらいの球を投げ込んでくる。球に角度を感じさせ、手元までの伸びも、中々好いものがある。勝負所で力を入れれば、140キロ台後半の球を、投げ込めるキャパシティはあるようだ。持ち得る速球の球速・球質は素晴らしいが、それを生かす術に課題があるように思える。 スライダー 120キロ台前半 右打者のアウトコースに使うことが多いのが、このスライダー。ただ意外にこのスライダーの制球力が悪く、高めに浮いたり、ストライクゾーンの枠に収まらないことが多い。この球でもう少し楽にカウントが取れるようになると、随分と投球が楽になるのになあと思う。むしろカウントを整えるのは速球中心で、相手の目先を狂わせる意味で使用している意味合いが強い。 フォーク 130キロ前後 追い込むと縦に落ちるフォークを投げ込んで来る。まだまだ絶対的な精度は誇らないが、指にしっかりかかれば空振りを誘える落差がある。この球を完全にモノに出来れば、これまた全然投球内容が変わって来るだろう。 その他 球種は主にこの三つ。牽制・フィールディングもそれなりに鋭く基準を満たすレベル。クィックも1.15〜1.25秒ぐらいと基準レベル悪くない。ただ一つ一つの球のバラツキが目立ち、四球が多い。本当なら、球の威力で押せるリリーフの方が、現時点では持ち味が発揮されるのだろう。ただ立教では、図抜けた素材だけに、そんなことは云っていられない。 <右打者に対して> ☆☆☆ 速球が、指にかかり過ぎて、地面の方に行ってしまったり、スライダーが高めに抜けてしまうことも少なくない。ただ指にしっかりかかったボールは、右打者のアウトコースにコントロールされている。ただ先にも書いたように、スライダーの制球力が悪く、甘くいったりストライクゾーンを外すことも少なくない。この点をまず改善したい。 また速球は結構アウトコースにコントロールされているのだが、その割にアウトコース高めのそれほど甘くない球を痛打されている。これは、身体の開きが早いなど、球の出所が見やすいのではないか、あるいはフォームのタイミングが合わせやすいなどの要因が考えられる。 追い込むとフォークを投げ込むことはあるが、まだまだ絶対的なものではない。現状、内角への攻め・緩急・縦の変化と云うもの欠け、攻めのコンビネーションが不足している。これでは、非凡な速球を持っていても、的が絞られてしまうことが多くなる。少しでも投球の幅を広げる必要があるだろう。 <左打者に対して> ☆☆☆ 左打者には、スライダーを投げ込んで来ることはなく、速球中心の配球になる。その速球をアウトコース高め中心に集めカウントを整え、追い込むとフォークで仕留めに行くと云う投球パターン。どうしても速球以外にカウントを稼げる球がなく、単調な投球に陥りやすい。右打者との違いは、インハイ胸元に決まる速球が少なくない点だろうか。 ただ緩急・カウントをとるカーブなり、スライダーなど、一つ確実にストライクが取れる変化球を覚えると、全然投球内容も変わって来るだろう。 (投球フォーム) 好い変化球を修得出来るかは、投球フォームによるところが大きい。そこで今度は、投球フォームを分析して、今後の可能性を検証してみたい。いつものように「野球兼」の2009年1月24日更新分に、彼の投球フォーム連続写真が掲載されているので、そちらを参照して頂きたい。 <踏みだし> ☆☆☆ まず写真1の足下を見て欲しい。ノーワインドアップで構え、両足の横幅を広く取り、バランス好く立てている。バランスを重視していると云うことは、球の勢いよりも制球力を、より重視した立ち方なのだ。 写真2までの足を引き上げる勢いは並だが、足を高い位置まで引き上げることで、高いエネルギーを捻出している。 <軸足への乗せとバランス> ☆☆☆ 再び写真2の軸足の膝に注目して欲しい。膝から上が、真上にピンと伸び気味で、あまり膝に余裕がないのがわかる。膝から上がピンと伸びきって余裕がないと 1,フォームに余計な力が入り力みにつながる 2,身体のバランスが前屈みになりやすく、突っ込んだフォームになりやすい 3,軸足(写真右足)の股関節にしっかり体重を乗せ難い などの問題が生じる。やや突っ立ち気味のフォームではあるが、足を高く引き上げられているので、背中の倒しは少なめでバランスが取れるはず。そのため全体のバランス・軸足への体重の乗せは、平均的だろうか。 <お尻の落としと着地> ☆ 写真3のように、引き上げた足を空中でピンと伸ばす動作が見られない。そのため、お尻を一塁側に落とすことは難しいフォームになっている。お尻をしっかり落とせない投手は、ブレーキの好いカーブや縦に腕を振るフォークの修得に苦労しやすいことにつながるからだ。 このようなフォームでも、写真3のように地面に足が着きそうなところから、一流投手ならば前への足の逃がしを上手く行い、着地までの時間を大きく延ばすことを行う。しかし彼の場合は、写真4まで粘りなく実にあっさり着地してしまう。着地を遅らせる意味としては 1,打者が「イチ・ニ〜の・サン」のリズムになりタイミングが取りにくいからだ。「ニ〜の」の粘りこそが、投球動作の核となる。 2,軸足(写真後ろ足)〜踏み込み足(前足)への体重移動が可能になる。 3,身体を捻り出すための時間が確保出来るので、ある程度の変化球を放れる下地になる。 通常フォームと言うのは、上半身の回転と下半身の回転が一致し、最大限のエネルギーが発揮出来る箇所がある(ボクシングのストーレートを打つとイメージしやすい)。野球の場合、その回転の一致を見つけることが、最も理想的なフォームであるように思える。 ステップが広すぎず、狭すぎず。すなわち重心が立ち投げにならない程度で、それでいて深く沈みすぎない箇所と言うのが必ず存在する。そのため日本古来の指導だと、膝小僧に土が着く程の重心の沈み込みが良いとされたが、それに関しては私は沈み込み過ぎだと考える。どうしてもステップが広過ぎると、踏み込んだ足と軸足の間にお尻が沈んでしまい、前に体重が乗って行かないからだ。その辺は、フィニッシュの動作を見ていると、何処が適正だか見えて来る。ただ間違っても重心の沈み込み過ぎを回避するために、お尻を一塁側に落とさないで良いと言う、浅はかな指導だけは避けてもらいたい。お尻の一塁側への落としとは、その深さではなく、むしろ横のポジションニングを指しているからだ。 <グラブの抱えと軸足の粘り> ☆☆☆ 写真6のグラブの位置に注目して欲しい。胸元に最後までしっかり抱えることが出来ている。グラブを内に抱える意味としては、外に逃げようとする遠心力を内に抑え込み、左右の軸のブレを防ぐ。すなわち両サイドへの制球は安定しやすいことになるのだ。 今度は、写真5の右足スパイクを見ると、足の甲で充分地面が抑えられず、やや浮き気味なのがわかる。またその時間も短い。足の甲で地面を押しつける意味としては、 1,浮き上がろうとする上体の力を押さえ込み、球が浮き上がるのを防ぐ 2,フォーム前半で作り出したエネルギーを、後の動作に伝える などの働きがある。実際彼の投球を見てみても、左右のコントロールミスよりも、高低のバラツキが目立つ印象がある。 <球の行方> ☆☆☆ 写真3を見ると、前の肩と後ろの肩を結ぶラインが、打者に真っ直ぐ伸びてしまい、ボールを隠すことが出来ていない。写真4の着地の時点でも、ボールを持っている腕は、打者から見え始めている。すなわち身体の開きが早く、打者からはどんな球が、どのタイミング来るのか計りやすいのだ。こういった投手の球は、例え速くても打者から苦になりにくい。彼の場合、投げ込まれる速球の質に優れていても、この開き速さ故に、甘くない球でも痛打されてしまう。 また写真4の時点で、前の肩と後ろの肩を結ぶラインよりも肘が下がってしまっていて、ボールを押し出すような投げ方になってしまっている。このようなフォームの投手は、その球質が低下したり、身体への負担が大きくなりやすい。ただ救いなのは、写真5の際にあまり無理に角度を付けようと云う意識が薄いので、身体への負担はそれほど大きくないのかもしれない。ただ肘をテイクバックの際に、高い位置にキープする意識を持ちたい。 ただ写真5のリリースでは、結構球持ちが良いように見える。ボールを長く持つ意味としては 1,打者からタイミングが計りにくい 2,指先まで力を伝えることでボールにバックスピンをかけ、打者の手元まで伸びのある球を投げられる 3,指先まで力を伝えることで、微妙な制球力がつきやすい などがあげられる。この点では、高く評価出来るであろう。 <フィニッシュ> ☆☆☆ 写真6のフィニッシュの時に、もう少し腕が振れても良いかなと思う。ただこれは、球種がフォークだった時の映像でもあり、それが影響しているのかもしれない。腕を振り切れないと、どうしても球質は低下するし、打者も変化球だと予測が出来てしまうのだ。また体重の前へに体重が乗っても好いかなと思う、まだまだ全身を生かした投げ方が出来ていないように思える。ただ上体を大きく動かさない分、大きくバランスを崩すことはないようだ。 (投球フォームのまとめ) 投球フォームの4大動作である、「着地」・「球持ち」・「開き」・「体重移動」の観点からすると、「球持ち」の良さこそあるが、「着地」・「開き」の二つに大きな課題を抱えている。この部分を改善して行かないと、打者からはタイミングが計りやすく、プロレベルの打者ならば、例え150キロ級の球を連発したとしても、その効果は薄いだろう。技術的な観点で云えば、プロで即戦力に成り得るレベルではない。 (最後に) まだまだ制球力・そして攻めのバリエーションなどが不足していて、速球に頼り切ったピッチングスタイルなのがわかる。ただ将来的に、緩急を効かすためのカーブ・縦に鋭く落とすためのフォークなどの球種に関しては、今のフォームだと、かなり無理がある。最低でも、着地までの時間を稼げるようにならないと、フォークなどは非常に負担の大きな球種となるだろう。 この欠点を改善するためにもフォームの修正・球種の工夫などが求められる。それがこの一年で見込めないようだと、素材型として評価出来る一方、即戦力としては考えにくい。また純粋に素材として考えた時に、投球に「イヤらしさ」・身体に「強さ」が感じられず、更に股関節の「硬さ」などが、個人的には気になるところ。今のままだと、プロでも「ただの球の速い奴」で終わり、伸び悩む可能性が高い。比較的似た課題の多かった大学の先輩・小林 太志(JR東日本−ベイスターズ)投手のピッチングスタイルなどを、参考にすると好いかもしれない。 コンスタントに145キロ級の速球を投げ込める素材は一級品も、それを生かす術を身につけられるかが、プロ入りへの大きな課題となりそうだ。最終学年での変化に、期待してみたい。 この記事が参考になったという方は、ぜひ! (2008年・秋) |
個人的には、埼玉の立教新座時代から注目きた投手です。六大学の通算勝ち星は0勝ですが、スラッとした長身から投げ降ろされる140キロ台後半の速球は、立教随一の素材だと云えるでしょう。 長身から投げ降ろす速球は、コンスタントに145キロ前後を記録し、慶大戦のMAXは148キロに到達致しました。それほど球威のある球質ではありませんが、球の勢いはやはり他の投手とは一線を画します。変化球は、主にスライダー・チェンジアップ・フォークなどと思われます。それにツーシームなどを織り交ぜている印象がありますね。 気になるのは、全体的に球が高めに集まるところ。そしてセットポジションになると制球をより乱す傾向があるように思えます。これだけの球を持ってしても、通算勝ち星が0勝なのは、やはり制球力に欠ける部分があるようです。 牽制はそれなり、クィックも1.1秒台と早く、けして不器用なタイプではありません。ただ球のバラツキは顕著で、結構多投するフォークで、空振りが取れないのは残念なところ。もう少しフォークを振らせられるようになると、投球の幅も広がりそうです。比較的速い球ばかりの一辺倒なところがあるので、何か遅い球が一つ配球に入ると、アクセントになりそうな印象は受けます。 持ち得る球一つ一つは好いので、それを上手く生かす配球なりコンビネーションを磨いて欲しいですね。それが出来れば、プロへの道も開かれて行くのではないのでしょうか。 (2008年・春季リーグ) |
高校2年時に観た時に、翌年の埼玉NO.1の素材として、このページでもご紹介した投手。残念ながら3年時が確認出来なかった投手で、どのぐらい成長していたか大いに気になっていた1人だ。 スラッとした投手体型なのだが、まだまだ線が細い印象。それでもすでに、コンスタントに140キロ台を越え、私の観た試合ではMAX144キロを記録していた。変化球は、125キロ前後のスライダーに、130キロ弱のフォークなどを併せ持つ。 右打者にも左打者にアウトコース高めに速球とスライダーを集めて来る配球。攻めのバリエーションが不足して単調なのが気になる。しかし非常に将来性を秘めた素材だけに、これから、いろいろバリエーションを増やして欲しい。ちなみに牽制は鋭い牽制を投げないが、並レベルだろうか。クイックは、1.1秒前後とかなり速い。 現在立教大投手陣では、断然観ていて楽しい投手。非常に将来性を秘めた素材だけに、このままスケールアップして欲しい。身体が出来て来るであろう2年後までには、ぜひ不動のエースに育ってもらいたいものだ。まだまだの投手だが、非常に楽しみだ。 (2007年・春季リーグ戦) |
迷スカウト支えるスポンサー
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打ち込めば見つかる捜し物!
| 戸村 健次(埼玉・立教新座)投手 184/72 右/右 |
まだまだ恵まれた体格ばかりが目立つが(184/69)昨夏の時点では、130キロ強ぐらいだった。スライダーの威力にも魅力があり、順調に成長して行けば、埼玉屈指の素材として夏には注目を集めそうだと昨夏記したが、その予想どおり2005年度・埼玉NO.1右腕にまで登り詰めたと言う。 残念ながら早々敗戦してしまい、その勇姿を確認出来なかったが、ぜひ大学あたりで、その才能を磨いてもらいたい一人である。非常にスケール感を秘めた素材だと言えよう。 |