6年3組物語 第13話

男子飼育委員会

 初夏の訪れを感じさせる強めの日差しが降り注ぐ、とある金曜日の放課後。
ごく少数で形成された、非公式の委員会活動がこの日も行われていた。

 半年ほど前、同じ5年3組に在籍していた数名の女子児童が結成したグループ、
それがこの、男子飼育委員会。
もちろん、こんな委員会は学校にある正規の委員会活動ではなく、彼女たちが内緒で立ち上げたものだ。

 この日集まっているのは6年1組・七瀬めぐみ、6年2組・樋渡智美。
そして今月、その素質を買われ彼女たちからのスカウトで加入した6年3組・府川里奈の計3人だった。
里奈がこの委員会に出席するのは初めてとなる。
今回は立ち上げメンバーの6年1組・垣原亜紀が表向き所属している美化委員会の集まりのため欠席、
そしてもう1人、6年2組・妹尾理沙は所属している少年野球チームの練習が早めに始まる関係で不在と、
やや寂しい陣容になっているが、内容はいつもと変わることなく幕を開けた。
嗜虐長身少女たちの、飼育自慢大会が…

「うっわ、何こいつ…ありえない」
「え〜〜?こんなことって…」
 まず先頭を切って出し物を披露したのは、めぐみ。
「どう?あたしが新しく仕込んでみた、キス奴隷」
 キス奴隷と呼ばれたこの男がめぐみの足元に這い蹲ってしている行為を、
ギャラリーの智美は侮蔑の色をあらわにした視線で見下ろし、
まだ幼い里奈はとても珍しい動物でも見るかのような目で興味深く覗き込んでいる。
両手を腰に当てて右足を前に出し、踵を地面に付き立てるようにして爪先を浮かせているめぐみの土足に、
惨めに這い回りながら繰り返し唇を捧げているのは、めぐみの同級生である1組の男子。
めぐみがそのポーズを取った瞬間に、少しまごつきながらも決して反抗する様子は見せないまま、
その男子児童は這い蹲ってめぐみの履くつやつやとしたローファーにキスを繰り返す。
めぐみが少し足を浮かせて遠ざけると、彼はそれを追うようにしてまだ唇を這わせていく。
そして彼は正座してめぐみの靴を捧げ持ち、まるで自らの唇で彼女の靴を磨いて差し上げるかのように愛撫。
他の女子が2人も見ている前で。

「恥ずかしくないの、こいつ。人前でこんなことして」
 智美が、こんな情けない男は見たことないと呆れた口調で吐き捨てる。
「だって、そういうふうに仕込んだもん」
 それが当たり前のように、めぐみは答えた。
同級生の女の子の靴に、キス。それも、他の女の子の見物している前で。
並の心を持つ男なら、死んでもできないと思える行為だ。
だがそれを堂々と行えるぐらいに、仕込んだ。
ここに行き着くまでに、とてつもない『飼育』があったのだろう。
彼女への服従を何よりも優先する、プライドも羞恥心も跡形残らず打ち砕く飼育の日々が。

「さ、今度はこっちもお願い」
 めぐみはさらに脚を上げて男の手からローファーを離すと、
やや勢いをつけて彼の顔面にその裏側を押し当てていった。
顔全体を、踏み潰すかのように。
「うわ…ここまでやるの、こいつ。マジで恥知らずだね」
 智美が嘆息する。
「ねぇねぇ、それって嬉しいの?」
 里奈も、めぐみの靴裏に隠れた男の顔を覗き込みながら思わず問いかける。
だが彼は彼女たちの言葉にも構わず、ただめぐみの要求どおり靴の裏側にも接吻。
土足なので当然、泥汚れは絶対にある。彼の顔から、ジャリジャリと擦れる音がする。
サディスティックなめぐみは、そのサウンドを楽しむかのように足首を左右に捻って
よりねちっこく彼の顔面を擦り回して遊ぶ。
ここまで屈辱的なことをされてもなお、彼はただうやうやしくめぐみの命令に従うだけ。
完璧に、反抗の芽を摘み取られてしまっているのがわかる。

 小学生ながら女子高生ファッションに憧れを持つめぐみは、
白いブラウスにチェックのミニスカートを好んで着用、そして紺色ハイソックスと黒のローファーを合わせる。
今日のように、一見どこかの高校の女子生徒と見間違えてしまいそうなスタイルで、よく小学校での生活を送る。
172cmにも達している長身もあって、この格好で実際街を歩けばまず知らない人の目には小学生とは映らない。
加えてめぐみは、男子いじめも小学生離れしていた。
去年在籍していた5年3組では、同じ趣味を持つ亜紀、智美と一緒になって
男子児童を使って互いのテクニックを競い合う遊びに興じていた。
それはもう、いじめのレベルを飛び越えて『調教』の域にも達するほどだった。
そんな彼女たちの遊びが、この男子飼育委員会の基礎となった。

「さてと、今度は智美の奴隷君を見せて?」
 自分の出し物を終えためぐみは、キス奴隷と称した哀れな同級生の男子児童を四つん這いにさせると
その背中にドスンと腰を下ろして、くつろいだ様子で見る側に転じた。
170cm強の大きなめぐみの全体重を受け止めさせられたチビ男子は悲鳴を漏らしながら背中をたわませたが
顔を真っ赤にしながらすんでのところで崩壊を持ちこたえた。
もし潰れてめぐみを落としでもしたら、どんな罰を下されるか身にしみて理解しているのだろう。
そういう面からも、めぐみの飼育、調教の徹底ぶりが見て取れる。

「あたしは、こいつだよ」
 智美は一旦物陰に入ると、そこからすぐに1人の男子児童の髪の毛を掴んで引きずり出してきた。
彼は智美と同じ2組にいる男の子だった。

 人一倍おしゃれに熱心で、ティーン向けファッション雑誌を読み漁っている間に、
見事なまでのギャル系小学生へと変貌を遂げた、智美。
栗色に染めたロングヘアに、今日の服装はキャミソールと膝より少し下までの丈のデニムパンツ。
171cmの高さに加え、意地の悪さを漂わせるきつい眼差しが校内の男たちを余計に威圧する。
週末などにめぐみと2人で街に繰り出して、高校生やそれ以上の男からのナンパも数多く経験した。
もちろん相手になどしなかったが、彼らが彼女たちの正体を知ったらどんな顔をするだろう。
まだ小学6年生だなんてことを…

 そんな智美に、この集まりの前に引き立てられた1人の男子児童は、やはり怯えを隠せない。
これから何をされるか、何を披露させられるのかがもうわかっているのだろう。
智美はもちろん、めぐみにも里奈にも目を合わせられず下を向いたまま視線を泳がせている。
「あたしのキス奴隷と比べて、ちょっと忠誠心の面でレベルが低いんじゃない?
連れて来られるだけで、そんなオドオドして腰が引けちゃうなんてさぁ。
もっとどんな恥ずかしいことでもためらいなくやれるようじゃないと、忠実なペットとは言えないよ?」
 めぐみは尻の下に敷いた奴隷の尻をペチペチと叩きながら、智美を挑発する。
玩具として仕込む技量では自分のほうが上だと主張しているようだ。
「うるさいなぁ…」
 小さく舌打ちしてから、智美は反論した。
「どっちが上かは芸そのものを見てから言ってよ」
 言いながら智美は、まるでティッシュの箱から紙を1枚取り出すかのように簡単に素早く、
引き連れてきた男の半ズボンとパンツをずり下げ、剥ぎ取った。
そのスピードに彼は抵抗も許されず、脱がされたパンツに両足を取られ無様に転んだ。
仰向けにひっくり返った彼の丸出しの股間が、少女3人の前にさらけ出される。
「キャーッ!」
 上がったのは悲鳴ではなく、明らかにおかしさ、嘲りを含んだ声だった。
ただでさえ小さいものが縮こまって下腹部に埋没してしまいそうな粗末な真性包茎にめぐみは指を差して笑い、
里奈も両手で顔を覆いながらも指の隙間からしっかり目は覗いていた。

 急に下半身が涼しくなったのを覚えた瞬間にはモロ出しの状態で転ばされていた、智美の同級生の男子。
それを把握して、慌てて股間を隠そうとしたときには上半身も脱がされ瞬く間に全裸とされていた。
智美の得意技・超高速脱がしが発揮されたのだった。
小学4年生の頃から磨きをかけていた彼女のこの技に抵抗できた男子は存在しない。
水泳の時間、彼女にパンツを奪い去られプールから出られなくなった哀れな男子児童も少なくない。

「さーて、いつもの芸を見てもらおうね」
 全裸に剥かれ、背中を丸めながら必死に前を隠そうとする少年の両手を智美は捕まえて後ろにねじり上げ、
そのままの体勢で彼の背後から膝で剥き出しの尻を蹴り上げた。

 ボスッ!
「あっ!あぅんっ…」
 びくん、びゅくびゅくっ!!どぷ、どろりっ……

「えー!!何これー!?」
「きも〜〜い!!」
 めぐみと里奈の黄色い大声が響いた。
彼女たちには到底想像もつかない、また理解できない芸当だった。
裸にされて、蹴られただけで射精なんて。
先端まで皮に包まれた未熟なペニスからは力なく顔を出した白濁の粘液が、
粘りながら重力にしたがって長く太い糸となってドロリと落下し、地面に垂れ落ちる。
これ以下がないほど恥辱に満ちた射精を実演させられた恥ずかしさで真っ赤に紅潮して泣きながらも、
彼は依然として智美に腕をつかまれたままで、まだ2人のギャラリーの前に一糸纏わぬ惨めな姿のまま晒し者にされ続ける。

 ようやく笑いが止んできて、おなかの痛みも治まってきためぐみが質問する。
「あー、おっかしい…それにしてもなんで?なんでこいつ、蹴られただけでイっちゃうの?」
 それ以前に里奈のほうは、その不思議な現象そのものに興味津々だった。
(何なの…?このねばねばしたの……)
 里奈にはまだわかっていなかった。男性特有の、この生理現象を。
早熟とはいえまだ里奈は、本来小学4年生であるはずの幼い子。
男の子には勃起、射精という独特の性的な要素があることを、
里奈は5年生で行われる性教育を飛ばして6年生に上がってしまったため、完全に未知だったのだ。
授業で知るより先に実物を見学してしまった。しかも、こんな歪んだシチュエーションで。
めぐみとは違った疑問、わからないことだらけで里奈は何から智美に尋ねるべきなのかわからず
半ば混乱して言葉が出せないでいた。

「パブロフの犬って言うの、知ってる?」
 素っ裸の男子同級生を踏み躙りながら智美は、人差し指を立てながらめぐみと里奈に問いかける。
「え?何それ」
「知らない…」
「昔、そういう実験をした人がいたんだって。毎日犬に餌をあげるときにベルを鳴らしてたら
そのうちベルを鳴らすだけで犬が涎たらしちゃうようになったって話なんだけどさ」
「で…それとこいつ、どんな関係があるの?」
「あたし、いっつもこいつにオナニーさせてたんだ。あたしの見てる前でね。
そしたら大体イっちゃう瞬間っていうか、前触れみたいなのがわかるようになってね、
この前テレビで見たその実験の真似してみようかなって思って、イく瞬間に蹴り入れてあげることにしたの。
毎日毎日、ドピュッと同時にボコッ!みたいな。
で、そのうちこんなになっちゃったってこと。
こいつ、自分でシコらなくてもあたしのキックだけで天国に行っちゃうんだよ」
「げ〜、最低じゃん。超変態!」
「そ。最っ低の変態マゾに仕上げてやっちゃった。
めぐみからもバカにしてもらってるよ、嬉しいでしょマゾ犬!」
 ドグッ!
「はぁっ!!あうっ…!!」
 どぷん、びゅるびゅるっ……!
「わ、また出てる〜」
「何なのこの変態〜!きゃははははは」
 面白半分の智美にもう一度蹴りを叩き込まれた裸の見世物男は、さらにもう一度生臭いミルクを放出。
勢いを包皮に遮られ、力なくドロドロと流れ出して糸を引く精子。
それを見て里奈はその奇妙な現象にただ目を点にし、
めぐみは椅子として使っているキス奴隷の上で手を叩いて笑う。
笑って大きく揺れるめぐみの長身をなんとしても落とすまいと下の男は両腕と太腿に渾身の力を込め、
ただポロポロ泣きながら懸命に耐え忍んでいた。

 今日めぐみと智美の2人に連れられた、2人の年上男の痴態をじっくりと見せ付けられた里奈は
確かに面白い芸だったと思いつつも、やはり彼らのその姿に戸惑いを感じずにはいられなかった。
(ウソ、こんなことされて嬉しいの?そんなの、わかんないよ…)
 確かに意地悪なことが好きな里奈だが、所詮10歳にまだ満たない少女。
いたぶられるのが癖になって、それに快感を覚えてしまうような男がいることなど、理解しようがなかった。
理解が及ばないながらも妙に胸がドキドキする。
熱くなる気持ちを抱えつつ、里奈は1年前に思いを馳せていた。
飛び級する前で里奈がまだ3年生だった、去年の6月。体育で水泳の授業が行われた日のこと。
授業を終えてクラスのみんなが更衣室へと向かう頃、終わりを惜しむように最後までプールに入って泳いでいた
1人の男の子が、里奈の目に止まった。
さすがに次の時間の準備もあり、その男子はプールサイドに手を突き上がって来ようとした。
金属製のはしごを上ってプールから出ようとした彼を、里奈は突き飛ばして再び水面へと落とした。
この頃から里奈は意地悪な子だった。
大股開きで仰向けにひっくり返るように、大きな水しぶきを上げて落下した彼の姿に里奈は大笑いした。
この行為にその男の子は当然怒りながら、再び上がろうとする。
その怒りようから、上がったらすぐに掴みかかってくるんだろうな…里奈は感じた。
でもそのチビ男子と里奈の間では体格、力の差は歴然。どうせ相手になどなるはずがないし、かかってくるなら来ればいい、
その前に上がって来れればいいけどねと悪戯心いっぱいの里奈はまたも邪魔をする。
腕を踏ん張った彼の肩を正面から、両手でまた突き飛ばす里奈。彼はまたも水の中に転落。
今度は里奈のいない方向まで泳ぎ、プールサイドに手を突いて上がりかける。
だが里奈はその男の子の鈍くさい泳ぎよりも早く、プールサイドを走ってその方向に到達していた。
今度は足で蹴飛ばした。さらに強い力で吹き飛ばされ、より遠くに彼の軽い体は着水した。
プールの水面に、一際大きな水しぶきと波紋の花が広がる。里奈はおなかを抱えて笑った。
その後何度も、必死にプールから出ようとする男の子を里奈は面白がって妨害、繰り返し繰り返し突き落としてやった。
彼はもう半泣きだった。
3年生だった去年の時点で同級生をはるかに上回る体格だった里奈だ。
そんな彼女がその気になって邪魔をしたら、クラスの中でもチビで運動神経に乏しかったその男の子が
それを乗り越えられる望みはない。
もしかしたら、永久にプールから出してもらえないのでは…幼い彼の細い心は決壊しかかっていた。
しかしさすがに里奈も、何度も同じことをやっていると飽きてきたようだ。
自分も着替えないといけないし、もうそろそろやめにしようかと思い里奈はプールサイドから立ち去ろうとした。
するとどうだろう。何度も叩き落された彼が、歩いていた里奈の近くでわざわざ上がろうとしている。
(さっきまで上がりたくてあたしから遠ざかろうとしてたのに、どうしたの?)
 そう思いながらも、近くにいるんだしもう1回ぐらいいいかと里奈はさらにその男の子をプールに叩き込んだ。
今度は後ろを向いたまま両手を膝に当て、お尻で顔面を突き飛ばしてやった。
ドッポーンと一際大きな音が後方から聞こえ、水しぶきがスクール水着に覆われていない背中にかかる。
そのままプール沿いを歩いて更衣室に向かっていた里奈の視界の脇に、彼の手が見えた。
まただ。いちいち里奈がそばにいる場所から上がろうとしている。
もう里奈にその気はないのだから、好きなところから自由に上がれば良さそうなものを。
それに気のせいか、彼の上がってくるスピードがやけに遅いような気がした。
まるで、もっと突き落としてもらいたくて、わざと目に付くように動いているかのように。
加えて気のせいか、彼の目も半ばトロンとしているようにも見受けられた。
(変な子…)
 里奈は前を向きなおし、彼に背を向けたまま後ろ足で一撃、さらにもう一度水の中に送ってあげた。
落とされる瞬間、彼の口から上がった悲鳴は心なしか快楽を含んだような甘ったるいものにも聞こえた…気がした。
今度こそそれでおしまいにした。もう本当に時間がなかったのだ。
変なのに付き合っちゃったと、里奈は走って更衣室へと急いだ…

 今、急にそれを思い出してしまった。
あの日から一度も、それが頭に蘇ったことはなかったのに。
(あの日のあの子も、同じだったのかな。普通嫌がることされて、喜んじゃうなんて…)


「里奈も誰か、飼ってみたら?おもしろいよ」
「そうそう、あたしたちも里奈にその素質があると思って誘ったんだし。
いつか見せてよ、里奈の自慢のペットをさ」
 長身と洗練されたファッションで堂々と男の子を飼い、おもちゃにするめぐみと智美が
普通の遊びと変わらない口調で里奈を誘う。
そんな2人と、めぐみのお尻の下で呻き、智美の足の下で息を荒げながらすすり泣いている奴隷男子2人を見比べながら
里奈はどう返事をしていいかもわからないまま、ただ鼓動だけを速めてしまっていた。

 その日の帰り道、里奈はふと思った。
(幹男もあんななのかな、ひょっとして…)
 幹男。先日川原の決闘でボコボコにして、使い走りとしてこき使うことにした、チビの中学生。
本当に弱くて、簡単に捻り潰してあげたあの日以来本気で自分を怖がってビクビクしているのが手に取るようにわかる。
中学3年生にもなって、まだ10歳にもならない自分を相手に。
その情けない姿と、今日見た2人のマゾ男たちが急に重なって思えた。
もし自分が幹男をペットとして男子飼育委員会のみんなの前に連れて行ったらどんな反応をされるだろう、
みんなが同級生を飼っている中で、中学生を仕込んでるなんていったらみんな驚くだろうか、
様々な思いが頭に浮かび、ついつい笑みがこぼれてしまった。
(今度、試してみようかな)
 里奈の好奇心は、危険に膨らんでいく。


 つづく