6年3組物語 第19話

立派すぎる妹

 いつもと変わらない平日の朝、藤原舞はテレビで朝の情報番組を観ながら登校の支度をしていた。
そのすぐ隣で、同じソファに座っているのは彼女の9歳上の兄、裕作。
無関心を装い、テレビに見入っているふりをしながらも裕作の目は勝手にチラチラと真横に吸い寄せられてしまう。
自分の妹とは思えない長い脚をカラータイツに通していく、扇情的なその瞬間に。
そしてそんな盗人のような視線は、全て舞にはお見通しなのだ。

 どうして、こんな関係になってしまったのか。
話は遡る―――


 中学2年生で背の伸びが止まった、165cmの裕作。
彼は確かに、中学校に入るまでは背の高い部類にあった。しかしそれからは2〜3cmほどの伸びにしか恵まれなかった。
中学生活の中で、元々自分より大きかった生徒には追いつけず、そればかりか引き離されていき
昔は見下ろしていた同級生には抜き去られていく、人には決して言えない劣等感があった。
少し前までは大きいともてはやされていた男だっただけに、その情けなさは人一倍感じた。
中でも、運動部に入って急成長を遂げる女子生徒に置き去りにされていくことが何よりも悔しかった。
そして年月は流れ…
まさか当時幼稚園の年長組にいた妹の舞にさえ、数年後それ以上の屈辱を味わわされることになろうとは思ってもいなかった。

 裕作が初めて、舞に対して危機感を抱いたのは約2年半前のこと。
裕作が高校卒業を控え、舞が小学校3年生を修了しようとしていた時期だ。舞が3年生にしてはかなり大きいことに気づいた。
舞が居間を歩いているとき、柱の前を通りかかった瞬間だった。
長男である裕作の成長を記録しようと、父親が彼の幼い頃から柱に背中をつけて立たせ、頭の高さに定規で線を引き
年ごとの身長が記入されている柱だ。
舞が歩いて部屋を出て行ったのを確認してから、裕作は妙な胸騒ぎを覚えつつ柱の元までダッシュした。
…自分が6年生の頃の高さに頭があった気がした…
(そんなはずがない!何かの間違いだ!きっと俺が座ってて見る角度が傾いてたから…そうに決まってる!)
 その日は、そう自らに言い聞かせた。
しかし、一度意識し始めるともう止まらなかった。
舞がそこを通りかかるたびに視線を集中させ、まじまじと見つめてしまう自分がいた。
(や、やっぱり昔の俺より大きい…い、いやそんなことがあるはずは…少し離れてるから遠近法でそう見えるだけだ!)
 頭の中から都合のいい解釈を引っ張り出しては一人でハラハラしてばかりいた裕作。
だがそれも軽く打ち砕かれる日が訪れた。舞が3年生の3学期の、終業式の日だった。
その日の朝、またつい柱に注目してしまっていたそのとき、
「ん?なぁに?」
 舞が裕作の視線に気づいたのだ。
慌てて目を伏せる裕作。しかしきょとんとした表情で、兄が何を見ていたのか見回していた舞に、とうとう発見されてしまう。
「あー、そういえばこれ、お兄ちゃんのだよね。あたしが小さい頃、よくパパがここにメモしてたの覚えてる。
でもパパってば、あたしのはやってくれないよね。つまんないなー」
 少しふくれた顔をしてから舞は自分の頭に手を置いてから、裕作の成長が記録された柱へとその手を水平に持っていく。
それを祈るように見つめていた裕作。だが無情にも…
「わぁい!あたしの身長、お兄ちゃんが6年生の頃よりもちょっと大きい!」
 そう喜びの声を上げて飛び跳ねる舞を前にして、裕作は心の中に落雷が起こったような衝撃に見舞われていた。
「そんなわけないだろ!お前が斜めに手を上げただけだ!ズルするんじゃない!」
 弾かれるように舞のもとへ駆け寄る裕作。当時既に高校の卒業式を終えた男とは思えないほど、彼はムキになっていた。
「あたし、ズルなんかしてませーん。嘘だと思うなら、すぐ近くで見てもらってもいいよ」
 大人げない言いがかりをつけてきた裕作に舞は少し舌を出してから、裕作の見つめるすぐ近くでリプレイをしてみせる。
「ほらね♪」
 …間違いなかった。裕作は間近で見せつけられたのだ。舞の手が小学6年生当時の裕作の身長、
160cmを数cm上回る部分に当たるところを。
勘違い、錯覚だと思い込んで済ませていたものはこの瞬間に瓦解した。
そしてその時点でのリードが、もう5cmもないという事実まで突きつけられたのだった。
この頃の舞は当然まだ今のように大人びておらず、幼さばかりが目立つ美少女でしかなかった。
学校に通うのにもまだ真面目に制服を着ていた頃で、長い髪も後ろで一本の太い三つ編みにまとめていた。
そんな子供っぽい風貌の舞に、追いつかれようとしていた裕作の焦りは限界を超えて高まっていった。
「あたし、頑張ってお兄ちゃん抜かしちゃう!見ててね」
 新たな目標を見つけてわくわくしたような顔で、舞は両手で拳を作り宣言した。
それに対し何も言い返せなかった裕作。
もう身長に関して自分の上積みはない。自分が兄としての誇りを保つには、舞がこれ以上成長しないよう祈るしかなかった。
(お、女は男よりも早く背が伸びる分、早く止まるもんさ…俺が中2で止まったんだ、同じ血筋のこいつだってすぐに…)

 しかしそんな願いもむなしく、そこから舞の発育はより目を見張らせた。
背のことを意識してからの彼女の伸びは、大袈裟ではなく1日ごとにわからされるものだった。
そして舞が小学4年生の1学期を半分も終えないうちに、最悪の予感に怯えることとなった。
(今の俺よりも…大きい!?)
 部屋の前の廊下ですれ違った瞬間、少し前とは明らかに違う彼女の高さを認識させられたのだ。
初めてそれを思い知らされた日の裕作は、焦燥感で水さえ喉を通らないほどだった。
(そんなことがあるか…たかが小4のガキだぞ!?
…そ、そうだ、同じぐらいの身長の相手は自分より大きく見えて当然じゃないか!目より頭が高い位置にあるんだから…)
 自らの気持ちを落ち着かせようとする裕作の言い聞かせ、思い込みもどんどん苦しいものになっていく。
そんな脆いポジティブな考えで武装しながらも、裕作は家の中で舞が近づくと無意識のうちに踵を浮かせるようになってしまった。
背伸びして、ごまかそうとしていたのだ。
そのうち、風呂に入っているときや寝る前、ふくらはぎや首に張りを感じるようになった。
少しでも頭の位置を高くしようと無理な姿勢で見栄を張っていることを自覚させられる。
…とても、惨めな気持ちだった。しかもその姿勢が、日に日にきつい角度を取らなければならなくなっていることが。

「お兄ちゃん、バレリーナみたい」
 ある日すれ違った舞の口から、とてもおかしそうにそんな言葉が出た。
「あたしに、負けたくないから?ふふ」
 裕作の浅はかな偽装工作は、既に舞には見抜かれていたのだ。
ぐんぐん伸びていく舞に対抗しようという裕作の背伸びはもはや足のサイズからしてリミットに達していた。
舞が、頭の上に自分の手を置く。背比べをしようとしているのは、すぐにわかった。
「背伸び、しててもいいよ?」
 舞が笑いながら手を前に滑らせてくる。妹にそんなことを言われてまで背伸びし続けるなんて恥ずかしい真似などできるかと
踵を浮かせないまま、しかし畏怖さえ覚えながら舞の手が向かってくるのをただ見つめていた裕作。
…かすりもしなかった。
はっきりと、提示されたのだ。9歳年下の妹に身長を、追い抜かれてしまったことを。
喉、胸が詰まって何も口に出せない裕作を前に、舞は
「あたし、今日保健室で計ってみたんだ。何cmあったと思う?」
「…」
「171」
「!!」
 泣き出したくなるような屈辱感に打ちひしがれ、震える裕作。
だが同時に、なぜこんな状況で起こるのか、決して認めたくない反応をきたしていたのだった。
熱く速い胸の鼓動とともに、これまでに経験したこともない硬さで突き上げてくる股間の疼きを……

 そしてその頃から舞は、背丈のみならずあらゆる面での成長を遂げていった。
女性のおしゃれ心に目覚めたのか、まず制服での登校をやめた。
ランドセルも背負わなくなり、リュック、トートバッグへと変わっていった。
三つ編みもほどき、ストレートに。髪のケアも心がけはじめ、美しく輝くストレートロングを手に入れた。
急激な発育に服が合わなくなると、小学生離れしたファッションを選んで購入してくる。
これは、母親の影響が大きかった。
176cmの長身を誇るスタイル抜群の美女・藤原真生子。若い頃『ミスコン荒らし』『大きな小悪魔』と呼ばれ
2人の子を産んだ今も熟れた魅力で、父をはじめとした男たちを骨抜きにする母が身近な目標として存在している舞。
同じような道を歩もうとしている娘の気持ちが嬉しかったのだろう、真生子は舞を素敵な女性にしてあげようと
舞に服装のアドバイスをし、服を買ってあげるのだった。
そんな母親の素質を十分に受け継ぎ、舞は小学校4年生にして長身だけにとどまらず女としての肉体の発達を見せ始めた。
日々それを見せつけられる藤原家の男たちはたまったものではなかった。

 その年の秋には裕作と向かい合うと、既に舞の視線は見下ろすものへと変わってしまっていた。
もう10cm近い差をつけられ、裕作には為す術はなかった。
その日の舞は下着がようやく隠れる程度のきわどいフレアミニのデニムスカート姿。
10歳にしてチャームポイントは脚と断言するほど、脚線美に自信を持っていた舞。
その自慢の美脚を、兄にも披露したかったのだろう。
裕作は興奮を押し殺すのに必死だった。
春、身長を軽く抜き去られたことを明確に示されたあの日以来、裕作は舞に対しての得体の知れない昂りに悩み苦しんでいた。
敗北感から始まった、沸き上がるような胸のときめき。悔しい思いをさせられているのに、なぜ…
そんな惑いの中に飛び込んでくる、男として我慢できないほどの肢体に成長していく舞の姿。
体に気を取られていて見落としていたわけではないが、顔だって美少女から美女のものへと少しずつ進化していっている。
自分では言われるまで気づかなかったが、裕作は顔を真っ赤にしてうつむいてしまっていた。
下を向けば容赦なく視界を襲ってくる、舞のしなやかなラインを描く、ツルツルの素脚。
裕作にとって安全な視線の逃げ場などもうなくなっていた。勃起が、収まらない!
兄の苦闘に気づきもしない妹は少し曲げた膝に両手を置き、裕作の高さに合わせてあげた目線で顔をのぞき込みながら言う。
「ふたりでお出かけしたら、きっとあたしのほうがお姉ちゃんだと思われちゃうね。
ふふ…舞お姉さんのあと、しっかりついてくるのよ。裕作くん☆」
 末っ子なので今まで口にする機会などまずなかった台詞を、舞は軽い冗談で言ってみただけのつもりだった。
しかしそれに対する反応は…
「あ、あああ!!はっひ、ぁはっ……!」
 裕作が半分裏返った変な声を上げ、床にヘナヘナと座り込んでしまった。
「え?どうしたの?」
 目を点にして首をかしげる舞。目を潤ませ息を荒げながらしばらくの間へたり込んでいた裕作だったが、
不思議そうに見下ろしている舞に気づいたのか、慌てて立ち上がりけたたましい足音で廊下を走り、階段を駆け上がって
自分の部屋へと飛び込んでドアに鍵をかけた。
「変なお兄ちゃん…」

「ぁ……あああああ〜!!」
 裕作は布団に潜り込んで泣いていた。
小学生の妹に少しからかわれただけで…射精してしまうなんて!
いくら自分が小中学生時代から女子に縁がなく、高校も男子校で、女とまともに触れ合ったことすらない男だからって…
自分より大きな妹に興奮させられ、何もしないでイってしまうという情けない経験をするとは…
だがそれが、今までに自分の手で行ったどんな射精よりも忘れられない快感、精子の量をもたらしていたのが事実だった。
惨め…そう思うたびに、さっきの感覚を思い出し、勝手に手が股間に伸びてしまっている。
染み込みきれない精液が粘って糸を引き、湯気を立てているベチョベチョのブリーフを、手が勝手に脱ぎ捨ててしまう。
 ごしごし…ぬるっ、グチュ…!
(あああ…な、何をしてるんだ俺は!い、妹で…)
 禁断の欲情に転がり落ちていくことに危険を感じながらも、同時に頭の中を巡るのは
大きな舞の小学生離れした美貌から下ろされてくるいたずらな視線、既にブラジャーを着用しているのがシャツの上からでもわかる
前に突き出されるバストの迫力、広い肩幅に長くしなやかな腕、自分との身長差を考えてもまだ高い位置にある腰、
ミニスカから伸びる彼女自慢の長すぎる脚…
理性というブレーキが、全然自分の手を止める役に立たない!
(い、いやだぁ…あいつはまだ…10歳の…しょぅ、ょん……!)
 そして、よせばいいのに先ほど投げかけられた舞の言葉まで脳内によみがえらせてしまう。
『舞お姉さんのあと、しっかりついてくるのよ。裕作くん☆』
 頭の中に反響しながら再生されたそれが、貧弱な彼の自制心にとどめを刺した。
「あっはああ!!ま、ま、舞ぃぃぃ!!」
 ビクンッ!びゅっ、ぴゅ――――――!!
 さっき射精したばかりと思えない量が、再びほとばしった。
「あふ…ぁぁ、ま…舞…おねえ、さ、ん……!」
 うわごとのようにそう口走ったところで、精根尽き果てた裕作はそのまま深い眠りへと落ちた。
この日が始まりだったのだ。兄の裕作が妹の舞に年齢以外の心身全ての面で未熟な劣った存在であることを知らしめられ、
その後の従属へとつながっていったのは。

 あの日の裕作の反応の正体が何だったのか、早熟な舞はその数日後すぐに把握した。
そして自分には、男をそうさせてしまう母親譲りの特別な才能があることも。
その後舞は好奇心のまま、兄だけにとどまらず身の回りの様々な男で実験を試みた。
読み始めたファッション雑誌、テレビ番組でよく見かけるお色気シーンのポーズなどを取り入れながら。
同級生の男子はまだ幼くて機能の備わっていない子もいて、興奮はさせても発射まで至らせられないケースはあったものの
小学校の上級生、近所に住む中高生、大人などには100%、容易に自爆へと追い込むことができた。
仕草や声以外は何もせず、何もさせず、触れないまま手品のように男を暴発させるテクニックとともに、
舞の美しさはより一層磨かれていった。

 そしてまたある日、舞の気まぐれないたずらの手にかけられたとき、
裕作はつい、『舞お姉様ー!!』と叫びながら果ててしまった。
自分が自室の中でいつも彼女を思い浮かべ自慰に耽る際、もはや崇拝の対象となっていた妹に対する心の中での呼び方を、
思わず口に出してしまったのだった。
それを聞いた舞は当然、笑った。
「きゃはは、何それ?おっかしい。お兄ちゃんは、あたしの弟になりたいの?
いいわ、かわいい弟くんにしてあげる。あたしのことはいつでも、舞お姉様って呼ばなきゃダメよ。
返事は?ゆ・う・さ・く・くん♪」
 その日のことが、舞をまた一つレベルアップさせることとなった。
年上の男を子供扱いしながら絶頂に導いて遊ぶ、小悪魔、セクシー美女小学生のスタイルが確立したのだった。
そこから、これまでにも幾度か書いてきた物語へと繋がっていく。

 小学5年生に進んだ時点で、舞は180cmの大台に達していた。
もうこの頃からの舞は、柱に記された線など見向きもしない。
中学2年の途中でストップし、3年の夏をもってもう伸びないと見切りをつけた父親にやめられてしまった裕作の成長の記録、
165cmの高さでしかない線など、上を向いて進み続ける舞の視界には入らない。眼中にない。
一方、当然あれから1mmの伸びもない裕作の目線では、舞に向かってまっすぐ見つめると彼女の胸元でしかない。
至近距離で向き合えば、5年生でもう90cm台を突破した妹のバストに圧倒されるばかりだ。
もう、背伸びなど何の役にも立たない…
これが、対等の相手ではないことを余計に強調されるようだった。


 ―――話は今日に戻る。
引き伸ばされる蛍光レッドのカラータイツが、少しずつ舞の脚になじんでいく。
肌に密着し、薄く伸びていくナイロン繊維が、舞の色白な肌色を少し透過させながら赤い色で包む。
見ないふりをして横目でその様子を見る裕作は、居ても立ってもいられない。
見ていないとしても耳に入ってくる、つややかな素脚にナイロンの薄い皮膜がフィットしていく際の
繊細な擦れる音が、自分の手で慰めることの何倍もの興奮、快感で襲ってくる。
勝手に荒くなっていく息を舞に悟られないようにとの苦しい攻防を続ける裕作。既に舞には見透かされているとも知らず。

 ソファから立ち上がった舞。今日の服装は、肩から大胆にさらけ出し、そのボディラインをなぞるようにスリムな
ホワイトのブラトップ。大きく美しい形のバストもくっきりとそのフォルムを見せつける。
それから舞お気に入りの、同色の超ミニスカート。元々男を威圧するほどの長い脚は、今日もより強調されている。
その脚を包むのが、今まで裕作を悩殺し続けてきたレッドカラータイツだ。
窓から差し込む朝日に照らされて、少しメタリックな明るい赤色に妖しいきらめきを見せる舞の超美脚。
そしてこのカラータイツには右脚全体にのみ、赤地に対して白い蜘蛛の巣をデザインした柄が刻印されている。
男をその糸で拘束し、餌食にしてしまう貪欲な雌蜘蛛。そんなイメージを舞に重ねた裕作の昂りはもう隠しきれない。
ズボンは天井を指すように突き上がり、真っ赤に茹で上がったような顔にダラダラと汗をかき、
こんな季節でも息が白く見えそうなほど熱い呼吸を繰り返している。
舞が4年生の頃から彼女の脚の虜となってしまっている兄の、そのわかりやすすぎる滑稽な反応に
舞は何も言わないまま微笑みを下ろし、さらに1歩彼の直前へと歩み寄る。
座った状態から見上げる184cmの妹。追い越さないでくれと願っていたあの頃が、いかに無意味なものだったか。
舞は右脚を前に出し、左脚とまっすぐに交差させる。手を伸ばせば触れる至近距離でのその迫力に、裕作は呻く。
ああ…その蜘蛛の巣に全身を絡め取られたい!その2本の長くて綺麗な脚で捕らえて、身動き取れなくしてほしい!
そして僕の全ての性のエネルギーを、抜き取ってほしい!!
麗しの舞お姉様の挑発に裕作は被虐的願望を加熱させ、心臓の送り出す血液だけでは足りないほどの胸の高鳴りに喘いでいる。
おもむろに舞は親指と人差し指の先で、太腿に密着している部分のナイロンを少しだけつまみ上げて、浮かせる。
そして裕作にその音が聞こえるように、指を離してあげた。

 ピチンッ。

「あああ!!舞お姉様――――――!!」
 どくんっっ!!びゅくどくびくんっ、どっぴゅるるるるるる―――――――――!!
 びくびくっ、どぷぷぷぷぷぷぷぷっっ!
 ぴゅぅ――――――っ、ぶぴゅっ!!
 ドサッ。ビチャ…

 張り詰めた太腿を薄い皮膜が叩く瑞々しい音で、裕作の性感起爆装置をONにさせた。
もはや舞にとって兄の裕作をイかせることなど、言葉さえもいらず造作もない行為なのだった。
裕作を弄ぶことはその日の調子を確かめるような、朝のテレビ番組によくある占いコーナーを確認することにも似た、軽いお遊び。
そしてたった今、裕作を一撃で終わらせたセクシーアピールは、
今テレビでやっている情報番組内の芸能コーナーでさっき流れた、色気を売りにしている海外ミュージシャンの
プロモーションビデオのワンカットを、軽く真似してみただけだった。

(ふぅん、このポーズも使えるのね。面白いわ、学校でもやってみようっと。
…誰がいいかな?)
 ソファから転げ落ち、股間から不快な音と臭いを漂わせながら弱々しく酸素をむさぼっている裕作をそのままにして
舞はバッグを肩にかけると、学校へと向かうため家を出て行った。


 つづく