妹のマウンド 第6話

実力(前編)

 練習試合が行われている。
「監督!哲夫君たちはもう限界です!」
「…」
 試合をベンチで見守る夏美の声にも、監督の瑠美子は動く様子を見せなかった。

 今日対するは、東町ドルフィンズ。弱小チームのライオンズからすればやはり格上の相手だった。
只今3回の表、ようやく2アウトまでこぎつけたところである。
このメンバーでは、やはり予想通りの展開となっていた。
先発した哲夫はお決まりのパターンをなぞるように初回から打ち込まれ、失点を重ねる。
打線もドルフィンズのエースの前に沈黙、相手のエラーで幸運にも一度だけ出せた走者も
直後にダブルプレーであっさり死なせてしまい、みすみす相手を楽にさせてあげる始末。
(だから言ったのに…なんで?なんでなの、監督)
 グラウンドでの男子たちのまずい動きにハラハラしながら、夏美は瑠美子の采配に疑問しか浮かばない。


 試合前。瑠美子から発表されたスターティングメンバーに、驚きや不満の声が漏れた。

1磯野克臣(二)
2中島誠(遊)
3広尾忠(一)
4下田哲夫(投)
5藤田太郎(捕)
6加賀信雄(右)
7吉山正志(三)
8山門康夫(左)
9松岡史郎(中)

 …女子選手が一名も加入していなかった頃と変わらない、弱小男子ばかりのメンバー構成だったからだ。
「どっ、どうしてなんですか監督!?どうして実力があるはずの私たちが…」
先陣を切って、夏美が瑠美子に食って掛かった。
当然だろう。練習の間からずっと、どの男子をも上回る能力を見せ付けていた夏美や愛が
先発メンバーから外されていたのだから、不服を抱かないほうがおかしい。
数日前に加入した理沙やジェニーは経験に乏しいから無理もないといえばないが…

 それに対する瑠美子の返答は、こうだった。
「このメンバーで少し試したいことがあるの。決して勝ちを捨てているわけではないわ。
少しだけ、理解して」
 指導者からそういわれれば反発するわけにもいかない。少しむくれながらも、夏美は承諾した。

 決して勝ちを捨てているわけではない―――。
その言葉が本当なのか、夏美には疑わしくて仕方がなかった。
現時点で、9-0。
3回の時点で早くも勝敗が決してしまっているとも思える、大差でのリードを許す状況。
それどころか、あと1点失えばコールドが成立して試合は終了となってしまうのだ。
実力のあるはずの自分が試合に全く介入する余地を与えられないまま負けとして終わってしまうなんて、
そんな悲しすぎることがあってはたまらない。
「監督!!」
 夏美は声を上げずにはいられない。

 どうにか後続を断ったライオンズナインは、3回表が終わった時点でもう一様に疲弊したような顔でベンチに戻ってくる。
そして…7、8、9番と軽く打ち取られてしまい実にテンポよく4回表のドルフィンズの攻撃へと移らせてしまう。
「なんなのあんたたち、その、気の抜けたバッティングは!
あと1点でも、差付けられたら終わりってわかってんの!?勝負しに来てるんでしょ!?
気合入れなさいよ腰抜け男子!!」
 ベンチに夏美の怒声が響き、また守備につこうとしていた男子一同はそろってビクッと震え上がる。
転校前に籍を置いていたソフトボール部で、質、量ともに他のクラブを上回る練習をくぐり抜けてきた夏美にとっては
このチームの男子たちの姿勢はまさにぬるま湯にしか見えなかった。
練習でかかる肉体的負荷の面だけではない。
ボールを追いかける姿勢、一つでも先の塁を狙う欲、精神面からここの男たちには物足りなさを感じていた。
自分は単なる仲良しクラブで遊ぶために野球をやっているわけではないのに…
そのイライラが、怒鳴り声に変わったのだった。

「監督、早くメンバーチェンジしてください!!この子たちじゃもうダメです、終わっちゃう!!」
「仕方ないわね…本来は5回までの予定だったんだけど、そうも言ってられなくなったみたい。
あなたたち、出番よ。新しいライオンズを見せ付けてきなさい」
「はいっ!!」
 夏美に押し切られるように、瑠美子は予定よりも早いタイミングでメンバー変更に踏み切った。


1妹尾理沙(二)
2中島誠(遊)
3藤田太郎(一)
4下田愛(三)
5牛尾夏美(捕)
6下田哲夫(投)
7ジェニー・レイン(中)
8加賀信雄(右)
9山門康夫(左)


 ドルフィンズベンチから、どよめきが起こる。
「何だ、あの女たち、試合にも出るらしいぞ」
「負けるってわかってるから、ヤケクソにでもなったんだろ」
「女子にできるほど野球は甘くないって教えてやれよ。あいつら狙って打てば泣くんじゃねーか」
「でもなんであんなデカいんだ…」
「センターに入ってる奴なんか、ただもんじゃねえ…ほんとに小学生か!?」

 そして今回はどういうわけか、メンバーチェンジ後も哲夫がそのまま続投となった。
これだけ大差の試合となれば、まず真っ先に代えるのはピッチャーとなるはずだが…
球威、スタミナ、あらゆる面で上回る愛をなぜかマウンドに向かわせず、今回はサードに回した瑠美子。
何か考えがあってのこととはわかっていながら、キャッチャーマスクをかぶった夏美は釈然としない気持ちを拭えない。
(哲夫君、誰が見てみわかるぐらいバテバテなのに…これじゃ、すぐまた点取られちゃう)
 元々球速のない哲夫ではあるが、今はそれ以上にボールに勢いがない。
3回が終わるまででかなりの球数を投げてしまったことに加え、大量失点による精神的ダメージが大きい様子だ。
(なんで、愛ちゃんに投げさせないの?監督…)

「おい、サードのデカ女狙い打ちしてやれよ。どうせまともに取れるわけねーよ」
「それもおもしろそうだな…泣かそうぜ」
「セカンドに入ってる女も、どうせ大したことないだろ」
 ドルフィンズの打者たちは一様に、ライオンズの新・内野陣を飲んでかかっている。
そして、打ちごろのスピードで飛んでくる哲夫の直球を先頭打者が振り抜いた。
確実にミートした球は鋭く哲夫の足元を強襲するゴロで、足にもきている哲夫は反応しきれず後ろに逸らしてしまう。
二遊間を真っ二つに割る、痛烈なセンター前ヒット…となるはずだった。
しかし目の前で、ファーストに球が送られて審判からアウトの声が響いたことに、ドルフィンズの先頭打者は目を点にした。
「は? か、完全に抜けたはずが…なんで…!?」

「ほら、今のはどっちかっていうとショート寄りだったでしょ。しっかり守らなきゃダメよ、中島君」
「そんな…今のを、捕るなんて…」
 ショートの誠が打球に反応する、いや、自分の守備範囲近くに球が来ることを認識しきれないうちに
セカンドの理沙はそれを捕獲、ファーストへと送ってしまっていた。
誠は、一歩も動けなかったというのに。
今の打球を、捕る…
誠にしてみればそれは、拳銃の弾丸を指二本で止めてしまうような神業にも思えた。
その驚愕に、誠はまだ一歩たりとも足が動かせないでいた。

「取られただと!?今の完璧な当たりを…あの女が…!?」
「ま、まぐれだよな!?絶対!」
「当たり前だろ!そう何度もあんなこと、あってたまるか」
 ドルフィンズベンチは、石を投げられた蜂の巣のような騒然とした状態に見舞われていた。
「なら俺がやってやる」
 次の打者がバッターボックスに入る。
「技ってものを、見せてやるよ」
 彼は哲夫のボールを、上から叩きつけるようなバッティングで打ち返し、高いバウンドでサードへと送る。
これだけ高く弾んでゆっくりと落ちてくれば、とても一塁へと送る暇はない。
楽々の内野安打…となるはずだった。

 ドーン!!
「!!」
 セーフを確信して走る彼の目の前で、ファーストの太郎のミットから爆撃のような音が響き
太郎自身が大きくぐらつく光景があった。
必死に体勢を立て直し、再びファーストベースを踏み直す太郎。
「アウトーッ!」
「バ、バカな!!あれだけバウンドさせて、あれだけ深い位置で取らせたのに、なんで間に合うんだ…!?」
ミットからボールを取り出して哲夫に投げ返す太郎はやはり、涙ぐんでいた。

「あ、あれをアウトにしやがっただと!?」
「くっ…なんて返球だ。小学生の球じゃない…」
「どうなってんだこのチーム…女が何人か入っただけで…」

 あっという間に2アウトを稼いだライオンズ。
ピッチャーの哲夫こそスタミナの消耗が激しく動きが悪いが、脇を固める野手陣の入れ替えで
急にそれまでとは違う展開を見せ始めていた。
ふと夏美は、新たに2人の女子が加入してからの練習のことを思い出していた。
全選手が内野の守備位置に交替で入り、ゴロを処理する守備練習。
成人女性としてはかなり小柄な部類に入る、わずか150cmの瑠美子。
しかしその体格からは想像もできないほどの強烈なノックが、ライオンズナインを襲い続けていた。
前監督とは比較にならない、まさに火の出るような打球だった。
実に理にかなったトレーニングと、体の力を効率よく発揮する無駄のない動きを知ることにより
小さな瑠美子は平均的な体格の男子スポーツ選手を上回るほどの力を発揮しているのだ。
体育系の大学で教わった、合理的なスポーツ理論に基づいたものだった。

 軟弱な男子部員はもちろんのこと、愛も夏美も瑠美子のノックを完璧には捌けていなかった。
愛は今まで自分の球をまともに打ち返された経験がなく、これほどまで痛烈にボールを打ち込まれることもなかったため
体が大きく力も強いとはいえ、守備に関してはまだまだ素人だった。
夏美も、転校してくる前に在籍していたソフトボールのチームにこれだけのノックを放てる指導者はおらず、
まるでレベルの違う速さに驚き、苦戦を続けていた。
(この人、背は哲夫君とそんなに変わらないのに…半端じゃないわ、このボールの勢い…)

 そして何より注目すべきは、そのバットコントロールの巧みさだった。
ただ速い球を打ち込むだけではない。
選手一人一人の現在の実力を見切った上で、その先にいる選手たちが本当に全力を出し切って
初めてグラブにボールを収めることのできる絶妙な位置に放たれるノック。
ただ体育に関する知識の吸収と肉体的なトレーニングだけでは、ここまで的確なノックは打てるものではない。
子供たちをしっかり観察していること、さらに指導者としての技術の鍛錬も半端なものではなかった。
技術の向上に向けてがんばる子供たちに、それ以上の気持ちで応えようとする瑠美子の姿勢だった。
その瑠美子の打球を受け止めるため、男子も女子もユニフォームを連日真っ黒にした。

 その中でひときわ、理沙の守備力が光っていた。
打球の方向に対する反応、追いつく脚力、取ってから投げるまでの素早い身のこなし。
全てが他の選手と比較して数段上だった。
加えて彼女は、日が経つにつれて確実に腕を上げていく。
今や、ノックを打つ位置に瑠美子が困る様子を見せるほどである。
夏美は、確信した。
ライオンズは、変わる―――。


 アウトカウントを3つそろえ、これまでのイニングでは信じられないような短時間でベンチに引き上げるライオンズナイン。
後に入った女子4名にポジションを明け渡した途端に、この変わりようである。
ベンチで待つ男子も、引き続きポジションについている男子も、喜べない感情に唇を噛む。
4回表の攻撃は、今までの回がそれぞれ3人ずつで終わっていたため1番からの打順となる。
打席に立つのは入部間もない女子部員、妹尾理沙だった。
対するドルフィンズからすれば、野球とは男のするスポーツが『常識』。
そこに突如入り込んできた『女』の存在に、いい感情を抱くはずがなかった。
当然、守備位置に付いたナインと控え選手一同からはお決まりの野次が飛ぶ。
女は帰れ、遊びじゃない―――。
しかしバッターボックスに入った理沙はその罵倒の嵐にも大して動じる様子も見せず、
それどころか後ろで構えるキャッチャーの少年に対し少し笑顔を見せながら囁きかけた。
「君たちがバカにしてる女の子が、4人も入ったチームだよ。きっと、楽勝なんでしょうね。
もし抑えられなかったら、めちゃめちゃかっこ悪いよ」
「な、何だと!?」

 こんな状況で女子に余裕を持たれているように思えたドルフィンズのキャッチャーは、やや頭に血を上らせた。
ピッチャーに対し、力で押さえ込むようにとのサインを送る。
(こんな奴に変化球なんて必要ない!速球でビビらせて終わらせろ!)
 指図されずともそうするつもりだったと言わんばかりにピッチャーの少年は大きくうなづき、
振りかぶってストレートを放り込む。

 ガキッ!
「!!」
 やや力みが過ぎたのか、切れを欠いてしまった初球は理沙のバットにより弾き返されてしまった。
芯から外れ、バットの下の部分で捕らえられたボールは理沙の手前で大きくワンバウンドし、高々と舞い上がる。
なかなか落ちてこないボールに苛立ちながらようやく捕球したピッチャーが送球のため一塁を振り向いたときには…
理沙はもう既に一塁ベースを素早く駆け抜けてしまっていた。
「くっ…!」
 今までほぼ完璧に押さえ込んでいたライオンズにヒットを許してしまった。
しかも女に、加えて初球をいきなりだ。
ランナーを一人置いただけというシチュエーションでは珍しく、キャッチャーがピッチャーに歩み寄っていく。
「ま、まぁ落ち着けよ。まぐれ当たりってやつだよ。あんな高く弾んだんじゃしょうがないぜ」
「だけどよぉ…」
「大丈夫だって。さっきみたいにゲッツー取れば同じことさ。気にしないで行くぞ」
「でも…あの女、やけに足速くなかったか?」

 相棒になだめられはしたものの、やはり塁に置いてしまった女の走者が視界に入るたびに意識せずにいられない。
女なんかに…なんで打たれなきゃいけないんだ!
完全に気持ちを入れ替えられないまま、2番の誠を相手にする。
(こいつはさっきと変わらないから楽勝だろ…ゴロ打たせて2人とも打ち取る!)
 彼は投球モーションに入った瞬間、周囲から沸き起こったざわめきに気付いた。
「走った!!」
(何っ!?)
 理沙が盗塁を敢行したのだった。

「くそっ、生意気な!」
 捕球後素早く送球の体勢に入ったキャッチャーだったが、実際に送ることは出来なかった。
腕を振り上げたときには、理沙は既にセカンドベースにまで到達していたからである。
スライディングさえ必要ない速さで、二塁を陥れられた。
(くっ…そんなバカな!何だ、あの速さ…)
 たった2球の間に、1人の女にここまでかき回されてしまったことに、ドルフィンズバッテリーは恥辱の念を隠せない。


 味方の理沙のスピードを目の当たりにしながら、打席に立つ誠までもが屈辱に胸を焦がしていた。
…ライオンズの男子部員、磯野克臣と中嶋誠、そして女子新入部員の妹尾理沙は同級生。
克臣と誠のいる5年3組は、男女の体格差、身体能力の差が最も激しいクラスである。
日々、あらゆる面での女子の圧倒的な力の前に全面降伏させられる3組の男子児童たち。
その中でも、体育の陸上競技のジャンルで最も強烈に男子たちを叩きのめしてしまうのが、この理沙だった。
身長こそ3組女子の中では最も小柄な158cmで線も細い体型ながら、
それでも最大で150cmとチビだらけの男子から見れば見上げるほどの大女。
そして女子の中でもNo.1に君臨する、俊足の持ち主。
短距離走では男子高校生でも敵わないタイムを叩き出し、
長距離走ではグラウンドを走る場合、同学年の男子なら2〜3周は軽く周回遅れにしてしまう。
校外をコースに持久走を行えば、男子が先行し女子を数分遅れでスタートさせても
最初に帰ってくるのは決まって理沙だった。
瞬発力においても、スタミナにおいても、理沙と3組の男子たちでは格が違いすぎる。
よくテレビのマラソン中継で、沿道で観戦する素人がマラソン選手を全速力で追いかけるも
結局あっさり引き離されてしまう光景を目にすることがあると思うが、
理沙と3組男子の力の差は本当にそれほどのものだった。
数十m走るつもりでの全力疾走でも、スタミナ配分を意識しながら長距離を走る理沙に追いつけない……。


 そうしていつもいつも自分たちを屈辱の泥沼に沈めてしまう理沙が、なんとこのチームに入団してきたのだから
克臣も誠もたまったものではなかった。
体育の時間はともかく、野球チームは男だけのものだから女に荒らされるようなことはあるまいと
安心したような気持ちで打ち込んでいたところを、突如4年と6年の女子が乱入を果たし
そればかりか、よりにもよって同級生の女子までが踏み入ってこようとは。
…そして心配したとおり、理沙は野球の練習でも身体能力の高いところを見せ、
今こうして克臣を蹴り落とすように1番・セカンドのポジションに座ってしまっている。
…まさかこの少年野球チームでも、自分たちはこの理沙に泥水をすすらされることになるのか…
得点圏にランナーが進んだチャンスであるにも関わらず、誠は打席の中で浮かない顔だった。

 結局誠は三振に倒れ、1アウト。
続く太郎も浮き足立つ相手ピッチャーの前に粘ったものの、ファーストゴロに倒れてしまう。
その間に理沙は進塁し、2アウトながら三塁にランナーを置くチャンスが到来した。

 そして迎えるは、4年生の女子にしてライオンズの主砲、愛。
バッターボックスへと歩み寄ってくる愛を、ドルフィンズのキャッチャーはしゃがんだ状態のまま
空でも見るかのように大きく仰ぎ見なければならなかった。
仮に自分が立ち上がっても、それでも見上げなければならない、大きな少女を。
体のあらゆる部位が、今まで見てきたライオンズの男子部員とは桁違いの長さ、太さ。
手に持っている金属バットすら細い棒に見える巨躯。
自分の身の周りの大人でも見かけた経験のない胸、お尻、太腿に視線を奪われる。
いけないいけないと思いつつ、我に返れば注意のほとんどが愛の見事な肢体へと注がれている。
彼はいつもより、いやキャッチャーとして傍から見れば不自然なほど両脚を閉じ合わせて構えている。
そうしなければ、着ているユニフォームのズボンの縫い目を突き破ってしまいそうな剛直を
他のみんなに感付かれてしまいそうで心配だからである。
しかし、彼は知らない。
今自分が一人で勝手に惑わされて悶々とさせられている相手の少女が、
自分より2歳も年下の、たった4年生の少女であることなど…

 彼はキャッチャーマスクの中で息を荒げながら、必死に意識を野球へと集中させピッチャーにサインを送る。
それを受けるピッチャーの少年も、心の中では欲情を懸命に理性で押さえ込みながら、
生汗を浮かべて投球に専念しようとしているのであった。
球種が決まり、胸の鼓動を無理に隠してセットポジションに入る。


 つづく