5年3組物語 第1話

体育の時間

 小学生の間は男子より女子のほうが発育が早い分体も大きく力も強い・・・しかし、そんなことを差し引いても
このクラスの男女差は異様だった。

 Y小学校5年3組。男子20名、女子20名。男子と女子で1人づつ交互に出席番号順で並ぼうものなら
見事なまでの山谷ギザギザが形成される。女子が山、男子が谷間だ。
 男子は最も大きな子で安井栄作の150cm、対して女子は最も小さな子の妹尾理沙の158cm。最小の差で
8cmもの開きがある。最大の差ともなると目も当てられない。最も小さな男子、亀井文太が137cmに対し
女子で最長身の秋野さくらが185cm。同じ学年であるにもかかわらず50cm近い身長差!!文太の頭は
やっとさくらのへその辺りに到達するかしないか。大人と子供どころか、同じ生き物なのかどうかも怪しい。
 身長ばかりではない。体の逞しさ、力の強さなどでも男子は女子の足元にも及ばない。体育の時間に
行われた生徒の体力テストにおいても、クラスで順位を付ければ上位20位までは全員女子。そこから大きく
数値差をつけられて21位から40位まで下位全てを男子が占める。何もかもを完全に女子に大きく水を
開けられ、男子は皆すっかり自信を喪失し元々小さな体をますます小さくしただただ萎縮して学校生活を
送っていた・・・

 そんな男子たちにとって最も憂鬱な授業が始まろうとしていた。その日の5時間目は体育だった。
「ほらぁ男子たち!!さっさとしなさいっていってんでしょ!!」
 出席番号5番、小野美由紀に怒鳴りつけられ尻に美由紀の膝が容赦なく襲い掛かる。
「なにいっつも遅れてんの!グズグズしないで早く並びなさい!!」
 美由紀の叱責と膝に追い立てられまわしを巻いた男子20名が慌てて整列する。こういう男子のモタモタした
行動が体育委員の美由紀にはいつもいつも腹が立って仕方なかった。
 この日の体育は相撲。この小学校は児童の健全育成に力を入れ体育に相撲を取り入れており、グラウンド
には土俵まで設置されている。体育で相撲をする場合男子は裸の上にまわし、女子は体操服とブルマーの上に
まわしを巻き付けて臨むことになっている。しかし近年では男子が裸を恥ずかしがって思い切り土俵で暴れる
姿もめっきり見られなくなり、どの学年どの学級においても男子は女子の力強い相撲の前に敗北を重ねている
のだった。その情けない姿に古いOBらは嘆かわしいという感情を隠せないようだ。

 特にこの5年3組の現状は悲惨なものだった。
「あんたたち、今日は1番くらい取れるよねぇ?男の意地、見せなさいよ!」
「今日もたっぷりもんであげるからね。強くなってあたしたちを楽しませてくれなきゃイヤよ」
「きゃはは、無理無理。ちょっと突き飛ばしたら飛んでっちゃうんだもん。お相撲なんてやめればいいのにね」
「そうそう、あたしバスケしたいなー。こんなもやしっ子たち相手にするだけ時間もったいないよ」
 女子は整列しながら隣に並ぶ男子を見下ろして嘲笑する。こうして並ぶと腰の位置が全く違う。男子から
すればこんなに体格的にハンデがあるのに男女対抗形式でなどやりたくなかった。

「えー、今日は相撲を行います。いつものように男女別れて20対20の勝ち抜き戦でやるから。それでは整列。
・・・礼!」
 クラスの担任、沼田義男が男子と女子を向かい合わせて礼をさせた。この沼田という男もかなりの小男で
156cm、39kg。クラスの男子の誰より大きいものの、女子の誰よりも小さく、ほとんどの女子からは内心
ナメられている存在だった。ちなみに、女子の平均値は173cm、60kg。大人の沼田でも相手にならない
巨女ぞろいだった。

 今日の勝ち抜き戦の取り組みは出席番号順ということに決定した。最初の顔合わせは双方の出席番号1番、
磯野克臣vs相沢智恵理となった。
「磯野頑張れよ!少しでも体力を奪うんだ!!」
「俺たち20人で協力すればなんとかなる!」
「逃げ回ってスタミナを使わせろ!後で俺がどうにかするから!」
 はじめから1人1人での勝ちをあきらめている弱気な男子たちの声援に対し、
「智恵理、そんなチビ秒殺よ!」
「今日も20人完封しちゃいましょ!ふふっ」
「どうせ勝敗なんかわかりきってるんだからゆっくり痛めつけちゃおーよー!!」
「そうよ相沢さん、1人1人念入りにね〜!」
「いっそのこと男子もう5人くらい土俵に上がったらー?」
 女子の声援は完全に男子を飲んでかかっていた。

 行司は沼田が行う。
「はっけよーい!!」
 克臣は智恵理の巨体に怯えながらも思いっきりぶつかっていった・・・が、やはり相手が悪すぎた。
142cm、32kgの克臣に対し智恵理は小学校5年生にして182cm、80kgのパワフルボディ。クラス1の体重と
学校1の腕力の持ち主である智恵理の前に克臣のぶちかましはあまりに無力だった。ボール遊びでもするかの
ように智恵理は克臣を片手でキャッチして完全に勢いを止めていた。それどころか智恵理はそのままの体勢で
ずんずん前へ前へと進んで克臣を土俵の隅まで軽々押していく。
「ううっ・・・う・・・くくくっ・・・・・・」
 ズルズルズルズル!
 必死に踏ん張る克臣だったが、ただむなしく足のすべる跡を残して土俵の外へとスライドしていく。
「残念だったね磯野。あたし今日、スピード記録目指してるから」
 トンッ。
 ズッシャアアアアアアアア!!
 智恵理は克臣を押していく手をより一層強めて突き出すと、それだけで克臣は紙くずのように飛んで行き、
土俵の遥か遠くまで仰向けのまま滑走していった。女子の歓声が沸き起こる。

「だ・・・大丈夫か磯野!!」
 男子数名が駆け寄り気遣う。
「ううっ・・・相沢の奴ハンパじゃねぇ・・・つ・・・つえぇぇぇぇ・・・」
 ようやく開く口で克臣は智恵理の恐怖を語る。
「もういい、それ以上しゃべるな!」
「後は俺たちに任せろ!今日こそ一矢報いてやるからな!」
「あんたたちいつまでグジャグジャしゃべってるの!!あたし急いでるんだよ!次2番出てきなさい!
疲れさせるんじゃなかったの!?もう両手ついたりなんかどうでもいいからかかっておいで!!」
 土俵上の智恵理が男子に怒鳴りつけた。もう既に行司の沼田は完全に無視されている。

 次の相手は出席番号2番、市川義明。克臣とほとんど変わらない体型で女子から見ればまさに子供。
「さあ、おいで市川。力じゃどうせかなわないから頭使おうね」
 義明を悠然と見下ろしながら軽く手招きする智恵理。その口ぶりが義明のプライドを傷つけた。
「くそおおお女のくせにいいい!!」
 義明はよせばいいのに知恵利に猛然と突進していった。通用するはずもないのに。
 がしっ。
「ぐぅっ・・・くくくく・・・ぅ・・・・・・」
「だから言ったのに。無駄だって自分でもわかってるんでしょ?ほんとは。あってもなくてもかわらないプライド
ぶら下げちゃってさ。バッカみたい」
 ブンッ!!
 ドシャアアア!!ゴロゴロゴロゴロ・・・・・・
「キャハハハハ!!市川君みっじめ〜!!」
 女子の嘲笑に包まれながら義明は砂煙を巻き上げてグラウンドを転がっていく。智恵理を1mmたりとも後ろに
押しやることもかなわず一瞬のもとに泥まみれにされてしまった。
「次は大山でしょ!?早くおいで!あたしのスタミナ奪ってみれば!?」

 次に対するは3番、大山太。名は体を表すというが、太はその名の通りの巨漢だった。体重72kgは男子の
中でダントツの重さ。大きな女子と比べても太ほどの重さはそうそういない。
しかし、身長は145cm。女子には楽々見下ろされてしまう低さ。しかも、今対峙している智恵理は自分よりも
37cmも大きく、体重も8kg重い。・・・しかし、校区内の相撲クラブに属している自分が何もスポーツなど
していないただデカいだけの女に負けてなどいられない・・・!そんな想いが太を燃えさせていた。
「ふぅ〜ん、気合入れてるね、デブお。相撲で負けるわけには行かないよねえ。いっつも負けてるけど?」
「ふざけるな!俺のぶちかましを受けてみろ!!」
 太も相撲部の意地にかけて智恵理に突進!
 ガシッ!
「う!?・・・わあああああ!!」
「バカねぇ、つまんない意地張っちゃって。力だってあんたたち男子はあたしたち女子に逆立ちしたって
かないっこないってこと、忘れたの?」
 智恵理は太のぶちかましを小細工なしに真正面から受け止め、全く後退することなくその場に押しとどめて
しまった。
「ほらほらお相撲さんどうしちゃったのー?」
「なんにもしてない女の子に遊ばれちゃってるよ〜!悔しくないの〜?」
「頑張らなきゃおデブちゃ〜〜〜〜〜ん!!」
 女子に周りから囃し立てられ太は真っ赤になりながら智恵理を力の限り押して押して押しまくる。しかし、
そんなものは何の役にも立たなかった。いたずらに自分のスタミナを消耗するばかりだった。笑みを浮かべる
智恵理は微動だにしない。太の足はただむなしくズルズル空転するばかり。

「よっわ〜。あたしのまわしガッチリつかんでてなんでちっとも動かせないわけぇ?せっかくお情けで大山の
体勢にしてあげたってのに」
 太は智恵理を見上げて青ざめた。確かに智恵理は気をつけの格好のままだ。
「あんたの出し物はもう終わり?デブおくん。じゃ、あたしのぶちかまし、受けてみてね」
 ドォン!!
「ぐわあっっ!!」
 ドタドタゴロゴロ!!ズッシャアアアアア!!
「キャー智恵理つっよ〜〜い!!」
「ていうか相撲部がそんな簡単にお相撲で負けちゃっていいの〜?」
「なっさけな〜!!ただのデブじゃん!!」
 智恵理は太を密着状態から助走なしのぶちかましで軽々と遠くへ弾き飛ばしてしまった。太はまるで台風に
あおられて飛ばされる看板のごとく派手に転がっていき、グラウンドの土できな粉餅状態にされてしまった。

「さあ次おいで!!あたしまだ汗もかいてないよ!!」
 智恵理の紺色のブルマーの上に巻かれたまわしは全く乱れていない。怯えながらも逆らえず次々と男子が
飛び掛かっていくがその誰もが智恵理の体操服にしわを寄らせることすらかなわなかった。
もろ手突きでくの字になって飛んでいく男子。はたき込みでグラウンドに顔面をめり込ませる男子。けたぐりで
180度回転させられ頭から地面に突き刺さる男子。相撲の投げというより野球のサイドスローに近い投げ方で
矢のように放たれる男子。高々と抱え上げられボディスラムのように叩きつけられる男子・・・・・・

 20勝0敗で今日も女子の圧勝だった。男子一同は女子の1番手、相沢智恵理の前に20人もかかって
ストレート負けを喫してしまった。とはいえ、これは別に珍しいことでもなく、この5年3組ではいつものありふれた
光景だったのだ。ちなみに智恵理は息一つ乱していない・・・

「相沢さん、すごいわ!新記録よ!!」
「ほんと?どれぐらい!?」
「2分4秒よ!前にやったときより30秒も縮んでるわ!さすが相沢さんね」
「キャー智恵理おめでとー!!智恵理最強じゃん!」
「もうちょいで2分切れるよ!すっご〜い相沢さん!!」
「えへっ、ありがと。でもこんな弱虫ども相手じゃ自慢になんかならないけどね」
 智恵理は土俵の外でマグロのように転がる20人の男子を一瞥して鼻で笑った。

「いいかげんにしなさいよ男子!!少しは悔しいと思わないの!?」
 出席番号3番、朝井茜が怒り心頭の面持ちで男子一同に雷を落とした。
「弱すぎよ!!授業の時間まだ40分近くも残ってるじゃない!!あたしたちに体育やらせないつもりなの!?
勝ち抜き戦なんてどうでもいいからかかってきなさい!!残りの時間、あたしが稽古付けてあげるから!!」
 男子20名は立ち上がれないまま一斉に血の気を失った。智恵理1人にコテンパンにやられ体力を根こそぎ
もっていかれた上に、校区内の相撲クラブを日々蹂躙している怪力相撲少女の茜にまたまた痛めつけられる
恐怖に襲われたのだった。這いずって逃げようとする男子も出始めた。

「ほらぁ、さっさと土俵に上がれっていうのがわからないの!?」
 茜はろくに身動きもできない男子たちを一喝すると横になり続ける男子たちの元に歩み寄ってまわしをつかみ
3〜4人まとめて勢いよく次から次へと土俵上に投げ入れていく。収集されるゴミのように投げ転がされる男子
たちを見ながら、担任の沼田は怯えて声の1つも上げることができなかった・・・

「さあっ、かかっておいで!あたしに勝ってみなさいよ、20人がかりでさ!!」
 なんと茜は土俵上に上げた男子20人を一度に相手にするつもりらしかった。男子たちがようやく立ち上がる
頃には土俵の周りを10人ほどのほかの女子がぐるりと取り囲んでニヤニヤしながら男子たちを見下ろして
いた。逃げることは許さない、そんな雰囲気だった。女子1人vs男子20人のランバージャックマッチが開始
されようとしていた。

 逆らうことなどできそうにないとあきらめたのか、男子たちは意を決したように茜へと殺到していく。智恵理の
怪力で容赦なく投げ飛ばされたあとだったためかどの男子も攻めていく勢いに欠けていた。
「ふんっ!!」
 それに対し茜は気合とともに猛然と前方へ突進、前から力なくかかってきていた男子6人まとめてぶちかまし
の餌食にしてしまった。
 ドスウッ!!
「うわああああああ!!」
 男子6人のか弱い悲鳴がグラウンドにこだました。茜は弱小男子6人をブルドーザーのように一気に土俵外
へと吹き飛ばしてしまった。そのあまりの迫力に横や後ろから襲い掛かっていたほかの男子たちの足が
ピタリと止まってしまった。その隙を見逃す茜ではなかった。振り向きざまに男子たちをちぎっては投げ、
ちぎっては投げ。仰向けにうつ伏せに、男どもは次から次へと土俵をスライディングしていく。

 しかし、負けたからといってそれで終わってくれるわけではなかった。土俵の外へ転がされた男子はすかさず
そこを取り囲んだ女子たちに強制的に土俵へと戻され、再び茜に稽古を付けてもらわなければならないのだ。
叩き出されては智恵理や美由紀に情け容赦ない蹴りを叩き込まれ、またまた土俵上に投入されていく。
男子たちにはまさに地獄の、1対20の監獄デスマッチの様相を呈していた。沼田はただ、女子の作る円陣の
外でオロオロし続ける以外に何もできなかった・・・

 茜は幼稚園の頃から相撲が大好きで、毎日のように男の子を豪快に投げ飛ばしてはよく泣かしていた。
弱冠小学校3年生のときに、校区内の神社で行われた奉納わんぱく相撲大会で6年生の男子を軽々と破り
優勝を飾って以来無敗を続けている恐ろしい少女なのだ。
 たまたま長身の女の子がそろったこの5年3組では茜の身長は女子の平均値に2cm及ばないものの、
171cmといえばかなりの巨体の持ち主だ。また腕力こそ智恵理に1歩譲るが全身から生み出される馬力に
おいては校内の誰の追随をも許さない超絶怪力少女でもある。その力と相撲のテクニックが合わさり、茜は
校区に開かれた少年相撲クラブを乗っ取ってしまっているとの噂すらある。当初はそのクラブに正式な形で
入門したいと言っていたのだが女子の入門は許されないと断られたのだという。しかしあきらめきれない茜は
驚くべきことに道場破りのような形で強引に土俵に上がり、クラブ内の男子全員と元力士の顧問の男性まで
完膚なきまでに叩きのめしてしまい、その後は定期的に道場を襲撃しクラブを牛耳っているという。
そのクラブに入っているこのクラスの男子、太は当然茜に頭が上がらない。
「女人禁制?ふん、だったら弱っちい男だけでずーっとやってれば!?仲良く。」
 茜の軍門に下ってしまったときに彼女が吐き捨てた言葉が太の頭にはいまだこびりついて離れないらしい。

 茜のしごきは延々と続いていた。解放されたい一心で汗だくになり、涙を流しながら茜に組み付いていく男子
20人。しかし茜は笑みさえ浮かべてビクともしない。それはまるで大相撲の地方巡業で地域の豆力士が
現役の関取に大勢でかかっていくアトラクションにも近い光景だった。いや、凄惨さという面で見ればそんなもの
とはくらべものにならない恐ろしい惨状だった。
 投げられ、転がされ、叩きつけられ、張られて崩れ落ちる。汗でグラウンドの土がベッタリと張り付き、
全身の皮膚はおろかまわしや髪の毛に至るまで男子全員は土にまみれて真っ茶色の泥団子に変身させられて
いた・・・それでも容赦は一切なく、体操服にブルマーの上にまわしを巻いた女の子たちは身動きもままならない
茶色い男子たちをケラケラ笑いながらいつまでも蹂躙し続けていた・・・

 ようやく、5時間目終了のチャイムが鳴り響いた。
「ふん、今日のところはこのくらいにしといてあげる。次こそは1勝くらいあげなさいよ?」
 茜は息も切らせておらず、平然と手の泥をパンパンと払いながら言った。
「あれだけ茜ちゃんに稽古付けてもらったんだから少しは強くなったよね?次楽しみにしてるからね。
またあたしが相手してあげる。今度はガッカリさせちゃダメだよ」
 全身土にまみれ、まさしく泥のように横になったまま動かない男子一同を智恵理は楽しげに見下ろしながら
言い放つと、累々と転がる男子たちを裸足で踏みつけて渡るようにしながらグラウンドをあとにした。
それを見た多くの女子が面白がって自分たちもと泥だらけの男子たちを飛び石のように踏んで渡りながら
教室へと向かっていく。ただでさえ大きな女子たちがジャンプしながら体重をかけて小さな男子の背中や腹、
胸に飛び乗っていくのだからたまったものではない。女の子たちの素足が肉体にめり込むたび、男子たちは
ひき殺されるカエルのような悲痛なうめき声を上げる。
「きゃはっ、おもしろ〜い。でっかい鍵盤みたいだね〜」
 ピョン。ドスッ!・・・ぴょん。ドズウウウウウウ!!
「ふぐぇ!!・・・・・・があっ!!」
「亜紀ちゃん、もうやめてあげなよぉ・・・」
「え〜?どうして?楽しいじゃん」
「ぅぐうぶ!!・・・ぁあっが!!」
「だ、だって・・・かわいそうじゃない・・・・・・」
「こんな虫ケラぜーんぜんかわいそうじゃないよ。小百合ちゃんもやってみれば?楽しいよ♪」
 ぴょん!・・・ズウウウン!!
「ぐぉえええ!!」
「え〜・・・?わ、私はいいよぉ・・・・・・」

 ようやく動けるまでに体力が回復した男子たちは水道のところに集まっていた。全身の汚れを落とすためだ。
「あんたたち、そんな洗い方じゃきれいにならないよ。汚いままで教室入ってきたら許さないからね」
 背後から聞こえてきたその声に男子たちは背筋を凍らせた。恐る恐る振り返るとそこにはクラスの美化委員、
七瀬めぐみが腕組みして立っていた。その手にはゴム製のホースが持たれていた。
「あたしがきれいきれいしてあげる。おとなしく1列に並びなさい」
 そう言うが早いか、めぐみはホースを水道の蛇口につなぐと、丁度そのとき運悪く体を洗っている最中だった
克臣の腕をねじり上げてやすやすと組み伏せるとホースの先端をつまんですさまじい水圧をかけた!
 ビッシャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
「ぎゃああああああ〜〜〜!!」
「ほら、これぐらいやってようやく泥が落ちてきたでしょ?さ、ここもきれいにしなきゃ!」
 じゃばばばばばばばばばばばば!!
「あぶっ・・・がはがは!!ごほっ・・・や、やめ・・・ぶはぁ!!」
 今度は頭から容赦なく水圧をどんどん強めて噴射する!克臣はアスファルトの上にもかかわらず溺れそうな
苦痛にもがき、必死に許しを請い他の男子に助けを求める。しかし他の男子は皆、このめぐみによる善意の
ふりをした水責めに恐れをなして蜘蛛の子を散らすように逃げてしまっていたのだった。

「あ〜あ、他の男の子たち逃げちゃったよ・・・。バカねぇ、あの汚いまんま教室に入ったりなんかしたら女子に
何されるかわかったもんじゃないってのに・・・せっかくあたしがやさしくやさしく洗ってあげるっていうのに好意を
無にしちゃってさ・・・ねぇ、磯野君?」
 バシャバシャバシャアアアアアアアアア!!
「ごぼごぼ・・・だ、だずげ・・・・・・がばぁ・・・」
「くすっ、なにバタ足なんかしてるの?プールの練習?ふふ、変な磯野君。さあ、頭はきれいになったから
今度はこっちをきれいきれいしちゃおうね!」
 必死に足をバタつかせてなんとか逃れようとする克臣をガッチリ押さえつけて激痛を伴うほどの水圧を
かけ続ける167cmのめぐみ。極めていた腕を今度は脚で押さえながら手際よく克臣のまわしをほどき、
尻を丸出しにしてそこへさらにホースをきつくつまんでなおも強烈な水圧をかける!
 ビッジャアアアアアアアアアアアアアア!!
「あああああああああやめで〜〜〜〜〜!!」
「ほらっ、こーんなビッシリ泥が・・・茜ちゃんひどいまねするなぁ」
 自分こそたいがいひどい行いをしているめぐみだがそんなことはおかまいなしに、断続的に鋭く叩きつけ
られる水の勢いにもがき暴れる克臣の尻を指でガバッと押し広げ、情けないほど丸見えの肛門めがけて
全開の水流を何のためらいもなく叩き込んでいく!!

 じゃぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
「あううううーーーーーーーーーっっっ!!」
「中からきれいにしてあげる。やさしいでしょ?あたしって」
「はぁっ!!ひいいい!!や!!やめやめやめえええあああああああ!!」
「うるさい!!少しは静かにしたらどうなの!?」
 バッチイイイイイイイイイン!!
「ウギャー!!」
 めぐみはホースを持ち替えると鞭のようにして克臣の背中に強烈な一撃を加えた。袈裟懸け状に太い赤い
線が走り、克臣は絶叫とともに大粒の涙を溢れさせた。
「きったないあんたたちをあたしがわざわざきれいにしてあげようってのに何なのその態度は!?何様の
つもりなわけ!?ふざけるのもいいかげんにしなさいよね!!こうしてやるから!!」
 ズボッッ!!
「あうっ!?」

「あたしもうあんたなんて知らない。1人で勝手にきれいきれいしてなさい。バッカじゃないの」
 めぐみはゴムホース鞭の激痛にのたうちまわる克臣の肛門にホースを深く深く突っ込むと、そう吐き捨てて
蛇口を全開にしてその場を立ち去った。引き剥がしたまわしは克臣の手の届かないところに投げ捨てた。
「あっああぁ・・・待って・・・なな、せ・・・さん・・・・・・はずしてぇ・・・ぁおおおおおおおお」
 体力を完全に消耗して身動きの取れない克臣には尻の穴に深々と挿入されたゴムホースを自力で外す余力
など残っていなかった。悶絶する克臣をあざ笑うかのように水道はゴーッという音を立てて克臣の体内に
ものすごい勢いで水を注入し続ける。
 次第に克臣は腹がボッコリと膨れあがり、鼻と口からおびただしい水を吐き出して痙攣し始めた。さらに
1人全裸で外に放置されている精神的苦痛もあいまって、克臣は発狂しかねなかった。涙もとめどなく溢れる。
しかしその目は次第にトロンとしたものになっていった。激しい水流が前立腺をノックする刺激に克臣は
得体の知れない快感に襲われ始めていた。下がっていく体温とは対照的に、股間の未熟なものだけは
熱いたぎりにみまわれて硬く硬く天を突いていた・・・

 一方、残り19人の逃げた男子たちは案の定その汚れた姿のまま教室に入ろうとして女子たちに捕まり、
全員女子便所に連れ込まれ克臣とほぼ同じような目にあわされていたのだった・・・

つづく