巨樹少女 第1話 

告白

 皆さん、はじめまして。私、楠野美樹っていいます。私の話を皆さんに知って欲しくて・・・それで、ペンをとる
ことにしたんです。よかったらでいいです。私の告白、読んでください。

 突然ですが私、ハッキリ言って背が高いんです。相当高いです。最近では背の高い女の子なんていくらでも
いるのになんでそんなこといちいち気にするのかなんていう人もいるかもしれませんけど、私の場合は他の
人たちとは少し、いえものすごく事情が違うんです。私の身長を数字で見たらきっと皆さんは驚くと思います。
実際に生で私を見たらもっと驚かれるはずです。自分で言うのもおかしいんですけど、桁外れに大きいんです。
 ・・・では、私の身長をここに公表します。びっくりしないでくださいますか?無理かとは思うんですが・・・
・・・私、実は・・・・・・277cmもあるんです!!

 私、自分のこの怪物じみた大きさがとてもイヤなんです。外に出ればジロジロ見られて小声でヒソヒソ何か
言われてるし、電車やバスにも乗るのは一苦労です。当然合う服はなくて全て特注でオシャレなんて全く縁が
ないし、怖がられて誰にも話しかけてもらえません。会う人会う人みんな私を人間扱いしてくれません。

 私だって好きでこんなに大きくなったわけではありません。両親だって普通の大きさなのに私だけが突然変異
でもしたかのようにムクムク大きくなり続け、今では3mにあと23cmしかありません。それに私は今17歳の
高校2年生で、いまだに成長に歯止めがかからないんです。このままでは280cmをも突破してしまいそうで
私はもうつらくてつらくて仕方ありません。

 私は物心付いた・・・いえ、生まれた直後から大巨人だったそうです。普通の赤ちゃんとは比べものにならない
強力で早い成長を遂げ、幼稚園に入る前から既に小学校高学年ほどの大きさになっていたとお母さんは
言っていました。幼稚園に入ると私の大きな体に合うスモックがなくて私だけ私服。
「ようちえんのなかではすもっくきないといけないんだぞー」
 なんて周りの子たちは私を見上げながらいつも言っていました。すごく下のほうから。私、年長組に入る頃には
先生たちも含めて私より大きい人なんて誰1人いなかったんですから。その頃の私は中学生くらいの背丈で
黄色い帽子と幼稚園バッグ、水筒をぶら下げて肩にワッペンまで付けて通園してたんです。他の人たちは絶対
変に思ったはずです。いい年して幼稚園児のマネなんかして、そういう目で見られていたんじゃないかなって。
 卒園アルバムを見るたび、私は胸が痛むんです。私はいちばん隅っこで、隣にいる先生の頭が私の肩の
あたりにあります。ですからクラスのお友達なんかになると同い年なのにまるで親子みたいでした。

 卒園式のときなんか、私のお友達のお父さんお母さんがみんな私のことをジロジロ見ていました。私は
子供心にも恥ずかしかったです。なにせ、私はその頃にはもう両親の身長を遥かに上回っていたんです。
自分より小さなお父さんに手を引かれて卒園式に臨む幼稚園児なんて、世の中に私以外にはいないはずです。
同じクラスの子のご両親の方の中には、面白がって私の写真ばかり撮っている方もいました。自分のお子さん
をわざと私の隣に立たせて写真を撮られる方もいました。私・・・そのとき正直言って、傷つきました。

 私の発育は小学校に入るとさらに加速していったんです。データを添えますので見てください。

1年生 185cm
2年生 196cm
3年生 202cm
4年生 210cm
5年生 222cm
6年生 233cm

 どう思いますか?・・・やっぱり、気持ち悪いって思いますよね、私のこと・・・
9歳で2m超えちゃうなんて、絶対普通じゃないって自分でも思います。
 私自身もおかしいって思いました。毎日学校に通うたび、周りの景色が日に日に私より低くなっていくんです
から。ガードレール、通りに面したお家の壁、道路標識、そしてクラスの友達。
1年生の秋には教室に入るとき頭をぶつけるようになり、4年生の夏には教室の蛍光灯を頭で割ってしまって、
6年生になる頃には体育の時間にバスケットをすると私はジャンプしないでダンクシュートが放ててしまって
ました。ちなみに春ごろの体育の時間にある体力測定では私の記録は全て測定不能扱いでした。仕方ないん
です。だって、垂直跳びのボードなんて私の身長より低かったんですから。力を測る道具にしても私が少し力を
入れるとすぐバラバラになってしまったんです。6年生の年は始めから測定させてくれませんでした。

 これだけ異様なまでに大きい私ですから当然周りの子たちからは変な目で見られていじめられました。
遠くから言葉で私に悪口を言うんです。『お化け!』『ジャイ子!』『エベレスト女!』なんて言って。私はそんな
悪口を言い続ける男の子たちに、ただ唇をかみ締めて我慢し続けていました。クラスの女の子たちは
「あんな口だけの奴らなんか美樹ちゃんの力でぶっ飛ばしちゃえばいいのにー」
 なんて言ってくれてましたが私はそういう気にはなりませんでした。あまりに力が違いすぎるのが子供ながらに
わかってしまっていたからです。もし大けがでもさせてしまったらかわいそう・・・そういう思いで私はただ耐えて
いたんです。

 でもそんな私も1度だけ、我慢し切れなくてうるさい男の子に手を上げてしまったことがあります。その男の子
は、毎日毎日私に悪口を言い陰でコソコソ嫌がらせをする卑劣な子でした。女子はみんなその男子にひどい
目にあわされて迷惑していたんです。この男子はきっと、私がいつも抵抗しないから調子に乗ってふざけている
んだ、そう思うと私はついカッとなってしまったんです。
 グラウンドにいた私に、その男の子がいつものように文句を言いに来ました。
「ぬりかべ女!!かかってきてみろバーカ!図体がでけーだけでなんにもできねーんだろ!!」
 その日はなぜか、私の中でプチン、という音がしました。考えるより先に彼の頬に私の平手が飛んでいました。
これだけ大きい私ですから当然手も大きいんです。そのためか、軽く手を出したはずだったのに彼は数mも
飛んでいって近くにあったバスケットのゴールに頭をぶつけて鼻血を出しました。
 それでもそのときの私は怒りが収まらず、その男子の頭をつかんで思いっきり吊るし上げました。鼻血を
ボタボタ垂れ流しながら彼は涙を流していました。やりすぎたかな・・・そんな気も少しはしましたが、それより
この男子を今日という今日は徹底的に懲らしめてやるんだ、そんな気持ちが何より優先していました。
それから私は、言葉にならない言葉で必死に許しを請う彼に聞く耳を持たずにそこのバスケットのゴールに
頭からダンクで押し込んで、そのままほったらかしにして帰りました。いつもは普通にゴールリングの上から
シュートできる私ですが、その日は頭に血が上っていて思いっきりジャンプしてから落差を十分付けて彼を
叩き込んじゃいました。顔にゴールネットが食い込んで情けない表情で泣き叫ぶ男子に私はとどめにビンタを
1発食らわせて、さかさまで宙吊りになった惨めな彼をそのまま放置して帰っちゃったんです。
 それ以来、彼はめっきりおとなしくなって女子に嫌がらせなどしなくなったんです。私と彼の間に起こった事など
全く知らないほかの子たちは彼の変わりぶりに驚いていました。私としてはそのほうがありがたかったです。
ただでさえ大きくて色々言われる私に、暴力女なんてうわさまで流されたら私は学校に来られなくなっていた
ことでしょう。あのときは仕方なくやったことであって、私は暴力なんて嫌いなんです。信じてください。

 そんなこんなで私は止まることなく成長を続け今は高校2年生です。私の通っている高校の女子の制服は
この当たりで1番かわいいと評判ですが、277cmの私が着るとやはりかわいくないようです。デザインは私も
気に入っているんですがやはり私自身が大きいので、制服姿で街を歩くと街中の視線が痛いほど私に
突き刺さってきます。紺色のブレザーに赤いリボン、チェックのスカートというせっかくのかわいい制服も私の
怪物じみた大きさのせいで台無しです。・・・いうまでもなく私のは特注です。
 当然、靴も特注のものです。私、足の大きさが48.5cmもあるため、普通に靴屋さんでは手に入らないん
です。・・・おかしいですよね、50cm近い女子高生のローファーなんて。学校の下駄箱にも収まらないし。
下駄箱自体私には低すぎるので私の靴だけ下駄箱の上に置かせてもらってます。でもそうすると知らない人が
面白がって私の靴を見物していたり自分の靴を中に入れてみたりして遊んでいるのが時々見かけられて私は
また胸が痛くなってしまうんです。この間なんか用務員のおじさんが興味深げに私のローファーの中に自分の
脚を突っ込んで1人で驚いているのを目撃してしまいました。・・・ショックでした・・・

 足の大きさだけではありません。私、体のバランスが少しおかしいようで、身長に対して股下が少し長いです。
こんなことを書くと自慢してるとか言われるかもしれませんがこれも私には悩みの種なんです。
 身長277cmの私の股下は160cmあります。これにより私は先週、すごくショックな出来事に遭遇したんです。
それは体育の時間でのことでした。グラウンドを歩いていた私がふと立ち止まった瞬間、私の脚の間を
用具の片づけをしていた体育の先生が通過していったんです。私は一瞬、固まってしまいました。150cm台
後半の小さな先生だったとはいえ、私は大人の男の人を股越してしまうほどに大きくなってしまったんだって。
同時に、私が急に立ち止まったせいで不意に私の股間をすり抜けてしまった先生もすごく驚いている様子
でした。私はもうショックと恥ずかしさで真っ赤になってしまいました・・・

 あと困るのが、通学中のことです。うちの学校のスカートの丈は短すぎると思います。標準でも膝上なんて
おかしいです。それに多くの女の子たちはさらにスカートの丈を短く詰め、膝上10cmは軽くあるような超ミニで
登校しています。私は別に短くするつもりはないんですが、体が大きいせいで特注のはずのスカートも短く
なってしまって、太腿はむき出しになってしまいます。毎年グングン背ばかり伸びてしまうものでスカートがすぐ
ミニになってしまうんです。さらに私は体が大きいせいで体重も重くそれを支える脚はものすごく太いんです。
だから、あんまり見られたくないんですけど・・・私の太腿はスカートを押しのけるようにさらけ出されています。

 そんな大きな私ですから、よくスカートの中を覗かれてしまいます。股下160cmの私のお尻が、多くの男の人
たちの目線に近いところにあるためだと思います。ちょっと小さめな男の人なら何もしなくても私のパンツの色
くらいはすぐわかってしまうことでしょう。なので私は、階段を上っているときだけではなくて普通に歩いている
ときでもスカートの後ろを通学バッグで覆い隠しておかなければなりません。
 もし他に荷物を持たなければならないときや雨の日なんかは私のスカートは非常に無防備になってしまい、
堂々と中を覗きに来る男の人だっているんです。私がやめてくださいって睨みつけると、
「そんなにでかいのが悪いんだ!見られたくなければもうちょっと長いの穿けばいいだろ!?」
 決まってこういうことを彼らは言います。そういう言葉が耳に入ると私はまたプチン、ときちゃうんです。
私は無意識のうちにその男の人たちを大声で怒鳴りつけながら・・・蹴飛ばしちゃいます。
まるでサッカーのシュートを放つように、思いっきりキックしちゃうんです。私、怒ると手加減できなくて。
私の48.5cmのローファーが、男の人のおなかや顔面を覆い尽くすように叩きつけて、エッチな男の人はみな
空き缶のように飛んでいってしまいます。懲らしめるという意味ではそれでいいとは思いますが、そうすることで
私のスカートはより一層派手にめくれ上がって他の人たちにもパンツを見られてしまい、ますます恥ずかしい
思いを自分からしてしまうのが困りものなんです。

 そんな私の成長はまだまだ終わる気配がありません。ひょっとしたらもう既に280cmくらいいっているのかも
しれません。ひょっとしたら、私の大好きな、毎日1パックは飲んでいる牛乳のせいかもしれませんが・・・

 誰か、助けてください!!私、これ以上大きくなるのは耐えられません!!
私だって・・・普通の女の子なんです!!

つづく