各型式の特徴/変更点(相当マニアックです)

それでは、ここから本格的にアドレス110のマイナーチェンジ内容を見ていきたいと思います。
専門的な用語などが頻繁に出てまいりますが、基本的にフォローは致しておりません。
ご不明な点などがございましたら、恐れ入りますが検索エンジンなどをご活用下さい。



1型 UG110W/SW 1998〜1999年 \239,000-/\239,000-


1型は、鮮烈なデビューを果たした反面、発売当初は不具合の指摘が多かったモデル。
その原因は、神経質なキャブレターと、駆動系装置 “トルクカム” (注:俗称)、
そしてセンタースプリングなどによるもので、これらは生産途中で以下の変更が行われました。

キャブレター本体、及び、諸セッティング変更の内容は、
フレームNo.109301までの車両は、エアスクリューの戻し値が1回転+1/4戻し、
フレームNO.109302からの車両は、エアスクリューの戻し値が1回転+3/4戻し。
同時に、キャブレターヒーターのサーモスイッチも変更。
アイドリングが落ち着かない車両は、これを目安に再調整してみると良いかも知れません。

駆動系に関しては、水面下でフレームNo.112014を境に、数多くの部品が変更されています。
スズキ名称
俗称
補足メモ
フィクスト ドリブン フェイス   後のプーリーの右側。後の2型(Y/SY)と共通。
ムーバブル ドリブン フェイス  トルクカム 後のプーリーの左側。オイル封入式に変更。
Oリング    トルクカム変更に伴い追加。2型以降と共通。
オイルシール   トルクカム変更に伴い追加。2型以降と共通。
ムーバブル ドリブン スプリング センタースプリング 形状変更。
ムーバブル ドリブン シート   センタースプリングを受けるシート。形状変更。
ムーバブル ドライブ プレート ランププレート 段付きの物に形状変更。2型と共通。
ムーバブル ドライブ ローラー ウエイトローラー 20.0gから18.5g(刻印17.5)に変更。2型と共通。


クリアランスの厳しさが原因でベルトの背面に擦れ跡が付く初期型の駆動系

更に、フレームNo.112184からは、以下の部品の変更が追加。
後年の2型用部品と共通な点から、恐らくY/SYの部品が前倒し的に採用された物かも知れません。
スズキ名称
俗称
補足メモ
ムーバブル ドリブン フェイス  トルクカム 後のプーリーの左側。仕様変更。2型以降と共通。
ムーバブル ドリブン スプリング センタースプリング 滑り止めフック付きの物に形状変更。2型と共通。
ムーバブル ドリブン シート   センスプを受けるシート。形状変更。2型以降と共通。

その他のフレームNo.においては、ガソリンタンクの一部形状変更+部品追加、
トランスミッションであるリヤアクスルシャフト、そして左側のクランクケースや
ギヤボックスプレートなどを密かに変更。しかし、その理由や効果に関する詳細は不明です。
余談ですが、何気に車両本体のフレームまで変更されていたりします。



2型 UG110Y/SY 2000年 春〜夏 \250,000-/\255,000-



通勤/通学にその効果を発揮するウインドシールドを装備したモデルがラインナップから外れ、
代わりに、スポーチー&ハイクオリチー路線の “キャストホイール仕様” が新たに登場。
これが “中期型” であるY/SYで、特にSYの仕様は以降のスタンダードと化します。

不具合的な症状の指摘が相次いだ1型の駆動系と吸気系の改善、そして更なる質感向上を目的とし、
車両全体に渡り大幅な見直しが行われた2型の変更点は多岐に渡りますが、ここで有名な変更点と、
あまり知られていないと思われる変更点を挙げてみたいと思います。
スズキ名称
俗称
補足メモ
フィクスト ドリブン フェイス   後のプーリーの右側。
ムーバブル ドリブン フェイス  トルクカム 後のプーリーの左側。オイル封入式に変更。
Oリング    ムーバブルドリブンフェイス変更に伴い追加。
オイルシール   ムーバブルドリブンフェイス変更に伴い追加。
ムーバブル ドリブン スプリング センタースプリング 滑り止めフック付きの物に変更。
ムーバブル ドリブン シート   センタースプリングを受けるシート。形状変更。
ムーバブル ドライブ プレート ランププレート 段付きの物に変更。
ムーバブル ドライブ ローラー ウエイトローラー 20.0gから重量18.5g(刻印17.5)の物に変更。
クラッチ アッシ クラッチ シュー 仕様変更。
ドライブVベルト ベルト 仕様変更。若干短くなった。
スパークプラグ 点火プラグ BPR7HSから、ひとつ下のBPR6HSへ変更。
クランクケース セット(レフト/ライト) クランクケース レフト側はクラッチケース本体を兼ねる大型部品。
ブッシュ   エンジンマウントのブッシュ。
キャブレタ アッシ キャブレター メインジェットは#80.0から#77.5に変更。
オイルポンプ アッシ オイルポンプ  
フューエルポンプ アッシ フューエルポンプ  
クーリングファン(カバー含む一式)   カバー形状と取り付け方法を変更。緩衝材追加。
リヤアクスルシャフト   ミッション側のアクスルシャフト。
キックスタータレバー アッシ キックレバー 仕様変更。3型、4型共通。
ステータ アッシ コイル  マグネト(マグネット)周辺部品。 
ローター アッシ アウターローター マグネト(マグネット)周辺部品。
スターティングモータ リレー アッシ (リレー) セルモーターのリレー。
レクチファイヤ アッシ レクチファイヤ  
CDIユニット CDI 点火時期等を変更。接続コネクタ形状に変更なし。
フロントコンビネーションランプ アッシ ヘッドライト一式 マルチリフレクター式に変更。性能大幅向上。
リヤコンビネーションランプ アッシ ブレーキランプ一式 リヤウインカーのレンズをクリアー仕様に変更。
フレーム フレーム 一部形状変更。
クランクケース ブラケット セット エンジンハンガー 一部形状変更。
センタスタンド センタースタンド 形状変更。
リヤキャリア リヤキャリア 形状を大幅に変更。別物。
シート アッシ シート 材質とパターンを変更。滑り難く水捌けも良い。


初期型用の物と比べ見栄えも明るさも視認性も大きく勝るマルチリフレクター

駆動系部品は言うに及ばず、ここで、あえて注目したいのは、ヘッドライトと乗車シート。
この二つは、1型のそれを遥かに凌駕する性能や機能性を有しているため、
好みの問題や、1型オーナーたる拘りなどといった問題がクリアーできるのであれば、
是非オススメしたい逸品。その他、1型のリヤキャリア、及びセンタースタンド周辺部品は、
よほど状態が良くない限り、そろそろ経年変化による破損や欠損が危惧されますが、
交換の際は、新型をオススメしたいと思います。

補足。
フレームNo.112184の時点で、以下の部品の変更が追加。
スズキ名称
俗称
補足メモ
ムーバブル ドリブン フェイス トルクカム Y/SY、及び、後年の3型(SY)、4型(SK1)共用。



3型 UG110SY 2000年 秋〜冬 \255,000-


同じ2000年式のSYでありながら、明らかに別物として扱うに相応しい車両。
実は、この車両の存在こそ、私が 『1〜5型』 という便宜名を用いる事になった最大の要因。
単に “SY” と表記すると、この型なのか、それとも違う方の “SY” なのか、
HPを作っている側も観る側も、ゴチャゴチャになりかねないので、思い切って
同じスズキのGSX-Rなどにあやかり 『1〜5型』 という便宜名を思いつくに至った次第。

さて。
3型の特徴は、やはり、4型に限りなく近い車体の部品構成にあると言えます。
スズキ名称
俗称
補足メモ
クランクケース セット(レフト/ライト) クランクケース 4型と共通。
ブッシュ   エンジン連結部のブッシュ。4型と共通。
ギヤボックスプレート   4型と共通。
クランクシャフト アッシ クランクシャフト 4型と共通。
キャブレタ アッシ キャブレター 4型と共通。MJサイズ #77.5、AS戻し値 1+1/4。
エアクリーナ アッシ エアクリーナーBOX 形状変更。エアバルブ接続口を増設。4型共通。
エアバルブ   キャブとエアクリを繋ぐ新造追加部品。4型共通。
マフラ マフラー 触媒/ヒートガードプロテクター装備。4型と共通。
フィクスト ドリブン フェイス   後プーリーの右側。4型と共通。
ムーバブル ドリブン スプリング センタースプリング 4型と共通。
ムーバブル ドライブ プレート ランププレート 仕様変更。段付き。4型と共用。
ムーバブル ドライブ ローラ ウエイトローラー 重量20.0g。1型/4型と共通部品。品番も同じ。
ムーバブル ドリブン スプリング センタースプリング 4型と共通。
ドライブVベルト ベルト 仕様変更。4型と共通。
リヤアクスルシャフト   ミッション側のアクスルシャフト。4型と共通。
CDIユニット CDI 仕様変更。排気ガス規制対策済み。4型と共通。
リヤキャリア   仕様変更。色は艶有りブラック。4型と共通。
フレームカバーエンブレム エンブレム 材質/デザイン変更。平坦なワッペン調。4型共通。


後期仕様のリヤキャリアはブラックで塗装されたグロス (艶あり) 仕上げ

上記の表の通り、実際のところ3型SY後期と4型SK1の差異は、非常に少なく、
型式上は確かに “SY” なのですが、その内容は、ほぼ後年に登場する “SK1” のそれです。



4型 UG110SK1 2001〜2002年 \255,000-


排気ガス規制に適合したアドレス110の、ひとつの完成形であった3型から、
若干の仕様変更が行われた4型・SK1は、全型式の中で、最も変更点が少ないモデルです。

以下は、SY後期型である3型から4型に移行した際の変更点の一部。
スズキ名称
俗称
補足メモ
ロックセット キーシリンダーセット 仕様変更。詳しくは別記参照。
ステアリング ロック シヤツタ キーシャッター 従来のスライド式から回転式に変更。
バッテリ アッシ バッテリー FTZ5L-BSに変更。容量は4.0AHから4.5Ahとなった。
ホイール(フロント/リヤ)   カラーをシルバーに変更。

“ロックセット” とは、キーシリンダーとメインキーのセットを意味します。
内訳は、シャッター付きメインキーシリンダー、給油口のキーシリンダー、シートロックのキーシリンダー、
そしてメインキー2本と、シャッター解除用磁石2個。
この一式は非常に高価で、交換工賃も決して安価ではありません。
標準作業時間1.5h指定ですので、時間工賃@\8,000-で計算すると、おおよそ\12,000-です。

ここで注目すべきは、やはり新型の “ステアリング ロック シヤツタ” 。
これは、いわゆるキーシャッターの事ですが、実は、この部分だけを注文する事が可能です。
内訳は、キーシャッター1個と、解除用磁石4個のセット。
シャッターの交換を要する場合は、コチラをチョイスするのが賢明だと思われます。

因みに、バッテリーの容量が上がった件に関してですが、
残念ながらFTZバッテリーを一般的な量販店で入手する事は、意外と難しい状態です。
恐らくは、二輪販売店か、用品店に発注を申し込むしか、入手する方法は無いでしょう。
従来型のFTXバッテリーであれば、容易に入手できるうえ、費用も安く済みますので、
仮に交換時期が訪れた際は、安価な品物で代用するのも一興でしょう。
2006年 訂正・追記 今では普通に買えます。


在庫も種類も豊富な4.0AHバッテリーは専門店/量販店問わず簡単に入手可能

実際のところ、私は普通の5L-BS(4.0AH)仕様の安価な製品を使用中です。
(Yahoo!オークション経由\1,800-の4.0Ahバッテリー/現状では不具合ナシ)



5型 UG110SK3 2003〜2004年 \255,000-


2002年に施行された二輪車の騒音規制に合わせたマイナーチェンジを施された5型、SK3。
騒音規制/加速騒音規制に合わせて仕様変更された部品が新造・追加されました。
仕様変更された部品は、イグナイター、及び、CDI。
新造された部品は、マフラー、クラッチアウターカバー。
その他、クラッチのアウターカバー増設に伴い、キックレバー等も仕様変更されています。

マフラーに至っては、触媒+騒音抑制を目的とした仕様のものに内部構造を変更。
SK3は従来モデルから更に吸気、点火、そして排気と、ほぼ全ての要素に対応を施された訳ですが、
それでも2サイクルエンジンは環境に厳しく、果たして5型は文字通りの最終仕様。
2005年の3月、アドレス110はUG110SK3をもって、生産が完了となっています。


30年後には 『チャンバーって何』 という若者が電動車を乗り回しているかも



本文作成 2005年02月16日
追記改訂 2005年05月18日
追記改訂 2006年12月08日

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