梅の湯
(Umenoyu)



 銭湯マップを広げてみよう。千代田区のページを見ると、皇居の廻りにバン・ドゥーシュ稲荷湯、梅の湯の3軒の銭湯があることが分かる。「そりゃそうだろう、皇居の中に銭湯があるわけがない」と言うことなかれ。皇居の廻りにある銭湯は、同じ共通点があるのだ。
 1つ目の共通点はどれもこれもビル銭湯であるということ。2つ目の共通点は、どれもこれも通常の銭湯に比べたら、脱衣室も浴室も狭いということ。千代田区は土地の値段が高いからやむをえないのかもしれない。3つ目の共通点は、どれもこれもランナーズ御用達銭湯であるということだ。
 バン・ドゥーシュと稲荷湯は既に紹介しているので、今回紹介するのは、3軒目の梅の湯である。地図を見てみれば分かるが、梅の湯は他の2つの銭湯と比べると、皇居から一番遠い場所にある。しかも、周辺には水道橋西通り、靖国通りという2つの大通りがあり、車の往来も、人の通行量も格段に多いと言える。一見すれば、ランナーズにはあまり良い条件とは思えないのだ。
 私が銭湯に到着した頃は、18:00前だったせいか、ランナーズはいなかった。しかし、18:10を過ぎると、続々とやってくるではないか。彼らは、湯銭を払い、脱衣室で走る格好に着替え、銭湯の前の狭い通りで準備体操をしてから、水道橋西通りを南下して皇居へ向かう。歩道にたくさんいる人をよけながら走るのはかなり面倒であろうと思うのだが。
 実は、今日始めて知ったことがある。ランナーズ達は、パンツを脱いで、直に短パンを身に着けているのだ。まるで「海パン」をはくかのようにだ。ひょっとしたら、走るためのパンツでなければ、××が揺られすぎてしまって、うまくないのかもしれない。
 彼らは、脱衣室で着替えをする前に、一風呂浴びて、走った後にも一風呂浴びることが可能であろうと思われる(恐らく、フロントでは2度入浴まではチェックしていないはずなので)。しかし、彼らは決して走る前には風呂には入らない。そうしたとたんに、走る気力がなくなってしまうのだろう。風呂好きの私の考えることと、彼らの考えることには大きな違いがありそうだ。私は風呂に入って快感を覚え、彼らは走ることに快感を覚える。彼らにしてみたら、風呂なんて「おまけ」でしかないのだ。
 前置きが長くなってしまったが、梅の湯の浴室を紹介しよう。浴室に入るといきなり目の前は洗い場の列である。それが右手の方へ8個連なっており、さらに奥に2列の洗い場があるが、洗い場は全部あわせても15箇所しかない。浴槽は浅風呂、電気風呂、ボディーマッサージ風呂、エステ風呂(スーパージェット)がある。電気風呂は、ランナーズにとって重宝されているに違いない。湯温は40℃を示しているが、実際には43℃はあるだろう。かなり熱い湯である。
 入浴を終えて、フロントのあるロビーに戻ると、古い木造の銭湯の絵が掲げてあるのに気が付いた。銭湯の前には、これまた古そうな商店が両側に並んでいて、なかなかいい味を出している。フロントに座っている若く愛想の良い女将さんによれば、8年前までこの木造の銭湯だったらしい。幸か不幸か、東京の町並みは日々進化しているのだ。
 それにしても、東京都の中心部には「神」がつく地名が多いものだ。梅の湯がある場所は神田神保町。神が2つもついている。神谷町、神楽坂という地名もある。他にも探せばたくさんあるかもしれない。日本人がいかに神様を大切にしていたかがよく分かるというものだ。いや、神頼みが過ぎるという考え方もできるが。
 ちなみに、梅の湯の玄関にある自動販売機では、500mlのペットボトルのミネラルウォーター、ウーロン茶、スポーツドリンクがいずれも100円である。これはお買い得だ。ランナーズに優しい気配りと言えるだろう。
 ランナーズは今日も梅の湯で汗を流す。いや、皇居で汗を流す。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
東京都千代田区神田神保町
2-8-2
450円 × × 15:00〜25:00
(祝日は15:00〜23:00)
日曜日

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年7月29日(火)



 
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