世界湯
(Sekaiyu)



 今回紹介する銭湯は新宿区の世界湯。JR高田馬場駅から徒歩約7分程度の場所で、今年の6月にリニューアルオープンしたばかりの新しい施設だ。見ての通りのビル銭湯である。
 中に入ると広いロビーがあり、新しいマッサージ椅子と65インチの巨大液晶テレビがある。マッサージ椅子を使いながら、巨大テレビを観るためだけに世界湯に来ても、十分に価値があると思う。また、ロビーや脱衣室はクリスマスの飾りつけがなされている。
 脱衣室には上品な色合いのロッカーが並ぶ。今日は会社帰りでスーツやコートを着ていたため、フロントで大きいロッカーの鍵をもらった。ありがたいご配慮である。脱衣室にある体重計は、100分の1kgまで計量可能。これなら健康管理もバッチリである。
 さて、いよいよ浴室へ入る。浴室は複雑に配置された洗い場が全17個所。うち、3個所はブース状になっており、石の仕切り板で区切られている。シャワーブースも2か所あり、見れば常連客が1人ブース内で居眠りをしているようである。居眠りができるほど居心地の良いシャワーブースなど見たことがない。これは常連客にしか許されないシャワーブースの使い方なのであろう。
 浴槽は、電気風呂、ミクロバイブラ(気泡風呂)、座風呂(1人分)、ボディーマッサージ風呂(1人分)、露天風呂、水風呂がある。
 電気風呂では、ステップをうまく使えば、腰に電極を密着させることができよう。反対側の電極は、背中から肩の範囲に効果があるであろう。この電気風呂の電流は弱めなので、電気風呂初心者向けである。内湯の湯温表示は42℃程度で少し熱めか適温である。
 露天風呂は岩風呂になっていて、照明が暗め。落ち着いた雰囲気である。湯温表示は40℃であり、長湯が可能だ。露天風呂の隣には水風呂があり、水温18℃を示している。
 水風呂の向こう側はサウナだ。中を除くと、常連客が寝転がってテレビを見ていた。定員10〜12人くらいで、室内温度表示は70℃。
 我が銭湯愛好会のメンバーには、サウナ・水風呂好きで電気風呂が苦手という者がいるかと思えば、その反対の者もいる。風呂の楽しみ方は様々であるが、世界湯はどの風呂好きをも魅了できるだけの設備を備えている。
 世界湯の屋号の由来をフロントで尋ねてみると、「祖父の代に命名したらしい。この銭湯が世界に羽ばたけるようにとの思いが込められていると聞いている」との説明であった。
 日本で銭湯が爆発的に増えていた時期、銭湯は世界に羽ばたく人材を多く輩出していったはずだ。高田馬場という地理的条件から言って、たくさんの大学生もこの世界湯から巣立っていったに違いない。
 銭湯そのものが世界に羽ばたけるかどうかはちょっと怪しいかもしれないが、銭湯を利用した人々が世界に羽ばたいていったことは明らかである。世界湯には、そのような人々の「記憶の世界」が存在している。
 設備はリニューアルされてしまったが、世界湯という屋号は残された。世界湯が「いつでも帰っておいで」と言ってくれているようである。

大人450円、中人(6歳以上12歳未満)180円、小人(6歳未満)80円、サウナ追加料金550円(サウナは男湯のみ)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
東京都新宿区高田馬場3-8-31 1,000円 男湯
のみ
15:00〜25:00 木曜日

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2009年12月21日(月)



 
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