| MATS/MORGAN - Live in RIO France 15,April,2007 |
| | プレザンに続いてネットでの音源流出を見つけてダウンロードした4月RIOフェスでのオーディエンス録音もの。最近固定されていた5人編成ではなく、元メシュガーのGustaf Hielm(b)を加えてのキーボードトリオでの演奏が約65分行われている。前作「Thanks For Flying With Us」のボートラ扱いで収録されていたMats/Morgan二人のデュオ即興にかなり近い内容で、既存曲のモチーフをかなり基本としながら、ベースのリフを軸にしたMorganのリズムのズラシとMatsの流れるようなメロディラインと右手と左手のアンサンブルと複数keyの音色の変化が堪能できる。来日ライヴでも彼らのテクニカル的な凄さは理解はしているわけだが、さらに圧倒的に高速化しているパートも多く、このような小編成でのちゃんとした別リリースものぞみたいところ。[2007/12/30] |
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| DVD:ROVO - Live at 京大西部講堂 2004.07.18 |
| ('07年日ROVOLONE)CD:2,415-5曲/65'16、DVD:\3,465-7曲/約100分 オフィシャルブートレグシリーズの新作(とは言っても販売はユニバーサルなので公式盤とあんまり差異がなくなっているような)はCDとDVDの同時リリース。前回のオフィシャルブートCD「Live at MAGASIN 4 2004.06.04(ベルギーライヴ)」があまりにも悪い音質だったので心配したのだが、さすがに国内収録ということで音質/画質・カメラワーク共に問題なし。内容についてはこの時期のROVOはたびたび絶賛したので特に繰り返す言葉もないのだが、私が必要としている最高のロック形態の一つの完成形であることを再確認。既発DVDの「Live at 日比谷野音 2004.05.05」と同一メンバーかつ収録曲もほとんど重なっているのだが、今となっては貴重な中西在籍ツインシンセ時代ということで、マニアには別テイクも価値があるだろうし、初聴者にとっても廉価なのでお買い得だろう。 なお、CDとDVDの相違は本編の「西部講堂」部分ではDVDがたぶん完全盤の80分強の収録なのに対し、CDはオープニングナンバーと思われる"Urma"の1曲のみカット。DVDではさらにボートラ的にCD既発の前述ベルギーライヴから20分弱の"Cisco"(とのタイトルクレジットだがエンディングの3分間を除き実質新曲的なセッション?)の映像が収録されているが、音質はCD同様悪く画質も最悪。しかしぼんやりとした映像を伴うことでその場の凄まじい演奏内容はかいま見えるだけにフラストレーションがたまるのが辛いところ。 [2007/12/30] |
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| ANIMA MUNDI - Primer Encuentro/Segundo Puente |
| ('07年日ewe/GLAMOROUS 各\2,500)9曲/71'25+9曲/66'24 2007年3月と9月に分けてリリースされた、芳垣安洋とアルゼンチンのサンティアゴ・ヴァスケスを中心としたセッション作。全曲に両者と高良久美子という3人のds/per奏者がクレジットされ、曲替わりで内橋(g/ダクソフォン)、GOMA(didjeridoo)、アレハンドロ・フラノフ(key他)岡部洋一(per)が加わるというもの。基本的には即興なのだろうが、やたらと厚くてバラエティに富んだper類に、限られた上物がかなりメロディアスに絡んでくれるので予想以上に良い意味で聴きやすい仕上がり。完全にインド音楽になるパートもあるのだが、総じて特定不能な無国籍民族音楽風、しかし根っこはしっかり張り巡らされて世界共通の根源にはしっかり繋がっている説得力を持った素直に良い音楽。一連のアルゼンチン勢とのセッションの中でも最高峰にランクされる。 ただ両作ともに編集のされ方はかなり似通っているので、これだったら同時リリースの2CDがふさわしかったように思う。[2007/12/30] |
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| FRIPP & ENO - Beyond Even(1992-2006) |
| ('07年 日WHDエンタテインメント\3,675)2CD-13曲/54'04+13曲/56'39 '73年「No Pussyfooting」'75年「Evening Star」'94年「The Essential Fripp and Eno(ベスト+未発表)」'04年「The Equatorial Stars」とリリースを重ねてきたおなじみデュオユニットの未発表曲集。国内限定2CDだが「2枚共同じ曲なんだけど曲間のあり・なしの編集が異なる」という、私の能力では全く理解不能な仕様となっている(単に日本のファンがナメられている?)。 内容的には'92-'06年という14年間の未発表曲の編集版ということなのだが、過去のデュオ作品のようなアンビエント志向で統一されてはいない。「イーノの打ち込みリズムを駆使したソロ作品に、フリップがゲスト参加した」、もしくは「フリップのサウンドスケープソロ作品に、イーノがエレクトロニクスでオカズを加えた」、ような印象を受ける曲も多く含まれている。トレイ・ガンが加わった曲などはProjeKctシリーズそのものといった感。結果、過去のデュオ作に比べるとロック、メタリックな印象が特に強い。エレクトロニクスアーティストとしての「イーノ」「フリップ」「フリップ&イーノ」の3要素それぞれの入門的ベスト盤としても聴け、1CDで出されていたら結構オススメしたくなる内容ではある。[2007/12/30] |
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| ('07年 日NORRSKEN¥2,625)20曲/57'32 結成20周年記念の5作目新作。当然のことながら11月の来日公演での演奏曲とかなり重複し、印象も似通っている。メンバー各人のこのユニット以外の活動を通じ、このユニットでやるべきことの確信が三人に熟成してきているということなのだろう。全く目新しさはなく、オーソドックスなマトモなアコースティック現代トラッドで私の縄張り外なわけだが、素直に説得されてしまう「良い音楽」である。ライヴのような超絶高速場面はほとんどなくて抑えたアンサンブルなのだが、全て本質に向かっている。器楽インスト、レーナの歌もの、三人のアカペラ、それぞれのアンサンブルが全て奇跡のように素晴らしい。[2007/12/30] |
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| EGG - The Metronomical Society★★★ URIEL - Arzachel Collectors Edition |
| ('07年英EGG ARCHIVE)EGG:12曲/61'51 URIEL:12曲/60'26 ハットフィールズのアーカイヴ「赤盤」「青盤」に続いてBurning Shedからの注目アーカイヴ、今回はエッグ関連の2枚がリリース。まずは今更ながらエッグとユリエルとアーザケルの関係を整理しておくと、デイヴ・スチュワート(org/p)、モント・キャンベル(b/vo)、クライヴ・ブルックス(ds)、スティーヴ・ヒレッジ(g/vo)の四人が'68年に結成したバンドがユリエル。'68年末にヒレッジが脱退しトリオ編成となってバンド名をエッグに変え活動した後'70年にエッグは1stをリリース。ユリエルは'69年に(トリオ編成のエッグと並行して?)一時的に再編されアルバムレコーディングを行うがすでにエッグのメンバーがデッカと契約を結んでいたこともあって、アーザケル名義でメンバーの名前も変えてアルバムがリリースされた。。。が大ざっぱな概要のはず。
まずはエッグの方から。「Archive Recordings 1969-1972」と副題が付けられている。ハットフィールズのBBC放送音源でも聴かれたようなユーモラスなカヴァー曲や間奏曲的な小曲類を除いて未発表曲はなし。過半数を占める7曲が「1969-1972年のラジオ音源からの録音」とされ、シングル/1st/3rd曲が演奏されている。曲毎の録音クレジットがないが既発ブートともかなり重複するのだろうと思われる。"Germ Patrol" "Enneagram" "Wring Out The Ground"といった3rd曲がすでに完成された形で瑞々しく聴けるのも貴重だし、実質ラストに配された1st収録"Mcgillicuddie The Pusillanimous"はリズムセクションの疾走感に乗っかる暴力的な音色のオルガンがスタジオ盤を圧倒するハードさが特に素晴らしい。この1曲だけで「買って良かった」。残りの半分はライヴ録音でブートでも出てない新ネタだと思われる。2ndアルバムのB面の大曲"Long Piece No.3"が1972年6月9日のライヴ録音から収録されている。ライヴではスタジオ盤と進行が異なるのも面白いし、既聴の同曲ブートのライヴと比べても本作の音質も良好。演奏もスタジオ盤以上にムチャなオルガンの早弾きパートが挟み込まれてカッコ良く、スタジオ盤と甲乙つけ難い魅力あり。ラスト(42秒)は1971年12月5日のライヴ録音でハットフィールズのライヴのオープニングでもおなじみの"I Do Like To Be Beside The Seaside"。スチュワートの趣味なのかエッグのライヴの時からオープニングに使っていた?ことは微笑ましい。
ユリエルの方は唯一のアルバムである'69年6月録音のアーザケル名義のCD再発というのが基本。私は既聴ではあるが本編6曲久しぶりに聴き直す。A面にあたると思われる5曲の歌モノ中心の小曲はエッグ以上にクラシカルなキャンベル曲とブルース&サイケデリックなヒレッジ曲との対比が極端で面白い。ハイライトはB面にあたると思われる17分のインプロ曲で、想像するに当時のロンドン、ピンクフロイドやソフトマシーンが繰り広げていたであろうサイケデリックなジャムセッションそのもの。この展開になるとキャンベルの楽曲構築力は後退しヒレッジ色が強くなるが、A面に比べてスチュワートのオルガン演奏が積極的でしっかりとヒレッジに拮抗している点はポイント高い。 で多くのマニアはアーザケルは既所有だろうから、ここから後のボーナストラックが関心事になるだろう。四人での演奏は2曲収録されている。1曲は'68年5月録音のスタジオデモ録音はホルスト「惑星」から「土星」で、予想通り重々しいオルガンのフレーズに暗いギターのリフがその後の展開に期待を持たせるが4分弱で終わってしまう。もう1曲はブルースでフレディ・キングのカヴァーだが40秒しかテープがなかった模様でフェードアウト。。。と四人でのテイクは期待外れに終わる。目玉と言えるのはヒレッジ脱退後のトリオ編成、実質的に初期エッグの'68年後半から'69年初頭にかけてのスタジオデモ録音3曲。エッグの1stアルバムの洗練には至らないものの、1stの前のシングル曲にも似た、クラシカルとサイケとポップとが微妙に交じり合った味わいは私的には結構好き。[2007/12/22] |
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| Hugh Hopper - Numero D'Vol |
| ('07年英MOONJUNE) 11曲/64'31 ヒュー・ホッパー(b)のソロ名義新作は、サイモン・ピカード(sax)、スティーヴ・フランクリン(key)、チャールズ・ヘイワード(ds)という豪華メンバーでのユニット編成によるもの。作曲クレジットは全て四人全員名義だが、一般的な意味での即興フリーという感じではなく各自が持ち寄ったモチーフを軸にしたセッションが基本になっているようだ。ピカード/フランクリン主体の落ち着いたメロディアスな路線と、ホッパーのファズベースにヘイワードが乗っかる硬質のリズムセクションに自由度の高いソロが加わる展開とがうまく混在しており、断片的にはかなりスリリングな噛み合いを見せる。正直なところそんなに高くはなかった期待値は確実に上回ったのだが、アルバム全体では冗長なパートも含まれるので、ライヴを重ねてもうちょっと練ってからの録音の方が良かったのではないかな。という意味で次作があるんだったらより期待できるような気がする。[2007/12/22] |
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| AMMARACICCAPPA - Al Quantarah★ |
| ('07年 イタリアIL CANTO LONTANO)9曲/52'09 南イタリアの地中海ユニットらしい。正式メンバー的にクレジットされているのは男声、女声、アコーディオン、管楽器、コンピュータ/エレクトロニクスを担当する5人(+ゲスト)。なんとなくイメージする南ヨーロッパというより基軸はむしろアフリカ〜アラブにありそうな音楽性。二人のヴォーカルはそれぞれキャラクターが強く、土着に深く踏み込んだ結果の宗教性さえ感じさせる。男声の比率が高いところが一般受けしなさそうかも。器楽的にはリズムもメロディも地中海民族アコースティック楽器が主役で基調は一応トラッドの範疇にはあるが、ジャズ要素の付加やアンビエントハウス調の打ち込みリズムといった断片的な飛び道具のバラエティも豊かで、アンサンブルに深みや意外性を程良く与える。バンドのHPではライヴ映像の掲載もありhttp://www.ammaraciccappa.it/media_eng.htm。[2007/12/22] |
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| SHUKAR COLLECTIVE-Rromatek |
| ('07年 EASTBLOK)14曲/73'23 イスラム圏のクラブサウンド...というのがもしあったらこんな感じ? と想像してしまった強いインパクトある作品。包装に貼られたシールには「electric gypsy beats」とのキャッチコピーの記載がある、ルーマニアのDUB/HIP-POPユニット。ジャケ写には男性4人の写真と、ライヴステージでのCDJ/DJターンテーブルが掲載されているがこうしたサンプリングを基軸とし、曲によってはds/per、b、vln、tpの器楽が加えられた上で、主役はラップ的な歌唱、というスタイル。でほとんどの曲の歌唱はジプシーソングのトラッドをモチーフとしたもの。エレクトロニクスで強調されたリズムとベースラインのアフタービートに、私がイメージするところの中欧的な雰囲気よりは中央〜西アジアにより近いアラブ/イスラム/インド色を強めたメロディラインがフィットし、不思議なほどスンナリ聴ける。 視聴は以下でhttp://www.myspace.com/shukarcollective。[2007/12/22] |
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| SPI & LA GAUDRIOLE-Tribalites |
| ('07年 CINQ PLANETES)16曲/60'00 南フランス、オクシタンのフォークダンスバンド。レーベルのHPを見たところ2ndらしいhttp://www.amirale.com/spip/rubrique.php3?id_rubrique=34。男声、笛類(女性)、ハーディガーディ、アコギ、ds/perの五人編成。オープニングナンバーではかなりラジカルトラッド〜ロック色が強いのかと思ったが、2曲目以降落ち着く。作曲クレジットを見るとトラッドのカバーよりもオリジナルの方が多いが、モチーフとしては土着のトラッドで統一されているようだ。ドラムセット叩きまくりから民族perの控えめなサポートまでリズムのアオリ方には楽曲によってかなり差があり、笛も複数を頻繁に持ち替えているようで音色のバラエティ豊富、ハーディガーディは回りっぱなしだが北欧トラッドと違って開放的な音色も多いのが特徴的、アコギの刻みがバンドアンサンブルをしっかり支えてもおり、器楽のバランスは文句のないところ。フロントの専任voのトラッドとフレンチシャンソンロックとが混ざりあった歌唱は、全面的に好みというわけではないが個性的な魅力は理解できる。前掲HPからはライヴ&プロモ映像が見れるが、ライヴハウス全体がフォークダンス会場と化す不思議な光景が面白い。DVDリリースされることがよりふさわしいバンドかも。[2007/12/22] |
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| ROBERT WYATT - Comicopera★ |
| ('07年英DOMINO)17曲/64'41 4年ぶりソロ新作。レーベルがRYKO/HANNIBALから変わったが、前作/前々作同様、マンザネラのスタジオでイーノ、ポール・ウェラー、アニー・ホワイトヘッド、Yaron Staviといったレギュラー的なゲスト陣と共に制作されている。1曲にデイヴ・シンクレアの参加があるのが目を引くものの、有名ゲスト陣はそんなに目立った活躍はなく、ゆったりとしたいつもながらのワイアット節の歌ものを好サポートするのも前作/前々作同様。ただし、ワイアットのソロ作の中でも良い意味でポップ志向が強めだった前作/前々作とは全体を貫くトーンが明らかに変わり、内省的で地味な印象が強い。編成もやや小ぶりに。 意味深なアルバムタイトルだが、全体が「lose in noise」「the here and the now」「away with the fairies」の3パートに分かれており、最初のパートはStaviのコントラバスとホワイトヘッドのトロンボーンなどの管楽器アンサンブルを軸にした渋いジャズ志向、次のパートではギターやスティールスパンが多用されたフォーク/ブルース/キューバ音楽?色を強め、最終パートはエレクトロニクス処理(最近のワイアットの音響使いの淡々としたタッチはなんとも独特)が目立つ。。。というアルバム構成で、各曲及びアルバム全体それぞれに奥は深い。[2007/12/01] |
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| ('07年日アルカンジェロ\2,940)17曲/53'19 コンスタントな来日や各種プロジェクト作品のニュース/リリースがあるものの、ソロ名義作としては「Utsikter」以来7年ぶりとなるホルメルの新作。前作ソロ以降2001-2007年に自宅スタジオで録音され続けたもののアーカイヴ的なまとめられ方となっている。全曲で主役はホルマーのアコーディオンだが、アコーディオン比重の高さは過去のソロ作と比べても最高水準。アコーディオンで奏でられるいつもながらの哀愁の主旋律が、ホルマーのオーバーダブkeyとミッシェル・ベルクマンスを初めとしたおなじみのゲスト陣によって彩られる。バンド的な傾向がかなり見られた前作とは異なり、本作ではds/perが目立つ曲はモルガンがサポートドラムに加わる1曲くらいで、他の曲では室内楽的な傾向が強い。曲調もほのぼの路線と宗教的重厚ものが混在、少数のゲストを変えて曲毎にうまいメリハリつけてアルバムの中での流れを作り出すホルメルの編集の妙はサスガ。正直なところ新発見的な驚きはないが、良い意味での期待値通り、安心してくつろいで味わえた。なお、CDでの日本盤ボーナストラックは'87年のソロ演奏曲3分だが、重い本編ラストの後に、リラックスしたボーナス曲が置かれてアルバムの印象がちょっと変わっている。また、一部店頭での購入特典?と思われるボーナスディスク1曲/3分は'92年"Franklat"(初出はLHOのライヴかな?)のオリジナルバージョン。[2007/12/01] |
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| JONAS HELLBORG - Art-Metal★ |
| ('07年米BARDO)8曲/49'41 ヨナス・エルボーグの新作は、自身のbにヨハンソン兄弟のkey/ds、マティアス・エクルンドgとカンジーラのSelvaganeshを加えた五人バンド編成もの。作曲はエルボーグ単独1曲/Selvaganeshと二人名義2曲/さらにエクルンドも含めた三人名義4曲、でヨハンソン兄弟はクレジットがない。三人名義の曲は実に素晴らしく、エルボーグ+ヨハンソン兄弟の強力トリオの叩きまくり弾きまくりを基軸に、エクルンドがホールズワース調超絶早弾きとザクザグしたメタル風のリフを交互に絡め、かつ時折インド音楽のキメも加わってリズムがどんどん加速していく。。。という、クレジットである程度予想していた展開を遥かに上回る痛快さ。インド音楽とジャズロックとのジョイント、私はそんなに得意な領域ではないけど、最近聴いたSelvaganeshがメンバーでもあるリメンバー・シャクティだったり、ヘルボークとSelvaganeshgaを含む2001年のライヴDVD「Paris」はどちらかと言えば基軸がインド側だったのが、三人名義の4曲では比重が圧倒的に「ロック」に偏っていてスパイスとしてのジャズとインド、という割合となっているのが、私の好みに完全にフィットしたようだ。残りの4曲ではジャズとインドの割合が増えた「落ち着いた大人のジャズロック」になっているのも(個人的には物足りなくはあるが)一般的な意味でのアルバムとしてのバランス上はOKだろう。[2007/12/01] |
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| ('07年英BABEL)10曲/58'05 ERP34号にレビューがあったので知ったグループで当方は全くの初聴。reeds/g/key/ds×2の5人編成。音響エレクトロニクスとフリー要素を加えた、変幻自在のジャズロックアンサンブルが基本となっているが、シリアスな緊張感と、テクニカル/エスニック・ジャズ・ロックとが交錯。ジャケットのB級モンド怪獣パニック映画ポスターが連想させるような「変」で懐かしく親しみやすいスキマ?が加わる不思議な展開が個性で面白い。[2007/12/01] |
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| LIVE:Pauliina Lerche(パウリーナ・レルヒェ) 11月18日 中目黒 楽屋 |
| 楽屋へは初めて行ったのだが、六本木とか青山にあるような「帰るときに飲食オーダーが記された伝票を持って出口のレジで会計する」ライヴレストラン。ロケーション的には中目黒の駅から味わいのある中目黒銀座商店街を歩いて徒歩5分、店はかなり小規模。ただメニューはタイ/ベトナム料理が中心でワインやビールやカクテルも豊富なドリンクと充実しており、価格は六本木や青山と違ってリーズナブル。今回は1530開演1800終演という中途半端な時間だったので今回は「モルツ生ビールグラス小420円税込み」のみのオーダーに留まってしまったことが惜しまれる。再訪の機会があればぜひじっくり飲み食いしたい店。 さて、'05年5月のソロ、本年3月の5人ユニットに続く3度目の来日となるレルヒェだが、今回も前回と同じメンバー。楽曲的にも数曲の新曲はあったものの、基本路線はそんなに変わらない。特に今回は個人的に「暗黒要素はないマトモな(音楽的にはもちろん素晴らしい)北欧トラッドライブ三週連続」の最終回となり、かつヴェーセンとフリーフォートというとてつもない存在の後、ということで、当然テクニカル的には(特に妹のハンナマリのヴァイオリンが)どうしても見劣りして感じてしまうのだが、そうしたアマチュアっぽさというか家族的な甘さを含めた素朴な「楽しさ」がこのユニットの何よりの魅力。 その上で、男性3人の器楽アンサンブルは3月より確実にパワーアップしていたので前回以上には引き込まれた。ベース、スチールギターのようなドブロorアコギ、アコギor民族per。ちなみに3月のライヴレビューで「イスみたいなもの」と「壷」と書いた民族perは主催者のプログhttp://invs.exblog.jp/によると「カホン」と「ダルブッカ」とのこと。今回はこの2つにシンバルを加えてper演奏の充実ぶりが際立っていたように思う。民族perかドブロというアクセントをどちらかつけて、しかし歌物バックというアンサンブルではアコギとベースでしっかり支える、という、各人の持ち味を生かしたライヴでのバンドの表現方法が来日公演を含むライヴツアーで確立し、充実した状態なのだろう。このようなバンドの成長を体感することは海外バンドでは貴重な経験でもあり嬉しい限り。メンバーは異なるプロジェクトも多く手がけているようなので、ぜひ様々な切り口での再来日を繰り返してほしいものである。[2007/11/23] |
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| LIVE:FRIFOT 11月11日北とぴあ つつじホール |
| スウェーデン現代トラッドの代表的なユニット「フリーフォート」の来日公演。私自身、このユニット及び、メンバーの3人...アレ・メッレル(マンドーラ、笛、ハーモニカ、vo)、レーナ・ヴィッレマルク(vo、フィドル、ヴィオラ、笛)、ペール・グッドムンドソン(フィドル、ヴィオラ、vo)...の参加作品のいくつかを数作聴いた範囲では、「素晴らしい音楽なんだけど、自分が聴くトラッドとしては、"良い音楽すぎる"」という印象で過去の何度かの来日公演は見逃し続けていた。今回は東京公演が日曜日ということで初めて足を運んでみた次第。 会場の北とぴあは北区の施設で、毎年この時期は3週間に渡る「北とぴあ国際音楽祭」なるものが行われているらしい。すでに終わったプログラムの中にも、興味深いものがあったりしたので来年以降も注目したい。 フリーフォートのコンサート自体は1800開場/1830開演という通常の時間設定なのだが、コンサートに先立って同じホールを使って1600-1700の間「ミート・ザ・バンド」と題されたイベントが行われていたので合わせて行く。三人の通常の演奏を1曲行った後、通訳を介しての「三人それぞれの音楽的な自己紹介+実演付き」「mixiで事前に募集した質問に対する回答+これも実演付き」というような進行で、あっと言う間の1時間だった。トラッドについては、歴史的な背景も楽器もリズムも、興味深いネタに溢れているものだということを実感。例えばアレのメイン楽器であるマンドーラは、彼がスウェーデントラッドを演奏し始めたきっかけが、ギリシャのトラッドだったということからまずはブズーキを弾き始め、ブズーキをスウェーデントラッドに合うように音色やら、フレットやらを変えて楽器を作り上げていったくだりなど、もっとじっくり実演を含めて聴いてみたかったところ。 で、ここで本編開場まで1時間間が空くのだが、北とぴあの玄関ロビーで「三重県からこのためにやってきた」というニッケルハルバ奏者の鳥谷竜司による45分間の無料ミニライヴを配するという、至れりつくせりのプログラム。ただしこの場所は、2階のオープンカフェのカップの音が気になったりして、ニッケルハルバの生音を楽しむには辛い環境で、演奏者にはちょっとかわいそうだったけど。私自身はヴェーセン以外でニッケルハルパを見ることも初めてだったので、貴重でした。 本編は15分の休憩を挟んで、前半40分弱、後半+アンコールで60分弱の演奏。会場のつつじホールは北とぴあに2つあるうちの小ホールにあたる、とは言っても定員は400席というそれなりのキャパ、まずまずの入り。演奏内容はCDで聴いていた予想通りで、スロー〜ミディアムテンポでレーナの歌唱力を生かす爽やか系の歌もの(日本語曲だったり竹田の子守唄のカヴァーだったり)は、間違いなく私の縄張り外であることを再確認。ただそれ以外の多面的な要素にはそれぞれ引き込まれた。リズムの揺れを非常識なまでに大胆に取ったインストの「ポルスカ」の味わい、アレの軽快なマンドーラでのバッキングと笛やハーモニカを持った際の超絶技巧ぶり、三人のアカペラコーラスでの宗教性、レーナの(わざわざノンマイクでの)「牛追い」での凄まじい発声...とライヴでは説得されるだろうとは予想はしていたものの、予想以上の素晴らしさであった。[2007/11/23]
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| LIVE:PETER HAMMILL 11月10日 新宿PIT-INN |
| 何度目の来日になるのか数え切れないけど、たぶん毎回のツアー時には1公演は欠かさず見ているはずのハミル。最近の来日公演はずっとスチュワート・ゴードンvlnとのステージだったわけだが、今回は完全にソロ。ソロでの来日公演というのはたぶん初来日以来ではないか。復活VDGGでの来日を期待していた部分もあっただけに若干の残念感と、CDではことさら伝わりにくいソロライヴの緊張感が味わえるだろう期待感との両方を持って会場に向かう。当然ながら立ち見も出る超満員。「新ピでハミル」ってすごく違和感があったのだが、グランドピアノの弾き語りだけでの全編ステージだったこともあり、実際にはフィットしていた。なお「アーティストの意向により本日は店内禁煙」という、私の新ピ体験史上でも初の快挙!?。こういうライヴが増えればタバコアレルギーな私ももっと新ピに行けるのだが。。。 セットリストはすでに主催者のプログ http://inverse.exblog.jp/i3/ に掲載あり。「マイ・ルーム」で始まり、中盤の大曲「ブラック・ルーム」をクライマックスに、本編エンディングは「ストレンジャー・スティル」、アンコールは「バーズ」。新作「Singularity」からの選曲は1曲のみで、'80年代の曲が多くなっていたのが特徴的。ピアノ弾き語りということで必然的にそうなったのかな。休憩なく90分強、数回のMCを挟みながらも、高い緊張感を保って一気に時間が過ぎる。何より注目は3曲くらいを続けてメドレーで演奏する流れがほとんどだった点。曲と曲の接続部分にワンフレーズあったりするのもスリリング。ハミルの演奏と歌は(ノドの調子がちょっと悪いのかも?と思わせる部分もありましたが)相変わらずの力強さ。ピアノのミスタッチは例によって多い。。。というか、過去のライヴでも最高新記録更新というくらいに多い。。。のだが、特に元々バンド編成の曲ではこれまでにないアレンジでのピアノフレーズが頭の中に浮かんできているみたい。。。で、それを弾けない!!!んで、たぶんこれをライヴCDで聴くと「あーあ」って思うんだろうが、目の前の聴き手にはその強い思いは確実に伝わってくる。。。というあたりが、ライヴの醍醐味というものか。過去のハミルライヴ史上でも最も印象に残った公演。 [2007/11/23] |
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| LIVE:維新派-ノスタルジア 11月4日 彩の国さいたま芸術劇場 |
| 3日間公演の最終日に行く。さいたま芸術劇場は注目公演多いものの、ちょっと遠いので足を運ぶ機会がなく、今回(昼の公演なので行きやすかったこともあり)初めて行ったが、ステージ奥行きも広くてよい会場である。さて維新派公演は私自身は5-6回目になるが、最初の数回に感じていた衝撃は正直もうなくなっている。とは言え、いつもの世界観といつものラップが、ほんの少し異なる切り口で描かれるだけで、料金相応以上には感じるものがあるので首都圏エリアでの公演であれば欠かさず見に行きたいという存在ではあり続けている。 というポジションは今回見終わってもキープ。ただし、今までになく「引っかかった」点は2つ。これまで見た範囲で大阪から熊野からアジアまでの世界観の広がりには全く違和感はなかったのだが、今回のブラジル移民をモチーフとして南米を舞台にしたことには(辺境漂流者を描くという歴史的な必然性は私の祖父も母も満州経験あったりするので頭では理解できなくもないのだが)ちょっと飛躍しすぎというか描き方が浅いのか、すんなりとは受け止められず。また、維新派の大きな魅力の一つである手作りの舞台セットが控えめでその代わりに映像の比重が高くなっていたことも舞台への引き込まれ度を欠くことになったような。 注目の音楽については、今回は内橋一人だけ。(遠い位置なので正確にはわかりませんが)作りこまれたベーストラックに重なるライヴ演奏は、ギターは弾かずにダクソフォンのみというもの。結構シリアスで救いのないストーリー展開の中で、唯一狂言回し的な存在となる「巨大な男」のセリフ的なところでダクソフォンの独特で滑らかな音階と音色変化が効果的に使われていたのは印象的に作用していた。カブサッキのソロアルバムでのゲスト参加でも感じたのだが、最近の内橋のダクソフォンは実にメロディアスなので、見逃せないところです。[2007/11/10] |
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| 何度目の来日になるのかわからないけど、ほぼ毎年恒例の来日公演。ただこれまではニッケルハルパ、ヴィオラ、ギターのトリオ編成であり、パーカッションを加えた四人編成では初来日となる。私自身最近のCDは全部聴いてるけどライヴを見るのは久々の2度目。ツアー予告のコメントによると『ロックなヴェーセンがご覧いただきたい方は、この公演へ』とかあったんだけど、実際には「それは違うでしょう」というのが率直な感想。でも、たぶんどの会場でもトリオとは異なる四人のヴェーセンの完成度の高い演奏が繰り広げられたのであろうから、結果としては満足したのだが。(主催者のプログにすでにセットリストが掲載済み) 注目のper奏者は、そもそも風貌からしてモヒカンだし、他の三人とは全然違う雰囲気をステージに持ち込む。アコースティックユニットに民族系以外の打楽器が入るといきなり全体バランスが壊れるという、ありがちなパターンを危惧していたのだが、幸いにして杞憂。per演奏は決して出すぎず、引っ込みすぎず、しっかり「四分の一をキープしつつバンド全体の存在を最大限に高める」ものだった。ドラムセット的なセッティングだが、やたらと大きなバスドラ、スネアの位置には手でも扱えそうな民族per音色を持つタイコが縦に置かれこれをマレットで両方から叩くのがドラミングの基本で、これと組み合わせられるのが割と中低域にチューニングされたタム、複数セットされた「板」「小さいシンバル」「ジャラジャラ」、口にはカズーのようなものを終始咥えてSE的な音も時々付加される。音量バランス的には控えめで他の三人と調和しているが、細かな動きの凄まじさはバンドの中では(perだから当然といえば当然ながら)傑出していた。このあたりはCDでは伺い知れなかったところ。 で、perが加わったこともあって、他の三人の演奏にも、過去の印象とは異なる変化が見られたように思う。このバンドは珍しさも手伝ってニッケルハルパばかりにスポットがあたりがちだが、実は前回ライヴを見た際には、ギターのバッキングの上手さに特に魅了された記憶が強い。今回はヴィオラの演奏が傑出していた。旧曲におけるニッケルハルパのメロディラインに絡む裏メロが主メロを上回る味わいを出している場面がしばしば。。。ということで、前半45分、後半(アンコール入れて)1時間のステージは文句なし。今のところ本年ライヴのベスト1。[2007/10/10] |
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| MECANO- Those Revolutionary Days ★ |
| ('07年オランダ MUTANTJASZ)2CD-12曲/62'05 +2曲/15'16 '05年に「Snake Tales For Dragon」で20年ぶりに復活したメカノの復活2nd。Dirk Polak(vo/アコーディオン/作詞)、Tejo Bolten(他の器楽全て/作曲)のデュオプロジェクトなのは前作と同様だが、かなり印象が異なる。振り返ると前作はポラックの「ヨーロッパの味わいと哀愁とノスタルジーを湛えた静謐な歌もの」をサポートするボルトンのエレクトロサウンドが極めて控えめなバッキングに留まっていた。前作後、サポートメンバーを加えたバンド編成でのライヴ活動を経て、「バンドとしての現在のメカノ」のサウンドをボルトンがつかみ、打ち込みと生音での表現方法まで含めて習得したということなのだろう。前作ではほとんどなかったボルトンの本職の弾むようなベースラインがかなりの曲で復活し、打ち込みのリズムもこれに合わせて躍動感が増している。かつての代表曲"Untitled"のかなり過剰な器楽密度でのセルフカヴァーがある他、当時のアウトテイクと言われても識別がつかないような新曲には驚かされた...というような、当時のメカノにしか出せないニュー・ウェイヴ基調にかなり回帰してくれているのが、古くからのファンには嬉しい限り。ただNW回帰一辺倒ではなく、ノスタルジー路線もゲスト女性ヴォーカルを加えたりで表現力は膨らんでいるのでスローバラード曲の味わいも増していることも見逃せないところ。近い路線としてはデヴィッド・シルヴィアンを連想するが、デビシルのストイックすぎる窮屈なたたずまいよりは、まだまだずいぶんとスキがありユルいところも私には魅力だ。 CD1で完成されたアルバム。CD2はボーナストラックの位置付けのようだ。CD1のオープニング/エンディング曲の別バージョンで、ポラック作ではないテクストの朗読を中心に、こっちはNW色を意識的に抑えドラマティックにスケールアップした世界観が別の魅力も感じさせる。[2007/11/03] |
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| ALEX MACHACEK,JEFF SIPE, MATTHEW GARRISON-Improvision ★★★ |
| ('07年 米ABSTRACT LOGIX)11曲/55'03 ユーロロックプレス誌でのアーティストインタビューの担当は、私の「語学力無し&知識不足&能力不足」故にあまり経験がないが、その数少ない相手にはその後もついつい思い入れてしまう。その一人マクヘイサックは前作「Sic」、その後のOUT TRIOでの来日公演と私の中でも高い存在感を示し続けている。アメリカに活動拠点を移したということで、OUT TRIO以外の活動のニュースにも注目していた中でリリースされたのが、g/b/dsのトリオ編成による本作。 最初に、このタイトルには違和感大。常識的な意味での「完全即興」という印象は皆無なので、普通のタイトルを付けてくれた方がリスナーには親切だったと思う。で、内容は文句なしである。しっかりとしたメロディラインやリフやアンサンブルのあるギタートリオによるテクニカルジャズロックで、「マクヘイサックのリーダー的なプロジェクトのギタートリオ」ということでのファンからの期待値に真正面から120%答えたもの。とにかくギターが高速弾きまくりからテンポを落として表現力重視の場面まで、終始目立っている。これを聴いてしまうと、OUT TRIOではやっぱりボジオのメロディアスなタム群回しが主役で、マクヘイサックはボジオの超絶プレイを引き出すアンサンブルに回る場面が多かったことに改めて気付かされる。その点が私のOUT TRIOに感じていたもどかしさだったが、本作では完全に払拭。ベストテイクはオープニングナンバーだが、アルバム全体としては、楽曲/ギター(シンセ含めた)の音色/リズムセクションとの関係性、曲毎に適度なメリハリが効いているので、スローテンポな曲にも魅力十分。自分の気持ちいいようにギターを弾くことを最優先されていることが良い意味で伝わってくる。今のマクヘイサックが適切なサポートメンバーと共にバンド編成でやりたいようにやれば、素晴らしい魅力と勢いが生まれることが証明された大傑作。 余談ながら、マクヘイサックはエディー・ジョブソンの新ユニット「UKZ」に参加するらしい http://www.ukzband.com/ 期待してよいのかな?[2007/10/28] |
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| PRESENT - Live in RIO France 14-15,April,2007 |
| 久しぶりにネットでのライヴ音源検索していくつかダウンロードした中では傑出した内容だったのオーディエンス録音ブート音源だがあえて紹介。本年4月に行われた日本からはサルガボも参加したRIOフェスティバル。その主催者格トリゴー率いるプレザンのライヴである。 フェス最終日の4月15日はHPから推測するに大トリはMAGMAでその前がプレザン(さらにその前はマッツ&モルガン)というとんでもない流れの中でのステージ。ハンドのHPによると現在のプレザンのメンバーは、前作「High Infidelity」での器楽8人編成から、サックスとトランペットが抜けて別のサックス奏者が加入した器楽7人編成となっている模様。演奏曲は以下の通り2CD-90分強...CD1-1) Jack The Ripper2)The Limping Little Girl 3)A Last Drop CD2-1)Ceux D'en Bas 2)Vertige 3)Promenade Au Fond D'un Canal...と「High Infidelity」からの曲が皆無で、UZ曲のカヴァー/旧曲/新曲を織り交ぜたプログラム。CD2-3)は同じような編成でのライヴ音源は聴いたことはあるものの、他曲は新鮮に聴くことが出来る。多人数で多国籍な編成なのでそれほどライヴを重ねている訳ではないこともあり、複雑なアンサンブルが全編完璧に成功しているとは言いがたいが、g/key/saxの絡み合いでこれまで以上にメリハリが付いた上に、熱血暗黒チェンバーロックの持ち味は変わっていない。悪趣味と言われようと単純に好きなんで。。。CD1-3(トリゴー作)/CD2-2(keyのChevalier作)の新曲の出来も良い。一層新作リリースを待望することになった。 さて、フェス2日目4月14日は、メンバー全員+ゲストピアニストという編成...、ただし器楽はピアノ2台とカーマンperのトリオが基本で、後のメンバーはパーカッションの付加やコーラスくらい(あまり音楽的は貢献しているようには聴こえない)という特別編成での約70分。演奏曲は1)Souls For Sale / Ceux D'en Bas 2)Vertige 3)Promenade Au Fond D'un Canal。1)と3)では現在のバンド編成に匹敵するだけの魅力までは感じない(やっぱりギターレス辛い)と思ったのだが、Chevalier作の2)はサスガにピアノ四手でも映えるアレンジがなされており、これは両方聴く価値あり。他メンバーのper/voの付加のある悪ノリパートでは、ホラー映画のサントラみたいなところが一層増すのも楽しい?[2007/10/28] |
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| ('07年 米CUNEIFORM)2CD-13曲/73'15+15曲/78'57 故スティーヴ・ミラー(p)とロル・コックスヒル(sax)連名(LPのA/B面でそれぞれのリーダー作のスプリット)作品の旧作、'71-72年録音「Miller/Coxhill」「Coxhill/Miller」と'73-74年録音「The Story So Far...」「...Oh Really?」の2つのアルバムに、3種類の関連発掘音源ボーナストラックを加えた、CUNEIFORM再発らしい充実した内容を詰め込んだ2CD。 最初の「Miller/Coxhill」1)は二人のアコピとサックスによるデュオ演奏によるスティーヴ作のキャラバンでも発表されているパートを元にした詩情溢れる変奏という感じでツカミとしては最高。2)はコックスレス不参加でスティーヴp/フィル・ミラーg/ピップ・パイルds/リチャード・シンクレアbというプレ・ハットフィールズ編成で、この面子の期待通りのカンタベリー・ジャズ・ロック風味満載。3)は主役二人のフリージャズ演奏にArchie Legget(b)とLaurie Allan(ds)がバックに加わるもの。と3曲のメリハリは素晴らしい。LPの反対面「Coxhill/Miller」の5曲はコックスヒルが主役に変わり、オープニング4)のコックスヒルsax/スティーヴp/フィルg/リチャードb/パイルdsの編成も、その後のソロ演奏なども完全にフリージャズ。その昔ロンドンでコックスヒルのソロでの即興演奏のライヴを聴いた時にはあまり好感は持たなかったのだが、改めて聴くと彼特有のどこかユーモラスで余裕のある味わいは個性的な魅力に感じられる。 この後のボートラが、コックスヒルsax/スティーヴe-p/フィルg/パイルds/リチャードvoにロイ・バビントンbを加えた編成でのデリバリー名義'72年11月のライヴで3曲20分弱。モノラル音源ながら音質は良い。後のハットフィールズナンバーを含む演奏であり、マニアにとっては本CDの目玉だろう。voに専念しているリチャードだが、ワイアット曲"God Song"はちゃんと唄っているのに、自分の曲"Bossa Nochance-Big Jobs"では途中から歌詞でなくスキャットに変わるのがなんだか。近年のハットフィールズの発掘音源(赤盤・青盤)でのライヴの完成度の高さに比べると格段に未完成なところがかえって新鮮でマニアには向くかな。続くボートラは、スティーブのピアノ・ソロ'72年10月のライヴで4曲15分弱。路線としては本編LPの味わい深い別テイクというところ。 続く「The Story So Far...」「...Oh Really?」は主役二人が参加しているのがそれぞれA/B面1曲づつ、また基本的に両者のプライベート録音ということもあり、両者のソロ作スプリット、という印象が前作以上に強まった作品。スティーヴ主導面はソロ(オーバーダブあり)、Laurie Allan(ds)とのデュオ、コックスヒルを加えたトリオと編成を変え、ピアノもアコピとエレピを効果的に併用した全6曲は、地味ながらまさにいぶし銀カンタベリージャズの佳品。私自身このあたりは、10代の頃リアルタイムでは全く分からなかったであろう、40代後半になってようやく評価できる「今出会えて良かった」領域です。コックスヒル主導面の全6曲のうち1曲だけがコックスヒルsax/エアーズg/Legget(b)/ワイアットvoというメンバーでのスタジオセッション"Apricot Jam"(ワイアットのベスト盤「Flotsam Jetsam」にも収録されていた)が本作の中では1曲だけ冗長に浮いている演奏。他5曲はコックスヒルソロ曲も多いが、エレクトロニクス処理やチャーチオルガンといったサックス以外の要素も取り込み方が見事な、これも予想外の好作。 最後のボーナストラックは、コックスヒルsax/スティーヴp/リチャードb/Laurie Allan(ds)による'74年12月のライヴで23分。前述デリバリー名義とは全く異なりオールインストで、中盤まではコックスヒルがフリージャズに吹きまくるシリアスな展開なのでやや私の縄張り外かな。[2007/10/28] |
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| ('07年伊ALTROCK)61'03 ベラルーシのレコメンチェンバーバンドという情報に釣られて購入した作品だが、期待値以上だった。HP http://vozdookh.narod.ru/rati_diet.html 情報からはどうやら本作は'99年の1st「From The Grey Notebook」と'04年の2nd「The Shameless」をカップリングしたイタリア仕様編集盤のようである(本作自身にはキチンとしたクレジットがないのはきわめて不親切だけどイタリア盤だからねえ)。メンバークレジットは1stではg/key/basoon/ds/b/voの6人、2ndではg/basoon/vln/celloの器楽4人+voは曲代わりで3人。 1stからはアルバムタイトルの組曲の抜粋がオープニングとエンディングに分けられて収められている。この編成はベースもギターもエレクトリックでドラムも加わるため、最も直接的に連想するのはプレザン。その間に配される4曲が2ndからの楽曲となり編成的にもアコースティック〜チェンバー色が強まるのでこっちはジュルベルヌをよりシリアス化させた感じ。voの使い方は1stも2ndもゲスト的で東欧民族音楽色も加わったりする。両作ともに変に現代的なアレンジを加えすぎることなく、それぞれのアプローチをオリジナルRIOテイスト含めて正攻法に取り組んでいることは好感大。方向性のかなり異なる2枚のアルバムの抜粋編集版としたことで、結果的にはメリハリの効いたアルバムとして聴いても傑作にまとまっているか。ただ、個人的には圧倒的に1stの方が好みなので、1st全編聴けるものなら再度聴いてみたいが。 なお、現時点での編成は2ndにpが加わった5人インスト編成になっている模様(右写真)。前述HPに最近のライヴが3曲10分強収められている他、MYSPACE http://vids.myspace.com/index.cfm?fuseaction=vids.showvids&friendID=199629767&n=199629767&MyToken=ca6c3db7-88bc-461e-ab43-321e68c8a9b7 ではカウの"Amygdala"カヴァー演奏ライヴ映像も見れる。最新状態は2ndの延長線で現代音楽志向がさらに強くなっているようだ。[2007/10/28] |
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| EXPLODING STAR ORCHESTRA - We are all from somthing else. ★ |
| ('07年日HEADZ \2,415)65'08 ロブ・マズレクの新プロジェクト作。そもそもマズレクの'96-97年録音ソロ名義1st「Playground」は形態としてはシカゴ・アンダーグラウンド・オーケストラ(CUO)によるものだった。その後のマズレクのリーダープロジェクトはどちらかと言えばエレクトロニクス重視のものが多かったので、10年を経て再度オーケストラ名義ユニットで原点に近い位置に回帰したというところか。CUOが5人編成だったのに対し、今回のESOはマズレク自身のコルネットを含む6人の管楽器+g/p/a-b/e-b/ds/per/vib/marimbaという14人編成。アルバム構成としては約20分の組曲形式の大曲×2、その間に3分の小曲×1が本編で、ステレオラヴのレティシアが仏語テキスト朗読を担当する日本盤のみのボーナストラックが最後に付く。 基本的な流れは、作曲と即興、アンサンブルとソロが交錯しつつ、長尺曲を堂々たる風格で構成するビックバンドジャズ。作曲パートは伝統的な前衛ジャズ風味+ミニマルの多用が目立ち、即興パートもいかにもなジャズ+エレクトロニクス処理とが混在するあたりはマズレクらしい。各奏者にはそれぞれ聴き所のあるソロパートが割り振られているが、全編を通して印象的なのは、やっぱり主役マズレクによる親しみやすさとヒネリが同居する印象的なメロディラインの提示。これを疾走感あるジャズロックにまとめ上げるのが、CUO以来のジェフ・パーカーのリズムギターやマリンバのジョン・マッケンタイア(録音/編集も担当)ドラムのジョン・ヘーンドンのトータスメンバーなどによって構成される厚みのあるリズムセクションのバッキング陣。 自分自身の好みとしても、マズレク関連作としては、ソロ名義1stや'98年のISOTOPE217°の1stに匹敵する、久々に文句なしで楽しめる作品となった。[2007/10/28] |
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| ('07年米STONES THROW)23曲/31'57 トータスのジョン・マッケンタイア、ジョン・ヘーンドン、ダン・ビットニーの3人によるプロジェクト作。作曲演奏共にこの3人名義の記載以外には何のクレジットもないが、音的にはドラムと各種per(+若干のエレクトロニクス)による「トータスの曲素材としてのリズムトラック小曲集?」、といった状態。多少の音階があるperを組み合わせて完成度の高い楽曲に仕上げられているものはごくわずかで、ほとんどの曲は素材状態で留められている。ただしさすがにその素材パターンのバラエティは豊か。マニアには価値があるのかもしれないけど、自分には繰り返し聴けるまでの魅力は正直なところ感じない。クラブのDJの人とかの素材としては重宝するのかも。[2007/10/28] |
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| ('07年仏NOCTURE)9曲/56'36 ヤニック・トップとトランペット奏者のEric Le Lannによるデュオプロジェクト作品。ドラムとギターは全曲に、また曲によりkey/saxも加わるバンド編成。作曲クレジットは両者(+α)にはなっているが、曲毎に記載順序が異なっており、最初に書かれている人(トップとレ・ランがほぼ半々)が主導権をとっている印象。比較的オーソドックスな現代ジャズのアプローチから組み立てられるレ・ランの作品と、曲によってはロック的なギターのリフとうねるベースラインがいかにもなトップの作品が交互に組み合わせられ、アルバム構成としては絶妙。かつ、各曲で考えられたアレンジと、しっかりしたアンサンブルのメリハリも効いている。ドラミングもすごくきめ細かい曲とあえて単調としたものとが混在していたり。演奏者としては主役二人よりもバック陣が目立っているくらい。純粋に魅力的なジャズ・ロックの新バンドとして楽しめた。[2007/10/04] |
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| ('07年ドイツPIRANHA/日BEANS \2,940)12曲/63'45 「セヴダリンカ−サラエボのラヴソング集」と副題がつけられたオムニバスアルバム。サラエボ出身/現在は各所に散らばっている10組のアーティストによる、器楽的には正統的なアコースティックアンサンブルだったり多少ジャズのスパイスを入れたりで、基本的にはトラッド歌物中心。日本在住のヤドランカだけが2曲参加で、1曲は鬼怒g・喜多vlnがバック、もう1曲はMiroslav Tadic(g)とのデュオ。両曲ともに私自身ライヴでは聴いたことのある曲で、予想通りの丁寧な演奏ではあるが特に新発見はない。ただ、私自身サラエボの音楽というとこれまでヤドランカしか知らなかったわけだが、本作の中ではヤドランカは例外的とも言えるようなオーソドックスなヨーロッパ的な歌もの。他のアーティストは(ヤドランカにはそんなに強く感じていなかった)アラブ色がきわめて強く、そのコントラストはアルバムとしては面白い。フェスティバル的な催しが日本で行われたらぜひ行きたいけど。[2007/10/04] |
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| ('04年日omagatoki \2,625)11曲/42'31 アルゼンチンにおいてカブサッキの盟友的な位置にあるらしいドラマーのサマレアのソロ作、「ホドロフスキー映画の架空のサウンドトラック」というコンセプトにもひかれて旧作らしいが聴いてみる。サマレア本人が担当する色気たっぷりなバンドネオンが器楽的な主役で、自身のds/perに、カブサッキを初めとするチェンバージャズロックバンド編成での器楽陣やコーラスが厚いサポートを加えている。やはり注目はds/perで、音色的にはエレクトリックのようにも思わせる硬質高速なパターンが多いのだがバンドネオンの音色に絡みつくしなやかさが印象的な、音楽的には文句なく好作。ただし、ホドロフスキー映画の禍々しさを直接的に連想させる要素は少ないので、そっちからの期待には答えてくれない。[2007/10/04] |
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| ('07年 POSEIDON \2,625)8曲/55'43 スタジオ録音新作としては4年ぶりとなる3rdは、海外イベント出演を含むコンスタントなライヴ活動の成果を反映した期待通りの内容。そもそも1stを聴いた時は壺井の圧倒的な演奏力の弾きまくりヴァイオリンプログレとしての魅力は認めつつも、「私の好みからするとキレイすぎる(邪悪さがなさすぎる)のでジャンル違い」と片付けていたことを思い出す。 基本的な音楽性は本作でもあんまり変わらない。ただし圧倒的に進化し続けているのはバンドとしてのアンサンブル。オープニングナンバーなどは壺井のヴァイオリンがむしろサポート気味に回り、ムーグのソロや変拍子リズムセクションを支えているかのような印象を受けるくらいで、これは大絶賛したいところ。M2)以降はやっぱり叙情色強くなるので私には本来かなりキツイのだが、フェンダーローズ中心のKEYを始め音色のまとめ方としてタイトなので嫌味なく全編聴ける。自分の好みはともかく、現在進行系のプログレの王道としてこのバンドが人気が出ることにはきわめて健全ではないかと改めて感じる次第です。[2007/10/04] |
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| ('07年 INTER MUSIC \2,625)8曲/54'34 全く予備知識のないギタリストの1stリーダー作、プロフィールは以下http://www.daisukekunita.com/japanese.html。PRISMの岡田治郎(b)、COILの田中栄二(ds)とのトリオが基本で、曲によりkey/saxのゲストが加わる。バークリー留学時に師事したというデヴィッド・フュージョンスキーとか、ホールズワース、ジェフ・ベックといった、テクニカル・フュージョン・ジャズ・ロック路線をきわめて正攻法&ハイレベルにまとめた。。。というあたりが基本線。ゲストの使い方もうまく、楽曲的にもアンサンブル的にも曲毎のメリハリ十分で、アルバムとしての完成度はきわめて高い。実質オープニング曲のM2)のようにブルースフィーリングがちょっとあってオールドウェイブな香りが混ざると自分の琴線には(もしかしてCOIL以上に)相当触れるのだが、M3)以降は私の好みからはやや端正すぎるか。田中のドラミングが、全編実に丁寧であることが特に印象に残る。[2007/10/04] |
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| ('07年 円盤)9曲/53'03 4年ぶりの5th。3rd同様に全編倉地自身のマルチ演奏(vo/g/b/key/ds他)による作品だが、本作ではマスタリング(+オーバーダビング/エフェクト)に宇波拓が起用されているのが注目点。いつものように短編映画を思わせる日常を軸としつつもいつの間にかねじれている歌詞の世界観が、正攻法のヴォーカルと現代落語的な声色を駆使した語りにより提示されている。ソロ演奏ながら音数的には外山・菊地とのトリオよりもむしろ多いかもしれないくらいのバンド編成だが、時折挟み込まれるおそらくは宇波による音響処理が倉地のねじれた世界観に絶妙の彩りを加えている。1曲8分のインスト曲は逆にアコギのみというシンプルさで間奏曲的なアクセントとなっているあたりも、アルバムとしての完成度を高めている。そんなに熱心ではないファン...の私から見ても全編完全に説得されつくされた、過去最高作。 [2007/09/09] |
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| ('07年 BODY ELECTRIC RECORDS \2,300)7曲/48'12 4年ぶり4th。大蔵雅彦sax/cla/syn、塚本慎一key、種石幸也b、熊田央ds、イトケンdsの五人編成は変わらずの、高円寺クラブ系ジャズ〜ポスト・ロックが展開されている。ミディアムテンポで、サックスはフレーズは親しみやすいメロディとミニマルなリフとをブレンドしたものだが、おそらくは打ち込みの作曲ネタを生演奏に置き換えたタイトな変拍子リズムアンサンブル、ローズとオルガン音中心でやはりタイトなイメージを増幅させるキーボード、バンドとしての体温を意識的に落とした仕上がりは、おそらくはポストプロダクションを含めて極めて精緻に行われている印象。あちこちでの計算されたつまずきやひっかかりが好事家には快感を生むよう、神経質にはりめぐらされている。音響色が強くなりすぎた曲は、私の好みからするとちょっと苦手な要素も感じるが、アンサンブルが前面に出た場面では申し分なし。なお、同封の杉本拓による「リズムについて」と題されたテキストは、バンド/本作を直接解説したものではない(本作の魅力とも言える「おさまりの悪さ」を増幅する効果あり?)。[2007/09/09] |
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| ROBIN GUTHRIE/HAROLD BUDD - After The Night Falls /Before The Day Breaks |
| (06年 米DARLA DRL182)9曲/38'21 +(06年 米Darla DRL183)9曲/43'05 その昔イーノのアンビエント/オブスキュアシリーズの中でも最も好きだったのはハロルド・バッド...とは言っても関連作何枚か聴くとそのバリエーションは結構狭くワンパターンで飽きてしまい、そんなに深入りしないまま正直忘れていた存在である。実際に本作は久々の新作らしいのだが、元コクトー・ツインズのギタリストとのデュオアルバム。しかも2枚に分けてのリリース。基本的なメロディラインを提示するバッドの基本線は以前と全然変わっていないようで、透明感あるしずくのようなフレーズが余白を持ちながら展開されていくピアノ音。これに音響効果を付加していきつつ時折ギターフレーズを重ねるガスリーはかつてのイーノ役に(当時のニューウェイヴアンビエントものとしてはちょっと違う立ち位置ではあったけど)ミヒャエル・ローテルを加えたような存在になるのだろうか。全編静謐なヒーリングサウンドが基本。一応はイメージに沿っているのであろう「夕暮れ後」と「夜明け前」なんだけど、まあどっちも夜なわけで。。。顕著な楽曲構成の相違があるのは後者のラストナンバーくらい(ようやく朝焼け後で明るくなって生き物が動き出す)1CDにして十分収められる内容なのでは?という印象はぬぐえない。[2007/09/09] |
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| SOFT MACHINE LEGACY - Steam |
| (07年 日本FOREST \2,730)11曲/70'46 ディーン没後にトラヴィスが参加した新編成でのライヴを2年連続見た後なので、言われて今更気付く感じだが、新編成では初のアルバムとなる新作。短期間ながらトラヴィスのバンドへの貢献度は演奏面に止まらず高いようで、作曲クレジットを見ても即興と思われる全員表記の曲やカヴァー旧曲を除くと、ホッパー2曲(うち1曲はマーシャルとの共作)、エサリッジ2曲、トラヴィス3曲となっており、ソフトワークス時代とはバンドの中心軸がすっかり様変わりした状態を示している。エサリッジとトラヴィスの楽曲の多くは、ソフトマシーンのイメージからするとやや明るく開放的すぎるキライはあるが、彼らの素直な個性を反映した自然体のカンタベリージャズロックとして、これはこれで悪くない。ライヴでしばしば危なっかしいと感じた演奏力が本作でどうなのかは心配したのだが、あえて良く言えば「瑞々しさを失わないようあまりリハーサルを繰り返さず録音した」という印象だろうか(あえて悪くは言いません)。ただ、ライヴ以上に効果的に作用しているのは、トラヴィス主導と思われるエレクトロニクスの導入。ディーン在籍時には多少なりとも残っていたフェンダーローズが現行メンバーでは完全になくなることで失った香りは惜しまれるのだが、別アプローチで総合的な魅力度としては十分にカヴァーされていることで、予想&期待値水準はクリアする、やっぱり聴いて良かったアルバム。 [2007/09/09] |
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| ('07ノルウェーJESTER)12曲/47'43 Lars Pedersenのソロ・プロジェクトの新作、1stから20年間コンスタントなリリースを重ねて本作が11th。一人多重録音でvo/g/b/ds/per/key/サンプリング&エレクトロニクス処理他が行われ、音数的には不足のないバンド的なサウンドアンサンブル。今世紀に入ってからサイケ・ポップ路線にシフトしているらしい(実はあまり聴いていない)わけだが、本作はその中でも比較的正攻法な、ビートルズやビーチ・ボーイズ的...私が近年聞いた範囲ではクレイマーを連想させるような、王道ネオアコ歌ものポップが基調。これに、打ち込みのブレイクビートとスライドギターやバンジョーとメロトロンとが交錯しつつ、曲によってピッチや音像のねじれや歪みによる、ダークな異次元への扉を小刻みに開け閉めしてくれる。素直な心地よさが半分、ちょっと変なんだけど吐き気を感じる手前で止める抑制された表現での微妙絶妙の心地よさが半分。[2007/09/09] |
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| ERIK BARON d-zAkord - De Futura |
| ('07年フランスMUSEA)6パート/47'49 ベーシストであるE.Baronを初めとした、ベース6人、ギター6人、ドラム1人の計13人がクレジットされたプロジェクト。ヤニック・トップの"La Musique Des Spheres"と"De Futura"のカヴァーに、オリジナルの前奏・間奏・エンディングを加えた一大コンセプトアルバム風な仕上げ。オリジナル部分と"Spheres"のアレンジはきわめて共通性が高く、ART ZOYD風音響インダストリアルチェンバーにアニミズム/シャーマニズム的なドラムを挿入した、緊張感溢れる展開でこれは結構好き。で、2パートに分かれる"De Future"30分弱の方は、やけにじっくりとした歩みの前半部には相当じらされ、ようやく後半で高速暗黒熱血化してきてノレてくる。本家Vander-Topの当時及び最近の録音が近年多数リリースされているので比較すると物足りなさを感じる部分もあるが、多人数であることの効果を生かしたベースリフの揺らぎと、フレーズ弾きと音響重視とが混在するギターアンサンブルは、メタリックなトーンが若干HELDONを連想させたりもして、新たな聴き所は十分。[2007/09/09] |
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| LIVE:スアール・アグン-8月16日 バリ島・ヌガラ・サンカルアグン村定期公演会場 |
| 夏休みにインドネシアのバリ島ばかり行くようになってガムラン音楽にもずいぶん馴染みが出来たが、その中でも圧倒的に興味を持ち続けているのが竹製マリンバの「ジェゴグ」である。最近はバリ島でも複数の楽団が定期公演を行ったり、日本でも山城組が多用していたりするが、この楽器とアンサンブルを復活させた本家「スアール・アグン」のライヴはようやく昨年の8月にティアラこうとうで体験。今年はどうしても現地でライヴを見たくて、定期公演の木曜日が使えることを前提に、恒例のバリ島旅行を計画した。 当日8月16日、JASA TOURS http://www.jasatours.com/の「混載送迎付き$40」を使うのが標準メニューだが、ワケあって専用車利用の別ツアーを利用し、ヌガラ・サンカルアグン村のジェゴグ会場には予定よりも1時間程早く1700頃に到着。楽団主宰スウェントラ氏の息子であるオカさん(日本人ハーフで日本語OK/マニアな例えですが外山明に似ている)に相手していただき、基本的なパターンの叩き方を教えていただいた後「自由に叩いてくださいね」。普通の送迎による観客の皆さんが1800少し前に到着。観客は全て日本人のようで合計15名くらいです。1800に客先のテーブルに夕食のお弁当が配られたころから楽団員が揃い出してステージがセッティングされ、1900に予定通り公演スタート。 暮れたばかりのヌガラの夜空に並ぶジェゴグは期待通り壮観で、オープンエアー会場での響きは期待通り格別。公演は前半が約1時間、休憩を挟んだ後半が約1時間半で終了は2130。楽団の演奏曲は昨年日本で見たステージをほぼなぞるもの。1曲くらいオカさんによる新曲があったように思う。太鼓や木製打楽器やシンバルを曲によって組み合わせたアンサンブル曲があり、踊りも入ったりするので全く飽きさせない。ジェゴグだけの曲になると、司会のスウェントラ氏から「ジェゴグの下で聞いてもらってもよいので」との言があり、ジェゴグの下には竹製の座布団まで用意されているので、ほとんどの人は下で聞いていた。この辺までは予想通りだったのだが、後半は「参加型」の要素が予想外に加わり、観客に渡された竹製の打楽器を持って叩きながら踊りながらのジェゴグとの共演や、きわめて簡単なフレーズながら観客全員でスウェントラ氏の指揮に合わせたジェゴグのアンサンブルで終了。音楽的にも、また観光地アクティビティとしてのエンターテイメントとしても充実した文句ない内容なので、リゾートエリアから3時間かかるヌガラではあるが、多少なりともジェゴグに興味を持っている人にはぜひオススメしたい。とは言っても、私自身が再訪することがあれば(目標5年後?)、ライヴ後の後泊を検討するかな。[2007/09/09] |
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| FERNANDO KABUSACHI - The Flower+The Radio |
| ('07年 日intd ¥3,000)2CD-51'51+52'41 カブサッキのソロ名義作としては2年ぶり6枚目。'05年6月から'06年5月までの間に多数のゲストと行ったスタジオセッションを2CDにまとめたもので、ドラマーとして参加しているフェルナンド・サマレア主導でまとめられたのが「The Radio」、残りをカブサッキがまとめたのが「The Flower」とのこと。特に前者は割と普通なロックバンド編成曲がかなり含まれていて、ファンキーなディスコサウンド、SKY時代のミヒャエルローテル的なオルタナジャーマンニューウェーヴリゾートポップ、ローリングストーンズのモチーフのリフ?まであってバラエティ豊かで、カブサッキ作品としては異色の面白い魅力満載。後者は予想&期待通りのイマジネーション溢れる音響主体作、と2CDのちゃんとした意味合いは感じられる好作。かなりの曲で内橋和久がダクソフォンで参加しているが、私の聴いた範囲のダクソフォン演奏ではベストと言えるチャーミングさは特筆すべきもの。[2007/08/04] |
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| ROVO with FRANOV+KABUSACHI+VAZQUEZ - LIVE at Tokyo Cinema Club 7/7 2006 |
| ('07年 日イーストワークス ¥4,000)2CD-39'26+49'29 '06年の「アルゼンチン音響派」(変な言葉だと思うのであまり使いたくないけど便宜的に)来日ツアーの目玉的な公演(私はこの日は見逃してます)をたぶん完全収録した2CD。ROVO主体のようなクレジットだが、ROVOの曲をやるわけではなく、即興で約40分のセットを2パートとアンコールという3曲構成。となると、ROVOの人数の多さが逆に中途半端に作用する場面も多い。もちろんROVOらしくツインドラム全開の場面は心地よく、これにもアルゼンチン側は柔軟に呼応する新鮮なパートもふんだんには含まれるので、両者のファンには楽しめる要素は十分あるとは思うが、この時のツアーの最高の状態なのかどうかはちょっと疑問も。[2007/08/04] |
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| ('07年TZADIK)5曲/58'05 フリス/ラズウェル/ヘイワードの編成で復活後の3rd新作は、前作に引き続いてのライヴで'03年録音。帯の英文コメントによればメタリカの前座で1万人を超えるヘンドバンキングメタルヘッズを前にしたものとのこと。こうした環境の影響か、良くも悪くも派手めな演奏で、ハード、ヘヴィ、ダーク、ファンキー。踊れるというよりは揺れる感じのサイケデリックなインプロギターロック。フリスがこんなに「ロックなフレーズをちゃんと弾いている」のもこのユニットならではで貴重か。最近ではライヴで30分一気に見るんだったらかなり楽しめるとはと思うのだが、CDとして60分聴くにはもうひとつ押し引きがないと、私的には辛い。[2007/08/04] |
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| LIVE:SOFT MACHINE LEGACY 7月20日六本木STB 139 |
| ディーン追悼公演となった前回来日から約1年ぶり、エサリッジ/トラヴィス/ホッパー/マーシャルによる現行メンバー初のスタジオ録音アルバム「Sterm」発売記念ライヴとして行われた東京公演2dayの2日目。今回もMCはエサリッジ(一部ホッパー)がサービス精神旺盛に1曲毎に多く語っていたのでうろ覚えながらセットリストは末尾の通り。 前回のエサリッジに加え、今回からトラヴィスも楽曲にも加わってまたバンドには異なる側面が加わることになった。当時に、大昔の曲のアレンジは器楽編成の相違や、メモリー&ループエフェクトをエサリッジとトラヴィスが時々使ったりもするのでこれも新鮮。エサリッジの刻みとホッパーの堅実なベースラインの安定しかつ味のあるバンドの軸は、全盛期のオルガン&エレピでのそれとはまた違った高水準の魅力となっている。高齢化して心配な(特にマーシャルの)演奏力は、見事な輝きもあれば現役バンドとしては正直疑問符が付くようなモタツキも部分的には含まれる。 前回同様、演奏&楽曲のエサリッジの貢献もあって、ソフトワークスよりは格段に楽しめるライヴではあった。 -1st Set:1)The Steamer (Travis) 2)In The Back Room (Etheridge) 3)Kings & Queens(Hopper 4)12/12(Hopper) 5)As If(Ratledge) 6)Grape Hound(Etheridge) -2nd Set: 1)Chloe & The Pirates (Ratledge) 2)Footloose (Hopper) 3)Anything To Anywhere (Travis) 4)Improv.(Etheridge, Travis, Hopper, Marshall) 5)Kite Runner(Etheridge) 6)Facelift(Hopper) |
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| ('07年 独ECM)11曲/72'45 ERP誌33号のCDレビュー特選盤で(私のレビューのシャイニングの横で)坂本さんが10点満点つけていた作品だったので、久々のトーンのリーダー作品ですが買ってみました。'05年3月のスタジオ録音作品。Torn(g/sampler)、Tim Berne(sax)、Craig Taborn(key)、Tomi Rainey(ds)の四人がクレジットされているけど全員全曲参加というわけではなさそう。全編ハードでスリルのあるジャズロック。トーンらしいエフェクトのギターとエレクトロニクスは相変わらず。keyはローズとハモンドとメロトロンを曲により使い分けていて貢献度高い。バーンが即興的に吹きまくると典型的な現代アヴァンギャルドジャズ色が強くなり、こうなると私の縄張り外となるのがちょっと残念。[2007/07/22] |
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| PORCUPINE TREE - Fear Of A Blank Planet |
| ('07年 米ATLANTIC)6曲/50'55 最近はずいぶんメジャーになった感もある彼らの久々の新作。Steve Wilson(vo/g/key)、Richard Barbieri(key)、Colin Edwin(b)、Gavin Harrison(ds)のメンバー四人は変わらずだが、ゲスト名義でツアーメンバーのJohn Wesley(back-vo)、と1曲づつAlex LifesonとRobert Frippという大物gも加わっている。ストリングスのアレンジにデイブ・スチュワートのクレジットもあるが特に「らしさ」は感じられない。 アルバムの中でちゃんと「ロックバンド」している曲はいつもながら結構好みだ。プログレとサイケデリックとフォークがネオ風味にブレンドされている彼らの持ち味に、今回はWilsonのgがかなりメタリックな要素を持ち込み、ゲストgでの変化もあって聴きどころ十分。keyの音色的なバラエティもいつも以上。ロック色の強い曲でのドラミングは過去の私が知る限りのHarrison史上例のない叩きまくりでちょっとびっくりもする。いつもの通りアルバムにはメロディアス〜叙情過多の楽曲もある程度含まれ、ここは苦手なのだが、二人のvoの使い分けでの表現のメリハリもあるので、そんなに嫌味に感じなかったことは幸い。2000年以降の作品の中では最高作と感じます。[2007/07/22] |
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| RINGING RING - Ancient Stone |
| ('07年 日INTER MUSIC \2,625)19曲/60'52 基本は正攻法なクラシカルなバロック室内楽。全曲に参加しているのは朝倉靖雄(リュート、g他)だけなのでこの人がリーダー格なのだろう。編成は曲変わりでリコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ティン・ホイッスル、アイリッシュ・ハープ、女声...といったメンバーが入れ代わりで参加し、朝倉ソロ〜最大四人。楽曲の解説がついていないしこのジャンル門外漢の私には詳しくコメントできないのだが、ダウランドやジョズカン・デ・プレといった、私でもLP/CD持っているような王道のバロック曲とかケルト系の王道トラッド曲のカヴァーが中心、1曲だけイアン・アッカーマンの曲が混ざるあたりが、通常のクラシックレーベルではなくPOSEIDON系からリリースされている「らしさ」がちょっとだけ見えるところ。 野鳥とか鈴虫とかの音がやけに取り込まれているのは(聴いた雰囲気では演奏自体は野外録音ではないように思えるので)ちょっと疑問なのだが、制作意図としてはヒーリングミュージックを狙ったものなのかも。私のツボを刺激するような反則要素がないので、自分としてのめり込むにはジャンル違いというところだが、厭味のない選曲に丁寧なアンサンブルにしっかりした録音、冷静に評価すれば悪い要素はないので、良質なBGMとしては結構繰り返して使っています。[2007/07/22] |
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| MANI NEUMEIER&PETER HOLLINGER feat. I KETUT SUWENTRA - Meet The Demons Of Bali★★★ |
| ('98年発売廃盤/'07年日キャプテントリップ)12曲/57'35 '98年にキャプテントリップから「ドラム超人/バリの悪魔と出会う」というタイトルでリリースされた作品が、'07年3月同レーベルからリマスター/未発表曲を追加し「ミート・ザ・デモンズ・オブ・バリ」として再発され、そのアナウンスでスアールアグンが全面参加していることを知り、慌てて(格安で入手できた'98年版の方を)聴いてみた。 1997年2月2日-14日、バリ島ヌガラでのライヴ録音。二人のドイツ人ドラマー、マニ・ノイマイヤーとペーター・ホリンガーが、ヌガラを本拠とする竹マリンバ「ジェゴク」のアンサンブル集団「スアールアグン」とジョイントしたセッションアルバム。 作曲クレジットはトラッド-ノイマイヤー-ホリンガーとあるのみなのだが、少なくともスアールアグン側の演奏はこれまでCDやライヴで聴いた彼らの枠を遥かに超えたものとなっている。ジェゴグを高音から重低音までの担当楽器複数(正式には6種だったはず)の組み合わせで、四音階の懐かしく神秘的なメロディラインでミニマル展開していく、いつものスアールアグンのアプローチ...ではあるのだが、基本のメロディラインのノリがいつもとは違っていて高速ドラミングの間を縫うような強い躍動感が印象に残る。また、スアールアグンはいつもの演奏でもジェゴグだけではなく他の打楽器類や笛も使われるのだが、本作で珍しく多用されているのが金属のガムラン(昨年の来日公演では使っていなかったような気がする)。ジャケット写真でドラマー二人の間に座っているスアールアグンのリーダー、スウェントラが手に持っているのがジェゴグ用のマレットではなく金属ガムラン用のそれなので、ここでの味付けはスウェントラの担当と推察されるのだが、金属ガムランはジェゴグの四音階ではなくてたぶん五音階なのでさらに微妙なアンサンブルと音響効果を加えている。 ノイマイヤー関連作品としても「Zero Setに勝るとも劣らない」トランス&ポップ感覚を備えた傑作と言えるだろうし、スアールアグンの作品としてとらえても、ロックサイドから見た「おいしい要素」だけを抽出した、この集団の持つ潜在能力の高さを改めて浮き彫りとした作品。[2007/07/22] |
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| SLEEPYTIME GORILLA MUSEUM - In Glorious Times ★★★ |
| ('07年米THE END RECORDS)11曲/67'47 前作「Natural History」から3年ぶりとなるスタジオ録音としては3rd新作。中心メンバーの3人Nils Frydahl(g/vo)、Carla Kihlstedt(vln/vo)、Dan Rathbum(b)以外が変わって、Matthias Bossi(ds)とMichael Iago Mellender(per/tp/g他)が新たに加わった五人編成。作曲の担当は新メンバーも含め五人全員が分担している。ジャケットの雰囲気がバンドの微妙な雰囲気の変化を的確に現しているような印象だ。 音楽的には、シアトリカルスラッシュデスメタルと太陽と戦慄クリムゾンとアートベアーズとの混在...というような基本路線は変わらないわけだが、表現的にそれぞれひたすら激しく、ヘヴィに、マッドに、かつゴシック悪趣味様式美に、それぞれ進んでしまった感。全くの主観だが、基調にある世界観は邪悪、とは言っても単純に善悪に二元化できないような、通常の人間社内とは異なる価値観で統合された世界で、映画で例えるとデヴィッド・クローネンバーグというよりもクライヴ・パーカー(ヘルレイザーよりはミディアンの方がよりフィット)というイメージ。特にCarlaが活躍するパートの割合が増えているのではレコメンチェンバー色が従来作比では強くなっていることもあり、個人的にはシンキング・ブレイグの最良の姿を上回るくらいに最高。 本年の(今のところ)文句なしのベスト1作品だが、アクの強さ故あまり広くはオススメできない。バンドのHP http://www.sleepytimegorillamuseum.com/ から辿れるM2)のプロモ映像をまずは見てほしい。[2007/07/07] |
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| DVD:MAGMA - Mythes Et Legendes VolumeIII ★★★ |
| ('07年フランスSEVENTH)NTSC/約115分 全4巻がアナウンスされている2005年の春に4週にわたって行われた35周年ライヴイベントのDVD化が、ようやく第3週/第3巻目のリリースに突入。本作での編成は、現行メンバーからツインkeyのうちの一人フレデリックが退いて代わりにゲストのベノワ・ワイデマンが参加するという形態。オープニングはコーンタルコス。来日公演ライヴでも何度か聴いている曲だが、ワイドマン参加によりムーグのふよふよしたフレーズが広がることの面白さ。器楽パートでのジェームスのgとワイデマンのムーグの「ソロ回し」がこのステージ全体を通した新発見の中心となっている。ステージ前半はコーラス中心の"Lihns"で穏やかに終了。 後半のオープニングはメドレー形式で約35分。謎の多い未完の大曲?である"EMEHNTEHT-RE組曲"という風で、Emehnteht-Re Part1 - Rindoh - Emehnteht-Re Part2 - Hhai - Zombies のクレジットだが、最後はEmehnteht-Reのテーマに戻って終了する。少なくとも私にとっては全く聴いたことのない展開。いくらなんでもHhaiからZombiesへの連続はあんまりだとは思うのだが、各パートのつなぎの部分に新曲的なヒラメキもあったりするので楽しくは聴ける。 本編の最後は"Nono"でアンコールは"The Last Seven Minutes"。そもそも私が最初に聞いたMAGMAのアルバムが当時ほぼリアルタイムでの新作だった「Attahk」で、そのラストとオープニングの両曲には思い入れが強い。にも関わらず公式マテリアルとしてはこれがライヴ音源としての初収録かな?ということで個人的にもこのDVDシリーズの目玉だ。現行バンドの充実ぶりとワイドマンのスパイスもあって、これも予想&期待以上の名演。複雑な楽曲だけに演奏完璧とは言いがたい部分も見られなくはないが、魅力の方が上回る。 アンコール後のメンバー退場の中、一人ジェームスだけが戻ってきてフリーフォームな高速ギターソロをかき鳴らしている途中に本編は終了、とちょっとこの終わり方は謎。エンディングは「登場人物紹介」のエンドロールとそのBGMは翌週(次のDVD)の演奏曲から"Otis"で「続く」クレジット。 過去2巻では全くボーナス映像的なものがなかったのだが、本作は本編がややコンパクトであることもあってか"The Last Seven Minutes"の「画像アングル違いでクリスチャンだけを追ったもの(音声はバンドの通常の出音から変わらず)」が追加収録されている。これでも複数台(正面、横、後、上...)のカメラが切り替わっており、細かなドラミングにのめり込んで楽しめる。 個人的には過去3作の中でも最も繰り返して見れそうな、文句なく満足した作品。[2007/07/07] |
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| LIVE:MICE PAREDE -6月16日渋谷O-EAST |
| 複数回の来日経験があるらしいマイス・パレードだが、私自身はライヴは初。土日の東京公演の初日となる土曜日に行く。オールスタンディングの会場はしっかり満員だったのだが、オープニング・アクトが最初のクラムボン1時間弱(アダム・ピアースのドラムでのゲスト参加1曲を含む)、次のTom Brosseauはアコギの弾き語りで約30分と、2つも入るというのは私の体力的にかなりキツイ。ただ、客層もあってか「会場内禁煙」がしっかり守られていたので何とか最後まで耐えられたかな。 マイス・パレードの演奏は1時間強。気になるメンバーは主催者からの発表を引用すると下記7人、Adam Pierce/Doug Scharin/Dylan Cristy/Joshua Mckay/Caroline Lufkin/Robert Laakso/Dan Lippel。バンドとしての器楽構成はダグのドラム、ディランのヴィヴラフォン、ダンのアコギ、シンセベースの割合が多いkey、リズムギター中心のe-g、女声のキャロラインはマック・コンピュータでノイズ的な音響も付加、アダムのみが持ち換わりでドラムが3割、エレアコギター/vo7割(1曲だけ椅子型で座って叩くperで叩き語り)という比率での演奏、ゲストとしてクラムボンの原田郁子voが1曲だけ参加。新lead-voのキャロラインは私自身全く予備知識がないが、日米ハーフで幼少のみ沖縄でその後米国で過ごしたという人らしい。見事に沖縄シャーマン的にステージ映えする容姿で、曲間では終始「スーパードライのロング缶」を豪快に飲み続けていたが、アンニュイつぶやき的なはかない高音で雰囲気のある声質は前任?のクリスティーンと類似路線の様子。これから彼女の個性を生かした楽曲が生まれていくところなのかな。 翌日の公演がわざわざ「アコースティック」と銘打たれていることもあってか、この日は小編成のアプローチのものは少なく、ダグの叩きまくりのドラムに3本のgストロークが呼応する「踊れる」割合が多かった。音量バランス的にvo/vibが聴こえずらかったのが気になったが、人数的にも小編成でサウンド/アンサンブル的にきめ細かく配慮されたCDとは全くの別バンドとして楽しめた。 なお、この日のライヴ音源は聴きなおしたかったのでネット上で探したんだけど見つけられず、その代わり翌日の(自分はパスした)「アコースティック・セット」(会場は小規模なO-NEST)はネット音源発見して聴いたが、さらにまた別バンドと化していてこれまた素晴らしい内容。両日見るんだったとちょっと後悔。[2007/06/23] |
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| SUAR AGUNG - Jegog(スアール・アグン/ジェゴグ) |
| ('07年共同通信社「オーディオ・ベーシック2007 Summer」\1,300の付録CD)9曲/63'54 「竹のガムラン」ジェゴグのアンサンブルでの第一人者的グループ、スアール・アグンは毎年8月日本でもライヴを行っており、今年の公演アナウンスを気にしていたところ、オーディオ雑誌の付録CD形式で'07年4月現地ライヴ録音の最新の姿が届けられた。CDとしては9トラック/63'54だが、実質的な楽曲の収録は7曲/55'51。残りの2トラックは「ジェゴクの音の仕組み」と題された、各楽器のスケール演奏みたいなものと、ボーナストラックとされている(直接関係のない)バリ・バード・パーク内の鳥の鳴き声。本編部分については、この値段であれば十分おつりの来るちゃんとした内容。私の聴いたことのない曲はたぶん1曲だけ(リーダーのスウェントラの息子の作品で楽器も音階もずいぶん違う)で、他の曲は昨年の8月私も見たライヴもしくは既発のCDで聴いており、特に新発見があるわけではないが、ミニマルを基調としながら展開していくおなじみのスウェントラ節が、楽曲によって程よいバリエーションを有している。贅沢を言えばライヴのハイライト曲である”ムバルン”(2組のジェゴグアンサンブルが互いの音を打ち消しあう演奏でトランス度最大)の収録時間の短さが物足りないくらい。 録音状態はもちろん最高。雑誌に掲載されている解説も丁寧で切り抜き前提のCDジャケットも用意されている。ジェゴグファンにはもちろんだが、ジェゴグ初聴者にもオススメできる内容。なお、この雑誌の付録CDは(担当者の趣味なんだろうが)他の号もかなり変http://homepage3.nifty.com/studio_pelan2/Audio%20Basic/AB43.html。王道ガムランのティルタ・サリだったり、齋藤徹/井野信義のコントラバス・デュオがあったり。。。[2007/06/23] |
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| (エイラル・ノミ/ウレイユーラ)('07年仏EX-TENTION/日ARCANGELO \2,835)7曲/56'22 SEVENTHのサブレーベルからのリリース、アントワーヌ・パガノッティが参加する6名編成Zehul系アカペラ・ユニットのデビュー作...というディスクユニオンのアオリ文句に惹かれて聴いてみた。クレジットを見る限りはアントワーヌは1メンバーに過ぎず、作曲、作詞は別のメンバーが手がけている。歌詞はフランス語でもコバイア語でもない架空の言語...ゲルマン系?のコバイア語とはかなり系統が異なりソフトな印象なのでフランス系でありながら神秘性を高めたようなイメージ。楽曲はZehul直系とは言い切りにくいが、オファーリングや同様コンセプトのAD VITAMはたまた高円寺百景あたりとは連想させる要素は結構ある。音楽性の幅がクラシカル/ミニマル/ポピュラーの分野それぞれにかなりの広がりを見せているのが特長か。最も注目に値するのは練りに練りこまれたアンサンブルで、チェンバー・ジャズロック編成のバンドユニットをそっくり6声に置き換えたというところ。バンドのHPhttp://www.elullnoomi.com/elullnoomi.htmでのメンバー紹介では、女声3人はソプラノ×2とアルト。男声3人はテノールとバリトンと、アントワーヌは「ベースとパーカッションのヴォーカル」というクレジットとなっているのが面白い。[2007/06/23] |
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| TRANSSYLVANIANS - Fel Es Egesz ★ |
| ('07年ドイツWESTPARK)2CD-8曲/44'24+10曲/57'18 私は初めて聴くのだがバンドのHPによると6thとなる新作らしいhttp://www.transsylvanians.de。ドイツベルリンが本拠で、メンバーは基本的にドイツ人で女性のみハンガリー混血?のvln/key/g/ds/b&vo(女声)の五人編成。バンド名通りハンガリー・トランシルバニアの音楽を演奏する、ただし彼らなりに、というコンセプトらしい。タイトルはトランシルバニア語であり「半分と全体」との意。CD1/CD2では方向性が異なっていて、CD1は"for stagedivers"、CD2は"for slowfolkers"とある。CD2の方が比較的とっつきやすいだろうか、スロー〜ミディアムテンポ、ハンガリートラッドやバルトークなどのカヴァー曲中心、エレアコな哀愁フォークロックがほのぼのと展開され、これはこれで悪くない。 が、バンドのユニークな「トラッドを材料としたロックバンド」としての持ち味が出ているのは圧倒的にCD1。楽曲はやはりハンガリートラッドやバルトーク、にジミヘンを含めたカバー曲が中心。ギターは圧倒的にエレクトリックになりヘヴィ・メタル的なリフ弾きが多くなり、ドラムも終始派手なのでロック色が一貫して強くなる。keyはシャープなエレピと電子オルガンの使い分け。vlnは疾走弾きまくりの場面とムジカーシュのカヴァーというイメージでタメにタメた演奏とを混在させる。女声はマルタ・セバスチャン似の歌唱なのだが、あえてダミ声の他メンバーの男声がかぶるパートも多い。楽曲毎にこうした要素の混在の楽しさとオリジナルのメロディラインの魅力はしっかり生かしたアレンジが見事で爽快に楽しめる。[2007/06/09] |
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| KEITH TIPPETT,JULIE TIPPETTS,LOUIS MOHOLO-MOHOLO & CANTO GENERAL- Viva la Black Live at Ruvo★ |
| ('07年英OGUN)12曲/66'38 ティペット夫妻及びモホロの3人がイタリアのアンサンブル集団(各種管楽器×13/vo×6/b×2/ds/keyの計23名)とジョイントし、"Septober Energy"を初めとするティペット及びD.プクワナ/H.ミラー/M.フェザなどのアフロ=ブリティッシュ・ジャズの名曲群を演奏するプロジェクトの'04年9月5日イタリアライヴ録音。CENTIPEDE、ARK、THE DEDICATION ORCHESTRAと繋がってきたティペットのビックバンドプロジェクトらしいアプローチで、ソロとアンサンブル、作曲されたモチーフと展開と適度な即興、スリリングな熱気と大らかな叙情、とが交錯しつつ展開していく。CANTO GENERAL側の演奏は奏者によっては相当危なっかしい部分も目立つのだが、多くの曲ではオリジナルからすると異常に高速なテンポでかつてない高揚感を創出させ楽曲が若返っており好印象の方がより優る。ティペットの数ある名作群に新たに加わるだけの価値ある作品。[2007/06/09] |
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| DVD:SALLE GAVEAU - Official Live Bootleg DVD 2007 |
| ('07年 日POSEIDON)112分/リージョンALL・NTSC 私が見た'07年3月11日アサヒ・アートスクエアでのライヴをたぶん丸々(もちろんMCを除いて)収録したものなので、私の後頭部も写っているはず。。「オフィシャル・ブートレグ」と宣言されている通り過去のPOSEIDON制作のDVDに比べると画質・音質共に落ちるような。ただし、カメラは全体の固定とステージ脇からのアップとを切り替えており、一般的なレベルでの自主系公式ビデオの水準はクリアしてはいる。私自身の感想としてはすでにCD/ライヴレビューで書き尽くしてしまっている通りなのだが、クレジットを確認すると本DVDの演奏曲は11曲で、1stCDの全9曲から8曲+1st未収曲3曲。CD収録曲についても展開部のソロ回し部分が長くとられている曲も多く、こうした部分は映像を伴うとダレずに見れてしまうのでDVDの方がライヴCDよりも良いですね。当日のライヴでも思って書き忘れていたのを思い出したのだが、本来keyはグランドピアノのはずがこのライヴではデジピ代用となっているのがちょっと勿体無いところ。ところで"Rock In Opposition France Event 2007 Limited Edition"との記載があるのだが、どのような流通形態となっているのかは不明。POSEIDONのサイトにも鬼怒無月のサイトでも本DVDのことはまだ紹介されていないようだが、これからアナウンスがあるのかも。[2007/06/09] |
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| ('07年ノルウェーGRAPPA)約88分/PAL・リージョン2 アイルランドからアルタンのマレード・ニ・ウィニー、ノルウェーのアンビョルグ・リーエン、スウェーデンからガルマルナ/トリアケルのエンマ(私が知っているのはこの3人くらい)、他の計6人の多国籍女性フィドル奏者(+アコギ、コントラバス、ピアノ、ドラムの男性バックバンド)によるプロジェクトの2005年ノルウェーでのライヴステージを収録。放送用映像を元にしていると思われ画質・音質は良い。MCは6人が交互に英語で担当しているが、曲によって各メンバーの出身プロジェクトに沿った演奏となっているようで、多国籍トラッドの融合や予想外の飛躍といった音楽的なサプライズには乏しい。フィドルのテクニカル的な超絶が聴けるわけではなく、ユニゾンにしてもアンサンブルにしても、ゆったりとした響きを生かした端正なアプローチのものがほとんど。ということで、良質ではあるのだが私の好みのトラッド領域からは音楽的にはかなり外れる内容。もちろんビジュアル的な華やかさは補ってあまりあるので楽しんでは見れるけど。 6人の女性の中ではエンマがあきらかに異質のたたずまい。他がみんな黒っぽい衣装なのに一人だけ白い服だし、フィドルのユニゾン/アンサンブル場面でも一人だけ弾いていないことも多かったり、フィドルを持たずにヴォーカルに専念する曲も数曲ある。音楽性の相違もあってゲスト的な扱いのようにも見える。私としてはエンマのヴォーカル曲が明らかなハイライトで、これだけでも元は取れた感じ。ただしもちろんガルマルナ路線ではなく、トリアケルの流れ。なお、原盤を購入後に気がついたのですが、日本盤のみNTSC仕様が存在しているようです。http://www.mplant.com/koruna/ssisters.html[2007/06/09] |
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| ('06年スウェーデンTONGANG)18曲/55'44 スウェーデンのバンドのデビュー作。ニッケルハルパ、フィドル/女声、アコギ、コントラバス、パーカッションのアコースティックな五人編成。作曲クレジットはカヴァーが数曲でオリジナル曲がほとんどだが、根ざしているのは全編共通で、北欧のトラッド基調のダンスミュージック。同じニッケルハルパがメインということで最初に連想するヴェーセンのような明るさ爽やかさよりも、最初期の(エレクトリック化していない)ガルマルナに近いような重さ深さ要素が強い。暗黒までには達しない程よいバランスのため、強烈なインパクトには欠けるが、好作ではある。視聴はHPでhttp://www.skromta.com。[2007/06/09] |
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| ALAMAAILMAN VASARAT-Maahan ★★★ |
| ('07年 日本TOBASIS \2,500)12曲/42'54 ライヴ会場で購入した4年ぶり新作3rd。メンバーは2ndから変わらず、サックス、トロンボーン、チェロ×2、オルガン/ピアノ、ドラムの6人編成。2ndでのド派手な勢いは弱まり一聴では明らかに地味に。北欧というよりも中東欧から中近東〜クレズマーの色の濃いトラッド/ワールドミュージックベースのメロディラインは従来通りなのだが、そのロック/メタル/パンク的なハチャメチャな味付けが後退し(過去の2作と比べればだが)哀愁中心のソフィスティケイトされたアプローチとなっている。彼らが音楽を担当し出演も果たしたという映画(本国でも未公開)からも、日本盤ボートラ1曲を含む数曲が収録されているなど、これまでになかった抽象的な表現に止まった曲もあって、最初はかなり違和感も覚えた。 日本盤ライナーにはメンバーによる曲目解説の対訳が紹介されている(フィンランド原盤には解説はないがバンドのHPには掲載があるのでぜひ参照を)。これを読みながら何度か聴き続けていたら印象的なメロディラインを軸にして映像的なイメージが面白いように膨らんでいき、評価が倍増することに。結成時から彼らが自らの音楽を表現するものとして提示していた「VASAR-ASIANという架空の地域の民族音楽を想定した”フィクショナル・ワールド・ミュージック”」というコンセプトは、本作において見事に結実しているように感じられる。作曲クレジットが1st/2ndでは全曲ヤルノ単独だったのが、本作では曲代わりで全曲ヤルノにプラスアルファでメンバー何人か、となっている。ヤルノ以外のメンバーにこのことを聞いたところ「そんなクレジットにはあまり意味がない。我々は1stから民主的なバンドであることは変わらない。」という主旨の発言があったのだが、地味なアプローチながらしっかりじっくり聴かせることでの表現力アップは、各人の作曲及びアレンジのアイデア出しと練りこみの向上によるものだろう。 個人的な総合評価としても「異なるアプローチの2ndに匹敵する傑作再び!」。[2007/05/31] |
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| LIVE:ALAMAAILMAN VASARAT 5月26日新宿PIT-INN/5月27日江古田BUDDY |
| 昨年の2月以来、2度目の来日公演はライヴイベント「ミュージック from フィンランド」土日2日間の昼夜4ステージ公演の中で、AVは目玉的なバンドとして土曜夜と日曜昼の2回に出演。初日は「超満員」2日目も昼公演ながら「満員」の盛況ぶりだった。初日のオープニングアクトは2ユニットで、佐藤正治(per/vo)太田惠資(vln/vo)がインプロ的なアラブ色の強いデュオを、続いてフィンランドジャズからテーム・マットソン(tp)がコントラバス、ピアノ、ドラム、サックスの編成で正統的な現代ジャズを演奏。2日目はシカラムータとのデュオライヴという、ライヴとしては絶妙のカップリング。全国&海外ツアーを直前に控えたシカラムータは大熊ワタル(cla/グロッケンシュピーゲル)、川口義之(sax)、桜井芳樹(g)、渡辺明子(tb)、関島岳郎(tuba)、こぐれみわぞう(チンドン/per)に本来のドラムの吉田達也が不参加で、代わりは外山明。外山のシカラムータは私自身初めて聴くが、チンドンの派手なリズムと正面から拮抗することを避けて裏のビートをタム中心に丁寧にサポートするという、これはこれで味のあるリズムセクションが聴けて貴重であった。
さて主役のアラマーイルマン・ヴァラサットは両日共に1時間弱のコンパクトなステージ。セットリストは両日で全くことなり演奏曲もほぼ半分違っていた。音響的にはもちろん、他バンドから受けた刺激という点でも、シカラムータの後の演奏となった2日目の方が高速化/爆発度は顕著だったような気がする。基本路線としてはもちろん両日共に共通。ホーンの2人、ヤルノとエルノはソプラノサックスとトロンボーンに専念し持ち替え無しで、エネルギッシュなステージアクションで暴れまくる。チェロの2人はディスーションをかけてどう聴いてもエレギターなリフのザクザクした刻みと、メロディアスなチェンバーフレーズとを交互に入れ替えながらバンドサウンドの核の部分を彩る。ミーカは持ち込みの足踏みオルガンをメインに、今回の2会場では幸いグランドピアノもあるので、ピアノの場面ではタイトなジャズロックとを見事に表現しわける。ドラムのテームもドタバタした突っ込み気味の場面とクールに抑えた場面とをしっかり支えていた。
前回の来日公演でも感じたことだが、AVはライヴだと、スタジオ盤に比べて表現も速度も幅が圧倒的に広くなり、ヘヴィ・メタルもより強調される。演奏され続けた旧曲では特にそれが昨年以上に強く感じられた。彼らのライヴ映像マテリアルがバンド本来の姿は表現されているとは言いがたいヌルミオとのDVDのみというのは惜しいので、両日回っていたビデオカメラの映像が公式リリースされることも望みたい。[2007/05/31] |
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| LIVE:アクスティマンティコ 5月20日 六本木ヒルズアリーナ |
| | 愛知万博以来二度目の来日となるユニット、今回の東京公演はこの日が半野外スペースでの昼夜2ステージライヴと翌日が六本木スーパーデラックスでのライヴ。我々が見た昼の部1400-1500の間は天候も薄曇りで良い環境。g(エレアコ)、コントラバス、サックス、ds、女声の五人編成のローマを拠点しすでに4枚のアルバムをリリースしている、イタリアの伝統音楽というよりはアラブやバルカン混ぜ込んだジャズ風味歌もの地中海音楽のユニットである。私はプロモ用CDRを昨年聴いたことがあって、私のトラッドの嗜好からするとマトモすぎる(邪悪な要素がない)故に深入りするには至らなかったのだが、この日は無料イベントということもあって足を運んでみた次第。半分以上は既聴の曲で、ライヴだからといってインストパートが長くなるということもなく12曲の歌もの曲が正味1時間弱で演奏された。楽曲の構成としてはスタジオ盤と変わらない端正なものだったが、女声の抑揚のつけ方はかなり強調されており、豊かな表情の変化やジェスチャーも加わってやっぱりライヴならではの説得力増で、期待値は確実に上回る内容。[2007/05/22] |
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| ('05年米NORTHSIDE)12曲/51'28 こんな重要作のリリースの存在に最近になってようやく気がついたので慌てて購入。ガルマルナのステファンとヘドニンガルナのトッテによるハーディガーディ(+α)のデュオプロジェクト。クレジットによると'04年の夏にステファンがプログラミングを行い、'04年秋にステファン家の台所やトッテのスタジオでハーディガーディが加えられたとのこと。楽曲はステファン作3曲、トッテ作1曲で残りはトラッド、ということでステファン主導なのかも知れないけど、印象としてはヘドニンガルナ(特に女声不在の「Hippjokk」あたり)の方により近い。プログラミングによる打ち込みのリズムとベースライン(曲によっては女声的なサンプリング?)は総じて淡々としたものなので表面的なラジカルさは薄いのだが、エレクトロニクス処理の中にではあるが北欧トラッドの持つ重々しい陰影の核を浮き彫りにする。そこに重層的に重なるハーディガーディーもバンドでの演奏同様に、アコースティックとエレクトリックなエフェクトを使い分けているのが、音色は実に多彩であり、バンドサウンド的なアンサンブルとしても全く不足は感じない。両者の音楽的な相性の良さもあって、高い期待値以上の仕上がり。新作の音沙汰がここ数年ない中、このプロジェクトくらいは継続した動きがあっても良さそうだが。。。[2007/05/13] |
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| ('07年日MUSIC PLANT \2,730)11曲/47'52 妻がどこからかサンプル盤CDR(音だけ)を入手してきて聴きましたが、情報は日本流通盤発売元http://www.mplant.com/koruna/vasen/linnaeus_vasen.htmlから得てます。'04年から続いている3回にわたる来日公演も含め、ここ数年はトリオ編成(ニッケルハルパ、ヴィオラ、ギター)での活動だけが目立っていたヴェーセンの新作は久々にperを加えた四人編成。またオリジナル曲がほとんどだった彼らには珍しく本作は旧曲のカヴァー集...というか、本年が生誕300年ということで世界的に各種の記念行事が行われているスウェーデン出身の科学者リネウス(リンネ)にまつわる音楽が取り上げられているということらしい。ただ、彼らのオリジナル曲もトラッドをモチーフにした親しみやすいものであり、正直なところニッケルハルパによる基本的なメロディラインは「あんまり変わらないヴェーセンらしい路線が続いているなあ」というのが私の率直な印象。 で、トリオ編成となり存在感をどんどん増してきたヴィオラとギターの凄まじい表現力はperが戻っても相変わらず、というかむしろリズムキープの軸をperに委ねられることでより自由度と幅広さが出てきた。'05年のアルバム「ライヴ・イン・ジャパン」でトリオでは行きつくしたかとも思っていたのだが、四人編成だと本作でもまだ余力がありそう。そんなわけで今年11月のライヴは(チケットが取れればだけど)行くつもりです。[2007/05/13] |
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| ('07年日P-VINE \2,415)10曲/40'44 前作「Ben-Vinda Vontade」から2年弱ぶりとなるアダム・ピアースのソロ・プロジェクトの新作、プロジェクト初のSAMEタイトル。前作発表ツアー後住居をニューヨークから郊外に移し自分のレコーディングスタジオを構え、スタジオの機能確認を含めたプロジェクトが本作とのこと。例によって本人のds/per/g他の多重録音に、準レギュラー的なゲストメンバーを加えたバンド的なサウンドにはなっているが、総じて中小規模な編成のものが多い様子で、相変わらず細部まで配慮の行き届いたリズムのずらしを中心とした心地よいアンサンブルが際立っている。曲調もかつてないラテン的なものも加わりバラエティは豊か。前作同様ヴォーカル曲が多数を占めるが、自身の淡々としたそれに加え、前作からの継続参加となっているMUMのクリスティーンとこれが意外にも初参加というステレオラブのレティシアがそれぞれ1曲ずつ特異な魅力をアピールしてくれる。日本盤ボートラ1曲は前作のオープニングナンバーの「ステレオラブ・リミックス」と称されたもので、ホーンセクション音とリズム付加処理がそれっぽくて面白いけど、この曲にはレティシアの参加はないみたい。6月の来日公演は土曜日なので行くつもりです。[2007/05/13] |
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| ('07年仏MUSEA/日ベル・アンティーク\3,000)8曲/73'19 ZAO関係ではその後も活発な動きがあったのでずいぶん昔のような気がしていた、3年前の'04年6月来日公演のライヴ・アルバムのリリース。Seffer(sax) Cahen(key)Prevost(b)Causse(ds)のベテラン陣に、女声Cynthia Saint Ville(vo) 、さらにゲストというクレジットながら私が見た日には半分以上の曲では加わっていた壷井彰久(vln)という5or6人編成で、1st/2nd/3rd/4thから万遍なく選曲された楽曲を演奏。ライヴでは新曲が1曲あったのだが、本作では未収録なのが残念。私が実際見たのは6月5日のみでこの日はたっぷり正味2時間は演奏したので、その際のセットリストからは1/3くらいは未収録、演奏曲順もかなり入れ替えられている。当日の私の率直な印象として、前半はやや不調で後半素晴らしかったので、そのあたりも影響しているのかも。結果としてはアルバム全体として来日公演の最良の編集はなされているのだろう。若手陣のエネルギーがベテラン陣を刺激した、バンドとしての高い熱気が充満した、素晴らしいステージがパッケージ化されている。[2007/05/13] |
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| LIVE:POT HEADS/KBB 5月6日池袋LIVE INN ROSA |
| GW最終日に行われた2バンドによるライヴ。前半のPOT HEADSは佐藤芳明(アコーディオン)鳥越啓介(コントラバス)田中栄二(ドラム)のトリオ。佐藤と鳥越はサル・ガヴォで、田中はコイルでそれぞれ聞いてはいるが、このユニットで音を聞くのは私自身は全く初めて。田中はコイル同様の叩きまくり、鳥越のフレージングもかなり派手なので、作曲の中心が佐藤ということで予想したよりはタンゴ色は控えめで、ジャズ・ロック色が思いの他強い。ラスト2曲では壷井彰久(vln)がゲスト参加し、特にラジカルトラッド色の強い仕上げだったので印象としてはこの2曲に集中してしまった感も。。。トリオ編成ならではの魅力を1時間超のステージで見せ続けるには、楽曲とアレンジの振れ幅をもっともっと取ってほしいかな。
後半のKBBは私自身は2年半ぶり2回目に見るライヴ。1stCD時代はkeyの音色などが自分の趣味には合わないシンフォプログレ基調と思っていたのだが、年々ソリッドな印象が強まっているようで今回の印象でも十分にオッケー。高橋利光keyもエレピとオルガンと飛び道具的なシンセのバランスはむしろ結構好みになっているし、カンタベリー色を強く意識させる弾むような菅野詩郎ds/Dani-bのリズムセクション、いつ見ても見事な弾きまくりの壷井vlnも全く文句のないところ。やはり後半2曲では佐藤が加わるという盛りだくさんのプログラムだったのだが、アンコール2曲目で佐藤が抜けた通常編成に戻ってもアピール力が全く衰えないのところが見事。良い意味での「現在進行形の国内プログレッシヴ・テクニカル・ジャズ・ロックの王道路線」だと思います。 [2007/05/13] |
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| TIN HAT-The Sad Machinery of Spring ★ |
| ('07年 USA-RYKO/HANNIBAL)15曲/48'58 SLEEPTIME GORILLA MUSEUMメンバーCarla Kihlstedt(vln/vo)の参加ユニットということで前作「Book Of Silk」を聴いて、かなり好感を持っていたTIN HAT TRIOがメンバーチェンジ&拡大し五人編成となっての新作。メジャーレーベルからのリリースのためか、なんとアマゾンから新譜案内予約受付中のメールが来たのにはびっくりした。TRIO時代からはCarlaとM.Orton(g他)の二人が残り、アコーディオン/keyが脱退、新メンバー三人はA.Anderson(tp他)、B.Goldberg(cla)、前作にもゲスト参加していたZeena Parkins(harp)。楽曲は旧メンバー中心に新メンバーも数曲提供している。基本モチーフは、アコースティック・チェンバー・アヴァン・ポップ&このユニットの個性である「古きよきアメリカのおおらかなポピュラー・ミュージック」であることは変わらない。が、管楽器の増により(Zeenaもかなりちゃんとハープを弾いており)ジャズ/アンサンブル度がぐっと増しており、表現も一層多彩に。1曲のCarlaによるヴォーカル曲でのみほんの少しSGMとも通じる退廃的な香りが表面化するのも適度なアクセント。 [2007/04/21] |
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| BOGNAR SZILVIA-Song Preserves The Heartbeat Of Time ★ |
| ('06年ハンガリーGRYLLUS)12曲/48'13 数年前のMAKAMでリードヴォーカルを担当していた女性のソロ名義作、作曲編曲サウンドディレクターとしては近年のMAKAMでのコントラバス奏者Kovacs Zoltanがクレジットされている。器楽陣がg、b、per、vln、kaval等々からなるアコースティック編成で、バルカンやアラブの香りもわずかに漂うハンガリアントラッドを基調としたトラッドチェンバーというあたりもMAKAMには相当近い印象を受ける仕上がりだが、アンサンブルにおいてはリズムがやや強調されている分、温度がほんの少し高いか。もちろん主役はSzilviaのヴォーカルで、充実した器楽陣に負けずに説得力十分。5曲ではなんとマルタ・セバスチャンのコーラスのサポートまで受けるという豪華な作りである。私はMAKAMのアルバムは半分くらいしか聴いていないので断言がはばかられるのだが、MAKAMよりも良いかも?というくらいに好内容。[2007/04/21] |
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| ('06年ハンガリー自主?)12曲/44'33 全く知識のないバンドだが、バンドHP http://www.chalga.hu/eng/zenekar.jsp を見るとデビュー作らしい。女声lead-vo、sax/女声vo、vln、g、b、per×2の7人編成。HP紹介文には『ハンガリー、ブルガリア、マケドニア、トルコ、アラビアの民族音楽にジャズを振りかけた』旨が記されているが、saxとvlnで奏でられるメロディラインは総じてその通り。ギターもベースもアコースティック/エレクトリックを使い分けるが、ギターはアコースティック比率が高く、ベースはエレクトリック比率が高い。シャープな民族per群と粘っこいジャズロック的なベースのリズムセクションはかなり魅力的でエネルギッシュなバンドサウンドの土台となっている。その上でヴォーカルが最も中近東に寄ったエキゾチックな妖しさを奏でるのも、バンドとしては好バランス。[2007/04/21] |
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| ('06年ハンガリーFONO)14曲/54'53 20年以上の活動歴で知られるKORMORAN(私自身はこれまで聴く機会がなかった)が、KORMORAN MEMORY BAND名義でリリースした新作。フィドル/vo×2(男女1名ずつ)、g/vo、b/vo、vla/バグパイプ他、ds、per/vo、key/voの8人編成で、全編トラッドはモチーフなのだが、半分くらいの曲では良くも悪くも70年代テイストとも思わせる熱くしつこく、でも中東欧ロックらしい大らかさも湛えたハードロック(ヴォーカルも野太い男声)基調。いかにも「ハンガリートラッドロックの大ベテランバンドの力作」という印象が中心なのだが、これだけで終わらないのがさすがで、曲によってはかなり味付けが変わる。先鋭的な疾走メタルだったり、アコースティックで女声を前面に出してムジカージュ風だったりまで、とにかく様々な表情の中に、共通した熱さがアルバム全体を貫いているのが見事。[2007/04/21] |
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| AIN SOPH - Studio Live Tracks '80s and '05 |
| ('07年日本POSEIDON \2,625)8曲/58'19 日本でのみ特有の広がりを見せたジャズロックの一形態として「カンタベリーとシンフォニックのブレンド」というパターンがあると思うのだが、その原点であり頂点にあるのはこのアイン・ソフだろう。が、私としてはシンフォ要素部分は個人的に苦手なので、アルバムの完成度は認めながらも、深く熱狂した歴史はなく、ライヴも未体験のまま。そんな私なんだけど書ける範囲で。。。 本作は、最近のライヴ会場にてCDR販売していた80年代のスタジオライヴテイクをリマスターし、05年の新曲スタジオ録音をボーナス的に追加したというマニア向け的な企画ものCD。正直なところ80年代録音の音質は当時のデモテープの範疇でそんなによくないのが残念。楽曲もほとんど公式アルバム収録曲、演奏も展開も完成度の高い公式アルバムと比べて粗いが、カンタベリー要素もシンフォ要素もそれぞれダイレクトに伝わってくるし、「ライヴ」っぽさもあるのでファンには十分存在価値のある内容には仕上がっている。'05年新作はsaxを加え持ち味を維持しつつも正統的なジャズ・ロックに向いているか。演奏も締まっており完全な現役バンドであることは確認できる。[2007/04/21] |
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| LIVE:マジカル・パワー・マコ・スーパー・プログレッシヴ・バンド 4月7日秋葉原dressTOKYO |
| 昨年12月に1stライヴを行いPOSEIDONからのCDリリースも予告されているマコ(g/vo/key/ds)新ユニットの2ndライヴ。私自身はマコにはCD再発時に数枚聴いたけどそれほど深いひっかかりは覚えなかったのだが、1stライヴのレビューがERP誌32号72Pに載っていてPOSEIDON仕切りならではの不思議な編成に興味を持ったもの。この日も1stライヴと同様、吉田達也(ds)、津田治彦(g)、桜井良行(b)、大森俊之(key)が正式メンバー格、多数のゲストが加わる展開だった。オープニングはゲストチェロとkeyのデュオというチェンバーなもの。チェロ退場後津田・桜井・吉田が加わり、最後にマコ。バンドサウンドの基調となるようなリフは津田が担当することが多い。そもそも私が津田をライヴで見るのも新月以来で30年近くぶりなのだが、こんなにメタルクリムゾン的なトーンに統一された展開は予想外。津田・桜井・吉田だけのトリオで是巨人的なアプローチの演奏を聴いてみたいと思わせるスリリングな噛み合いである。大森のkeyはプログレELP的なフレージングあり、展開部分では打ち込みのプログラミングも加えアニメ&ゲーム音楽的な完結されたパターンの提示もある。この四人の強力バッキングの上に、時々鋭く絡んでくるマコ。既存のライヴで連想するのはデヴィッド・アレンとダモ鈴木だが、津田とも十分に拮抗するgのフレージングは侮れない...とインスト部分では総じて予想以上に私の好みともマッチするサイケデリックハードロックでちょっとプログレ、であった。 が、中盤以降は音楽以外の要素でゲストパフォーマーが多数加わり、サウンド的には荒いインプロに変わり言葉では良く表現できない状態に突入するのだが、ステージの途中で小屋側が「このままでは危険なのでいったん休憩にします」とライヴが中断したほど。ちなみにその時、客席最前列ほぼ真ん中で見ていた私の足元にステージ上から飛んできたものを羅列すると、「割れた蛍光灯の破片」「壊れた扇風機の外枠」「ストリップのおねえちゃんが脱ぐ前に来ていたピンクのコスチューム」「一斗缶(プロレス好きの人に説明するとすれば”アジャコングが使う凶器のアレ”)」と缶からこぼれた石油?がステージ上と客先の前列付近を覆っている状態であり、ステージに溢れる電子機器の関係とか客のタバコとかで発火のおそれがあるということで演奏が止められた。 休憩中に床が水拭きされてから演奏が再開され、マコの1stアルバムからの曲も交え、70年代アングラと80年代以降のサブカルのエッセンスごった煮な世界観が提示されつつまとまりもないままに終了(まとめようという意思もないみたいだが)。POSEIDONは今後どうパッケージ化するのか。音楽的にある程度整理したCD、混沌としたステージそのままのDVD、それぞれ意味があると思うので両方期待したい。[2007/04/10] |
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| DVD:VARTTINA-Archive Live |
| ('06年 フィンランドSONY MUSIC ENTERTAINMENT) 私の北欧トラッドへの好みからすると「明るすぎる」故に近作数枚は聴いていないヴァルティナなのだが、初の映像作品ということで、楽しめた来日ライヴ体験のことも思い出しつつ購入したもの。DVDは基本的に2部構成になっており、タイトル通りのアーカイヴ集全15曲は'85年カーシネン姉妹の出生地で親戚・近所の中高生?を大勢集めたアマチュア集団時代の冒頭1曲が実に貴重。続いて拠点を首都ヘルシンキに移して再編してからの'90年のものが2曲(ヴォーカルは5人)で、この辺まではアマチュアっぽさをまだ残している。続く'93年の4曲になるとヴォーカルも4人になりアンサンブル的にも現在のスタイルに近い状態に完成される。ヴォーカル女声陣がヘッドセットで「踊りながら唄う」のは90年代後半から00年代前半に限られているようで、ヴォーカルが3人になった最近は普通のワイヤレスマイクを持ってますね。最新映像は'05年なので、女声唯一のオリジナルメンバーとなったマリ・カーシネンの衣装や体形の変化に注目しつつ見るとまた楽しい。途中でスリム化した時期もあったのにね。。。15曲どれも良い画質で収められているのも大したものである。 本編に相当するのは、2003年2月28日ヘルシンキで行われた「結成20周年記念ライヴ」(TV放映用編集版?)48分/13曲。画質音質カメラワーク、3人の女声アンサンブル、器楽陣(ブズーキorSax/アコーディオン/ダブルベース/フィドル/ドラム/アコギ)それぞれ文句なし。中盤のアカペラ曲では3人+ゲスト女声25人という意外な場面もあって、単独ライヴアルバムとしても評価できる内容。ボーナストラック的にはマリ・カーシネンともう一人のオリジナルメンバー(ブズーキorSaxの人)の10数分のインタビューが収録されている(英語字幕付き)。 広範にお薦めできるDVD作品だが、PAL/リージョン2なのでご注意ください。 基本情報・サンプル試写はhttp://provisual.fi/varttina/ 。[2007/04/10] |
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| KING CRIMSON - The Collector's King Crimson Vol.10 |
| ('06年日WHD/ビクター\10,500*6CD) Live in Warsaw,June 11,2000(56'45+49'24) Live in Heidelberg,March 29,1974(58'07) Live in Brighton,October 16,1971(49'56+53'39) Live in Asbury Park,June 28,1974(77'24)
'06年7月26日発売のBOX。Vol.1からVol.8まで聴き続けてきてたがVol.9('69/'82/'99録音)ではじめて見送った。良い機会なのでもう止めようと思っていたのだが...さすがに新品購入というわけではなくて聴くのが遅れたのだが...今更の動機は「Live in Asbury Park」(ノーカット完全版・ライヴミックス)である。私自身中学生の時に初めて聴いたKCがほぼリアルタイムの「USA」であり、それ以来「USA/アズベリー・パーク伝説」にはどっぷりはまっている口だ。未だ公式なアナウンスはないのかもしれないが「USA」のほとんどのテイク(21世紀以外の全てという説が有力なんだっけ?)はアズベリー・パーク公演からとられており「USA」の'02年のCD化にあたってボーナストラック的に"フラクチャア"と"スターレス"が追加され、「アズベリー・パークほぼ完全版」となったわけだが、ここでも「クロスからジョブソンへの差し替え」「イージー・マネーの後半部のカット」はLPの編集が踏襲され続けていた。最近DGMの公式サイトではKCの各種ライヴが有料ダウンロード可能となったのだがhttp://www.dgmlive.com/kc/、'05年11月にこの日の公演が公開されて以来、現時点でも「トップダウンロード」欄に掲載され続けている。公式なCDとして発売されるのは日本盤BOXのみ、ということになるらしい。
収録曲は「USA」'02年CD化と同様の8曲。オープニングのLarks'Uのクロスの演奏、何がいけなくてジョブソンに変えられたのか?ワイルドな演奏でライヴらしくて悪くないと思いますが。。。ラメント〜エグザイルスをはさみ、即興曲アズベリー・パークは「USA」に比べてずいぶんクロスのkeyの音量を大きくとったミキシング、音量バランスとしては本作が正当なのだろうが、インプロkeyでは音楽的にかみ合いきってないクロスを抑え込んだ「USA」mixには納得。「USA」ではこの曲6'53の後半カット収録なのだが本作収録は11'42の完全版。初出の後半約5分は明らかに別の曲に変わってしまい唖然。プロヴィデンスをちょっと連想される混沌状態からすぐにフリップが一人でファンキーなストロークをかなり長く続けた後、リズムセクションが戻ってきてクロスがこの曲で初めてvlnをスリリングに弾きまくり始めたところで唐突に終了してしまう。後半のフリップのgはちょっとアースバウンド時代に近いブルースな雰囲気で私は好きです。
続くイージーマネーも「USA」は6'40くらいでフェードアウト収録に対し、本作では11'07の完全版。初出後半部分約4分間もウエットンのリフがやけに元気すぎるように転じ、フリップのフレージングも変化し荒くなって、それまでの見事に統制された印象は変わる。この曲もやけに唐突な終わり方だ。フラクチャア、スターレスを挟み、ラストの21世紀(初出?)ではクロスのvlnの音量バランスが不足しているのが残念。決して悪い出来ではないと思うが。
というわけで、末期LARKS-KCの充実したステージの中でもこのアズベリーパークが極めて傑出した即興&ソロパートを含んだ名演だったことと、「USA」においてはきわめて適切な編集作業が行われたことの両方が確認できる、マニアには楽しみがいのある1枚ではある。でもまあ、LARKS-KCのライヴ盤としては常識的には「USA」とオフィシャル完全盤でもリリース済みの'73年11月15日のアムステルダムがあれば十分なのでしょうね。
本BOX収録の他CDも決して悪くないけど、それぞれの時期のライヴの他公演は正規版や他のコレクターBOXでも聴いているので、特別な新発見は少ない。'71年ブライトンは(曲の)アイランドが正規版としては初出らしい(ライヴでもほとんど演奏されてないとか)んだけど、ライヴ向きではないことを確認できる。'74年ハイデルベルクはこの時期の目玉であるインプロ曲が2曲あるんだけど、あまり展開がなく次曲(ドクターD/スターレス)のイントロ的になっているのが物足りない。また最終曲のフラクチャーのカットは不満。コレクターBOXは終始複数時期の抱き合わせ販売なので、もちろん全時期の全ライヴを聴きたいマニアの方はともかく、私の感覚としてはこのCD6枚全部聴く必要性は感じず、アズベリーパークのみDGM-LIVEのダウンロードが正解だったか。[2007/04/07] |
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| ('07年日VITAL \1,260)8曲/40'45 同レーベルからの2ndらしいが私は初めて聴く。b/ds/sax/key四人編成のインストジャズロックユニット。オープニングはなんだかやたらとユルイガムラン&ケチャ音楽で脱力させられるが、M2以降はまずまず正調なジャズロック基調に変わる。ただし帯冒頭の『ブラフォードやアレアを想起させる〜』との宣伝文句はあまりピンとこなかった。ブラフォードというよりはアースワークスだったら部分的にありかもだし、トラッド的な要素を加える場面はかなりあるのでそこがアレアと言えないこともないか。ただそのトラッドもバルカン主調というわけではなく、ケルトだったり、クレズマーだったり、アジアだったり、日本(沖縄方面?)的だったりまちまち。ベーシストのスティックへの持ち替え、ドラムの各種民族及びエレクトリックperの導入等、表現のバラエティにはきわめて富んでいる。トラッドへの縄張りが狭くかつ歪んでいる私なので、正直フィットしづらい箇所も多いのだが、丁寧な演奏とアンサンブルは一貫。この廉価盤シリーズにしては珍しくスタジオ録音でマスタリングもKBBのDaniが担当するなど、全編音質も良好に仕上がっているのは好感度高い。[2007/04/07] |
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| VAN DER GRAAF GENERATOR - Real Time |
| ('07年 UK FIE)2CD-8曲/70'12+6曲/58'38 バントン/エバンス/ハミル/ジャクソンの再編VDGGによる半年間のライヴツアー初日にあたる2005年5月6日の19時43分から22時08分(スリーブに書いてある)ロンドン・ロイヤルフェスティバルホールでのライヴ盤2CD。ミキシングの担当が何故か?バントンなのはハミルがソロ新作に専念していたためかしら。バンドの登場から退場まで、途中のMCを含みほとんどノーカットで収録されているように聴こえる。注目の選曲は、ゴッドブラフのオープニング曲であるアンダーカバーマンに始まり、ワールドレコードのエンディング曲ワンダリングで終わる。'04年録音/本ライヴの直前に発売されたスタジオ盤新作「Present」からの収録は2曲のみに留まり、ほとんどが30年以上前の曲ということになっている。新曲の多くをバンド側で育てようという意思がないことが伺える旧曲中心のこのセットリスト正直残念な思いの方が強い。聴き手側の思いは人それぞれだろうが、私自身は回顧的・同窓会的なVDGGなのであれば、BOX-SETに始まった一連のリマスターや、まさに当時「リアルタイム」でのライヴ音源のリリースでもう十分、というのが率直な気持ちだからだ。本CDの半年後'05年11月のライヴはドイツのおなじみの音楽番組ロックパラストで放送されており、ハミルへのインタビューを含み計59分のパッケージですでにブート等で出回っており、私もすでに見ている。再編ツアーからのパッケージ商品であれば、ブート対策という意味でも、またVDGGのライヴ映像はまだまだ限られているという観点からもDVDが先行されるべきだったのではないかと思うのだが。 とは言え、いったんCDを聴き始めると、いやがおうにもこの四人の演奏には引き込まれてしまうのは、長年のファンの性だし、そもそも旧曲であっても同窓会的ななごやかさは薄い。オープニングの拍手や観客のヤジ、ハミルの曲間のMCまで収録されたステージの完全版のような構成を、しっかりした音質で聴けるのだから、すでに何公演かはブート/ネット流出しているオーディエンス録音での再編ライヴ音源を聴くことに比べれば、格段に感じるものは大きくなる。オープニングから数曲はアンサンブルという観点からはバラバラ、ハミルがエレクトリックgを持ったD1-M5レミングスあたりから持ち直すが、最後まで結構危なっかしい反面、ソリッドでまさに「ヴァイタル」なロックバンドとしての緊張感は今なお健在だ。前述のロックパラストの演奏は半年後のツアー最終段階なので、演奏のまとまりとしては格段に良くなっているわけだが、あえてライヴCDをこのツアー初日だけで構成してきたのは不完全であることでのより強い緊張感の創出効果を狙ったものだろうか。何度かロックパラストと本作は聴きくらべたけど、演奏としては一長一短だと思うので、噂されたような本CDとロックパラストDVDのカップリングでリリースされたほうが確かにバランスとしては良かったのかも。 '05年11月に終わった再編ツアーは、ジャクソンの脱退という残念なニュースを挟み、バントン/ハミル/エバンスという過去の歴史上にも存在しなかったトリオ編成がすでにスタートしており、ハンドのHPには4-6月の勢力的なツアー日程がアナウンスされている。ジャクソンの不在は寂しいがバンドとしては旧曲のアレンジにおいても劇的な変化を強いられるわけであり、このトリオ編成でのCD/DVDの早期リリースは強く望みたい。[2007/03/22] |
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| HATFIELD AND THE NORTH - Hattitude ★★★ |
| ('06年 UK 自主?)21曲/58'45 公式アーカイヴ音源シリーズ第二弾はピップ・パイル追悼盤としてのリリース。コンセプトとしては前作同様、ブートでおなじみのBBC放送音源と発掘ライヴ音源との組み合わせで、1st/2nd曲を混ぜ込んだものだが、ライヴの比率が高くなり、インスト場面で未発表曲と言ってもよいような自由度の高いパートがより多く聴かれるので、BBC音源はブートで既聴というファン層にとっては本作の方が発見があるものと思われる。ライヴ音源の音質補正も丁寧に行われているし、小曲をつなぎ合わせた編集も見事。純粋なアルバムとして評価した場合でもスタジオ盤1stは上回るかも?というくらいの素晴らしい内容だ。前作同様国内での販売価格は4千円超と高い(卸値が高いのだろう)が、私の買ったUK発売元?Web直販だと送料込みでも約3千円、かつ日本市場を意識したWeb通販サイトとなっているhttp://www.burningshed.com/index.asp?page=hatfield(紹介は英文だが金額は円で目安表示/クレジットカード決済は日本語のサービスを利用)ので、迷っている方にはお奨めしたい。[2007/03/22] |
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| NINE HORSES - Money For All |
| ('06年 日本P-VINE \2,100)8曲/44'41 デヴィッド・シルヴィアンが昨年新たに立ち上げたポッププロジェクトの早くもリリースされた第二作は、新曲数曲と前作のリミックス数曲を組み合わせたミニアルバム(と言っても40分超のボリュームあり)という中途半端とも取れる構成。なのだが、フルアルバムとしてのメリハリみたいなものを意識していないためか、むしろ統一感のある仕上がりになっている。楽曲構成プロデュース器楽におけるパートナーには曲によってスティーブ・ジャンセン or/and バーント・フリードマンを起用し、演奏にもゲストを多様。私としては個人的に大好きなソロ時代初期のポジションにかなり立ち戻り、サウンド的には自前のスタジオ所有の効果もあってか現代的な音響ポップ要素を整理の行き届いた形で取り入れているという内容。ここ数年のソロ名義作ではあまりにもワビサビ過ぎてついて行けない部分を感じていた私だったのだが、このユニットは安心して楽しめる。女性ゲストヴォーカルがかなりの導入されており、デビシルのvoがあれば不要では?と最初は思ったのだが、ちょっとデヴィッド・リンチの映画音楽っぽいシュールな妖しさで別の魅力も生み出しており、これはこれで評価できる面もあり。[2007/03/22] |
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| SALLE GAVEAU - Alloy(サル・ガヴォ-アローイ)★ |
| ('07年 まぼろしの世界 \2,625)9曲/55'30 ライヴ会場で購入したデビューアルバム。そもそも私はちゃんとピアソラやタンゴを聴いておらず、これまで多少接したのはリーダー格の鬼怒gがかつて参加していた小松亮太タンギスツ(CD数枚+ライヴも見ました)やアルゼンチンの現代タンゴの旗手フェルディナンド・オテロ関係の数枚くらいなので、あんまりボキャブラリーのないジャンルです。 参加メンバーは鬼怒よりも一回り若い世代ばかりで、喜多直毅(vln)、佐藤芳明(アコーディオン)、鳥越啓介(コントラバス)、林正樹(p)。楽曲はすべてオリジナルで佐藤と林が1曲ずつを提供している以外は鬼怒の作曲。タンゴへの正攻法なアプローチと、タンゴの部分的な引用と、表面的にはあまりタンゴを感じない曲とが1/3づつくらいだろうか。異色なのは、ボンデージフルーツ時代に演奏されていた「パレード」の収録。先日のライヴのMCでは「タンゴを意識して(誤解して)初めて作った曲」というようなコメントがあったのだが、どこがそうなのか、私の感性では正直よくわからず、いかにも鬼怒らしい意外なリフの印象が魅力的な曲としか聴こえない。鬼怒の意識でのタンゴとは表面的な聴こえ方ではなくて深いところで作用しているということなのだろう。 ライヴの印象とは異なりCDではコンパクトに楽曲がまとめられているので聴きやすい仕上がりになっている曲が多いが、10分を超える4)10)の2曲では、展開部やソロパートもたっぷりとられ鬼怒のgもエレクトリックでレコメンもしくはチェンバーロック的な風味も加わり特に引き込まれる。バンドとしての今後の展開はもちろん、参加メンバーのそれぞれが今後の核となり広がりが生まれそうな、嬉しい予感を感じさせてくれる勢いある作品。[2007/03/22] |
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| LIVE:SALLE GAVEAU(サル・ガヴォ) 3月11日 アサヒ・アートスクエア |
| 結成以来気にはなっていたユニット、ようやく初めてのライヴ体験である。鬼怒無月のリーダーユニットだが、メンバーは鬼怒に比べるとおそらくは一回り若い世代ばかり、ギター、アコーディオン、ヴァイオリン、ピアノ、コントラバスという、鬼怒がかつて参加していた小松亮太タンギスツやピアソラユニットとも同じ現代タンゴではオーソドックスな?5人編成。過去のリーダーユニットにおいても類型的なパターンからの意識的な逸脱を図る志向の強い鬼怒が、タンゴをモチーフにどのように「変えて」くるものなのか期待度は高かった。 この日は休憩を挟んでの2部構成、実質2時間のたっぷりとしたステージ。楽曲の一部は佐藤と林からも提供している他、多くの楽曲を担当する鬼怒の幅の広さは言うまでもない。正攻法のタンゴアプローチが半分くらい(それでも展開部のソロパートでの各人の外れ方はかなりのものだが)。残りの半分が全くタンゴから外れたモチーフだったりタンゴと別の要素を組み合わせたり(際たるものは後半オープニングの佐藤曲「タンゴとインド音楽の組み合わせ」)。 鬼怒のgはアコースティックの比重が思いの他低かったこともありジャズ・ロック、レコメン・チェンバーロック色も強い印象で、(4月のフランス遠征で復活RIOフェス参加がアナウンスされているという先入観もあるけど)曲によっては重々しいフレージングがプレザンのトリゴー親子を連想させるような場面も。ただし、総じては暗さが前面にあるわけではなく、チャーミングだったり叙情的だったりする曲も多い。フロントで目立つのはアコーディオンとヴァイオリンのやたらと艶っぽいフレージングでの絡み合いなわけだが、アンサンブルを支えつつ時に主導権も握るピアノとコントラバスも合わせ、5人全員が時にすさまじいテクニカルな局面も交えつつ、噛み合いと逸脱を意欲的に繰り返し、爽快感の残るステージだった。会場で1stCDも購入したので、これからじっくり聴きます。[2007/03/14] |
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| ('04年 フィンランドALBA)7曲/48'31 前述の「Unta」が良かったので前作にあたる本作を購入。こっちがユニット名義での1st。録音が'04年の1月、ヘドニンガルナの初期の歌姫Tell Turkkaが脱退後のソロ活動のパートナーであるLiisa Matveinenと共に一瞬ヘドニンガルナに復帰しすぐに再脱退した後の作品ということになるのだろう。Tellの1stソロ作タイトルをユニット名に使っているが、楽曲はTellとLiisaが半分づつ出し合っており、この段階では双頭的なプロジェクトか。編成はこの二人にさらに女声を二人加えた四人編成(2ndも同じ)。ほとんどの曲はアカペラのみで構成されており、カンテラなど最小限の器楽が入る曲も限られているのが次作「Unta」とは異なる。最終曲なんてアカペラだけなのに19分の長尺である。 とは言っても単にストイックなアプローチだけ、というわけではない。四声の役割をリズムとハーモニーまで含めて練りこまれたアレンジは素晴らしいし、北欧トラッドの枠を超えた普遍的なアミニズムだったりグレゴリオ聖歌的だったりの、正邪混在する宗教音楽の源流を追及する方向性が2/3くらいを占める。残りの1/3くらいは、単なる歌あそび的な世俗トラッドもしくは現代ジャズ的なヴォーカルアンサンブルでの、エンターテイメント的な部分も抑えているので決してマニア向けに限られる内容にはなっていない。次作に勝るとも劣らない傑作。[2007/03/11] |
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| Pauliina Lerche-Malanja(パウリーナ・レルヒェ-マランヤ) |
| ('07年 日本 ビーセクション \2,500)15曲/63'20 ライヴ会場で購入した作品、本国フィンランドでは'06年にリリースされている2ndソロ作の日本盤化。公式サイトhttp://www.pauliinalerche.com/で経歴を確認していたら、1974年生まれということはまだ32歳なんですね。ヴァルティナの初期メンバーということを聞いていたのでてっきり40代かと思ってました。ヴァイルティナに在籍していたのは中学生時代で、高校入学時に脱退、そしておなじみのシベリウスアカデミーを卒業後の'02年に1st「Katrilli」をリリース。これと前後して関連参加作品も多数、という方です。 日本盤化にあたってボーナストラックとして1stから4曲が追加された特別編集版、傾向としては(そういう選曲なんだろうけど)1枚のアルバムとしては全く違和感がない。彼女自身(及び妹のハンナマリ)の軽快なヴォーカル(コーラス)をメインにした歌モノが半分、彼女のアコーディオンを中心としたインスト曲が半分、という構成。プロデュースはギタリストであり夫のピーター・レルヒェが担当し、ほとんどの曲ではg、b、perが、さらに曲代わりでヴァイオリン、ホイッスル、ヴィヴラフォンが入ることも。真っ当な現代アコースティック・トラッド、かつ良い意味でのポピュラー音楽にまとめられた内容なのに(反則専門の私が)これだけがっちり聞かせられしまうことも珍しいくらい、丁寧に作られた文句のない作品です。[2007/03/11] |
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| LIVE:Pauliina Lerche(パウリーナ・レルヒェ) 3月3日 新宿PIT-INN |
| 2005年5月に続いてフィンランドのパウリーナ・レルヒェ(vo/アコーディオン/カンテレ)の来日公演(この間に出産があったとか)。ヴァルティナの結成時メンバーということで「暗黒要素なさそうなマトモなトラッドだから自分には関係ないかな」と思って前回見逃した私なのだが、評判が良かったようなので今回は行ってみたもの。で、結果は大正解。 前回はソロ演奏だったのに対し、今回は5人編成。帯同の四人はHannamari Luukkanen(ハンナマリ・ルーカネン*パウリーナの妹) vo/vln、Tuomas Logren(トゥオマス・ログレン) g/dobro、Jukka Kyllonen(ユッカ・キロネン) g/per、Timo Pekonen(ティモ・ペコネン) b。フィンランド・トラッドが基本となり、姉妹によるヴォーカル/コーラスはヴァルティナとの共通性もきわめて高いアプローチだが、コーラス入り曲が6割、トラッドに留まらない多方面の音楽要素を取り入れたインスト4割くらいの割合であり、ベース以外は曲により担当を換える結果きわめてバラエティ豊かで全く飽きさせない。特に民族衣装もあでやかなフロントの姉妹は器楽に専念する場面とコーラスとダンス場面とが混在、シャープな顔立ちのパウリーナとちょっとふっくらしてメガネの萌え系のハンナマリとのキャラ割りも良くて実にステージ映えする。二人のギターもツインgでキメの細かいアンサンブル場面と、持ち替えてドブロをスチールギター的に使ったり、また疾走インスト系では一人が民族per(何と呼ぶ楽器か不明:「イスみたいなもの」と「壷」)に回り加速度を高める。今回のメンバーは会場で購入した最新アルバムの参加メンバーとも2人が異なっているが、長年のレギュラーバンドのような噛み合ったアンサンブルだった。フィンランドのこのシーンも層が厚いんだろうなあ。アルバムの曲はHPでかなり聴けるので、興味のある方はぜひ http://www.pauliinalerche.com/music.php。[2007/03/07] |
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| COMBAT ASTRONOMY-The Dematerialised Passenger ★ |
| ('05年 英DISCUS)10曲/56'04 メシュガー/マグマ/ヘンリー・カウ/ディス・ヒート...連想するキーワードも一言では語れない多重的な構造を持つ音響ポストロックユニット。リーダー格James Huggettが基本バンドサウンドを構築しており、ドラムパートのきめ細かく展開する変拍子プログラミングとおそらく本職と思われるZeuhl調ベースによる重く暗くミニマルなリズムトラックに、エッジの効いたギターと細部まで配慮されたエレクトロニクスで重ねられるヘヴィ/インダリストアルなトーン、ここまでが一人多重録音。さらに曲によって管楽器中心のサポートメンバー3人(sax&バスクラ、バスーン、フルート)によるフリージャズ/現代音楽的な感触がシリアスなトーンを深め、この部分ではレコメンチェンバーな香りも強くなるので、私の狭いストライクゾーンがコンスタントに刺激される仕上がりとなっている。なお、バンドのHPでのニュースを見ると、Elaine Di Falco(Caveman Shoestore)とのジョイントもアナウンスされている。この音と歌モノアヴァンポップと結びつくことのイメージ湧かないのだが、今後のこのシーン?の核となってほしい存在。[2007/03/03] |
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| MATCHING MOLE - On The Radio |
| ('06年 英HUX)10曲/77'55 '94年にWINDSONGからミニアルバム的にリリースされた'72年7月録音「BBC Radio 1 Live In Concert」(5曲/25'22)の丸々再発に、'72年1月/3月/4月録音BBC音源(1曲はワイアットのベスト盤に収録されたが他は初出?)を組み合わせてフルアルバム化してのリリース。あるんなら最初から全部出してよ、と言いたいところですが。本作と'01年CUNEIFORMリリース「Smoke Singnals」で彼らの放送音源はほとんど網羅されたことになるはず。'70年代前半カンタべリー・ジャズ・ロックならではのモチーフにスタジオ盤とは異なるアレンジや展開が盛り込まれた演奏は、当然初出曲では聴き所が満載。フィル・ミラーは例によって?この時代から時々外しているし、ワイアットのドラミングも時々「あれ?」という場面もあるけど、マクレエとマコーミックの演奏はコンスタントに素晴らしい。中でも目玉は'72年1月シンクレア/マクレエのツインkey編成2曲18分。マクレエのエレピを得て自由度あるシンクレアのオルガンは、彼の演奏史の中でも最上級にランクされるのではないか。この部分だけでも買いなおす価値あり。[2007/03/03] |
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| ('06年 英HUX/日マーキー/ベル・アンティーク\3,000)2曲/58'42 その名の通り、'03年8月のSOFTWORKS来日に際し故エルトン・ディーンsaxとヒュー・ホッパーbの二人が、ホッピー神山key、吉田達也dsと東京で行ったスタジオ即興セッションから、31分/28分の2パートを抜粋収録。各パートはフェードイン/アウトみたいだし、いわゆる「曲」は全くない。リリースを前提とした録音ではなくて単なるリハーサルセッションだったのでは?と思われるような冗長さもなくはないが、オイシイところをうまく切り出しているためもあってか、総じて(正直あまり高くなかった)期待値は確実に上回るまとまりある展開とスリルが味わえる。相変わらずいつもながら力強い吉田と、特に前半戦でピアノ音中心で好サポートに徹している神山が、ディーンの充実した吹きまくり展開とホッパーの変化するリフの連続を見事に引き出している。SOFTWEORKSのライヴと言えばkey不在(サポートに回った際のホールズワースの能力不足)で不満を感じただけに、今更ではあるが、'03年にSOFTWORKSよりもこの編成でのライヴを見たかったと感じる。[2007/03/03] |
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| THE WORLD HERITAGE - Icomos |
| ('06年 日本P.J.L \2,625)9曲/76'43 このユニット名義での2nd...というか、元々1st自体が「是巨人(吉田/鬼怒/ナスノ)+ゲスト勝井」と「吉田/山本/ナスノ/勝井」の、直接的には関係しない2つのライヴの即興演奏部分をカップリングしただけのアルバムだったわけだが、本作は「1stCDのレコ発ライヴを'06年8月に東京(やっぱり是巨人+勝井)と大阪(こっちは変わって是巨人+山本)で行ったもの」&'06年10月に関係者五人全員参加のスタジオセッションをあわせたもの。 M1/M2が是巨人+勝井という、前作に引き続き是巨人の延長線上にあるというか吉田主導のインプロらしいというか「弾きまくり叩きまくり」なので、正直なところあまり新鮮味を感じない印象からスタートするが、勝井が山本に代わったM3で雰囲気ががらりと変わる。鬼怒・山本のツインgって、私自身はあまり記憶にないのだが、決して直線的にならないひねったモチーフの出し合い絡み合い。鬼怒・山本の二人が参加した6曲に注目して聴いていくと、新鮮な展開を有しつつ、しっかりと噛み合ったアンサンブルが楽しめる。期待値はかなり高いレベルでクリアー。[2007/03/03] |
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| ('06年 アルカンジェロ \1,575)4曲/22'43 '06年10月録音の4曲入り新作ミニアルバム。M4"Acid Rain"は旧編成の1stアルバム曲の再録だが、他の3曲は未発表曲、フルアルバムまで待たずに何故ミニアルバム形式のリリースとしたのかの意図は良く分からないが、ツチノコレーベルがディスクユニオンに合併?吸収?移籍?したことに関係しているのだろうか。 タイトル曲M1は桑原の作曲によるもの。高円寺百景時代からこの人の「やや和風なZehul」な楽曲にはハズレがないが、今回も親しみやすいモチーフと躍動感あるブイブイしたベースのリフがオープニングとしてフィットする。以降は暗黒が持ち味な荻野曲が続くが、M2"Anna"は口琴やリコーダーを加えたトラッドチェンバーアンサンブルな前半部から熱血暗黒度高く爆発する展開が見事、M3は前衛クラシカルなピアノとヴァイオリンのデュオ的な要素も強い正統派ゴシックホラー。M4は最初期の頃からのライヴ定番曲でもあり充実の現編成できちんとした録音で残されることは個人的にも嬉しい。と、全4曲、楽曲も演奏もきわめて密度高く充実しており、入門用にもファンにもお薦めできる内容(だけにフルアルバムまで熟成させても良かったようにも思うのだが)。[2007/03/03] |
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| ('07年 日本POSEIDON \2,625)9曲/48'53 '06年末録音、5thとか。g/synth、ds、b、女声voの四人編成。POSEIDONにレーベルを変えての初リリースだが、プログレとフォークサイケとオルタナティブが混在した微妙な音楽的スタンスは変わらない。むしろ一層ヴォーカルと日本語の歌詞を大切にし、フォーク色がやや増しているくらいなので、イメージとしては本作ジャケ写の仏像よりも、前作ジャケ写の赤が艶やかな着物姿の女性(ヴォーカルの人?)の方が、サウンドにはマッチしているように感じられる。海外でよりウケルのかな。[2007/03/03] |
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| DVD:GROBSCHNITT-LIVE AT THE ROCKPALAST 1978 |
| ('04年ドイツWDR)3曲/84分 *PAL インターネットにあった映像を見たものだが、ブートDVDでもかなり出回りはじめている様子。グローブシュニットと言えば私自身高校時代に'73年の1stと'74年の2ndを中心に良く聴いたが、3rd以降はファンタジー・シンフォ化してしまいいったん興味をなくしたものの、'78年に発売された「Solar Music Live」(録音は'78年4月)では強烈に再度惹きつけられた記憶がある。ジャケットのイメージのふくらみもあってぜひ映像を見てみたいと思い続けてきたバンドの一つだ。その後CD再発でLive音源も他のステージのものが各種リリースされているようだが、映像は公式リリースされていないと思われる。その中で本作はドイツの音楽番組ロックパラスト放送用のライヴとして'78年12月8日に行われたもの。かつ'04年再放送(デジタルリマスター?)からのDVD化であり、画質・音質的には文句のない仕上がりとなっている。。 M1)Jupp/Vater Schmidt's Wandertagは'75年「Jumbo」の、M2)Come on Peopleは'79年「Merry- Go-Round」収録曲のシンフォ曲。ジャケット写真でイメージしていたような強烈なパフォーマンスはこの範囲では皆無。メンバーのイデタチも、key奏者が白塗りのメイクをしているくらいで、当時のプログレミュージシャンとしては地味なくらい。サウンド的には今聴くとこってりとしたvoと、ツインg、堅実なkey、抑えたフレーズでも派手に聴こえるリズムセクション、単に「B級シンフォプログレ」で片付けてしまうこともできない当時ならではの魅力に溢れている。M3)で曲調ががらりと変わって待望の54分の"Solar Music"。メンバー5人は変わらぬイデタチでの演奏を淡々と続けるのだが、この曲になってようやく2人のパフォーマーが登場して、LPのジャケットにあったあのシーンをほぼそのまま再現してくれるのは感激もの。時期も近いのでサウンド的な展開はほぼ「Solar Music Live」に近いが、音だけだと冗長に感じた部分も神秘・魔術・ズッコケ的なパフォーマンスを伴うと説得力十分。[2007/03/03] |
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| ('06年デンマークGO'DANISH FOLK MUSIC PRODUCTION)15曲/50'03 トラッド通販ショップ「タムボリン」の「全暗黒トラッド・ファン必聴」というアオリにつられて購入したもの。実際の音としては私の音楽の基準からすれば暗黒一色ということはないが、決して明るくはない(ERP誌AVAN枠の明度/暗度のパラメータだと「7」くらい?)。ジャケ写真やバンドサイトの映像http://www.instinkt-dk.dk/を見る限りでは、女性三人(vln、ds/per、b)と男性二人(vla/ハーディガーディ、vln/g)の五人編成ユニットの新作2nd。 体の横幅は女性の方があるビジュアルなので、女声メインなのかと予想したらそうではなくヴォーカル入りの曲は数曲程度でほとんどはインスト。ベースのエレクトリックとアコースティックの使い分け、打楽器のドラムセットと民族perの使い分けはそれぞれ7:3くらい。楽曲はメンバーが持ち寄り、トラッドをモチーフにした陰影のある重いトーンは共通しているが、フロント3人の弦楽器のアンサンブルがトラッド的に真っ当だったりジャズロック的に見事に突き抜けたり、曲によっての変化のつけ方は見事。[2007/03/03] |
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| ('06年ベルギーWILD BOAR/APPEL)14曲/45'43 ホイッスル&パイプ、vln&per、アコギのアコースティックトリオ編成ユニットのデビュー作。スールディーンとは弱音器の意ですね。正攻法のケルト基調のトラッドで明らかに私の縄張り外、購入失敗かと思ったのだが、変にメロディアスすぎず、しっかりとしたテクニックとアンサンブル、中欧らしい深みやちょっとしたスパイスはあり、絶対評価としては十分に楽しめる。私の能力ではあんまり紹介する語彙がないんだけど、(良い意味で)技巧に走らないAUSIAというところか。興味ある方はバンドのサイトで試聴ください。http://www.sourdine.be/[2007/03/03] |
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| ('06年フィンランドZEN MASTER/ROCKADILLO)11曲/47'44 新作2ndだが私自身1stの存在に気が付かなかったこともあり、まずは情報の整理から。私がヨーロッパトラッド(のごくごく一部の反則技中心)を聴くようになったきっかけとなったのはなんと言ってもヘドニンガルナの3rd「Tra」('94年)に衝撃を受けたからで、この時期のツインvoの一人であるTellu Turkka(当時の姓はPaulasto)が脱退後?の'96年にリリースされたソロ名義作「Suden Aika」は私もリアルタイムで愛聴してました。彼女を含む4人のヴォーカル(Sannna Kurki-Suonio、Liisa Matvienen、Pia Rask)中心に器楽は女性民族perのみという編成だった。その後Telluはヘドニンガルナに復帰し'03年発表のベスト盤「1989-2003」収録の新曲2曲で自作曲も持ち込みLiisaとのツインvoでエレクトリック化の進みすぎたヘドニンガルナに新たな方向性を与え、新作を期待させたものの結局はアルバムリリースのないまま再脱退。TelluとLiisaはKatariina Airas、Nora Vauraを加えた四人の女声ユニットとして、ソロ作タイトルをいただいたSUDEN AIKAを結成し'04年に1st「Etsija」をリリース、で本作が'06年3月録音の2ndである。 四人の女声が主役であることは12年前のソロ名義作と変わらないのだが、完全なアカペラのみで構成されているのは数曲に限られ、メンバー自身がカンテレ、ウード、ハーディ・ガーディ等のアコースティックな器楽を加え、かつゲストper奏者がTelleとの共同プロデュースとしてもクレジットされているなど貢献度も高く、器楽の割合はかなり増して複数の器楽アンサンブルを有する曲が過半数を占める。曲調もM1-2の前半は優しさ&美しさを強調するもので表面的にはかなりとっつきやすい。作曲はメンバー四人が出し合いバラエティ豊か。単純明快軽快なコーラスワークの妙に堪能できる楽曲もある。 が、M3以降除々に期待通り&ジャケット写真のイメージ通りの世界がじわじわと浮かび上がってくる。表ジャケは黒い蝶、中ジャケは昼間の曇り空の寒そうな大地にパラパラと生える雑草、スリーブ見開きは夜の薄曇り空から見えるのは月か太陽か(見分けがつかない)、スリーブ表紙は焼けたばかりの炭、そして裏ジャケに微笑を湛えたややふくよかな女性四人のメンバー写真は暗い炭焼き小屋の中で撮られていて。。。といった単純明快な暗黒ではなく、陰影を湛えつつも妖しくて強く重い美しさは、ソロ作から10年の時を経て確実に広がりを見せる。北欧トラッドの奥深さと進化を改めて感じさせる傑作。バンドサイトで視聴可。[2007/02/19] |
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| LIVE:ROVO - 2月11日恵比寿リキッドルーム |
| 「結成10周年記念LIVE」と銘打たれたライヴ、なのだが私が最初にROVO名義のライヴを見たのは1996年9月7日の高円寺20000V(正確にはこの段階では"ROBO"/岡部不参加でツインドラムの芳垣の相方は宗修司)なので「11年目では?」と思っていたが、ステージ上での勝井のMCによると「このメンバー6人(勝井vln、山本g、益子key、原田b、芳垣ds、岡部ds)での(ROVOの)最初のライヴを恵比寿MILKでやってから10周年」とのことだ。1830開演のライヴだったがオープニングアクトは2ユニット。(後ろの方で見ていたので編成良く把握できておらず詳細は間違ってるかも)OLAibiは、ベース、コンガ系per3人、ガムラン系per2人で民族色が強く、続くOptrumはドラムと蛍光灯のデュオでノイズ色が強いが、いずれも音響トランスな雰囲気を盛り上げる、短時間ではそれぞれ聴き所ある好演。 で、メインのROVOは2000頃から2200頃までの2時間弱の演奏。イベント的な性格もあってか、まずは'90年代の曲から30分強、さらにゲスト扱いで中期メンバーの中西keyを加えて'02年の「Flage」収録曲、アンコールは最初期曲"Cisco"と'03年のオムニバス収録で私自身は初めて聴いた"Astrovo"という旧曲ばかりの異例のセットリスト。助走部分が少なくいきなり踊れて騒げる曲ばかりという、超満員のオールスタンディングという環境下で聴く分には正直ありがたいプログラムではあるのだが、最近のライヴでは必ず「次の展開に向けた実験? でもまだ消化不良だよね」みたいな曲があったのだが、そうした要素は皆無だった。ツインドラムと山本の高速カッティングのキレは終始素晴らしい。またツインkeyでスペーシーさと表現の幅の両方が広がったROVOの姿を久々に見れたことも嬉しい。良い意味で集大成的なステージには大満足。ただ、中西がこの日限りだとすると次はどうなるのかな。[2007/02/14*誤記訂正02/19] |
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| DVD:FLYING FOOD CIRCUS - Tour De Ville ★ |
| ('06年 スウェーデンBURLESCO)PAL-約120分 元サムラのドラマー、ハッセ・ブルニウソンの'02年ソロ「Flying Food Circus」の再演スタジオ収録DVD。CDでのメンバーはハッセ、ロイネ・ストルト(b/g)、マッツ・エーベリー(key)というスーパートリオだったが、本DVDのメンバーはロイネが2曲でg参加している以外はがらりと変わり、Erik Lidholm(key)、Bobbo Andersson(g)、アンサンブルニンバスのリーダー格でもあるHakan Almkvist(b)の四人。このメンバーでライヴをある程度は行った上での収録となったのであろうが、g/keyがうまくフロントを取り合った、まとまったバンドアンサンブルが展開されている。CDを曲順含めて同じになぞっており、音楽的には総じてCDと変わらないが、インプロ的なパートが長くなっているようだ。全12曲のうち1曲だけがCD未収録の新曲"Psycodelic Dance"。演奏画面にはダンスやジャグリングなどのイメージ映像がうるさいくらいに重ねられており、インプロ場面でも飽きさせない。 特典映像としては、ハッセのソロ&メンバーでの新旧の映像が(サムラを除いて)9マテリアル収められている。ソロ演奏やトルコでの現地民族楽器群とのセッション、フラワー・キングスやアンサンブル・ニンバス、また本作収録曲の別アレンジをバックにしたダンス映像など、画質が落ちるものも含まれるが、本編に匹敵する面白さを備え、総合評価としては「かなりお買い得」なDVDとなっている。[2007/02/11] |
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| ('06年 日FRAGILE ONLINE \2,500)14曲/68'40 '06年7月発売作品だが'05年3月発売の1stアルバム(CD+ソノシート!)と合わせてつい最近聴いたもの。KC/YES/GENESIS/イタリアンプログレを継承したモチーフをkey/g/b/dsのバンド形式で比較的正攻法に展開した1stとは2ndの雰囲気は大きく異なる。帯に「大人も子供も、お姉さんも楽しめる、ナンセンス児童音楽」とあるが、良質のオマージュ音楽集(コミケ的な)とでも言えば良いのだろうか。エンハンスドCD仕様で収められたPDFファイルに本人コメントで明記されている「参考にした曲」は、Bruford/Stewart、J.A.シーザー、MAGMA、KENSO、フォーカス、所ジョージなど。演奏は下田とドラムの後藤以外は曲代わり、壷井vlnやテルミン、オンドマルトノ、ヨーデル歌唱などの飛び道具が満載。中でも強烈なのは4曲で参加している杉並児童合唱団で、直接的にシーザーのオマージュ曲でも使われいるが、ハイライトは8)の"ハマタイ"。MAGMAとというと本家側でも「Baya Yaga La Sorcire」('95年)プロジェクトでの"MDK"があったが、あのような素朴なアプローチとは異なっていて、プロとして確立された杉並らしい持ち味?を引き出すアレンジがなんともチャーミング。ジャパニーズアニメの挿入歌/間奏曲的な観点でも好曲と思うので、ぜひどこかで実際に使って欲しいものだ。後半にはシリアスなインプロセッションを20分程度挟みつつ、メロトロンソロでの君が代で終了、の後にさらに楽屋での雑談が10分弱収められている、というちょっと常識では考えられない編集がなされたアルバムではあるが、面白さという点では満載。HPでは各曲1分程度試聴できるので、若干なりとも興味もたれた方はぜひ聴いてみて。http://www.fragileonline.com/shinsekai.htm[2007/02/11] |
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| PETER HAMMILL - Sigularity ★ |
| ('06年英FIE)9曲/44'39 昨年末にリリースされた2年ぶりソロ新作。'06年1-8月の録音。ゲストなしでハミル単独での多重録音ということで、内省度が高くなりすぎて私の好みからはやや外れる傾向がある...という過去作品の先入観を覆す意欲的な内容に仕上がっている。インパクトの強さは近年屈指。聴いた後の印象としてまず連想したのは「In Camera」。表面的なアプローチはすっかり異なるのだが、内省/激情、アコースティック/エレクトロニクスとの拮抗が織り成す緊張感という点で共通したものを感じる。当然のことながら、'04-05年のVDGG再編(と挫折?)が様々な側面で刺激を与えているのだろう。 ピアノorアコギ弾き語りを中心とした近年の作品同様の印象を受けるものは1/3くらいで、多数の曲はエレクトリックギターとリズムがしっかり入ったロックバンドサウンドが基本となっている。再編VDGG「Present」に収録されておかしくない曲もあり。ソロ名義作としてもManny Elias(ds)とStuart Gordon(vln)が加わってしかるべき構成とも思うのだが、あえて一人での作業にこだわらせたのは、これもVDGG再編の反動ということなのかもしれない。今更言うまでもないvo/g/pの凝縮された緊張感に、これまでのハミルのセルフプロデュース能力では釣り合うことの少なかった打ち込みのリズムやエレクトロニクスが見事に拮抗し、トータルでの凄みをさらに高めていることは特筆したい。 ソロとVDGGとの間で刺激を受けつつモチベーションを高めてくれる状態はファンにとっては待望とも言え、本年はすでに4月にハミル/バントン/エバンスのトリオ編成での再編第二弾VDGGライヴが予告されているhttp://www.barbican.org.uk/music/event-detail.asp?ID=5243。なんとか次回の来日までVDGGを続けてほしいものだが。[2006/02/03] |
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| LIVE:OUT TRIO 1月27日六本木STB139 |
| テリー・ボジオ(ds)、アレックス・マクヘイサック(g、今回の公演のチラシではマハチェクと表記されていた)、パトリック・オハーン(b)のトリオで'02年に行ったライヴがDVDリリースされているOUT TRIOは、ベースをダグ・ランに交代して活動を継続していることが伝えられていたが、新メンバーでの待望の来日公演。東京では金曜夜、土曜の昼・夜、日曜の夜の4回公演で、私は一番空いているかと思って土曜の昼に行ったのだが、それでもちょうど超満員というところ。休憩なしで2時間弱を一気に聴かせる密度の濃いステージだった。 ボジオはジェフ・ベックのサポート以来18年ぶりの来日ということだが、私としては'79年UK以来なので28年ぶりに見ることになる。近作DVD(トスカ・ストリングスやDRUM PADでのチャド・ワッカーマンとのデュオ)でおなじみの巨大なドラムセット(と言ってよいのかどうか...)にまずは圧倒される。タムもシンバルもゴングも全てがメロディを奏でられるようにチューニングを変えて並べられ、通常のロックドラミングとメロディアスなドラミングとが楽曲の進行により交互に織り交ぜられつつ展開される。 で、個人的にボジオ以上の注目はマクヘイサック。そもそもこのユニットのメイン・コンポーザーでもあり、MCもボジオと交互に担当していた。ただし演奏中はDVDでの印象通りなのだが、超絶的な演奏をこなしながらこれだけ体の動きが少ない人も珍しい。ステージ上でのたたずまいの地味さはホールズワースを上回るかも。ただし演奏はホールズワース+αであることは期待通り。ポイントでのテクニカルな早弾きだけでなく、ボジオがメロディアスなタム回しを始める際のバッキングの的確さや、ドローン的なギターシンセ音の付加を含めて、これからのジャズ・ロック界のキーパーソンとしての資質は出音では見事にアピールしてくれた。ベースのランも、DVDでのオハーンと比べると格段に積極的で、サポートメンバーという枠は完全に超えている。 演奏曲は半分以上は既発表曲だと思われるが、さすがにマクヘイサックの新作「Sic」収録曲では音数の不足が気になる場面もなくはなかったのだが、OUT TRIOのDVD既発表曲演奏での好感度は確実に高まっていた。このツアーそもそも「レコーディングツアー」と銘打たれていたのだが、ステージ上ではカメラは目立っていなかったので、映像ではなくてCDリリースのつもりなのかな? 個人的にはやっぱりボジオのドラムは映像で再確認したいのだけれど。[2007/01/29] |
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| JAKKO M.JAKSAK - The Brulsed Romantic Glee Club ★ |
| ('06年UK-ICENI)2CD-11曲/52'11+8曲/35'21 久しぶりのソロ新作。本編にあたるDISC1はGavin Harrsion(ds)など過去からのおなじみのパートナーに加え、フリップ、コリンズ、マクドナルドのクリムゾンメンバーや、デイブ・スチュワートまで含んだ曲変わりの豪華ゲストをバックにした歌もの。ちょっと前のデヴィッド・シルヴィアンに近いような静謐なアプローチとカンタべリー風味ながら現代的なアヴァンポップ基調のものとを混在させ、しっかり仕上げられたアルバムとなっている。 DISC2はやや短めでボーナスディスク的な扱いのカンタベリー/レコメン/KCのカヴァー集だが、しっかりと作りこまれた完成度はDISC1に匹敵するが、アプローチが異なるので、別ものとして楽しめる。メンバーがさらに興味深いものとなり、ソフトマシーン曲の1)のメンバーはホッパーb、スチュワートkeyにデイブ・ブルックスds(元EGG)とこれでちゃんとフルアルバム作ってほしくなる面子での素晴らしい演奏。と続く2)のKC"Picutures Of A City"はコリンズのsaxをフィーチャーしつつもタブラ奏者を加え自身もシタール中心のインド音楽バージョンはKCカヴァーとしてはCGTの「21世紀のズンドコ節」に匹敵するモンドさ。もう1曲のKC曲"Island"はスチュワートkey、ダニー・トンプソンb、コリンズfl/sax、イアン・ウオーレスdsでこっちは真っ当な名演となっている...という具合で各曲で新鮮な驚きに満ちる。2枚ともに期待値以上の出来。[2007/01/20] |
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| ('06年日ROVO organization \2,940)55'44 スタジオ新作。ライヴでは聴いたことのある大曲の全1曲(トラックは3パートに分けられてはいるが)でのアルバム化であるが、ライヴの印象よりも格段に良い。オープニングから40分過ぎまでは、ミディアムテンポ中心、ギターのカッティングとツインドラムの抑制の効いたオカズ、控えめなkeyの変化、中心軸として安定したベース、というような渋いバック陣の上に、気持ちよさそうな勝井のゆったりとしたvlnのフレーズが続く。トランス要素を抑制したこれまでにあまりなかったパターンの絶妙な心地よさが、各器楽の細かい変化が聴き取れるスタジオ盤でより引き立っている印象だ。ラスト10分くらいは除々に疾走して全開となるいつもの盛り上がりで大団円となる。ROVOならではの魅力をしっかり維持しつつ成熟も感じさせるアルバム。[2007/01/20] |
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| ('06年アルカンジェロ\2,625)12曲/53'43 1stでもライヴでも良くも悪くもバランスを欠いたところが個性だと感じているユニットの2nd。p中心のkey、g、dsのトリオで、楽曲/テクニカル/アンサンブル的には申し分のない正統派のクラシカル要素も織り込んだジャズロックは、インストの範囲では素晴らしいまとまり。本作でもその完成度は一層高まっている。その反面でvo/choが入ると意識的なのか単なる趣味なのかパンク的になってきて妙な違和感が出てくる。本作では(ライヴでもおなじみの)メンバーの楽器持ち替えや、特にオチのない日常会話といった「外し」の要素まで盛り込んでアクは強まっているが、その強まりすぎが楽しめるかどうかは評価が分かれるのでは。[2007/01/20] |
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| ('06年リトルモア \2,500)11曲/74'09 06年3月の演奏からセレクトされ、既存曲と新曲が混在したライヴ集だが、いつの間にかかなりのメンバーが変わってしまっており、雰囲気としては新作に限りなく近い。本作での編成は大熊cla、太田vln、川口sax、佐藤accordion、桜井g、関島tuba、吉田ds、こぐれチンドン。テクニカルチェンバージャズロックとチンドンクレズマーとを融合させた、その筋の音楽の発展継続形としては正しい歴史を積みかねていると感じる。表現力を広げながらもフォークロア的な猥雑なパワーは失わないという、初聴者向け入門用としても適切な出来。[2007/01/20] |
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| ORESUND SPACE COLLECTIVE - It's all about delay ★ |
| ('06年スウェーデンTRANSUBSTANS)2CD-8曲/76'35+4曲/79'09 スウェーデンを本拠とするバンドの06年3月録音新作2ndらしい。バンドのホームページhttp://www.oresundspacecollective.com/の表紙にはTotally Improvised Space Rock!とあり、正式メンバーはg×2、b、ds、key×3とクレジットされている。オズテンと共通するような現代的な疾走感覚と、スウェーデンサイケ伝統?の(あんまり詳しくないけど最近のTHE SPACIOUS MINDやHIDRIA SPACEFOLKとは共通項多い)即興重視のダラダラしたタレ流し感覚とが面白いバランスでブレンドされている。key3人も音色がタイトなエレピとスペーシーな効果音中心のシンセとオルガン音が目立つノードリードといった具合で役割分担されて、それぞれが前面に立ったり脇役に回ったりを繰り返し終始適度なバランスを保ったアンサンブルをキープ。ギターやリズムセクションも基本的にはタイトな役回りでポイントで急加速。といった具合で、長尺曲の展開を飽きさせない。 前述ホームページからのリンクでアルバムの視聴ばかりか、多くのライヴ音源(2or3CD相当のフルステージ!)のダウンロードが出来るので、興味ある方はぜひアクセスいただきたいが、聴いた範囲ではライヴだとタレ流し過剰、CD作品としては本作の方が格段に(これだけの長尺ながらライヴに比べればはるかに)まとまった良い出来。[2007/01/20] |
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| ('06年仏EX-TEXSION/日SEVENTH JAPAN \2,835)10曲/55'45 まもなくリリースされるらしいChistian Vanderへのトリビュートオムニバスアルバムの中で、MAGMAのミキサーであるFrancis LinonとStella Vanderとの息子であるMarcus Linon(ds他)のソロプロジェクトの「KRAMUS and co」の"Zombies-Ghost Dance"がネットで全曲公開されており一部の筋では話題になっているhttp://myspace.com/kramusandco。 ということで興味を持ったMarcusがdsのメンバーとして参加しているバンドのデビュー作が昨年秋国内流通盤でもリリースされていた(ERP誌でもHR/HM枠でのレビューだったので気がつかなった)。vo/g、g、b、dsの四人編成で楽曲クレジットからするとリーダー格はvo/gの様子。ゲストクレジットではStella(p/vo)が3曲で、(Didieの娘!)Sarah Lockwood(vln)が1曲で参加しているあたりが注目か。ジャンル違いなので評価する適切なボキャブラリーを持たないが、切れ味も良くかつメロディラインの多くにはアラブっぽい香りもあるところが、フランスの今時のHR/HMらしさなのだろうか。繊細なvlnが加わる曲では良く出来たハードシンフォ風のまとまりも見せる。なお、上記サイトではこのバンドのビデオ映像も見れ、CD以上にカッコ良い。[2007/01/20] |
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| YUGEN - Labirinto d'acqua |
| ('06年イタリアALTROCK)14曲/50'24 全く予備知識なく購入したイタリアの新ユニット。国内流通盤での唄い文句からはシンフォのジャンルのようで、自分の好みからは外れているようにも思えたが、実際に聴いてみての印象ではかなりフィットする部分が多かった。クレジットされているメンバーはチェンバージャズロックオーケストラ編成状態の計14人。リーダー格は作曲を担当するFrancesco Zago(g)か。有名ところでは、STORMY SIXのTomaso Leddi(マンドリン/リュート) やおなじみDave Kerman(ds)といったところが目に付く。録音担当はこれもおなじみのUdi Koomran。クラシカルなピアノソロに導かれるサウンドは、現代音楽をベースにしたような(実験映画や前衛ダンスのバックが似合いそうな)オーケストレーションされたチェンバーロックが中心軸にある。曲によって大幅に変わる編成に合わせ、ジャズロックだったり、シンフォニック(私の許容範囲内)だったり、米西海岸風レコメンだったりという味付けが変わっていくが、軸も味付けもいずれも高水準に仕上がっているため、アルバムとしての流れも申し分ない。[2007/01/20] |
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| DVD:UZ JSME DOMA - Live At Archa/Pudding Ducumentary ★ |
| ('06年ハンガリーINDIES MG)2DVD 先日POSEIDONから「Live in Tokyo 2003」がリリースされたばかりのUJDから、たて続けてのDVDリリース。ただし本作はPAL仕様のみ。DVD1は05年10月プラハでのライヴステージを収録。来日公演とは編成も会場もカメラも圧倒的に大掛かりになっており、かなり異なる印象を受ける。前半部はメンバーのコスプレがあったり二人のsax奏者が加わったりの演奏。後半部は合唱団を加えてのもの。正式メンバー4人(vo/g/key、g、b、ds)が支えているレコメンパンクロック的な本質は変わらないのだが、当然ジャズ寄りになったりクラシカルになったりの表現の多様さが、来日ライヴや既存スタジオ盤CDにはない面白さとして感じられる。 DVD2はバンド発足当時から今に至る歴史をつづったドキュメンタリー。英語字幕付きの設定は可能。バンド自身が現代チェコアート/アニメシーンとも関係が深いだけに、イメージ映像(多くが動く絵本により構成)、インタビュー、80年代後半から現在に至るバンド及び関連・周辺のチェコ・パンク〜オルタナティブシーンのライヴ映像といった具合でこちらも密度は高い。日本語字幕のないドキュメンタリーなんて、英語の苦手な私はまずちゃんと見れないのだが、本作に限ってはかなり楽しめた。 |
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| DVD:THE DRUM PAD'S 20TH ANNIVERSARY SHOW |
| ('06年USA ALTITUDEDIGITAL)2DVD-約3時間45分 米のドラムショップの20周年イベントとして行われたというライヴイベントの映像。DISC-1の冒頭が目玉格のテリー・ボジオとチャド・ワッカーマンのデュオで、ワッカーマンのセットも通常のドラムに比べれば3倍くらいのにぎやかなものなのだが、ボジオのはいつものような超巨大要塞のセットで、過去のDVDで見慣れているとは言え、改めて圧巻。約50分のインプロ的なデュオセッションなのだが、なにせ音程豊かな両者のセッティング故、ドラムデュオとは思われないメロディのアンサンブルも加わり、音楽的にも結構聴ける。 で、各種紹介はこのデュオに集中しているキライがあるが、他のユニットも豪華、かつバラエティに富んでおり、実は結構幅広い層にアピールできる内容に仕上がっていた。ドラムソロ演奏は高速パワフルなロック系のマイク・マンジーニとジャズ寄りのジェフ・ハミルトンの2つ。スティーヴ・スミスds&ザキール・フセインtablaはsax/g&sitar/bを加えたバンド編成でインド音楽ジャズフュージョンを。ロックフィールドのテクニカルドラマー、ジミー・チャンブランとマイク・ポートノイはそれぞれb/gを加えたトリオ編成で見事なインストテクニカルハードプログレ?を展開する(すいませんが縄張り外なのでボキャブラリーがありません)。 このレーベルのDVD、いずれもカメラワークも丁寧で良い作りなのは好感が持てる。[2007/01/13] |
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| DVD:DEMETRIO STRATOS - Suonare La Voce |
| ('06年イタリアCRAMPS)約60分 デメトリオの初の正規盤DVD? もちろんPAL仕様です。本作70年代に正規盤ビデオとして出ていたような気が、当時は自宅でPALのビデオを見る術がなかったため、変換されたブートビデオを借りてちょこっと見たけど画質悪くあまり記憶に残っていない。よってDVDはかなり期待して購入。デメトリオのソロ・ヴォーカリゼーションのライヴ映像は断片的に散りばめられているが、全体の中ではごくわずかで、中心はインタビュー。それも本人ではなく、おそらく当時の関係者のもの。かつもちろんイタリア語。英語字幕もない。という仕様では正直お手上げの本編約60分。DVD化にあたり新しいインタビューなどを加えて追加されたと思われるボーナストラックにはRock'n Roll Exhibition(トファーニ/パガーニ/デメトリオのプロジェクト)の紹介エピソードもあるが、リアルタイムのマテリアルは写真と既発音源のみの様子。既発のAREAのブートビデオからすればそれなりのマテリアルがあるはずなので、ある程度の収録は期待したのだが、結果としては完全に期待外れ。少なくともイタリア語のヒアリング能力がないと余程のファンでも辛いのではないかしら。[2007/01/13] |
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