スノーホワイト 〜君に舞う雪〜
| 梅たんの読みきり、別の意味でショッキング…かも(w ヤングアニマル増刊号「ヤングアニマルあいらんど」に掲載された梅たんの読みきり「スノーホワイト 〜君に舞う雪〜」。今週はわー太…というかバンチがお休みですから、せっかくだからコイツを取り上げちゃいましょう。 時は21世紀半ば。冠雪(かむりゆき)高校というちょっと変わった高校がありました。中でもここのメイド科はなんと制服がメイド服。清楚で可愛らしいその制服目当てに、この高校を選んじゃう女の子がいるほどなのです。そしてここにまたひとり、今日から冠雪高校メイド科の新入生となる女の子がいました――。 「でーきた!」
こんなカワイイカッコで学園生活を送れるなんて夢みたい(はぁと)」 鏡に映る自分の姿を見てすっかり悦に浸っているこの女の子は若木(わかぎ)ひより。今日から冠雪高校のメイド科メイド科に通うことになった女の子です。 授冠式(普通の学校でいうところの入学式のこと)に向かう為に初投稿するひよりたん。彼女の制服姿を見た道行く人がみんなひよりたんに注目しています。 (うっふっふー♪みてるみてる うれしい〜〜(はぁと) この制服って人気あるんだわー(はぁと)) すっかり上機嫌のひよりたん。両手を広げて花ノ木走りまでしちゃってます(w すると、草むらでこそこそしている人影を発見。声をかけてみると…。
「ねえどうしたの?どうしてこそこそ歩いているの?…あ!その制服…」 「すっすみませんっっ、い、一緒に冠雪高校へ行ってもらえませんか!?」 彼女の名前は紺野香寿美(こんの かすみ)。ひよりたんと違って制服を着ている姿をみんなに見られるのがとっても恥ずかしいようで、顔を真っ赤にあからめちゃってまつ(;´Д‘)ハァハァ…。 「え――っ、嬉しくないの?すごく似合ってるよ」 「そ、そんな、う、嬉しいです この学校入るの憧れでしたから ただ、見られるのってホント慣れてないんです…」 ついには泣き出してしまった香寿美たん。メガネのパーツが淳子たんと一緒なので何か同じようなニオイを感じてしまうのは筆者だけでしょうか(w 「ま!困ってる人は助けなくっちゃね」 心優しいひよりたんは、香寿美たんと一緒に学校に行ってあげることにしました。 授冠式が行われる冠雪高校の講堂にやってきたふたり。中はメイドさんの服を着た新入生でいっぱいです。メイド科だから当たり前といえばそれまでなのですが。みんなメイド服の制服がお気に入りらしく、どこもかしこもその話題ばかり。 「皆もあたしと一緒でこのメイド服の制服がすごく気に入ってるんだ シミひとつつけたくないってカンジ でも――アレ?」 「ど、どうしたんです?」 「確かに可愛いんだけど、何か足りないような――――?」 「ヘッドドレスですわ」 するとひよりたんにひとりの新入生が話し掛けてきました。
●冠雪高校では学年別に一年生を「初雪」、二年生を「細雪」、三年生を「白雪」と呼ぶ ●新入生の初雪は授冠式でヘッドドレスが与えられる ●学年によってつけるヘッドドレスは異なっていて、初雪がベビーホワイト、細雪がオフホワイト、白雪がパールホワイトをつける ●ヘッドドレスは先輩のお下がりなので、新入生の初雪は、去年まで細雪がつけていたベビーホワイトのヘッドドレスが渡される とまあ、こんな所です。巻き髪少女の説明をひととおり聞いたひよりたんは、目をキラキラさせながら…。 「そうやって代々受け継がれて行くのね、伝統ってカンジでステキー(はぁと)」 しかし巻き髪少女が欲しいのはどうやらちょっと違うみたいです。 「フン、私はベビーなんてどうでも良くてよ、欲しいのはピュアホワイトですもの」 「ぴゅあ?」 そうこうしているうちに授冠式がはじまりました。壇上にはとっても豪華で真っ白なヘッドドレスが運ばれてきました。 (なんてキレイなヘッドドレス、これ以上ないっていうくらい真っ白だわ あれをつける事ができたらどんなに嬉しいかしら――――) 「スノーホワイトですわ、あのヘッドドレスを授けられるのはただ一人“白雪姫”だけですのよ」 白雪姫とはメイド科の学生の中からただ一人だけ選ばれる「お姫様」。すべてに置いて一番である生徒にはスノーホワイトが授けられます。白雪姫になることは皆の目標であり、白雪姫は皆の憧れの的なのです。そして、本年度の白雪姫に選ばれたのは…。
白雪姫に選ばれた八重棚南風(やえなた はえ)たんの名前が呼ばれると、いっせいに他の生徒が立ち上がります。そして皆が見ている前でスノーホワイトを授けられる南風たん。 「本年度“白雪姫”勤めさせて頂きます」 全生徒から割れんばかりの大拍手が南風たんに注がれます。ひよりたんも「スゴイ、スゴイ、スゴーイ!!」と拍手を送ります。しかしそんな中、ひよりたんの前に座っている香寿美たんの様子がヘンです。息苦しいのか呼吸の仕方がちょっとおかしくなっています。 「ちょっと香寿美ちゃん?息苦しいの?」 「へ…ヘーキです き、緊張してるだけだから…」 そして白雪姫に選ばれた南風たんが、生徒ひとりひとりにヘッドドレスを手渡して行きます。名前を呼ばれた生徒がひとりづつ壇上にあがってヘッドドレスを受け取って行きます。 「白雪姫かぁー、いいなあ、あたしもあのスノーホワイトつけたいなあ」 「なれるワケないでしょう!!さっき言ったこと忘れたんですの!?」 夢見るひよりたんにキビシイ現実を突きつける巻き髪少女。またしても説明タイムです。 「そもそも姫は7人の小雪の中から選ばれるんですのよ、カンタンにはいきませんわ」 「小雪?じゃあ小雪にはどうやってなるの?」 「ふふん、アナタには関係ないでしょうけど、せっかくだから教えてさし上げます」 こうしてコンバット越前よろしく説明する巻き髪少女。小雪とは白雪姫自らが選んだ7人の生徒のことで、小雪には白雪姫から専用のヘッドドレス「ピュアホワイト」が授けられます。小雪になることは大変難しく、大変名誉な事なのです。 「ふうん…」(小雪かぁ…あこがれちゃうなー…) そして初雪にヘッドドレスが手渡される順番がやってきました。さすがのひよりたんも緊張の色を隠せません。 (もうじきあたしもあそこに上がって、あのお姫サマからベビーホワイトを貰えるんだわー) そして南風たんが香寿美たんの名前を読み上げます。しかし香寿美たんは椅子から立ち上がろうとはせず、ブルブルカラダを震わせて、おかしな呼吸を繰り返すばかり。そして次の瞬間…!! ガタ―――…ン 突然香寿美たんがぶっ倒れてしまいました。香寿美たんの呼吸はどんどん速くなり、非常に苦しそうです。香寿美たんのカラダを起こすひよりたんですが、突然吐き気をもよおしてしまいます。みんなが制服にかかったら汚れる、ということで袋を探そうと慌てる中…。「〜〜〜〜〜!!」 我慢仕切れず床に嘔吐してしまう香寿美たん。 「だ、誰か拭くもの持ってる?」 「えと、ハンカチ――」 皆が慌てふためくなか、泣き出してしまった香寿美たんを見たひよりたんは迷いも見せず―― 「香寿美ちゃんしっかり!!」 自らのエプロンを香寿美たんの口にあてがい介抱するひよりたん。予想もしなかったひよりたんの行動に巻き髪少女をはじめとする生徒たちはビックリです。 「何てこと…」 「せっかくの白いエプロンを…」 「う…ひより ちゃ ごめ…」 「何言ってるの!助けるのは当たり前でしょ!」 「で、でも制服が」 エプロンが汚れた事を心配する香寿美たんに、ひよりたんは満面の笑顔でこう答えます。 「洗えばいいのよ」 すると、これまでの様子の一部始終を観察していた南風たんが袋を持って香寿美たんを介抱する為に近づきます。 「私の声が聞こえますね?ゆっくりと呼吸なさい 大丈夫、落ち着いて」 こうしてひよりたんの介抱と南風たんの処置によって香寿美たんはなんとか落ち着きを取り戻しました。救急車に運ばれて病院へと搬送されていきます。救急車を見送るひよりたんに南風たんが声をかけてきました。 「渦呼吸です 呼吸がどんどん速くなり気を失ってしまいます 極度に緊張したのでしょう 大事をとって救急車を呼びましたがもう大丈夫ですよ」 「よかったあ〜〜 それにしても制服グチャグチャ、お母さんにさっそく怒られそう」 「あなた名前は?」 「あ、えと、若木ひよりです―――――え?」 そして、病院のベッドで横たわっている香寿美たんのもとへ、ひよりたんがお見舞いにやってきました。 「香寿美ちゃん!もう平気?」 「ひよりちゃん、あの…制服汚しちゃってゴメンね」 「いーのいーの、スペアあるし! ホラ着替えてきたよ」 「ひよりちゃん…―――あ!!」 そのひよりたんの頭には、なんと小雪のみが着用する事が許される“ピュアホワイト”のヘッドドレスがのっかっているじゃありませんか。 「ひ、ひひ、ひよりちゃん!そのヘッドドレス!!ピュアホワイトじゃない!! ひよりちゃん小雪になったの?」 「うん、あのね―――」 南風たんに名前を尋ねられた直後、なんといきなりピュアホワイトのヘッドドレスを授けられてしまったひよりたん。周りは騒然としています。ひよりたんは何がなんだか分からないで混乱していると、南風たんは…。 「ひよりさん、この白いエプロンは汚さない為にあるのではなく、使える人に染まる為のもの あなたの行いはとても立派でした 私、制服を一番汚した人を小雪にしようと決めてました」 自分の事を顧みず、香寿美たんを介抱したひよりたんの献身的な行為は、南風たんに大いに評価されたのです。 「今の心を忘れないで下さい、メイドという仕事は人に尽くす仕事なのです」 「はいっ!」 ひよりたんのもとを立ち去る南風たんに、大きな返事で答えるひよりたんでした…。 …というわけで、ひよりたんは入学初日からいきなり小雪になってしまいました。香寿美たんが祝福します。 「おめでとうひよりちゃん!! 小雪になれるなんてひよりちゃんスゴい!! ひよりちゃんならきっと白雪姫になれるよ!!」 「ホント!?よし、ガンバる!! じゃ、改めてよろしくね」 「こちらこそよろしくお願いします」 こうして手を取り合ふたり。白雪姫に選ばれるその日までハリキっちゃう事を誓うひよりたんなのでした…という所でこの読みきりはおしまいです。 いやあ、他の漫画だと女性のハダカとかセクースシーンとか顔面にあんかけぶっかけとかそんなんが描かれている雑誌で、眼鏡っ娘が嘔吐という別の意味でショッキングな展開。さすが梅たん…なのでしょうか(w なんか楽しんで描いてるなあ…という印象を受けました。万一コイツが連載される場合には香寿美たん萌えの方向で行きたいと考えているK・TOZAWAなのでした。 |